Saudages/Trio Beyond
「トニー・ウィリアムスへのオマージュ」とサブタイトルにあります。トニーの’69年のアルバム「エマージェンシー」とも聴き比べをしましたが、トニーとジャック・ディジョネットを中心に聴き比べたところ、共通の曲も演奏してはいるものの、他の昔のメンバーもジョン・マクラフリンとラリー・ヤングでキャラクターが違うので、やっぱりドラムスもサウンドも別ものとしてとらえた方が良いくらい違うことが分かります。やっぱりここでのジョン・スコフィールドやラリー・ゴールディングスとのトリオは強力だし、音はECMらしからぬ、そして内容はECMらしい独創性のあるアルバムに仕上がったというところでしょうか。私的には今年のかなり上位にくるアルバム。
Saudages/Trio Beyond(ECM 1972/73) - Recorded November 21, 2004. Jack DeJohnette(Ds), Larry Goldings(Org, El-p, Sampler), John Scofield(G) - 1. If 2. As One 3. Allah Be Praised 4. Saudages 5. Pee Wee 6. Spectrum 7. Sven Steps To Heaven 8. I Fall In Love Too Easily 9. Love In Blues 10. Big Nick 11. Emergency
2枚組CDのライヴで、トニー・ウィリアムスへのオマージュとのこと。ラリー・ゴールディングスの作曲でやや叙情的な2曲目、トリオでのインプロヴィゼーションでミディアムの8ビート的なファンクのタイトル曲の4曲目と、渋めのブルースの9曲目の他は、トニー・ウィリアムスの曲(5、11曲目)や、ジャズメン・オリジナルが多く、ECMにしては温度感が高くハードなジャズの曲が多いです。ミュージシャンの露出度も抜群。1、10曲目あたりは4ビートのビンビンくるオルガンジャズを堪能できます。5曲目は静かな、そして盛り上がる場面もあるバラード。6-7曲目もなかなかスピーディーでスリリング。しっとりとした部分もあるスタンダードのバラードの8曲目。トニーのトリビュートに欠かせない11曲目はイェーイといいたくなる選曲。(06年6月7日発売)
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