New York Days/Enrico Rava
ECM新譜聴き2日目で一段落。エンリコ・ラヴァと参加しているステファノ・ボラーニはイタリア人ですが、それにニューヨークのミュージシャンを掛け合わせてみた、というのがアルバムタイトルの趣旨でしょうか。とは言うものの、しっかりマンフレート・アイヒャーにプロデュースされているので、これがオスロのレインボー・スタジオで録音されたと表記があれば信じてしまうかもしれません。ただ、いつもよりはちょっと温度感が高めだったり、ビートがしっかりしている曲も一部にはあったりしたので、そこはアメリカ録音のなせる技かもしれません。ECMとしてはやや異色な曲もあります。ただ、基本はECMなので、メンバー買いして後悔する人も一部には出てくるかも。私は好きなんですが。
New York Days/Enrico Rava(Tp)(ECM 2064)(輸入盤) - Recorded February 2008. Stefano Bollani(P), Mark Turner(Ts), Larry Grenadier(B), Paul Motian(Ds) - 1. Lulu 2. Improvisation 1 3. Outsider 4. Certi Angoli Segreti 5. Interiors 6. Thank You, Come Again 7. Count Dracula 8. Luna Urbana 9. Inprovisation 2 10. Lady Orlando 11. Blancasnow
(09/01/31)2、9曲目のフリー・インプロヴィゼーションを除き全曲エンリコ・ラヴァの作曲。ニューヨークのアヴァター・スタジオでの録音ですが、ECMとしての温度感の低い、静かな基調のサウンドが漂います。ただ、曲によりほんのり温かかったり、テンポのいいものも。ブロウをしている場面も少しありますが、基本的に相変わらず湿り気を帯びた哀愁のトランペッターで、各楽器が繊細なメロディやフレーズを出しつつ、それに寄り添うように、時に緊張感をはらみ進んでいきます。インプロヴィゼーションの2、9曲目も、割と落ち着いたやりとりで、作曲されたようなまとまりも感じます。むしろ作曲された3曲目がアップテンポの4ビートも時にあり、活発にフリーのやり取りをしているようで面白い。6曲目は温かくて、4ビートもあります。
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TBさせていただきました。
臨時編成でありながらも、いつものラヴァのサウンドとほとんど変わらない(ように聴こえた)というのが、彼のカリスマ性なのか凄かったです。
個人的には苦手なポール・モチアンが、それほど癖が強くなくてホッとしました(苦笑)。
また録音もジェームス・ファーバーだけあって、さすがに素晴らしかったです。
ECMのNY録音は彼に任せておけば安心ですね。
投稿: nary | 2009/02/03 17:22
>naryさん
TBどうもありがとうございます。
アメリカ録音でもECMらしいと言えばECMらしいですが、一般にイメージされているレーベルとしての曲調からちょっと外れた曲もあったりしますね。
こういうところで、タイトルを「New York Days」ともっていったのかな、という気もしています。でもエンリコ・ラヴァはマイペースの人ですね。
投稿: 工藤 | 2009/02/03 17:33
いいアルバムでしたね。
もう1トラックくらい即興演奏があってもいいな、とあとから考えましたが、アルバムの構成も巧みだと思います。
トラックバックしますね。
投稿: けむ | 2009/02/03 19:39
>けむさん
TBどうもありがとうございます。
収録時間は確かギリギリいっぱいの70数分だったと思うのですが、もっと長くてもいいと思う展開でした。
マーク・ターナーもECMで録音すると、それっぽくなってしまうのだなあ、と改めて思いましたが、やっぱりプロデュースの力でしょうか。いい、という方が多いので、安心しました。
投稿: 工藤 | 2009/02/03 21:13
工藤さん,こんばんは。
私はRavaのファンなので,Ravaにはもっぱら点数が甘いと言われ続けていますが,このアルバムもいい雰囲気のアルバムでまたまた気に入ってしまいました。
ここまでくると完全に相性がいいとしか言えません。
TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2009/02/04 00:44
工藤さんにも、好評ですね。
ますます、楽しみ。
私、、ラヴァももちろんですが、ボラーニが楽しみです。
早く来ないかな。。
投稿: Suzuck | 2009/02/04 10:06
>中年音楽狂さん
TBどうもありがとうございます。
ラヴァの哀愁度が割と高く、ECMのサウンドカラーともマッチして、好きなアルバムの1枚になりました。
エンジニアリングの良さもあってか、あまりアメリカ録音ということを感じさせくて、それもプラスの方向に作用しているんではないかと思います。
投稿: 工藤 | 2009/02/04 10:35
>Suzuckさん
このアルバム、たぶんSuszuckさんにはピッタリハマるのではと思いますよ。周りを見ても、評価は高いですね。ちょっと地味かなあ、なんて心配してましたけど、そういうのは吹き飛んでしまいました。
届くのが楽しみでしょう。
投稿: 工藤 | 2009/02/04 11:05
いやいや、、やっぱり、面白かったです。
そして、ラヴァはもちろん、ボラーニの美意識もとてもよかったです。
ターナーとラヴァが重なると、とても素敵なんで驚きました。
確かに、結構、テンポよく、明るい曲もあって、、仄暗いアルバムだけど、、、聴きやすかったですねぇ。。
トラバしましたが。。。届いてますか?
投稿: Suzuck | 2009/03/04 17:17
>Suzuckさん
TBは、すいません、入ってませんでした。他の方でもあるのですが、入らないときもけっこうあるのですね。お時間あるときでいいので、再トライお願いします。
このアルバム、ラヴァのファンにもECMのファンにもフィットするようで、なかなか繊細かつ、時にECMらしからぬちょっと大胆な曲も入っていたりして、お気に入りです。一緒に出たキース・ジャレット・トリオのインパクトもなかなか強かったので、単独で出てくれた方が、うれしかったかもですけど。
投稿: 工藤 | 2009/03/04 20:09
やっぱり、ダメですかあ。
明日、もう一度、トライしてみますね。
投稿: すずっく | 2009/03/04 23:37
>すずっくさん
他の人でもTB入らなかった人がいらっしゃるので、すいません、これに懲りず、今後ともお付き合いよろしくお願いしますね。トライして入っていればいいんですけど。
投稿: 工藤 | 2009/03/05 12:48