’07年上半期のジャズベスト3
昨年まで上半期のベスト3やってたっけ、と思ったのですが、昨年やったのが記憶にあります。さて今年はどうでしょうか。
聖地への旅/マイケル・ブレッカー(Ts)(EmArcy)
Pilgrimage/Michael Brecker(Ts, EWI)(EmArcy) - Recorded August 2006. Pat Metheny(G), Herbie Hancock(P on 1, 5, 8-9), Brad Mehldau(P on 2-4, 6-7), John Patitucci(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. The Mean Time 2. Five Months From Midnight 3. Anagram 4. Tumbleweed 5. When Can I Kiss You Again? 6. Cardinal Rule 7. Half Moon Lane 8. Loose Threads 9. Pilgrimage
邦題「聖地への旅」。全曲マイケル・ブレッカーの作曲。スゴいメンバーで、ピアノは交替で参加。精神性か、ハードな部分もありますが、最高の音。アップテンポで目まぐるしく変化していくメロディとアドリブが一筋縄ではいかない複雑な1曲目、薄暮系のやや淡いサウンドで5拍子系を含んだ進行の2曲目、タイトルのようにリズムもサウンドも目くらましにあったかのような変幻自在の3曲目、ファンク的なビートに乗っかってソロが動きまわる4曲目、美しいゆったりとしたバラードで盛り上がりもある5曲目、勢いも浮遊感も併せ持つメロディとビートの6曲目、淡色系のサウンドとノリの良さ、やや起伏のある7曲目、ジャズロック系のリズムと浮遊感もあり、盛り上がる各楽器の8曲目、研ぎ澄まされたサウンドを持つタイトル曲の9曲目。(07年5月16日発売)
クァルテット/パット・メセニー(G)/ブラッド・メルドー(P)(Nonesuch)
Quartet/Pat Metheny(G)/Brad Mehldau(P)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded December 2005. Larry Grenadier(B), Jeff Ballard(Ds) - 1. A Night Away 2. The Sound Of Water 3. Fear And Trembling 4. Don't Wait 5. Towards The Light 6. Long Before 7. En La Tierra Que No Olivida 8. Santa Cruz Slacker 9. Secret Beach 10. Silent Movie 11. Marta's Theme (from "Passagio Per Il Paradiso")
(07/03/20)2、4、6、11曲目がデュオ、1曲目が2人の共作、2、4-7、10-11曲目がパット・メセニー作、3、8-9曲目がブラッド・メルドー作。3分の2をクァルテットが占めるので、ノリは割といいと思います。ただ、このメンバーなので4ビート・ジャズにはなりません。しっとりした曲もあり。1曲目で16ビート的な展開をしていて、そこから起伏のある組曲を聴いている感じで進んでいきます。2人を中心に、4人のコンビネーションもなかなか見事。パットはさまざまな種類のギターを使っていて、彼のグループのような気がすることもありますが、メルドー度も高く、やっぱりこのメンバーだよねと思わせるところがなかなか。デュオの曲は2人の繊細なやり取りがここでも聴けます。アヴァンギャルドまたはメカニカルなフレーズも少し。
ボロウド・タイム/スティーヴ・カーン(G)(55 Records)
Borrowed Time/Steve Khan(G)(55 Records) - Recorded November 27, 2006 and January 9, 2007. John Patitucci(B), Jack DeJohnette(Ds), Manolo Badrena(Per, Voice), Ralph Irizarry(Timbal), Roberto Quintero(Conga, Per), Bob Mintzer(Bcl on 4), Badal Roy(Tabla on 4), Geeta Roy(Tanboura on 4), Randy Brecker(Flh), Rob Mounsey(Key), Ruben Rodriguez(B), Marc Quinones(Timbal), Bobby Allende(Conga), Gabriela Anders(Vo on 8) - 1. I Mean You 2. Mr. And Mrs. People 3. Face Value 4. El Faquir 5. You're My Girl 6. Blues For Ball 7. Have You Met Miss Jones? 8. Luna Y Arena (Moon And Sand) 9. Hymn Song
スティーヴ・カーン作が3-4曲目の2曲で、他はジャズメン・オリジナルとスタンダード。見事に綾織り系のギターサウンドにハマッていて、ベースがアコースティックでもエレクトリックでも気になりません。セロニアス・モンク作でも8分の6拍子でマイペースに弾き続ける1曲目、アップテンポの4ビートでオーネット・コールマンの色も少しある2曲目、ゆったりとした8ビート的なファンクバラードの3曲目、5拍子と6拍子が交互にくるミディアムの淡々としたファンクの4曲目、淡さと浮遊感のあるやや静かなミディアムの5曲目、マッコイ・タイナー作のモーダルなブルースの6曲目、スタンダードをラテンタッチで料理する7曲目、唯一の女性ヴォーカル入りで淡々とボッサで綴る8曲目、やはりマッコイ・タイナー作を8ビートラテンでの9曲目。 (07年4月25日発売)
順番はあまり考えてませんが、上記に並んでいる順番になる感じです。他の人たちのベスト3を見ていると、他の方とダブりもあり、かなり月並みなセレクトになってしまいましたが、やっぱり皆がいいと思うものはいい、ということで、私のベタなベスト3です。セレクトが個性的ではないので、出遅れたことも含めて、少々落ち込み気味です(笑)。
知り合いのところで上半期ベスト3を募集していたのですが、バタバタしていて、出遅れてしまいましたよ。
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