The Third Man/Enrico Rava/Stefano Bollani
ECM新譜聴き。今回はこれ1枚だけですが、11月にはまたたくさん新譜が出てきそうです。今日のエンリコ・ラヴァとステファノ・ボラーニのデュオは、静かな曲が多いですが比較的聴きやすい面を持っているので、すんなりと入ってきました。ただ、ジャズ的なことよりもクラシック的なアプローチに聴こえる場面も多く、そういう点で聴く人を選ぶのでは、と思います。それにしても、淡々と弾いているように見えることが多いのに、ボラーニのピアノの表現力はスゴいですね。ホレボレしてしまいます。2人のやり取りも超絶技巧ではないけれどけっこう絶妙。あとはECMサウンドが好きかどうか、こういう特殊な編成が好きかどうか、かな。
The Third Man/Enrico Rava(Tp)/Stefano Bollani(P)(ECM 2020)(輸入盤) - Recorded November 2006. - 1. Estate 2. The Third Man 3. Sun Bay 4. Rotrato Em Branco Y Preto 5. Birth Of A Butterfly 6. Cumpari 7. Sweet Light 8. Santa Teresa 9. Felipe 10. In Search Of Titina 11. Retrato Em Branco Y Preto, Var. 12. Birth Of A Butterfly, Var.
(07/10/25)1、4、7、11曲目にアントニオ・カルロス・ジョビン作他のボッサがありますが、静寂性と温度感の低さで見事ECMの世界にハマッています。でも内省的だけれど聴きやすいほう。2曲目のタイトル曲は2人のフリー・インプロヴィゼーション。落ち着いたところから、アヴァンギャルドなフリー・タッチまで幅広い表現。Enrico Ravaの作曲が6曲、Stefano Bollani作が1曲と、主役はやはりラヴァの方でしょう。淡々と、そして静けさを基調にしながらクリアで豊穣、ところどころでドラマチックに盛り上がっていき、さすがECMと思わせるサウンド。それだけに聴く人を選ぶかもしれません。演奏にクラシック的な要素も見出せるし。2人のけっこう激しい面も見せている6、10曲目、ほんのり紅をさしたようなジャズの味付けのある7曲目。
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ラヴァ&ボラーニはジャズCDの個人ページBlogで知って、
ジョビンの「白と黒のポートレイト」を取り上げてるって?
こいつは放っておけねゑ(`・ω・´)!
と、買ったのだけど。
この曲大好きなのね。
さらにエンリコ・ラヴァも好きなラッパ吹きなの。
ピアノのステファノ・ボラーニは初体験でしたが、引き締まった感じと甘さの配分が程よくて、いい感じ。
ラヴァは今年ECMから2枚出てるけど、どっちもスウィンギーで、
このレーベルにしては温かみのある音楽になっている。
ECMは氷が肌に張り付いたときのよう... [続きを読む]
工藤さんの紹介を見て買いました。
ボラーニは初体験ですが、ぐっと来ますね。
特殊奏法を交えているのに、歌っているようなラヴァのトランペットにも聞きほれます。
TBされていただきますね。
投稿: ふりーきー | 2007/11/19 04:10
>ふりーきーさん
この2人の演奏、淡々としている場面もあったり、ECMらしくない場面もあったりと、退屈せず、興味深く聴けました。けっこういいですね。
ところでTBが入ってませんけど、時々入らないことがあるので、すいませんが、また時間があったらトライしてみてください。また貴ブログ文面に当方へのリンクがありました(ありがとうございます)ので、そういう時は逆トラバしないので、ご了承ください。
投稿: 工藤 | 2007/11/19 14:13