Beautiful Love/アーノルド・クロス・トリオ
澤野工房も、買いはじめたときはまだ全貌が分かるぐらいの枚数だったのですが、今では廃盤になっているものもあったり、毎月アルバムを出していたりで、かなりの枚数が発売されています。このアーノルド・クロスも4枚目。最初の方のアルバムは、ビル・エヴァンス直系のかなり似ているタッチのピアニストだったようにも記憶しているのですが、最近のこのアルバム、その路線も残しておきながら、もっと男性的に盛り上がるようなサウンドにもなってきています。方向性が変わったのか、プロデュースの影響なのか分かりませんが。そして、ロバート・ラカトシュを紹介したときのように、やっぱり聴きやすいメロディアスなアルバムですね。ある程度は売れる、ということなのでしょうね。
Beautiful Love/アーノルド・クロス(P)・トリオ(澤野工房)
Beautiful Love/Arnold Klos(P) Trio(Atelier Sawano AS067) - March 14, 2007. Jos Machtel(B), Eric Ineke(Ds) - 1. Sonora 2. Beautiful Love 3. My Romance 4. Cry Me A River 5. Invitation 6. A Sleepin' Bee 7. Comecar De Novo 8. Alice In Wonderland 9. Funkallero 10. Some Other Time 11. Lullaby Of The Leaves
アーノルド・クロスのオリジナルはなく、スタンダードの曲やビル・エヴァンスの愛奏曲が中心。いかにもビル・エヴァンスというようなタッチはほんの少し影を潜めて(それでも垣間見られますが)、どちらかというと線が細いながらも男性的な部分も見え隠れしていて、しかも、聴きやすいメロディやアドリブ。前作あたりからの傾向ですが、相棒たちやミキシングの影響もありかも。1曲目でハンプトン・ホーズの曲をやや沈みがちでメロディアスなボッサで弾いていて、洗練された雰囲気。やはりマイナー調のメロディアスさで上品にスウィングしていく感じの、ピアノの盛り上がりもあるタイトル曲の2曲目、アップテンポでスリリングな5曲目、静かで繊細なイヴァン・リンス作の7曲目、唯一エヴァンス作で違いが分かるアップテンポでの8曲目。(07年5月25日発売)
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