Ojos Negros/Dino Saluzzi/Anja Lechner
今日はバンドネオンとチェロのデュオの作品の紹介です。ちょっと4ビートジャズからは離れた世界だし、チェリストの方はクラシックの方のようでもあるしで、ジャズのアルバムとして紹介するには腰が引けてしまうのですが、個人的にはインプロヴィゼーション(もっと説明を加えると、広義の意味でのアドリブ)があればジャズと認めていいと思っているので、これも入れていいでしょう、となります。寒色系の沈んだサウンドが続くので、BGMには不向きだろうなあと思うのですが、聴いていると不思議と心の中にしみこんでくるものがあります。どちらかと言えば、クラシックの鑑賞に近いような感じです。「ゆったり」「ゆっくり」がコメントに何度も出てくるのでちょっと陳腐ですが、これがピッタリ来るのかと。
Ojos Negros/Dino Saluzzi(Bandoneon)/Anja Lechner(Cello)(ECM 1991)(輸入盤) - Recorded April 2006. - 1. Tango A Mi Padre 2. Minguito 3. Esquina 4. Duetto 5. Ojos Negros 6. El Titere 7. Carretas 8. Serenata
(07/04/14)タイトル曲の5曲目以外はディノ・サルーシの作曲。チェロとのデュオで、地味だけれどなかなか渋い世界が現出しています。タンゴとは言いながら、リズム楽器がないため、その切ない哀愁のメロディが強調されてせまってくる1曲目、ゆったりホンワカとした旋律から現代音楽のようなフレーズも混ざる色調が変化する2曲目、ゆったりとした川の流れのように、時にややリズミカルに進んでいく3曲目、沈んだ寒色系のサウンドがゆっくりと語りかけてくる4曲目、何となく伝統的なタンゴの部分も残されているように感じる、やや淡い5曲目、クラシックのようにきちっとして、ちょっと静かに進んでいく6曲目、綾織り系の渋い沈んだハーモニーが心に響くゆったりした7曲目、落ち着きと、デュオの割に厚い雰囲気のある8曲目。 (07年4月25日発売 邦題「黒い瞳」)
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