The Carnegie Hall Concert/Keith Jarrett
ジャズファンというよりは、ピアノファン、いやキース・ジャレットのファンというのが幅広く存在する稀有なピアニストの、カーネギーホールでのコンサート。素晴らしいと思うと同時に、CDではあまりのめりこめない自分がもどかしく、ライヴの特にアンコールで2-3分にもわたって鳴り止まぬ拍手と歓声に、やはりそういう観客の境地に達するには現場にいなければダメだなあ、と思ったりもしました。やはりアンコールの拍手などを縮めずに収録して臨場感を出すにはDVDなどヴィジュアル系の方がよいんじゃないか、とも。自分の中ではこのアルバム、かなり評価は高いのですが、せめてCDではアンコールの間の場面、編集を加えてほしかったかなあ、とも思います。「マイ・ソング」は目玉なんですが、ちょっとヨーロピアン・クァルテットに比べて淡々としているなあ、という印象。確かに、コンサートの現場がスゴかったのは、録音から分かります。現場に立ち会いたかった(と言ってもアメリカですか)自分に少々後悔。
The Carnegie Hall Concert/Keith Jarrett(P)(ECM 1989/90) - Recorded September 26, 2005. - 1. Part 1 2. Part 2 3. Part 3 4. Part 4 5. Part 5 6. Part 6 7. Part 7 8. Part 8 9. Part 9 10. Part 10 11. The Good America 12. Paint My Heart Red 13. My Song 14. True Blues 15. Time On My Hands
最初の10曲が本編、5曲がアンコールという構成で、スタンダードはラストの曲のみ。短めの曲が多くなったけれど、それは長大な道のりの小休止ととらえた方がいい感じのドラマチックな盛り上がり方。やはりクラシック・現代音楽の影響も無視できない奏法かなと思います。深化してきたと共に、一見さんをはね返すような親しみやすさを排除している部分もある本編。出だしが特にその傾向は強いです。ただ曲を短くした事でコード一発や、クラシック的、フリー的、叙情的、カントリー的な表現への切り替えがうまくいき、うねりながら本編を進んで行き、アンコールへと橋渡しをします。鳴り止まぬ拍手と歓声。その後に淡々と、時に情感的に演奏する姿。13曲目の「マイ・ソング」がやはり白眉か。ライヴならではの盛り上がり。(06年9月29日発売)
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