The Jewel In The Lotus/Bennie Maupin
今月紹介するECMの未CD化作品の再発2枚目。このアルバムはECMでは唯一ハービー・ハンコックが参加していて、その露出度もややあり、時にスゲー、というフレーズも垣間見えるのですが、キーワードは「流れていくような4ビートではないサウンド」なので、ハンコックを期待して買った人には少々肩透かしだったかもしれません。メンバーも、これだけ揃っていたらもっと発散する、それこそカッコ良いジャズができるのに、と思います。でも、この録音がECM流なんですね。ただ、ECM初期としては違和感なく聴けるこのアルバム、何で今まで廃盤になっていたのか、よく分かりません。そのメンバーのせいでしょうか。
The Jewel In The Lotus/Bennie Maupin(Reeds, Voice, Glockenspiel)(ECM 1043)(輸入盤) - Recorded March 1974. Herbie Hancock(P, Key), Buester Williams(B), Frederick Waits(Ds, Marimba), Billy Hart(Ds), Bill Summers(Per), Charles Sullivan(Tp) -1. Ensenada 2. Mappo 3. Excursion 4. Past + Present = Future 5. The Jewel In The Lotus 6. Winds Of Change 7. Song For Tracie Dixon Summers 8. Past Is Past
(07/09/29)全曲Bennie Maupinの作曲。ここにはオーソドックスな4ビートは出てこず、あくまでもECM流。ハービー・ハンコックの存在感がある曲も。流れていくリズムの上を、漂っていくメロディがもっとゆったりと流れていく1曲目、濃いアフリカン・ビートで自由なスペースの中をソロ楽器が自由に泳いでいく2曲目、ドローンのようなサウンドの中を呪文のようなものが漂っていき後半やや盛り上がる神秘的な3曲目、静かに寒色系で流れていくテンポのない4曲目、静かな場面から朗々としたサックスやエレキピアノなどを通して、あくまでもゆったりと進んでいく5曲目、ホーンを中心とした静かな小品の6曲目、ベース・ソロから、極めてスペイシーでゆったりした動きの7曲目、ホーンとピアノを中心に語り合うバラードでの8曲目。
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