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2007年5月の記事

2007/05/31

Bela Bartok/Paul Hindemith/Zehetmair Quartett

1874 現代音楽で頭をしゃっきりとさせて、難解なものにチャレンジしようとする感覚で聴きました。

 

Bela Bartok/Paul Hindemith/Zehetmair Quartett(ECM New Series 1874)(輸入盤) - Recorded June 2006. Thomas Zehetmair(Vln), Kuba Jakowicz(Vln), Ruth Killius(Viola), Ursula Smith(Cello) - 1-5. Streichquartett Nr.5/Bela Baltok 6-10. Streichquartett Nr.4 Op.22/Paul Hindemith

(07/05/05)20世紀ハンガリーの作曲家バルトークと、20世紀ドイツの作曲家パウル・ヒンデミットの、それぞれストリング・クァルテットの作品。どちらの曲も戦前の作曲なのですが、やはり難解なイメージはあります。バルトークの作品は、起伏も多く、やや難解な中にもドラマチックな展開が垣間見えています。ヒンデミットの方も、似たような難解さの現代音楽ですが、国民性が違うような気もします。通して聴いても自然(?)なアルバム。

Beautiful Love/アーノルド・クロス・トリオ

Arnoldbeau
澤野工房も、買いはじめたときはまだ全貌が分かるぐらいの枚数だったのですが、今では廃盤になっているものもあったり、毎月アルバムを出していたりで、かなりの枚数が発売されています。このアーノルド・クロスも4枚目。最初の方のアルバムは、ビル・エヴァンス直系のかなり似ているタッチのピアニストだったようにも記憶しているのですが、最近のこのアルバム、その路線も残しておきながら、もっと男性的に盛り上がるようなサウンドにもなってきています。方向性が変わったのか、プロデュースの影響なのか分かりませんが。そして、ロバート・ラカトシュを紹介したときのように、やっぱり聴きやすいメロディアスなアルバムですね。ある程度は売れる、ということなのでしょうね。


Beautiful Love/アーノルド・クロス(P)・トリオ(澤野工房)
Beautiful Love/Arnold Klos(P) Trio(Atelier Sawano AS067) - March 14, 2007. Jos Machtel(B), Eric Ineke(Ds) - 1. Sonora 2. Beautiful Love 3. My Romance 4. Cry Me A River 5. Invitation 6. A Sleepin' Bee 7. Comecar De Novo 8. Alice In Wonderland 9. Funkallero 10. Some Other Time 11. Lullaby Of The Leaves

アーノルド・クロスのオリジナルはなく、スタンダードの曲やビル・エヴァンスの愛奏曲が中心。いかにもビル・エヴァンスというようなタッチはほんの少し影を潜めて(それでも垣間見られますが)、どちらかというと線が細いながらも男性的な部分も見え隠れしていて、しかも、聴きやすいメロディやアドリブ。前作あたりからの傾向ですが、相棒たちやミキシングの影響もありかも。1曲目でハンプトン・ホーズの曲をやや沈みがちでメロディアスなボッサで弾いていて、洗練された雰囲気。やはりマイナー調のメロディアスさで上品にスウィングしていく感じの、ピアノの盛り上がりもあるタイトル曲の2曲目、アップテンポでスリリングな5曲目、静かで繊細なイヴァン・リンス作の7曲目、唯一エヴァンス作で違いが分かるアップテンポでの8曲目。(07年5月25日発売)

2007/05/30

ブログをはじめて3周年

最初ブログがはじまったとき、様子見で出遅れていたのですが、数ヶ月(1年経ってたかどうか)してからブログに参入しました。それが「ジャズCDの個人ページBlog」で、今日でちょうど3周年を迎えます。エントリーした記事数は1,092個。3年で1,095日なので、ほぼ毎日更新できていた勘定になりますね。ブログがある種のペースメーカーになっているので、助かります。

他では、「ジャズCDの個人ページECM Blog」が729エントリー、「CDショップ(+α)のオススメCD日記」(これは以前、ノートブックという機能から移行してきたものです)が250エントリー、昨年春からブログになったここ「インプレッションズ」が207エントリーと、けっこう増えてきてます。そろそろバックアップも考えておかないとですね。((注)その後、これらはメインブログに統合され、「CDショップ(+α)のオススメCD日記」はGooブログに移行しました。

何たって時間がないもので、アルバムコメントやそれに対する枕の文章など、最小の時間で書けるようにしていますけど、それでも忙しい時は大変です。ただ、ニフティにはストックしておいて、一定の時間に自動的に記事を出す機能があり、それが重宝しています。ECM Blogは1ヶ月分まとめてインプットしておくんですよ。

便利なブログですが、やっぱりメインになるのはHTMLを使ったホームページでありたいな、とは思っています。最近はデータ倉庫の役割になってきましたが(笑)。

Composition/Improvisation Nos. 1,2&3/Roscoe Mitchell

1872 今日のアルバムはジャズというよりは、現代音楽とフリー・インプロヴィゼーションが合わさったような、ある意味普通のジャズファンにとってみればかなり異世界のアルバムではないかと思います。何たってエヴァン・パーカーとその人脈が参加しているので、延々と混沌としたフリー・インプロヴィゼーションが続く部分もあり、静かな部分でも、難解な感じはあります。現代音楽として聴こうと思えば聴ける部分も多く、ただ、非旋律系の音、時に音の洪水に79分間、起伏や変化はあるけれども聴く耳を持っているかどうかですよね。私はこういうのも聴く人です(笑)。けっこう聴く人を選ぶんじゃないかな。プロデューサーは、スティーヴ・レイク。なるほど。

 

Composition/Improvisation Nos. 1,2&3/Roscoe Mitchell(As)(ECM 1872)(輸入盤) - Recorded September 2004. Evan Parker(Ts, Ss), Anders Svanoe(As, Bs), Corey Wilkes(Tp, Flh), John Rangecroft(Cl), Neil Metcalfe(Fl), Nils Bultmann(Viola), Philipp Wachsmann(Vln), Marcio Mattos(Cello), Craig Taborn(P), Jaribu Shahid(B), Barry Guy(B), Tani Tabbal(Ds, Per), Paul Lytton(Ds, Per) - 1.-1 2.-2 3.-3 4.-4 5.-5 6.-6 7.-7 8.-8 9.-9

(07/04/14)文字通り、作曲された現代音楽のような部分とインプロヴィゼーションで通している部分が混合している感じのサウンド。ロスコー・ミッチェルの人脈にエヴァン・パーカーの人脈が合わさって、エレクトロニクスの使用はないにしても、現代音楽的な表現の部分が随所にみられます。そして温度感は相変わらず低めのまま推移して、時に現代音楽的に統制が取れて輪郭がはっきりするような、時に混沌とした音の集合体が盛り上がってきてエネルギーを発散させていくようなパワーが持続する部分もあるし、逆に内側にこもっていくような部分も。浮遊感を保ちつつ、全体的にゆったりと流れていき、時に起伏があるという雰囲気。ソロ楽器のインプロも。そして聴く人には緊張感をある程度強います。聴く人を選ぶアルバムか。

いつか王子様が/マンハッタン・ジャズ・クインテット

Mjqsome
ついこの間まで、マンハッタン・ジャズ・クインテットの旧譜をコメント手直ししていましたが、また新譜が出ました。やっぱり思うけれども、これからジャズを聴こうとする人をけっこう意識しているアレンジかな、と思います。2管がユニゾンであまりフェイクせずにテーマを奏でる場面が多いところを見ても、なるほどなあと思うのですが、裾野を広げるには難しいことをやってはダメなんですね。でも、さりげなくアレンジでいろいろなところに工夫が凝らしてあって、そういうところを見つける楽しみもあったりします。最近は個人的にはクインテットよりもオーケストラ派なんですが、クインテットも個人的には好きですね。


いつか王子様が/マンハッタン・ジャズ・クインテット(Videoarts)
Someday My Prince Will Come/Manhattan Jazz Quintet(Videoarts) - Recorded December 14 and 15, 2006. David Matthews(P), Lew Soloff(Tp), Andy Snitzer(Ts), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Wheel Of Forhune 2. So What? 3. Someday My Prince Will Come 4. Smoke Gets In Your Eyes 5. The Wind Machine 6. Fly Me To The Moon 7. On The Sunny Side Of The Street 8. A Song For You

邦題「いつか王子様が」。1曲目のみオリジナルですが、他はスタンダード、ジャズメン・オリジナルなどが中心。どう料理するかが楽しみ。アップテンポで勢いのあるテーマとソロで突っ走って聴かせる1曲目、ちょっとテーマのリズムを崩して、渋めを抑えたモーダルという感じのアプローチの2曲目、ソフトに包み込むようにメロディアス、アドリブでテンポが早くなるタイトル曲のワルツの3曲目、リズムやハーモニーのキメもありながら軽いミディアムでせまる4曲目、メロディも良いながらソロも炸裂する場面もあるアップテンポの5曲目、テーマのメロディを少しいじって浮遊感を出しているミディアムの6曲目、ユニゾンの出だしから、ゴキゲンなメロディやアドリヴが飛び出す7曲目、ポップスをジャズ色を交えて料理するバラードの8曲目。(07年5月23日発売)

2007/05/29

フォー・カラーズ/神保彰

Jimbofour
神保彰のアルバムは’87年から’92年にかけて出た初期のアルバム5枚が好きで、’05年に再発された時にやっと購入することができました。その後も何枚かアルバムをだしながら、今回は10年ぶりのリーダー作だそうです。初期のアルバムではあまり感じることはなかったのですが、J-POPというかニュー・ミュージックのカヴァー曲かなと思えるほどに、コードとメロディに流れがあって、こだわっているのかなと思いました。ところがドラムスは押さえるところは押さえつつも、やっぱり普通の人ではやらない(というか出来ない)ドラミングで、ドラムスに焦点を当てて聴くのもアリとすれば、けっこうスゴいアルバムなんでは、と思います。もちろん、BGMとしても、けっこうイケます。


フォー・カラーズ/神保彰(Ds)(Electric Bird)
Four Colors/Akira Jimbo(Ds)(Electric Bird) - Released 2007. Abraham Laboriel(B), Otomaro Ruiz(P), Frank Gambale(G) - 1. Four Colors 2. The Light 3. Epoca Del Sol 4. Brisa Primaveral 5. Diamond 6. Lanikai 7. Co Co Ro 8. Phantasia 9. Banana Boat 10. Come Shine

全曲神保彰の作曲。神保ならではのシャープなドラミングも味わえますが、彼の作曲する曲は、ニュー・ミュージックやJ-POPのような、コード進行とメロディで聴かせるようなメロディアスなものも多く、演奏もある程度聴きやすくなっています。ギターもあまりロック的にならず、アコースティック・ギターをうまく使っていたり、ジャズ的な音色でせまっていたりと全体のサウンドに合わせた作り。基本はフュージョンですけど。その中で1曲目は曲調がハード・ファンク的で4ビートも一部あって変幻自在、割とハードなドラミングと演奏を楽しめます。他にはスパニッシュな香りがあふれてくる4曲目、フレットレス・ベースが味を出しているゆったり流れるような5曲目、エスニック的で勢いのある8曲目、浮遊感のあるやや渋めのボッサの10曲目など。(07年5月23日発売)

To Be Sung On The Water/Michele Makarski/Giuseppe Tartini/Donald Crockett

1871 ECMお得意のバロック音楽と現代音楽を組み合わせたヴァイオリンのアルバム。

 

To Be Sung On The Water/Michele Makarski(Vln)/Giuseppe Tartini/Donald Crockett(ECM New Series 1871)(輸入盤) - Recorded March 2004. Ronald Copes(Viola) - Giuseppe Tartini: 1-5. Sonata 4 A Major Donald Crockett: 6. To Be Sung On The Water 7-9: Giuseppe Tartini: Sonata 2 D Major Donald Crockett: 10. Mickey Finn Giuseppe Tartini: 11-13. Sonata 8 B Minor

(06/05/24)Giuseppe Tartiniは18世紀イタリアのヴァイオリン奏者、作曲家、そしてDonald Crockettは20世紀アメリカの現代音楽家。多くはヴァイオリンソロで、6曲目のみヴィオラが加わります。Giuseppe Tartiniの曲はバロック音楽らしいゆったり感とヒーリングの感覚をもたらしてくれます。Donald Crockett作は、あまり難解ではないけれど、ゆったりとしていて、音の連なりやサウンドの微妙な色具合を読み取るようなサウンドです。

 

2007/05/28

聖地への旅/マイケル・ブレッカー

Michaelpilg マイケル・ブレッカーの遺作が発売されました。ジョン・コルトレーンのラストに近いアルバムと単純に比較は出来ませんが、行くところまでたどり着いてしまったかなあ、という印象を持ちました。たぶん、私にも気が付かないところでメロディやハーモニー、ビートがかなり複雑で、それを一流のメンバーがさりげなく皆で対峙し、寄り添い、圧倒的な存在感で聴かせてしまうアルバム。キャッチーなメロディやビートではないので、聴く人を選ぶのかもしれませんが、ハマりこんでしまったら、このスゴさはやっぱり進化したマイケルのリーダー作だ、ということが分かるでしょう。遺作という感じがしない、まだ現役で突っ走っているマイケルが見えます。

 

聖地への旅/マイケル・ブレッカー(Ts、EWI)(EmArcy)
Pilgrimage/Michael Brecker(Ts, EWI)(EmArcy) - Recorded August 2006. Pat Metheny(G), Herbie Hancock(P on 1, 5, 8-9), Brad Mehldau(P on 2-4, 6-7), John Patitucci(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. The Mean Time 2. Five Months From Midnight 3. Anagram 4. Tumbleweed 5. When Can I Kiss You Again? 6. Cardinal Rule 7. Half Moon Lane 8. Loose Threads 9. Pilgrimage

邦題「聖地への旅」。全曲マイケル・ブレッカーの作曲。スゴいメンバーで、ピアノは交替で参加。精神性か、ハードな部分もありますが、最高の音。アップテンポで目まぐるしく変化していくメロディとアドリブが一筋縄ではいかない複雑な1曲目、薄暮系のやや淡いサウンドで5拍子系を含んだ進行の2曲目、タイトルのようにリズムもサウンドも目くらましにあったかのような変幻自在の3曲目、ファンク的なビートに乗っかってソロが動きまわる4曲目、美しいゆったりとしたバラードで盛り上がりもある5曲目、勢いも浮遊感も併せ持つメロディとビートの6曲目、淡色系のサウンドとノリの良さ、やや起伏のある7曲目、ジャズロック系のリズムと浮遊感もあり、盛り上がる各楽器の8曲目、研ぎ澄まされたサウンドを持つタイトル曲の9曲目。(07年5月16日発売)

Parish/Thomas Stronen/Bobo Stenson/Fredrik Ljungkvist/Mats Elertsen

1870 ECMレーベルでも、これはヨーロッパの静かなフリー寄りの曲が多く入っているので、ちょっとマニアックな部類かも。最近、ECMレーベルの国内盤が増えてきたのは嬉しいことなのですが、これが出るのだったら、エヴァン・パーカー・エレクトロ・アコースティック・アンサンブルやヨン・バルケの新譜も出して欲しいなあ、と思います。ここではボボ・ステンソンの名前が比較的有名ですが、やはり主導権を握っているのは作曲数や関与度合いから見てトーマス・ストレーネンか。ジャケットには4人の併記にはなっているのですが。13曲目のみ、完全な4ビートではないにしても、ジャジーな雰囲気が漂います。こういうケースも、キース・ジャレットのスタンダーズを除けば、珍しいことですね。

 

Parish/Thomas Stronen(Ds)/Bobo Stenson(P)/Fredrik Ljungkvist(Cl, Ts)/Mats Elertsen(B)(ECM 1870) - Recorded April 2004. - 1. Improvisation 1 2. Suite For Trio 1 3. Suite For Trio 2 4. Suite For Trio 3 5. Suite For Trio 4 6. Improvisation 2 7. Easta 8. Daddycation 9. Travel 1 10. Quartz 11. Murring 12. Travel 2 13. In Motion 14. C Moll Maj 15. Improvisation 3 16. Nu

トーマス・ストレーネンの作曲は7曲(7-13、16曲目)、フレデリク・ユングヴィスト作が2曲、他は参加者のインプロヴィゼーション。ソロからクァルテットまでさまざま。前半6曲目まで(2曲目を除く)はデュオやトリオでのインプロヴィゼーション。15曲目は4人で。静かで硬質感があるやり取りで、フリー色も鮮明か。2曲目もスペイシーで硬質感があって、他の曲と色合いは似ています。ドラムスというよりはパーカッション的な奏法。7曲目以降は静かながらも美しい曲があって、7-8曲目は遅めながらメロディがはっきりしています。ただ、それでも10曲目のようにフリーに近い雰囲気の曲もあり。9、12曲目はドラムスの静かなソロ。静謐な感じの11曲目、ジャジーな感じもある13曲目。哀愁も感じることのできる14、16曲目。(05年9月14日発売)

2007/05/27

Soir, Dit-elle/Trio Mediaeval

1869

Trio Mediaevalのアルバム。ソプラノ3声が美しく響き渡ります。ただ、これも新旧混合のアルバムで、古楽から現代音楽まで、ランダムに並べられたかのような順番で歌唱が続きます。ただ、その表現は昔の教会音楽のようにも聴こえていて、教会で録音したということもあって、統一が取れています。このグループ、New Seriesで何作か出ていますが、どれもいい感じで鑑賞できます。個人的に一番似合っているのは宗教音楽だと思いますが、このように現代音楽も配置されていても統一感があるのは、素材は何でもいいということにもなるのでしょうか。

 

Soir, Dit-elle/Trio Mediaeval(ECM New Series 1869)(輸入盤) - Recorded April 2003. Trio Mediaeval: Anna Maria Friman(Soprano), Linn Andrea Fuglseth(Soprano), Torunn Ostrem Ossum(Soprano) - 1. Kyrie 2. Gloria - Missa "Alma Redemptoris Mater" 3. Laude Novella (Lauda 2) 4. Ave Regina Gloriosa (Lauda 3) 5. Credo - Missa "Alma Redemptoris Mater" 6. Ave Maria 7. Regina Caeli 8. Ave Donna Santissima 9. Sanctus Missa "Alma Redemptoris Mater" 10. The Troparion Of Kassiani 11. Venite A Laudare (Lauda 1) 12. A Lion's Sleep 13. Agnus Dei - Missa "Alma Redemptoris Mater" 14. Alma Redemptoris Mater

(04/03/01)ソプラノ三声。14曲中5曲が14-15世紀の作曲家Leonel Powerまたはグレゴリオ聖歌。他の曲は現代音楽家Ivan Moody、Gavin Bryars、Andrew Smith、Oleh HarkavyyらがTrio Modiaevalのために作曲した曲。さすがに”天使の歌声”だけあって、教会の中に響く美しい声(サンクトジェロルド教会)。古い曲も新しい曲もバラバラに配されていて、昔の教会音楽のようにも聴こえ、全体として統一がとれているから不思議です。

2007/05/26

アンプを替えて1週間経過

アンプをヤマハの DSP-AX2700 に切り替えて1週間が過ぎました。イコライザーや各スピーカーの設定が自動なので、そのまま調整をせずに聴いていますけれど、けっこう音がリアルになって良かったでした。7チャンネルの各スピーカーとの距離も測って調整してしまうんですね。部屋自体が元々デッドな上に、書類、本、CDなど音を吸うものがいっぱい詰まっている部屋なので、高音が吸われていたんですね。私の耳のせいかと思っていたのですが、イコライザーで補正されて、高音が良く聴こえるようになりました。

やっぱり新しいオーディオはいいわあ、と思います。今度はCDプレイヤー(TEAC VRDS-15)とアンプを光ケーブルで結ぶことも出来るのですが、CDプレイヤー自体のアナログ変換回路の性能も良いこともあって、迷っています。アンプにIPアドレスの設定(パソコンか?)やUSBケーブルなどの端子もあったり、研究しないと何のこっちゃ、というものもあります。おそらくiPodの接続も出来るとのことでその関連ではないかと思いますが。

いったん買い換えると長く使用するので、今度の買い換えはいつのことやら、という感じではありますが、いい買い物をしたと思います。

Suspended Night/Tomasz Stanko

1868 実はこのCDは’04年2-3月頃に輸入盤で買ったものですが、国内盤が10月21日に出るということで、当時急遽紹介しました。実はこのCDのデザインが、ECMのオフィシャルサイトのトップページ全体に掲載されているものです。つまり、ECMはこういう方向性だということなのかも。曲は相変わらずナンバーを振ったものが多く、フリーを想像させますが、大半の曲は温度感が低いながらも曲としてのまとまりを見せています。4ビートではないジャズでも、それなりの緊張感で、彼ならではの世界を描ききっています。ECMにしては珍しく、盛り上がり気味の曲らしい曲も出てきます。

 

Suspended Night/Tomasz Stanko(Tp)(ECM 1868) - Recorded July 2003. Marcin Wasilewski(P), Slawomir Kurkiewicz(B), Michal Miskiewicz(Ds) - 1. Song For Sarah 2-11. Suspended Variations 1-10

(04/03/10)このメンバーでは2作目。Variations8と10(9、11曲目)が4人でのフリー・インプロヴィゼーションで、他はトーマス・スタンコのオリジナル。1曲目だけ連作とは違いますが、美しいメロディをもった静かなバラード。2曲目以降の連作は静かな曲、元気のある曲が適度に入り混じっています。連作にするよりはタイトルをつけた方が良いと思いましたが。2曲目以降を聴いてみても、ちょっと異色ながらちゃんと彼ら独特のジャズ。もちろん、静かな曲での哀愁を帯びた美しいメロディを奏でるトランペットやピアノも印象的。3曲目はテンポが良いラテン風の曲で、意外といえば意外。6曲目も硬派なラテンビートに近いノリ。9曲目もノリが良く、フリー・インプロヴィゼーションとはクレジットを見なければ分からないかも。 (04年10月21日発売)

'Round Midnight/Terumasa Hino Meets Manhattan Jazz Quintet

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マンハッタン・ジャズ・クインテットの手直し聴きの5日目で、これでこのクインテット(オーケストラ)の特集の手直しは終わりました。私が4ビートジャズを聴きはじめたのが、このグループのファースト・アルバムのあたりの出来事だったのですが、もう20数年経過していることになります。長く続くもんですねー。そして、この後もどんどんアルバムを出していっているので、コンスタントに売れ続けてファンも多いのかなと思わせます。グループ的には、これからジャズを聴こうとする人に向いているサウンド、ということもありますが、かといってセールスだけに目が向いているわけでもなさそうなアレンジなので、今でも追いかけています。


'Round Midnight/Terumasa Hino(Tp) Meets Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded June 15 and 16, 1998. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. On Green Dolphin Street 2. Art Blakey 3. Autumn Leaves 4. What's New 5. Body And Soul 6. Someday My Prince Will Come 7. You Don't Know What Love Is 8. 'Round Midnight

マンハッタン・ジャズ・クインテットと日野皓正の出会い。しかも曲目は公募で選んだスタンダード(日野作の2曲目を除く)。日野はどこで吹いても日野。トランペット2管を含む3管編成で、アレンジがいいのか、けっこう自然。8分の6拍子でアフリカンな意表をついたアレンジの1曲目、タイトルの通り、ファンキーなミディアムでちょっと渋めな雰囲気の2曲目、アドリブでアップテンポになり後半のバトルが楽しい3曲目、バラードではなく、やや元気なミディアムで攻める4曲目、同じく、弾むようなミディアムに仕上がっている5曲目、スリリングでジャジーかつドリーミングな、ややアップテンポの4ビートの6曲目、渋めだけれども賑やかで華やかなややアップテンポの7曲目、バラード表現になっているタイトル曲の夜のサウンドの8曲目。

2007/05/25

In Winds, In Light/Anders Jormin

1866 ECMレーベルのこのアルバムも、購入して1ヶ月以上経ってやっとアップできました。普通の人のいう「ジャズ」とは対極の位置にあるアルバムで、かなり聴く人を選ぶと思います。なんたって4ビートはないし、教会のオルガンが出てくる内省的な世界なのですから。ECM流フリーに近いと言えば近いかも。そしてそのまま静かなサウンドが続くわけではなくて、時々思い出したようにヴォーカルのつんざき(叫び、と言うより感じを出しているかも)、オルガンのジュワーという音などが出てきます。全員が揃って音を出すわけではなくて、1-3人づつ交代で音出しをしているのも特徴かも。

けっこう取り扱いが難しいアルバムですが、国内盤も出ました。英断か。

 

In Winds, In Light/Anders Jormin(B)(ECM 1866) - Recorded May 2003. Lena Willemark(Voice), Marilyn Crispell(P), Karin Nelson(Church Org), Raymond Strid(Per) - 1. Varstav (Spring Saying) 2. Introitus 3. Sang 80 (Song 80) 4. Choral 5. In Winds 6.Sandstone 7. Allt 8. Soapstone 9. Gryning 10. Each Man 11. Transition 12. Flying 13. Sommarorgel (Summer Organ) 14. Love Song 15. Limestone 16. En Gang (Some Day)

(04/10/12)全曲Anders Jorminの作曲。既成の詞もありますが、彼が詞をつけている曲も。教会のオルガンの参加が個性的だけれども、いわゆる温度感の低い内省的なECMミュージックの世界。たいていの曲は全員が同時に参加しているわけでなくて、交互に出てくる感じ。オルガンのみの曲は2、11曲目。ベースのみが6、8、15曲目。ヴォイスが入ることによって北欧の香りが強くわき立ちます。3曲目のように、時おり見せるゆったりとしたピアノのソロも美しいが、同時に後半ヴォーカルのつんざきも。5、7曲目のオルガンとピアノのバランスもいい。4曲目では静かな中にベースのアルコの出だしと、中間部からオルガンとヴォイスが大きいサウンドで迫力。16曲目も中間部でオルガンと強い叫び、そして唯一激しいピアノ。 (04年10月21日発売)

Aire On The G String/Manhattan Jazz Quintet

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マンハッタン・ジャズ・クインテットの手直し聴き、1日おいて4日目。今回はクラシックの曲をアレンジした特集なのですが、クラシックにあまり寄り添うということをせずに、メロディは生かしつつ、ジャズの土俵に引っ張り込んだ、という曲が多めです。有名な曲が多いので、下手なアレンジをしてしまうと陳腐になってしまうのですが、そこはデヴィッド・マシューズ、アレンジの手腕を見せていますね。4曲目のオリジナルはけっこうハードなジャズいますし、ジャズという観点からすれば、楽しめるんではないでしょうか。だからと言って、アドリブになったらどの曲も4ビートのイケイケという風にもならないように、バランス良く曲が配列されています。


Aire On The G String/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded October 27 and 28, 1997. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Sicilienne 2. Symphony No.5 : Andante Cantavile 3. Aire On G String 4. The Strav 5. Pavane Pour Une Infante Defunte 6. Nut Cracker Suite: Waltz Of The Flowers 7. Nocturne Ala Frederic

邦題「G線上のアリア」。クラシックの名曲を題材にしたアルバム。オリジナルも2曲(4、7曲目)。チャイコフスキーが2曲、ガブリエル・フォーレ、バッハ、ラヴェル、と題材も鋭いかも。おなじみの曲を、あえてチャレンジしてジャズにしています。ややアップテンポの8分の6拍子で哀しいメロディとアドリブではジャズしている1曲目、ミディアムの明るくメロディアスなジャズになりきっている2曲目、有名すぎるバッハのタイトル曲を切ないバラードでやはりジャズっぽく仕上げている3曲目、アップテンポで、これは生粋のジャズで勝負していて豪快に展開する4曲目、印象的なメロディをミディアムでちょっと軽めに料理する5曲目、明るくて元気なアップテンポの「くるみ割り人形」の6曲目、ゆったりとしているクラシック風のメロディの7曲目。

2007/05/24

Extended Play - Live At Birdland/Dave Holland Quintet

1864 クインテットというフォーマット(ピアノレスですが)で、ジャズをやっているのにもかかわらず、サウンドが非常に現代的で個性的、トンガっているバンドが、デイヴ・ホランド・クインテットです。ライヴで2枚組130分以上聴くと、お腹がいっぱいになります。スタンダードはないし、変拍子(と思います)やキメがバシバシ、ソロもスゴいし、トンガリ系。あまり一般的ではないかもしれませんが、こんなのを聴いて、ニヤニヤしています。

 

Extended Play - Live At Birdland/Dave Holland(B) Quintet(ECM 1864/65) - Recorded November 21-24, 2001.Chris Potter(Ss, Ts), Robin Eubanks(Tb, Per), Steve Nelson(Vib. Marimba), Billy Kilson(Ds) - 1. The Balance 2. High Wire 3. Jugglers Parade 4. Make Believe 5. Free For All 6. Claressence 7. Prime Derective 8. Bedouin Trail 9. Metamorphos

ライヴの2枚組。2、9曲目を除けばデイヴ・ホランドのオリジナル。以前のアルバムで既出の曲が7曲ありますが、曲の長さが10-20分と、スタジオ録音のものよりだいぶ演奏時間が長く、ライヴならではの展開やそれぞれのソロを楽しめます。時にスゴい場面あり。楽器の編成から、ややまろやかなサウンドを想像しますが、そのエッセンスはけっこうトンガっていて、ジャズという土俵の中で現代的な音を発しています。変拍子やキメが随所にちりばめられているはずなのだけども、そういう分析的な聴き方をしなくても、非常に長時間の演奏にもかかわらず、飽きさせず聴かせてくれます。初出の5曲目はテーマが絡みつつ中間色的に盛り上がる曲、6曲目は渋めの滑らかなテーマを持ちこれまた盛り上がる17分台の曲。(03年11月5日発売)

Hadrien Feraud/Hadrien Feraud

Hadrien
アドリアン・フェローはまだ20代の前半だというのに、エレクトリック・ベースはバカテクです。えらい速いパッセージをこれでもかと弾きまくり、キャラクターとしてはリード・ベースという感じでしょうか。とにかくスゴい、素晴らしい、聴いてみてくださいとしか言えないのですが、自分の好みかというと、ちょっとうーん、となってしまうところもあります。ボトムの役割を高度にこなしているゲイリー・ウィリスとか、テクもすごいんだけれど、もっとアンサンブルの時にまとまりのあるトニー・グレイとかの方が好みかも。曲ごとに入れ替わりつつ豪華なゲストで奔放な音を詰め込んだプレイは、確かにスゴいんだけれど、もう少し洗練されていてもいいかな、と思います。でも、まだまだ若いので、これからにだいぶ期待してます。


Hadrien Feraud/Hadrien Feraud(B, Key, Prog, etc)(Dreyfus) - Recorded April and May, 2006. Jean-Pierre Como(P, Synth), Jim Grandcamp(G), Jon Grandcamp(Ds, Per), Julien Tekeyan(Ds, Per), Vincent Peirani(Accordion), Dominique Di Piazza(B), Damien Schmitt(Ds), John McLaughlin(G on 4), Linley Marthe(B etc), Flavio Boltro(Tp), Thierry Eliez(Synth), Breli Laglene(G on 9), Marc Berthoumieux(Accordion), Jean-Pierre Ecay(G), Michael Lecoq(Key), Mokhtar Samba(Ds, Per) -1. Rumeurs 2. Marie Ael 3. Natural 4. High Jacked 5. Giant Steps 6. Jet Sun Dance 7. Hadrien And Linsey Trip 1 8. Clair Obscur 9. Rhapsody In Blue 10. Shall We Love? 11. Hadrien And Linsey Trip 2 12. Maria Christina 13. Marie Ael (Long Version) 14. Outro Trip 3

(07/05/22)Hadrien Feraud(アドリアン・フェロー)作は8曲(2-3、7-8、10-11、13-14)、Gelald Feraud作も数曲あり。サウンドはハード・フュージョンで、超絶テクニックのベーシストですが、音響的に現代的な多重録音(?)を施したり、ベースがボトムで支える場面に比べ、リードベースを演じることが多いので、好き嫌いはあるかも。14曲、75分のアルバムをいろいろなミュージシャンが入れ替わります。ハードな曲もそうでない曲も、音が高密度で詰まっているので、けっこうお腹いっぱいになりますが、若さが突っ走らせている部分もあるのでは。4曲目はジョン・マクラフリン作。5曲目は難曲の「ジャイアント・ステップス」をラジオのような音を交えながら。5、7、11、14はベース2人といろいろな音の多重録音。賑やか。

2007/05/23

Universal Syncopations/Miroslav Vitous

1863

ミロスラフ・ヴィトウスの久しぶりのECMンおリーダー作。ヤン・ガルバレク、チック・コリア、ジョン・マクラフリン、ジャック・ディジョネット等、有名なミュージシャンで固められていて、ベースも元気で走り回っているようにフレーズが出てくるし、なかなかすごいアルバムです。それでも知名度が今ひとつのような気がして、聴いていただけたらいいなあ、と思っています。3年かけて録音しているのは、ヴィトウスが本業の音楽の講師で忙しかったからか。その後にこの第2作が出るので、この2枚はなかなかの注目作だと思います。

 

Universal Syncopations/Miroslav Vitous(B)(ECM 1863) - Recorded March 2000 - March 2003. Jan Garbarek(Ss, Ts), Chick Corea(P), John McLaughlin(G), Jack DeJohnette(Ds), Wayne Bergeron(Tp), Valerie Ponomarev(Tp, Flh), Isaac Smith(Tb) - 1. Bamboo Forest 2. Univoyage 3. Tramp Blues 4. Faith Run 5. Sun Flower 6. Miro Bop 7. Beethoven 8. Medium 9. Brazil Waves

全曲ミロスラフ・ヴィトウスの作曲か共作(7-9曲目)。とにかくスゴいメンバーです。2-4曲目にはブラスセクションが入りますが、他の曲もコアのメンバーがクインテット編成とは限らなくて、あまりテクニックにこだわるわけ(時折り見せますが)でもなく、それでいて印象を残してくれる演奏。10分を超える2曲目は全員が揃っていますが、ECMにしては元気な、余裕のあるECM流のジャズ(4ビートではない)を見せつけています。やはり温度感は低め。3曲目はサックスとのトリオ+ブラスで珍しくブルース。ペースが速くスリリングにせまる4曲目、自由な展開ながらもECM流ジャズスピリットあふれる5-6曲目。サックスとベースの掛け合いが印象的なトリオでの7、9曲目。ドラムスとのデュオでのインプロヴィゼーションの8曲目。(03年10月1日発売)

La Fiesta/Manhattan Jazz Quintet

Mjqlafiest
マンハッタン・ジャズ・クインテットの手直し聴き3日目。この頃になると、ニュー・スタンダードという言葉が一般化してきて、ジャズのアルバムもこの特集のものがけっこう出てきたのではないでしょうか。そんな中でも、選曲もいいし、アレンジもいいし、で聴き直してみると、なるほどなあ、と思わせるものがあります。テーマを聴いていると、原曲のイメージに近い、または生かしたサウンドになっている曲が多いですけど、アドリブに入ると、そこは4ビートジャズだったり、ラテン・ジャズだったり、というパターンが多いかな。曲によっては持って行き方が難しかったろうに、と思うのですが。その成功度合いは、このアルバムを聴いてみて、としか言えないのですが。


La Fiesta/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded August 15 and 16, 1996. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. La Fiesta 2. Birdland 3. A Whiter Shade Of Pale 4. Grand Central Parkway 5. Dolphin Dance 6. Spain 7. Foggy Night

ニュー・スタンダード集で、チック・コリア(1、6曲目)やハービー・ハンコック(5曲目)、ジョー・ザビヌル(2曲目)、プロコル・ハルム(3曲目)の曲を取り上げています。最近増えてきたニュー・スタンダード集ですが、けっこういい出来。オリジナルは2曲(4、7曲目)。パーカッシヴで骨太なサウンドの上にスパニッシュな香りがある1曲目、原曲のサウンドを生かしつつアコースティックの4ビートサウンドになっている2曲目、ゆったりとしたメロディアスなバラードが美しい3曲目、かなりアップテンポでダイナミックな、渋さもある4曲目、意外にもミディアムのストレートな4ビートで出だしは曲を生かして、アドリブはマイペースの5曲目、おなじみのテーマとゴキゲンなアップテンポのラテンの6曲目、しっとりと奏で上げていくバラードの7曲目。

2007/05/22

Angles Of Repose/Joe Maneri, Barre Phillips, Mat Maneri

1862 フリー・インプロヴィゼーションといってもいろいろあります。メロディ的なものから遠ざかり、テンポや調性からの逸脱だけならまだしも、音階が12音階ではなかったとしたら、聴いていてかなりの失調感を味わうことになります。ここでは、「微分音」といって、12音階をさらに細かく分けた音が、時に静かに、時にたぎって、聴く人にせまってきます。このメンバーで2枚アルバムが出ただけでもスゴいのですが、そしてこのサウンド! ECMの勇気ある発売で、めったに他では聴くことのできないサウンドを聴くことができました。冗談でなく、本当に聴く人を選びます。あくまでも自己責任で聴いてください(笑)。

 

Angles Of Repose/Joe Maneri(As, Ts, Cl), Barre Phillips(B), Mat Maneri(Viola)(ECM 1862)(輸入盤) - Recorded May 2002. - 1. Number One 2. Number Two 3. Number Three 4. Number Four 5. Number Five 6. Number Six 7. Number Seven 8. Number Eight 9. Number Nine 10. Number Ten

(04/07/10)このメンバーでは2作目。全曲フリー・インプロヴィゼーションで、主にトリオの演奏。3曲目がJoe Maneriのみ、5曲目がBarre PhillipsとMat Maneriのデュオ。とは言いつつも、微分音といって12音階をさらに細分化した音階を使っているため、通常のメロディ感というものがなく、不安定な音階を聴く人にジワジワと突きつけてきます。フリージャズと現代音楽の要素を持っているような、不思議な失調感を伴うサウンド。それでも1曲目から10曲目まで、それぞれに個性があるのが分かります。静かな場面と盛り上がる場面など、いろいろ出てきますが、やっぱり音階と咆哮と、楽器から出るさまざまな音と、安易に聴こうとする人をある意味で拒否するかのようなアルバムです。ここまでくると、それはそれで深遠かも。

Take Five/Manhattan Jazz Quintet

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マンハッタン・ジャズ・クインテットの手直し聴き2日目。今回はライヴで、しかも交響楽団との共演という、ジャズではあまりやらないことをやっています。音も全体のバランスと会場の響き重視のようで、クインテットもあまりマイクに頼らずに演奏しているため、相対的にベースやドラムスは引っ込んでいます。このあたりがもしかすると好みの分かれるところかもしれません。流れに乗っているところはクインテットで突っ走っていますが、上手くオーケストラのアレンジを織り込んで、出だしやエンディングとテーマ対アドリブ、という単純な図式のアレンジではなく、交互にドラマチックな演出がなされています。やっぱりこのアレンジはタダ者ではありません。


Take Five/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded December 16, 1995. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds), Century Orchestra Osaka - 1. Caravan 2. A Dawn In Asia 3. Take Five 4. Manteca 5. A Night In Tunisia

大阪のザ・シンフォニー・ホールでのオーケストラとの共演のライヴ。デヴィッド・マシューズのオーケストラのアレンジが見事で、クインテットとオーケストラが融合し、かつ両者がうまく交互に前面に出てきます。オリジナルも1曲(2曲目)。響きが豊かなのはコンサート会場のため。クラシックとジャズの美味しいところが合わさるもメインはクインテットのジャズでアップテンポの1曲目、薄暗いゆったりした序章から明るいメロディがアップテンポであらわれて変幻自在に盛り上がっていく2曲目、5拍子の原曲を生かして豊穣にふくらませていった感じのある渋いアレンジが展開していく3曲目、クラシック的な部分とラテンジャズ的に盛り上がる部分が交互に出てゴキゲンな4曲目、綾織り系のアレンジとストレートな部分が交錯する5曲目。

2007/05/21

Tituli/Cathedral In The Thrashing Rain/Stephen Hartke

1861

今ではタワーレコードで独自にSACDを出していますが、ECM本体でSACDを出しているのはこれだけ。けっこう貴重です。でも、ストリーミングではCD規格でした。Stephen Hartkeはアメリカの現代音楽家で、あまり難解な部分は無いように感じ、むしろ宗教音楽に近いような気もしますが、現代音楽的な感じの部分もあります。ここでもヒリヤード・アンサンブルが活躍していて、全編にわたり、いい歌唱を聴かせてくれています。

 

Tituli/Cathedral In The Thrashing Rain/Stephen Hartke(ECM New Series 1861)(輸入盤) - Recorded February 2003. The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Andreas Hirtreiter(Tenor), Gordon Jones(Baritone), Michelle Makarski(Vln), Lynn Vartan(Marimba, Cynbals, Shakers, Cup Bells, Wood Block), Javier Diaz(Marimba, Cynbals, Shakers, Cup Bells, Wood Block), Donald Crockett(Cond) - 1-7. Tutuli 8. Cathedral In The Thrashing Rain

(03/11/19)ECM初のSACD/CDハイブリッドディスク。Stephen Hartkeは’52年生まれの現代音楽家で、上記の曲は’99年から’00年にかけて作曲されたもの。前者は5声、ヴァイオリン、2人のパーカッションのための曲で、古いラテン語の詩。宗教音楽(かどうか分かりませんが)的な荘厳な部分もありますが、現代的な音使いも。2曲目は4声の曲で、日本語の詞(高村光太郎)からの翻訳との事。とはいうものの旋律は西洋的。

The Original Voice/Manhattan Jazz Quintet

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マンハッタン・ジャズ・クインテットの手直し聴き1日目。オーケストラの方は終わったのですが、クインテットはあと5枚残っています。いつかは出るぞ出るぞと思っていた、デヴィッド・マシューズの全曲オリジナル集です。やっぱり日本はスタンダードやジャズメン・オリジナル指向が強いせいか、このアルバムの売れ行きは今ひとつだったようです。売れセンねらいの日本企画のアルバムに嘆いている皆さん、ジャズはオリジナルも良いと思うのですが、いかがでしょうか。と言いつつ、やっぱりメロディの印象度は有名なスタンダードやジャズメン・オリジナルにかなわないのも事実としてあるわけで。けっこう高度な作曲や演奏をしているんですけれども。


The Original Voice/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded August 9 and 10, 1995. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Stair Steps 2. Freeway 3. Kickin' 4. Mostly Moonlight 5. Dorian Mood 6. Memory Of You 7. Conversating 8. Something Cubano

全曲デヴィッド・マシューズのオリジナル。なかなか硬派な感じ。MJQに懐疑的な方は、まずこれを聴いて判断されるといいのでは。以前からオリジナルを織り込んできたので、このバンドがただの売れセンねらいのグループではないと思うのですが。アップテンポで浮遊感もあるテーマの突き進んでいく1曲目、起伏の大きい渋めでややアップテンポなファンクノリの2曲目、これまたアップテンポでアップダウンの多いメロディとキメのある渋めな3曲目、ドリーミーで静かな優しいバラードを聴かせる4曲目、このバンドにしては割とアグレッシヴな面を見せる5曲目、超アップテンポでメロディもキャッチーなカッコよい6曲目、歩き回るようなメロディのテーマをミディアムで聴かせる7曲目、ノリの良い都会的なラテン・ナンバーの8曲目。

2007/05/20

アンプを買い換えた(ヤマハ DSP-AX2700)

130830dspax2700 昨夜、急に思い立って、今日、アンプを買い換えてしまいました。
機種はヤマハのDSP-AX2700。平成4年にやはりヤマハのAVX-2200DSPを買っているのですが、当時はまだ独身時代で、自由に自分のお金が使えた時代。結婚してからはなかなかそうもいかなくて、特に独立した10年前(平成9年)なんて、売上げも少なく、CD以外は何も買えなかった時代が続きます。

私の大きな買い物(結婚後)

平成8年秋 自動車 日産 ステージア25X(これが独立の時の資金繰りの足かせとなる)
平成16年 オーディオ CDプレイヤー TEAC VRDS-15(実売10万円程度だったので、大したことはない)
平成17年秋 自動車 日産 ステージア250RX(けっこう無理して買いましたが)
そして
平成19年春 オーディオ ヤマハ DSP-AX2700(買値で20万円弱)
大きい自分の買い物ってこれくらいかな。

事業の方では、設備投資はコピー機やサーバー(2台、100万円クラス)、パソコン(10年で10台買った)など、家族だけでやっていてもお金がかかるため、意外に手元に残る資金って多くないんですよ。

AVアンプを今回も買ったわけですが、実は家を建てたときにはホームシアターを作ろうとして、部屋の音響がデッドで、7チャンネルサラウンド用に、壁の中を配線を引き回しているからなんですね。ピュア・オーディオのアンプだったら、20万前後出せは数クラス上を買えますが、私の変わった方針ということで(笑)。実際、ビデオやテレビは今のところは外してしまっています。

Black Magic Woman/Manhattan Jazz Orchestra

Mjoblack
マンハッタン・ジャズ・オーケストラのアルバムコメント手直し聴き3日目で、とりあえずオーケストラの方は、終了。ここから後、今まで何枚も出ていますが、取り合えずは、’98年以前のものが手直しの対象だったので、一段落ということになりますね。もうこのあたりでオーケストラの個性は確実に確立していて、分かりやすさと木管楽器主体の重心が低いマイルドなアンサンブル(実は複雑)は、聴きこめばブラインドでも分かるのではないでしょうか。今回は6曲を50分強で演奏しているので、各曲の演奏時間も長く、進行するにつれて変化していく緻密なアレンジと自由なソロを十分楽しむことができます。


Black Magic Woman/Manhattan Jazz Orchestra(Sweet Basil) - Recorded June 17 and 18, 1997. Lew Soloff(Tp), Ryan Kisor(Tp), Scott Wendholt(Tp), Joe Shepley(Tp), Jim Pugh(Tb), John Fedchock(Tb), Larry Farrell(Tb), Dave Taylor(Btb), John Clark(French Horn), Fred Griffen(French Horn), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As), George Young(Ts), Roger Rosenberg(Bcl), David Matthews(P), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds) - 1. Air Mail Special 2. Ascenseur Pour L'echafaud 3. Black Magic Woman 4. C Jam Blues 5. California Dreamin' 6. Candy

スタンダード、映画の曲、ロックの曲ありのオンパレード。オリジナルはなし。円熟味を増したアレンジ。特に「死刑台のエレベーター」(2曲目)はアレンジするのが難しいと思います。かなりのアップテンポで’40年代の曲をスリリングなソロとアンサンブルで突っ走っていく、非常にカッコ良い1曲目、渋さはそのままに起伏のある個性的なアプローチを見せながら徐々にペースを速めていく2曲目、サンタナでも有名な曲を、ちょっとゆったりめで綾織り系の薄暗さを持ったサウンドからアップテンポもあって盛り上がる3曲目、ジャズのシンプルな曲を浮遊感のある複雑なアンサンブルに仕上げた4曲目、懐かしいロック&ポップスの曲を渋めのアレンジから中盤アップテンポになる5曲目、華やかなアンサンブルのミディアムの6曲目。

Up For It/Keith Jarrett, Gary Peacock, Jack DeJohnette

1860

キース・ジャレットのスタンダーズのアルバム。ここまで何枚アルバムが出たのかまでは数えていませんが、どれを聴いても飽きさせず聴かせてくれるという点では、最高のピアノ・トリオのひとつではないかと思っています。やはりそれでもキースが導入部でピアノで提示して、それを即興的に曲に他の2人が入り込んでいく、というのは、ずーっと同じですが、そこにマンネリを感じさせない何かがあると思います。それにしても、曲もいいし、ラストの後半だけオリジナルだけど、それも自然に入り込んでいるし、なかなかいい感じで聴けます。

 

Up For It/Keith Jarrett(P), Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1860) - Recorded July 16, 2002. - 1. If I Were Bell 2. Butch & Butch 3. My Funny Valentine 4. Scrapple From The Apple 5. Someday My Prince Will Come 6. Two Degrees East, Three Degrees West 7. Autumn Leaves - Up For It

久しぶりにラスト(メドレー後半)の曲のみ突き進んでいくオリジナルで、あとはスタンダードの構成。彼らとしてはオリジナルだろうとスタンダードだろうとマイ・ペースで演奏しているだけなのだと思いますが、また再び分かりやすいメロディの世界に戻ってきてくれたのがうれしい。映像作品まで含めると、今回の初出のスタンダードは4、6曲目のみ。ただ、今回のヴァージョンの再演曲も決して飽きさせることなく聴かせてくれます。1-2曲目で明るめな面でせまってきたと思ったら、3曲目のしっとり感の高い面でも見事に心に入り込んできて、盛り上がっていきます。4曲目もピアノもスゴいですが、キース・トリオ独自のサウンドが出来上がっています。6曲目はブルース。そしておなじみ7曲目前半「枯葉」も心地良く聴く事ができます。(03年5月21日発売)

2007/05/19

ホームページにCDが何枚掲載されているか

ホームページ「ジャズCDの個人ページ」は、今年9月30日で、ちょうど開設10周年を迎えます。当時は36歳だったと思うので、何だか人生の貴重な時間を、ジャズやフュージョンを聴くことに費やしてしまったなと思います。こういう趣味さえなければ、家族サービスももっと出来ただろうに(時間があったからといって、やってるとは限りませんが)。

自分でも数えたことがないですが、いったい何枚のジャズやフュージョンのCDが掲載されているのか、気になるところではあります。ECMレーベルだけで800枚超、Criss Crossも280枚ぐらいあるので、これだけで千枚超えてますね。ミュージシャン特集などでは参加ミュージシャンがダブったりすると、全部の特集ページに同じ文章を加えたりしているため、自分の感触では2千から3千枚の間ではないかと思うのですが。でも、きっちり数えるのは面倒なので、やってません。自分のデータを紙媒体にしてチェックするのも紙がもったいないし、何枚でした、と結果を出しても、いったい意味があるのか、と自問自答しています。

3年前の5月30日から「ジャズCDの個人ページ Blog」をはじめましたが、そちらのエントリーももうすぐ1,100ぐらいになります。必ずしも全部のエントリーでCDコメントをやっているわけではないですが、手直しと新譜含めて千枚は超えてます。内容はホームページとリンクさせています。

どうせやるからには「ジャズ・フュージョン」「CD」「コメント付き」「一人で作成」という分野では日本一の枚数(質ではない)を目指したいですね。複数の方でやってらっしゃるサイトでは、ディスコグラフィー関連とか、フュージョン関連とか、けっこう膨大なサイトはありますけれど。自分の満足いく内容になるのは、あと何年かかることやらです(笑)。

(追記)ダブりを気にせず数えていくと、新譜や輸入盤の紹介コーナーを別にして、ミュージシャン別やレーベル別で4,800枚後半ぐらいになります。ダブる率を考慮に入れると7掛けか6掛けか、それによっても変わってきますね。

Paint It Black/Manhattan Jazz Orchestra

Mjopaint
マンハッタン・ジャズ・オーケストラのコメント手直し聴き2日目。今日はほとんど(9曲中8曲)ローリング・ストーンズの曲をビッグ・バンドでやってみようという企画のアルバム。ビートルズ特集ならば、ジャズではかなりあるけれど、ストーンズというのは珍しいですよね。明るいロック、渋めなロックといろいろあるけれど、アレンジもジャズ・ロックという感じで、けっこうストレートに表現しています。もちろん、バンド・アレンジはけっこう凝っているみたいですが、あまりそういうことを気にしないでも聴けると思います。けっこう長く活躍していた(いる?)ので、ロックロックしていながらも、いい曲が多いですね。


Paint It Black/Manhattan Jazz Orchestra(Sweet Basil) - Recorded February 21 and 22, 1996. Lew Soloff(Tp), Joe Shepley(Tp), Ryan Kisor(Tp), Scot Wendholt(Tp), Jim Pugh(Tb), Keith O'quinn(Tb), Birch Johnson(Tb), Dave Taylor(Btb), George Young(Ts), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As), Roger Rosenberg(Bcl), Fred Giffen(French Horn), John Clark(French Horn), David Matthews(P), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds), Hiram Bullock(G on 1-2, 5, 7), Andy Snitzer(Ts on 2, 5, 7) - 1. Honky Tonk Women 2. Paint It Black 3. Brown Sugar 4. As Tears Go By 5. Jumpin' Jack Flash 6. Time Is On My Side 7. Groovin' Stones 8. Angie 9. Satisfaction

邦題「黒くぬれ」。ローリング・ストーンズの曲が中心のアルバムなので、ジャズでは珍しいかも。オリジナルは1曲(7曲目)。8ビートが中心でジャズ・ロック的なノリ。約半分に参加のハイラム・ブロックが雰囲気を盛り上げています。明るくてメロディアスな曲調が当時のロックの1曲目、ややアップテンポで突っ走るようなサウンドが心地よい2曲目、ロック的と思うと一瞬アップテンポの4ビートになる3曲目、ややスローで起伏もあり、アンサンブルが美しいサウンドの4曲目、アップテンポの渋めなロックでギターがキモの5曲目、彼らの作曲でなく、彼らがヒットさせた8分の6拍子の6曲目、軽快なリズムでメロディアスな明るい7曲目、綾織り系の美しいバラードを聴ける8曲目、ロックらしいストレートなメロディとビートが心地よい9曲目。

Das Madchen Mit Den Schwefelhozern/Helmut Lachenmann

1858

Helmut Lachenmannの作曲したアルバム。しかし、現代音楽の枠組みの中で、CD2枚組という大作なので、聴く人を選ぶアルバムになっています。ここでは日本人が何人か参加しているのも特徴で、それだけなら何ということもないのですが、笙を演奏する人もいて、西洋的な題の下に、東洋的なものへのあこがれというか、表現の題材というか、が隠されています。これを2時間弱聴いたのはやはり、当時だからできたことで、今だったら途中で断念していたかもしれません。レビューなのにこういうことを書くのもアレですが。

 

Das Madchen Mit Den Schwefelhozern/Helmut Lachenmann(Voice)(ECM New Series 1858/59) - Recorded July 2002. Eiko Morikawa(Soprano), Nicole Tibbels(Soprano), Yokiko Sugawara(P), Tomoko Hemmi(P), Mayumi Miyata(Sho), SWR Vokalensemble Stuttgart, SWR Sinfonieorchester Baden-Baden Und Freiburg, Sylvian Lachenmann(Cond) - CD1. Teil: 1 Auf Der Strasse 1. Choralvorspiel "Oh Du Frohliche" 2. "In Dieser Kalte" 3. "Frier-Aire"(1. Tell) 4. Trio Und Reprise("Frier-Aire" 2. Tell) 5. Scherzo 1("Konigin Der Nacht) 6. Schelzo 2("Schnalz-Aire" - "Stille Nacht") 7. "Zwei Wagen" 8. "Die Jagd" 9. "Schneeflocken" 10. "Aus Aleen Fenstern" Teil 2: An Der Hauswand 11. Hauswand 1("In Einem Winkel") 12. Ritsch 1("Ofen") 13. Hauswand 2("Da Erlosch") 14. Hauswand 3("Litanei") 15. "Schreibt Auf Unsere Haut" 16. Ritsch 3 CD2. 1. Ritsch 3 2. Kaufladen 3. "Die Weihnachtslieder Stiegen Hoher" 4. Abendsegen("Wenn Ein Stern Fallt") 5. "...Zwei Gefuhle...", Musik Mit Leonardo 6. Hauswand 4 7. Ritsch 4 8. Die Grossmutter 9. "Nimm Mich Mit" 10. Himmelfahrt("In Glanz Und Freude") 11. Sho("Sie Waren Bei Gott") 12. Epilog("Aber In Der Kalten Morgenstunde")

(04/08/08)邦題「歌劇<マッチ売りの少女>」。Helmut Lachenmannは20世紀ドイツの現代音楽家。主なメンバーに日本人が参加していたり笙を演奏する場面があったりと、個性的。しかし、最も個性的なのは、2時間弱(CD2枚組)の歌劇でありながらやはり非常に現代音楽的な歌唱、演奏であることで、聴く人を簡単には寄せ付けないアヴァンギャルドさがあります。 これが歌劇なのか?というあまりにも抽象的なサウンドの展開です。(04年7月7日発売)

2007/05/18

Get It On/Manhattan Jazz Orchestra

Mjogetit
マンハッタン・ジャズ・オーケストラのコメント手直し聴き再び1日目。ニュー・スタンダードという言葉がいつから使われはじめるようになったのか思い出せないのですが、ここでの’70年代の曲集はその先駆的な要素があります。いわゆるポップスやロック、ソウルなどがスタンダードとしてよみがえる、というのは以前からその流れもあったにしても、アルバムで全面的に取り上げるというのはここやハービー・ハンコックの「ザ・ニュー・スタンダード」(’95年録音)あたりだったのでは、と思います。アレンジがなかなかさえていて、あまり当時のポピュラー・ミュージックを意識しないでも、けっこう楽しめます。


Get It On/Manhattan Jazz Orchestra(Sweet Basil) - Recorded March 20 and 21, 1995. Lew Soloff(Tp), Joe Shepley(Tp), Bob Millikan(Tp), Ryan Kisor(Tp), Taylor Haskins(Tp on 1, 6), Jim Pugh(Tb), Keith O'quinn(Tb), Birch Johnson(Tb), Dave Taylor(Btb), George Young(Ts), Tony Price(Tuba), Marcus Rogers(Tuba on 4, 7), Chris Hunter(As), Roger Rosenberg(Bcl), Fred Giffen(French Horn), John Clark(French Horn), David Matthews(P), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds), Victor Lewis(Ds on 1, 6) - 1. Get It On 2. 25 Or 6 To 4 3. Spinning Wheel 4. Pick Up The Pieces 5. Got To Get You Into My Life 6. Getaway 7. You've Made Me So Very Happy

邦題「黒い炎」。チェイス、シカゴ、BS&T、アベレージ・ホワイト・バンド、ビートルズ、EW&Fなどの、主に’70年代のヒットチューン(ブラスロックが多い)が中心で、面白い特集です。ブラス・ロックをアドリブの部分でアップテンポの4ビートを入れながらファンク的に迫ってくる1曲目、シカゴの名曲をロックビートで、時おり4ビートを混ぜて厚みのあるアンサンブルを聴かせる2曲目、ファンク的な弾むリズムと中間部は4ビート、一部複雑なアンサンブルで勝負する3曲目、ダンサブルなサウンドがゴキゲンにせまる4曲目、ビートルズの曲ですが重厚で雰囲気が違って聴こえる5曲目、盛り上がりのあるテーマ部分と、ロックビート、4ビートが交錯するアドリブの6曲目、メロディアスな旋律とホーンアンサンブルの対比が面白い7曲目。

Napoli's Walls/Louis Sclavis

1857

ルイ・スクラヴィスのリーダー作。彼の特徴はフランス人らしく硬質で硬派なジャズなんですが、ここではドラムスやベースがいない変則編成で、チェロやエレクトロニクスを使ったりして、やはりECMではよくあるボーダーレスな作品になっています。ちょっと地味かなとも思えるのですが、スクラヴィスの曲は、それを聴いているだけで、やっぱり彼らしいな、とも思え、個人的にはけっこう好きなんですけど、聴く人を選ぶアルバムになっています。彼の一連の作品の中では少々異端なアルバムだと思いますが、レーベルに合わせたのかも。

 

Napoli's Walls/Louis Sclavis(Cl, Bcl, Ss, Bs)(ECM 1857)(輸入盤) - Recorded December 2002. Vincent Courtois(Cello, Electronics), Mederic Collingnon(Pocket Tp, Voices, Horn, Per, Electronics), Hasse Poulsen(G) - 1. Colleur De Niut 2. Napoli's Walls 3. Merce 4. Kennedy In Napoli 5. Divinazione Moderna 1 6. Divinazione Moderna 2 7. Guetteur D'inapercu 8. Les Apparences 9. Porta Segreta 10. 2 Disegno Smangiato D'un Uomo

(03/11/29)変則的な編成。ほとんどLouis Sclavisの作曲。現代音楽のような曲やエレクトロニクスの使用もあり、ボーダーレスな仕上がり。ギターとチェロ、木管の絡み合いからエレクトロニクスが加わり盛り上がっていく10分台の1曲目、エキゾチックに香りつつ各メンバーが自由に同時にフレーズを奏でていき、物語性のあるタイトル曲の2曲目、静かでやや浮遊感のある3曲目、ちょっとアヴァンギャルドで茶目っ気のある4曲目、哀愁とフレンチ風情緒を感じる組曲の5-6曲目、各楽器やエレクトロニクスのスリルがある変化に富んだ7曲目、静かに語りかけてくる8曲目、チェロとホーンのラインが対照的なVincent Courtois作の9曲目、構築された部分もあってスクラヴィスのソロが渋い、ドラマチックに展開する10曲目。

2007/05/17

Terra Nostra/Savina Yannatou

1856

Savina Yannatouというヴォーカリストのライヴ。これはストリーミングにはジャケット違いで出ているので、ECMが版権を買い取って、マスターし直して出したのではないかと思っています。ギリシャの地では有名なヴォーカリストですが、それがECMでも発売されたというわけ。それで世界的な販売に乗せて、知名度も多少なりとも上がったと思っています。ここでは各地の民謡を中心に歌っているということで、ジャズ色はありませんが、カテゴリーがECMということで、便宜上ジャズに分けています。民族音楽というジャンルを作った方がいいかもしれませんね。

 

Terra Nostra/Savina Yannatou(Voice)(ECM 1856)(輸入盤) - Recorded November 2001. Lamia Bedioui(Voice), Primavera En Salonico - Lefteries Ahgouridakis(Per), Yannis Alexandris(Oud, G, Tamboura), Kostas Vomvolos(Kanoun, Accordion, Caliba, Tamboura), Kyriakos Gouventas(Vln), Haris Lambrakis(Nay), Michalis Siganidis(B), Antonis Maratos(Per), Tassos Misyrlis(Cello) - 1. With The Moon I'm Walking 2. Ivan Nadonka Dumashe 3. A Fairy's Love Song 4. Ballo Sardo 5. Yiallah Them Rima 6. El Barquero 7. No Seas Capritchioza 8. Cgant Des Belles Meres 9. Schubho Lhaw Qolo 10. I've Told You And I Say Again 11. Tres Hermanicas Eran 12. Los Bilbilicos 13. Hey Het 14. Ah Mon Die 15. Close Your Eyelids And See 16. Adieu Paure Carnavas 17. Wa Habibi 18. Madonna De La Grazia 19. Kadife 20. Jaco

(03/03/10)アテネでのライヴで、ワールド路線のヴォーカルアルバム。ギリシャ、ブルガリア、サルディニア、レバノン、スペインはじめ、各地の民謡を中心に歌っています。その範囲はヨーロッパ、中東、アジアまで及んでいて、そのヴォーカルや伴奏のサウンドは 、西欧、非西欧に関わらずけっこうエキゾチックな感じ。そしてその声やサウンドは心の奥深くまで届くような印象。静かな曲ばかりではなく、4、20曲目のようなかなりにぎやかな曲もあるのがECMらしからぬところかも。ジャズの要素はありませんが、楽器 、ヴォーカルのコラボレーションなどにインプロヴィゼーションを感じる部分も。15曲目は歌ではなくて2人で詞の掛け合いをしています。Lamia Bediouiは5、8、13、15、17曲目に参加。

2007/05/16

Live Under The Sky 1979, Chick Corea Night

Chickunder
いただきものCDでブート。私はブートは肯定派でも否定派でもありませんが、自分では買いませんし、そういうわけで聴くこともありません。ただ、公式録音では残されていない素晴らしい演奏がたくさん眠っているのがもったいないとも思うし、著作権(無視?)の問題で演奏者にお金が行かない、という点も気にはなります。自分のホームページではブートはキリがないのと、上記の問題で掲載はしていません。ただ、こういう演奏があるとなると、う~ん、となってしまいますね。私がライヴ・アンダー・ザ・スカイに行くようになったのは、よみうりランドに場所が移ってからで、実際にこの演奏を聴いたことがなかった、ということもありますけど、素晴らしい演奏ではありますね。


Live Under The Sky 1979, Chick Corea(Key) Night(Slang Records) - Recorded July 27, 1979. Al Di Meola(G), Tony Williams(Ds), Bunny Brunel(B) - 1. Night Street 2. Chick Corea Solo 3. Al Di Meola Solo - Mediterranean Sundance - Viva La Danzarina - Fantasia Suite - Splendido Sundance - Isfahan 4. All Blues 5. Senor Mouse 6. Para Oriente 3. Spain

’79年に田園コロシアムで行なわれた、ライヴ・アンダー・ザ・スカイの収録されたブートのアルバム。これだけのメンバーが集まるのは珍しいし、確かこの顔ぶれは公式アルバムでは聴いたことがなかったと思います。曲もいい曲がいっぱい。2曲目のソロのところがちょっとつぎはぎになっているような感じがしたけれど、音はサウンドボードとのことで、けっこういいです。バニー・ブルネルは好みのエレクトリック・フレットレス・ベーシストで、他のメンバーは説明不要。CD2枚組で、バッチリと美味しいところを聴かせてくれます。ブートは自分は買わないし、聴かないですが、こういうスゴい演奏が眠っていることも多いようですね。

Stravinsky/Bach/Leonidas Kavakos, Peter Nagy

1855 久しぶりに聴いたECM New Series(クラシック、現代音楽)ですが、聴いていて、コメントを搾り出そうとしてもあまり出てこないのがつらいです。まだ現代音楽については聴いた感じを温度感や色彩感覚に当てはめてみたりして、何とか書いているのですけれど、ストラヴィンスキーとなると、本来ならば彼の有名な作品をひと通り聴いてからでないと、表面的にしかなぞれないですよね。ただ、ECMがジャズもNew Seriesも一緒くたにして一連番号にしてあるので、そこに何か意味があるのだろうと思って聴いているのですけれど。これがジャズだったら、意外にフリー系統でも文章が出てくるのですけれども。

 

Stravinsky/Bach/Leonidas Kavakos(Vln), Peter Nagy(P)(ECM New Series 1855)(輸入盤) - Recorded October 2002. - Igor Stravinsky: 1-5. Duo Concertant Johann Sebastian Bach: 6-13: Partita No.1 In B Minor(BWV 1002) Igor Stravinsky: 14-19. Suite Italienne Johann Sebastian Bach: 20-23. Sonata No.1 In G Minor(BWV 1001)

(05/03/17)Igor Stravinskyはロシア生まれの20世紀の作曲家、Johann Sebastian Bachはドイツの18世紀の作曲家。ストラヴィンスキーの方は’30年代の作曲でピアノとヴァイオリンのデュオ。彼の曲の方はいかにもクラシックのデュオらしく、表情を変えながら進んでいきます。バッハの方はヴァイオリンのソロ。バッハの方は安定した哀愁感覚があって、落ち着いて聴ける感じです。美しさの中にも妖しさが混ざったようなヴァイオリン。

2007/05/15

J.S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier, Vol.1/Till Fellner

1853

Till FellnerによるJ.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻。後にアンドラーシュ・シフもECMから出しているので、同じテーマで演奏家を変えて、何度でも出すこともあります。残念ながら3者の違いというのまで感じ取って聴くことはできないのですが、この演奏は安心して聴けるアルバムではないかと思っています。この時期になってくると、有名なピアニストも擁して、安定したクラシックど真ん中の演奏を聴くことができます。彼も枚数はそんなに多くないですけど、アルバムをいくつか出しています。

 

J.S. Bach: Das Wohltemperierte Klavier, Vol.1/Till Fellner(P)(ECM New Series 1853/54)(輸入盤) - Recorded September 2002. - Praludien Und Fugen 1-12 BWV 846-857: 1-2. C-Dur 3-4. C-Moll 5-6. Cis-Dur 7-8. Cis-Moll 9-10. D-Dur 11-12. D-Moll 13-14. Es-Dur 15-16. Es/Dis-Moll 17-18. E-Dur 19-20. E-Moll 21-22. F-Dur 23-24. F-Moll Praludien Und Fugen 13-24 BWV 858-869: 25-26. Fis-Dur 27-28. Fis-Moll 29-30. G-Dur 31-32. G-Moll 33-34. As-Dur 35-36. Gis-Moll 37-38. A-Dur 39-40. A-Moll 41-42. B-Dur 43-44. B-Moll 45-46. H-Dur 47-48. H-Moll

(04/03/14)’72年 ウィーン生まれの若手ピアニストTill Fellner演奏による「J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻」。キース・ジャレットも’87年録音で同じ曲をECM New Series 1362/63で発表していますが、聴き比べるのも面白いかも。やはりバッハ作で有名な曲なので、曲としても非常に完成度が高くまとまっていて、安心して聴けます。年には似合わず落ち着いたピアノ、とでも言うべきか、曲に合っている(バッハ向き)の気も。

ブリーズ・オブ・スプリング/シーン・オブ・ジャズ

Scenespring
このメンバーでの季節ごとのテーマで4作目なので、おそらくこのアルバムでひと区切りなのでしょう。メンバーはけっこう良いので買い続けてみました。ただ、選曲は明らかに売れセンねらいで、サウンドもあまりマニアックではなく、どちらかというと聴きやすい方向。それでもメンバーの個性は色濃く出ていると思いますが。なので、そこでこのシリーズの好き嫌いは出て来るんではないでしょうか。基本的には売れることを目指したアルバムだと思うので、これはこれでいいのですが。このメンバーでオリジナルを取り混ぜて、本当にやりたいことをやったらどうなるのかな、という期待もあるので、今後このメンバーでアルバムが出るとしたら、そういう風になるのを待ってます。


ブリーズ・オブ・スプリング/シーン・オブ・ジャズ(Roving Spirits)
Breeze Of Spring/Scene Of Jazz(Roving Spirits) - Recorded January 25, 2007. 石井彰(P)、大坂昌彦(Ds)、安ヵ川大樹(B) - 1. You Must Believe In Spring 2. I'll Remember April 3. Spring Can Really Hang You Up The Most 4. Skylark 5. April In Paris 6. I Love You 7. Up Jumped Spring 8. Joy Spring 9. Spring Is Here 10. May-Reh

季節を表すシリーズ4作目は「春」がテーマ。親しみやすいスタンダードやジャズメン・オリジナルです。ビル・エヴァンスを元気にした、ややアップテンポのサウンドの1曲目、弾むようなベースとリズムで陽気に進んでいく2曲目、ベースのアルコでテーマを奏でるしっとりしたバラードの3曲目、8分の6拍子で温かい雰囲気で、フレーズが時に温度感が変わって曲が展開する4曲目、出だしのテーマでたびたびストップモーションをかけるようなミディアムの5曲目、アップテンポでゴキゲンなメロディが紡ぎだされていく6曲目、ベースのアルコでテーマが表現されるミディアムのワルツの7曲目、陽気なアップテンポで勢いのある春の8曲目、非常にゆったりしてテンポがなくなりそうなバラードの9曲目、目まぐるしいアップテンポでせまる10曲目。(07年4月25日発売)

2007/05/14

Memory/Vision/Evan Parker Electro-Acoustic Ensemble

1852 最近クレジットを見ていると、「エレクトロニクス」と書かれたパートを時々見ます。「ターンテーブル」の方はまだ分かるにしても、エレクトロニクスって何ぞや。「コンピュータ」との違いは? 下記に2枚のエレクトロニクス参加のアルバムがあるのですが、かつてのハービー・ハンコックのようにターンテーブルのスクラッチがバリバリのファンクという雰囲気では全然なく、ユルくアコースティック楽器と人工音(エレクトロニクスだと思う)が混ざり合ったようなサウンド。融合している感じで、境い目ははっきりとしません。

このアルバムはベースもドラムスもいないので、なだらかなのでジャズというジャンルに入れてもいいのかどうか。確かにフリー・インプロヴィゼーションという枠には当てはめることができるし、エヴァン・パーカーの循環奏法(音を途切れさせずに管楽器を吹く奏法)なども見事なのですが。

 

Memory/Vision/Evan Parker(Ss, Tapes, Samples) Electro-Acoustic Ensemble(ECM 1852)(輸入盤) - Recorded October 2002. Philipp Wachsmann(Vln, Electronics), Agusti Fernandez(P, Prepared P), Burry Guy(B), Paul Lytton(Per, Electronics), Lawrence Casserley(Signal Processing Instrument), Joel Ryan(Computer, Sound Processing), Walter Prati(Electronics, Sound Processing), Marco Vecchi(Electronics, Sound Processing) - 1-7. Memory/Vision

(03/11/19)オスロでのライヴ録音。曲名が入っていなくて全体の70分を1曲としているようですが、CDの中は7曲に分かれています。編成の大部分がエレクトロニクスを取り扱い、テープやサンプリングもある中に生音の楽器が入るという非常に前衛的なパターンなのですが、そこを支配する音は非旋律的な音響効果とも言える音が連なり、分かりやすいメロディがあまり出てきません。それでも次から次へといろいろなサウンドがドラマチックに、ある場面では淡々と出てきて、不思議な陶酔感覚をもたらしてきます。さすがにあまり分かりやすくないとはいえ、静かな場面で弦楽器やピアノなどのメロディらしきものが出てきたときは、少々ホッとすることも。この持続力と緊張感は、このバンドでないと出せないサウンドかも。

Marian McPartland's Piano Jazz/Brad Mehldau

Marianbrad
ブラッド・メルドーの出ているCDだったので、思わず注文してしまいましたが、’96年録音とちょっと古く、しかも奇数番目のConversationは曲ではなくて、マリアン・マクパートランドとの2人の会話なんですね。英語はそうそうは聞き取れないので、今回はその部分は飛ばしてCDをかけてしまいました。さすがに全部通しでは聴けません。でも、デビューからはしばらく経っている時期なので、彼の個性もだんだん色濃くなってくる頃。ですので、ピアノ自体は飽きさせませんでした。まあ、こういうアルバムもあるということで、彼の追っかけならば買っても良いのかな、というところですね。会話の翻訳があれば、けっこう助かるのですが。


Marian McPartland's(P) Piano Jazz/Brad Mehldau(P)(Concord)(輸入盤) - Recorded December 12, 1996. - 1. Conversation 2. From This Moment On 3. Conversation 4. Ron's Place 5. Conversation 6. Stella By Starlight 7. Conversation 8. I Get Along Without You Very Well 9. Conversation 10. When I Fall In Love 11. Conversation 12. (Our) Love Is Here To Stay 13. Conversation 14. I See Your Face Before Me 15. Conversation 16. No Particular Blues 17. Conversation

(07/05/12)Brad Mehldauの演奏は2、4、10曲目、Marian McPartlandの演奏は8、14曲目、2人のデュオは6、12、16曲目。スタンダード中心ですが、メルドー作が4曲目、2人のインプロヴィゼーションのブルースが16曲目。曲番の奇数番目は2人の会話なのだけれど、英語に強くない私には何のことか分からず。したがって、メルドー参加の偶数番目の曲のみを紹介します。もうこのときにはメルドーらしさのあるジャズで、繊細なフレーズの連なる2曲目、スタンダードのような美しい旋律のある4曲目、2人で割と優雅にピアノを奏であっている6曲目、しっとりとした落ち着いたバラードを聴かせる10曲目、温かみのあるスタンダードがミディアムで心地よい12曲目、デュオのブルースも知的な香りがしてテンポの良い16曲目。

2007/05/13

ギター・ルネッサンス4[響]/渡辺香津美

Kazumiguit4
渡辺香津美のこのシリーズも4作目。ギターだけ、あるいはギター中心だとなかなか材料がなくて、普通ならばここまでシリーズではなかなか出せないですよね。クラシック、ジャズ、ポップス、あるいは今回の場合のようにスペインの曲、それにオリジナルなども組み合わせて、彼の無限に近い引き出しを見せてくれます。ジャズの曲もあるけれど、気軽にノレる曲というよりは、やっぱりスピーカーに対峙して聴く曲が多いような感じです。そういう意味で、シリアスな「ギター・サウンド」を求めて聴いている、という雰囲気になりますね。SACDとのハイブリッドなので、音質の点でもなかなか。


ギター・ルネッサンス4[響]/渡辺香津美(G)(ewe)
Guitar Renaissance 4 [響]/Katsumi Watanabe(G)(ewe) - Recorded January 24, February 10-11 and 13, 2007. Richard Stoltzman(Cl on 2), Shinichi Fukuda(G on 15) - 1. Eleanor Rigby 2. Tamayura 3. Sarabande From Suite For Unaccompanied Violoncello No.1 BWV 1007 4. Spain 5. Nardis 6. Despierte Le Novia 7. Prologue 8. Nana De Sevilla 9. Las Morillas De Jean 10. Crescent 11. Blood Escape 12. Jamming Iberico 13. Celebracion Blanca 14. (El Amor Brujo) Cancion Del Fuego Fatuo-Danza Ritual Del Fuego 15. Romance

リチャード・ストルツマン(Cl on 2)、福田進一(G on 15)。渡辺香津美作は2、7、11-13曲目。シリーズ第4作目で、ビートルズ、ジャズメン・オリジナル、バッハなどの他に、スペイン関係の曲が多めな気がします。スパニッシュもあり、スペインの哀愁を感じます。60分に15曲とけっこう詰め込んでいて、密度が高いです。意表をついて8分の6拍子で演奏する1曲目から、ギターのデュオでの15曲目まで、多彩。ただ、ジャズ色も4ビートの横揺れではなくて、構築された記譜系あるいはインプロヴィゼーション系のカチッとした感じ、クラシック色の方が何となく強く聴こえるのは、ほとんどの曲を1人で仕上げているからだと思います。ジャズっぽいのはやはり4-5曲目あたりで、表現の幅はけっこう広い感じ。聴く人を選ぶかもしれないけれど、ギターの奥深い世界を堪能できます。割と濃密。(07年4月25日発売)

Monodia/Tigran Mansurian/Kim Kashkashian

1850

Tigran Mansurianの作曲したアルバムでCD2枚組。キム・カシュカシャンの演奏が興味を引きます。それにしても豪華なゲストですね。一度現代音楽にどっぷりと浸かって、そこから民族音楽方面に戻ってきたという、マンスリアンに関しては興味があります。ただ、これを2枚一気に聴けるかとなると、ちょっとためらいも生じますけれども。豪華なアルバムは、何かの記念での録音ということなのか、どうか。それだけ注目すべき作曲家なのだ、ということだとは思いますが。

 

Monodia/Tigran Mansurian/Kim Kashkashian(Viola)(ECM New Series 1850/51)(輸入盤) - Recorded November 2001 and January 2002. Leonidas Kavakos(Vln), Jan Garbarek(Ss), Muchener Kammerorchester, Christoph Poppen(Cond), The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor) Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Gordon Jones(Baritone) - 1-2. "...and The I Was In Time Again" 3. Concerto For Vilolin And Orchestra 4. Lachrymae 5-7. Confessing With Faith

(04/03/26)Tigran Mansurianは20世紀アルメニアの現代音楽家。今回のアルバムは、曲によってヒリヤード・アンサンブルやヤン・ガルバレクの参加など、けっこう力が入っています。3曲目でもレオニダス・カヴァコスも参加していて、豪華。1枚目(1-3曲目)がオーケストラとの録音。現代音楽と民族的な要素が掛け合わされたような、一種哀愁のあるサウンドが展開されます。もちろん、メインはキム・カシュカシャンのヴィオラ。 (04年4月28日発売)

2007/05/12

トロペイ10~ザ・タイム・イズ・ライト/ジョン・トロペイ

Tropea10
ジョン・トロペイのアルバムは、これを含めビデオアーツから出た最近の3枚は持っていて、いつもスゴいメンバーと演奏しているなあ、という印象だったのですが、今回は10枚目ということもあって、共演者もさらに豪華だし、取り上げている曲もジャズ、ポップスなどで有名な曲が多いので、すぐ飛びついてしまいました。ジャンルとしてはフュージョンになってしまうのでしょうけど、「ジャイアント・ステップス」もやっていたり、腕利きのところを見せています。それにしても有名曲の数々。1曲目からスパイロ・ジャイラの曲が飛び出してきたり、3曲目は私の好きなポール・サイモンの曲で、これはスティーヴ・ガッドでなければ、という独特なリフ。売れセンということもありますが、なかなかいいアルバムに出会いました。


トロペイ10~ザ・タイム・イズ・ライト/ジョン・トロペイ(G)(Videoarts)
Tropea 10 - The TIme Is Right/John Tropea(G)(Videoatrs) - Recorded December 18-23, 206. Will Lee(B, Shaker), Steve Gadd(Ds), Leon Pendarvis(Org, Key), Chris Palmaro(Key), Don Harris(Tp), Brian Pareshi(Tp), Jens Wendelboe(Tb), Bill Harris(As), Joey Berkley(Ts), Rinnie Cuber(Bs), Anthony Jackson(B), Lou Marini(Ss, As, Ts), Hugh McCraken(G), Jillian Armsburry(Back Vo), Vivian Cherry(Back Vo), Vanese Thomas(Back Vo), Ann Sally(Vo), Crint De Ganon(Ds), Steve Cropper(G), John Tropea Jr(Key), Shawn Pelton(Ds), Russ De Fillipis(G), Rob Pararozzi(Harmonica), David Fink(B) - 1. Morning Dance 2. Mambo Inn 3. 50 Ways To Leave Your Lover 4. Giant Steps 5. Will You Love Me Tomorrow 6. Super Strut 7. Pandora's Box 8. The Cropper Way 9. La La Means I Love You 10. The Chant 11. Body And Soul

10枚目のリーダー作で、ジョン・トロペイの参加した作品や彼の作曲(8曲目)など、ポップス、ファンク系の曲が多く、彼の味のあるギターを楽しめます。メロディアスなフュージョンでブラスも入り軽快な1曲目、ノリの良いラテンと4ビートが繰り返しせまる2曲目、スティーヴ・ガッドのドラム・リフが独特なポール・サイモン作の3曲目、コルトレーン・チェンジを入れつつ、1発コードも混ぜ込んでスマートに勝負する4曲目、アン・サリーのヴォーカルが優しく語りかけるバラードの5、9曲目、ブラス入りのミディアム・ラテンで渋めの6曲目、弾むようなミステリアスなメロディとリズムが心地よい7曲目、ギタリスト、スティーヴ・クロッパーに捧げる曲で彼も起用した8曲目、速いユニゾンのパッセージがスゴい10曲目、スタンダードのバラードの11曲目。(07年4月18日発売)

Lauds And Lamentations Music Of Elliot Carter And Isang Yun/Heinz Holliger

1848

ハインツ・ホリガーによる、エリオット・カーターとIsang Yun集で、CD2枚組の各1枚ずつを使っています。どうせなら分売した方が良いのでは、とも思ったのですが、何か意味合いがあるのでしょうか。東西で有名な現代音楽家というと、この2人になってくるらしいのですが、それにしても、と思います。ただ、両者である種の統一感はとれていて、アルバムを通して(なかなか通せないですけど)聴いてみると、なるほどなあ、と思う面はあります。

 

Lauds And Lamentations Music Of Elliot Carter And Isang Yun/Heinz Holliger(Oboe, English Horn)(ECM New Series 1848/49)(輸入盤) - Recorded September 2001 and Febryary 2002. Thomas Zehetmair(Vln), Ruth Zehetmair(Viola), Thomas Demenga(Cello) - (CD1) Elliott Carter 1. Oboe Quartet 2-5. 4 Lauds 6. A 6 Letter Letter 7. Figment 8. Figment 2 - Remembering Mr. Ives (CD2) Isang Yun 1. Piri 2-4. Quartet For Oboe And String Trio

(03/06/13)CD2枚組みで、1枚目がElliott Carter、2枚目がIsang Yunの曲(共に現代音楽家)の曲を演奏。1枚目1曲目と2枚目2-4曲目がオーボエとストリングス・トリオの4人組。以下、ヴァイオリンのソロ、イングリッシュホルンのソロ、チェロのソロ、オーボエのソロの曲があります。その曲調は 両者の曲ともに、やはり寒色系の景色で、抽象的かつ難解で精緻、といった趣きがあります。Isang Yunは東洋的な音の部分も。

2007/05/11

スピリット・オブ・ザ・モーメント/ミシェル・カミロ

Michelspirit
ミシェル・カミロはやっぱりトリオだ!と思っていた方も多いはず。久しぶりのトリオ作が出ました。ドラムスが新しい人に交替しています。ただ、私にとってはデビュー作の衝撃があまりにも大きかったため、ミュージシャンも日々進化しているんだなあ、とある意味しみじみと思ったりしています。何を思っているかというと、彼の内省的傾向がこのアルバムでも比較的色濃く出ているということ。もちろんガンガンにノリノリの曲もありますが、両者が混ざり合ってひとつのアルバムになっています。やっぱり成熟しているんだなあ、という結論。それが良いことなのかどうかは別にして。でも、彼のアルバムだもの、悪かろうハズはないですよね。要は個人個人の音楽に対する刷り込みの問題なのかも。


スピリット・オブ・ザ・モーメント/ミシェル・カミロ(P)(Telarc)
Spirit Of The Moment/Michel Camilo(P)(Telarc) - Recorded October 16-19, 2006. Charles Flores(B), Dafnis Prieto(Ds) - 1. Just Now 2. My Secret Place 3. Spirit Of The Moment 4. Repercussions 5. Nefertiti 6. Nardis 7. Trilogy 8. Giant Steps 9. A Place In Time 10. Hurry Up And Wait 11. Liquid Crystal 12. Solar (Epxplorations)

久しぶりのトリオ作で、ミシェル・カミロ作は1-4、7、9-11曲目。ジャズメン・オリジナルも4曲あって、曲ごとに緩急があってなかなか良い出来だけれども、どれも時間の短い(2-3分台)のが残念。8曲目など、飛ばしまくりなんですが。熱帯風な変形ブルースとでもいう感じの1曲目、テーマ部分がしっとりバラードで、アドリブの部分がちょっと弾む感じもある2曲目、ユニゾンが多いラテンの暑さも感じる彼らしい起伏のあるタイトル曲の3曲目、アップテンポでけっこう彼らしい迫力とスピーディーさを感じる4曲目、ボッサ的でもありダイナミックな面もある7曲目、淡彩色の水彩画のような淡いバラードを聴くことができる9曲目、変拍子で弾むラテン・ファンクのゴキゲンな10曲目、ミステリアスな3人の響き合いが印象的な11曲目。(07年4月25日発売)

Storyteller/Marilyn Crispell Trio

1847 今日は、なぜか国内盤で発売されなかったECM盤の紹介です。耽美的で内省的なフリーの曲が多く、こういう感じがけっこう良いと思うのですけれど、こういうサウンドとリーダーの知名度だとセールス的に結びつかない、というのも何となく分かる気がします。まあ、輸入盤でちゃんと手に入ればいいです。来年からが心配ですが...。

 

Storyteller/Marilyn Crispell(P) Trio(ECM 1847)(輸入盤) - Recorded February 2003. Mark Helias(B), Paul Motian(Ds) - 1. Wild Rose 2. Flight Of The Bluejay 3. The Storyteller 4. Alone 5. Harmonic Line 6. Cosmology 2 7. Limbo 8. Play 9. The Sunflower 10. Cosmology 1 11. So, Far, So Near

(04/05/23)3人それぞれのオリジナルですが、11曲中6曲がポール・モチアンの曲で、彼がどちらかというと中心かも。過去の曲の再演曲もあり、それも彼らの色になってます。フリーに近いようなフォーマットでの演奏でしょうけれど、メロディはあくまでもしっとりと美しく、静かに流れていくような曲が前半に多め。内省的で硬質な曲も多いですが。1曲目はメロディの切なさがあらわれています。タイトル曲の3曲目はふつふつと燃えたぎるような蒼い情念が、静かに心の奥底からたぎってくる演奏。5曲目は、メロディアスかつフリーの方面にやや傾いた感じ。6、10曲目の連作はもっとフリー色が強いですが、この連中だと自然。心にせまる7曲目、さりげなく一部に4ビートも出てくる自由な8曲目。そしてゆったりと叙情的な11曲目。 (04年7月28日発売)

2007/05/10

Class Trip/John Abercrombie

1846 今回のJohn Abercrombieの新作は同じメンバーで2作目で、1作目は、「Cat 'n' Mouse」というのが一昨年に出ています。ギター・トリオにヴァイオリンが加わった構成。名前を見るとスゴいメンバーの集まりなのですが、特徴はECMらしい美旋律と哀愁が前面に出てくる中に、抑圧されてはいるけれどやはりアヴァンギャルド性が隠せないようなサウンド、とでも言ったらいいのかどうか。何せ4ビートがほとんど出てこない世界なので、まあECMでのお約束と言ってしまえばそれまでなんだけれども。

 

Class Trip/John Abercrombie(G)(ECM 1846) - Recorded February, 2003. Mark Feldman(Vln), Joey Baron(Ds), Marc Johnson(B) - 1. Dansir 2. Risky Business 3. Descending Grace 4. Illinoise 5. Cat Walk 6. Excuse My Shoes 7. Swirls 8. Jack And Betty 9. Class Trip 10. Soldier's Song 11. Epilogue

このメンバーで2作目。10曲目がバルトークの作品、4、11曲目が4人のフリー・インプロヴィゼーションで、他はジョン・アバークロンビーの曲。うまく全体の中でヴァイオリンが生かされています。哀愁を漂わせるメロディがあらわれては消えていく、温度感も低めな1曲目、自由度の高いスペイシーな中で旋律が歌う2曲目、メロディを奏でながらふつふつと盛り上がっていくテンポも良い3曲目、あたかも構築された曲のようなまとまりの4、11曲目、やや哀愁系で浮遊感も少しある流れの5曲目、やはりメロディがしっとりした佇まいの6曲目、やや不安定なテーマと進行から4ビートに展開する7曲目、まるで映画音楽のような8曲目、タイトル曲の割にはあっさりとした9曲目、弦のデュオでクラシックの香りがほのかな10曲目。(04年5月21日発売)

ボロウド・タイム/スティーヴ・カーン

Steveborrow
スティーヴ・カーンの新作が出ました。彼のアルバムを集めはじめた時って、ポリドールの一連のアルバムが廃盤になってからだったので、かなり苦労しましたよ。数年かかって、最後の1枚はGEMMまで利用しました。アイウィットネスというグループの時代が一番好きですが、その時代の感触を持った曲も、このアルバムでは多いですね。アコースティックベースでもエレクトリックベースでも差が気にならないし、ギターも両方使っていますが一連性があるのは、やっぱりサウンドに統一性があるからでしょう。独特なギターなので、好き嫌いはあるかもしれませんが、ハマるとこういう世界もけっこういいですよ。メンバーもいいですし。


ボロウド・タイム/スティーヴ・カーン(G)(55 Records)
Borrowed Time/Steve Khan(G)(55 Records) - Recorded November 27, 2006 and January 9, 2007. John Patitucci(B), Jack DeJohnette(Ds), Manolo Badrena(Per, Voice), Ralph Irizarry(Timbal), Roberto Quintero(Conga, Per), Bob Mintzer(Bcl on 4), Badal Roy(Tabla on 4), Geeta Roy(Tanboura on 4), Randy Brecker(Flh), Rob Mounsey(Key), Ruben Rodriguez(B), Marc Quinones(Timbal), Bobby Allende(Conga), Gabriela Anders(Vo on 8) - 1. I Mean You 2. Mr. And Mrs. People 3. Face Value 4. El Faquir 5. You're My Girl 6. Blues For Ball 7. Have You Met Miss Jones? 8. Luna Y Arena (Moon And Sand) 9. Hymn Song

スティーヴ・カーン作が3-4曲目の2曲で、他はジャズメン・オリジナルとスタンダード。見事に綾織り系のギターサウンドにハマッていて、ベースがアコースティックでもエレクトリックでも気になりません。セロニアス・モンク作でも8分の6拍子でマイペースに弾き続ける1曲目、アップテンポの4ビートでオーネット・コールマンの色も少しある2曲目、ゆったりとした8ビート的なファンクバラードの3曲目、5拍子と6拍子が交互にくるミディアムの淡々としたファンクの4曲目、淡さと浮遊感のあるやや静かなミディアムの5曲目、マッコイ・タイナー作のモーダルなブルースの6曲目、スタンダードをラテンタッチで料理する7曲目、唯一の女性ヴォーカル入りで淡々とボッサで綴る8曲目、やはりマッコイ・タイナー作を8ビートラテンでの9曲目。 (07年4月25日発売)

2007/05/09

魅惑の宵/アート・ガーファンクル

Artsome
魅惑の宵/アート・ガーファンクル(Vo)(Warner Bros.)
Some Enchanced Evening/Art Gartfunkel(Vo)(Warner Bros.) - Released 2007. Steve Gadd(Ds), Dean Peaks(G), Bob Glaub(B), Mike Thompson(Key, Synth, G), Chris Smith(Harmonica), Doug Webb(Ss, Woodwinds, Cl), Alex Navarro(Key, Synth), Frank Simes(G), Maia Sharp(Ts), Randy Kerber(Synth), Lee R. Thourburg(Tp), Nick Sample(Ds Prog), Bobby Ginsberg(Ds Prog), Nichael Montilaa(Per), Richard Perry(B Vo), Frank Simes(G) - 1. I Remember You 2. Someone To Watch Over Me 3. Let's Fall In Love 4. I'm Glad There Is You 5. Quiet Nights Of Quiet Stars (Corcovado) 6. Easy Living 7. I've Grown Accustomed To Her Face 8. You Stepped Out Of A Dream 9. Some Enchanced Evening 10. It Could Happen To You 11. Life Is But A Dream 12. What'll I Do 13. If I Loved You

邦題は「魅惑の宵」。ポップスのアート・ガーファンクルの新作アルバムだけれども、スタンダード集というところがミソ。スティーヴ・ガッドが多くの曲に参加しているにもかかわらず、リズム・キープに徹しています。他のミュージシャンはジャズ畑というよりもスタジオ・ミュージシャンなので、やっぱりポップスの彼がスタンダードに挑戦してみました的な印象の強いアルバムで、ジャズ的にはあまり これといった印象は。でも、例の高いヴォイス(若い時よりは衰えてきましたけれど)で、割とゆったりしたスタンダードを淡々と歌う姿は、やっぱりほのぼのとするし、下手なミュージシャンを聴いているよりはよっぽどいいかと思います。ただ、あくまでもポップスのミュージシャンがスタンダードを聴きやすいアレンジで歌ってみたというアプローチなので、その辺は考慮して。(07年4月11日発売)

Senderos/Dino Saluzzi(Bandoneon)

1845 バンドネオンとドラムスのデュオのアルバムなんていうのはやっぱりECMでしか聴くことができないだろうなあ、と思いつつ。4ビートではもちろんないですけれど、ある程度ハードな、あるいはほのぼのとしたジャズ感覚があります。ドラムスのヨン・クリステンセンも、大御所の割には正統派でないのですが、こういう間の多い、パルス的なドラムスを叩くことには、かなりのセンスを持っているなあ、と感心します。ただ、親しみやすくて聴きやすいはっきりしたメロディというのが、あまり多くは出てこないので、この淡い綾織り系から寒色系に連なる複雑な音の連なり(時にメロディはありますが)をどうとらえるかによって、このアルバムを受け入れるかどうかが決まってくるのでは。ちょっと聴く人を選ぶアルバム。

 

Senderos/Dino Saluzzi(Bandoneon)(ECM 1845) - Recorded November 2002. Jon Christensen(Ds, Per) - 1. Vientos 2. Imagines... 3. Todos Los Recuerdos 4. Tus Ojos...! 5. Detras De Las Rejas...! 6. Los Ceibos De Mi Pueblo... 7. Aspectos 8. Huellas... 9. Ternuras 10. Alla!...En Los Montes Dormidos 11. Tiempos 12. Fantasia 13. Formas 14. Eternidades - Loca Bohemia

全14曲中10曲がディノ・サルーシの作曲か他者との共作。4曲(1、5、7、13曲目)が2人のフリー・インプロヴィゼーション。西欧的な面とちょっと異世界的なエキゾチックさを持って、スペイシーにゆったりと進んでいきます。寒色系の緊張感もあります。そんな緊張感は1曲目の出だしなどに顕著で、ちょっと激しい。綾織り系の色合いの自由な7、13曲目もそっち系かも。サルーシのソロは2、10、12、14曲目。長い曲はあまりなくて徐々に場面が明るく、あるいは暗く、移ろっていきます。2曲目はほのぼのとした雰囲気。3-6、8-9曲目のデュオも哀愁と異郷の味わい、程よいスペイシーなパルス。深い哀愁系のソロの10曲目、不可思議迷彩系の11-12曲目、ラストは牧歌的な広さを感じるメロディアスな14曲目。(05年5月25日発売)

2007/05/08

Early Piano Music/John Cage/Herbert Henck

1844 最近発売されたECMの現代音楽のアルバムの中で注目したのは、この「Early Piano Music/John Cage」でした。1930-40年代の、モダンジャズ以前の時代にあたるこれらの作曲群、記譜された音楽とはいっても、今ECM系統のピアニストがフリー・インプロヴィゼーションだと言って演奏しても、もしかして区別はつかないだろうと思います。現代音楽はこう考えると、けっこう昔に進んだことをやっていたのだなあ、と思います。一部は難解な方向に進んで袋小路にはまりこんでいる気もしていますけれど。

 

Early Piano Music/John Cage/Herbert Henck(P)(ECM New Series 1844)(輸入盤)- Recorded December 2002. - 1-9. The Seasons 10-14. Metamorphosis 15. In A Landscape 16. Ophelia 17-18. Two Pieces For Piano 19. Quest 20-21. Tow Pieces For Piano

(05/08/04)ジョン・ケージは20世紀アメリカの現代音楽家。ここでは彼の1930-40年代の、初期の頃のピアノ曲を取り上げています。各曲は小品が多いながらも、やっぱり当時からジョン・ケージ作だと思わせるような内容。当時では新しすぎたかな、とも思わせますが、それでいて過激な作品は多くはなくて、小品ながらも味わいのある曲に仕上がっています。曲によっては、今の無機的なジャズのインプロヴィゼーションに通じる内容。

2007/05/07

John Cage/Herbert Henck/Locations

1842

Herbert Henckがピアノの、1枚目がジョン・ケージ集で、2枚目がHenck自身のインプロヴィゼーションになっています。2枚組とはけっこう力が入っているなあと思いますが、それだけ現代音楽に強い彼をかっていた、と思えます。プリペアド・ピアノもなかなか興味深い音を出していますけど、クラシックのピアニストがインプロヴィゼーションというのも面白いです。それでもフレーズは現代音楽的にはなってしまうんですけど。

 

John Cage/Herbert Henck(P, Prepared P)/Locations(ECM New Series 1842/43)(輸入盤)- Recorded August 1993 and August 2000. - (CD1) Sonatas And Interludes For Prepared Piano/John Cage 1. Sonata 1 2. Sonata 2 3. Sonata 3 4. Sonata 4 5. First Interlude 6. Sonata 5 7. Sonata 6 8. Sonata 7 9. Sonata 8 10. Second Interlude 11. Third Interlude 12. Sonata 9 13. Sonata 10 14. Sonata 11 15. Sonata 12 16. Fourth Interlude 17. Sonata 13 18. Sonata 14 19. Sonata 15 20. Sonata 16 Festeburger Fantasien(Piano Improvisations)/Herbert Henck: Second Series 1. Duo 1 2. Duo 2 3. Duo 3 4. Solo 1 5. Duo 4 6. Duo 5 7. Duo 6 8. Solo 2 9. Duo 7 10. Duo 8 11. Duo 9 First Series 12. Solo 1 13. Duo 1 14. Duo 2 15. Solo 2 16. Duo 3 17. Duo 4

(03/06/13)CD2枚組みで、1枚目がジョン・ケージの曲、2枚目がHerbert Henck自身のピアノ・インプロヴィゼーションとのこと。クラシック畑なのですが、なぜか1枚目のケージのプリペアド・ピアノの曲でも、いわゆるECM的なスペイシーなインプロヴィゼーションの香りがあったりします 。不思議。ただし、2枚目の本当のフリー・インプロヴィゼーションはやはり現代音楽サイドのサウンドで、ジャズのそれとは一線を画します。

A Night In Tunisia/Manhattan Jazz Orchestra

Mjoanight
マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(クインテット)手直し聴き1日おいて7日目。このオーケストラって本来は入門者向けではなかったかなとも思えたのですが、だんだんアレンジがスゴくなってきて、原曲のイメージからは遠いところでアレンジをして新たな息吹をよみがえらせることも多くなってきました。このアルバムの曲のアレンジなど、なかなかマニアックなところがあります。こういう風にチャレンジングだから独創的なビッグバンドになりえたのだし、そしてバランスが難しいといわれるセールスとの両立が出来ているのだと思います。このアルバムを再び聴いて、大げさな言い方をすれば、ぶっ飛びましたよ。この後、ジャズ以外の曲のアルバムが増えるので、ジャズの曲を聴くなら。


A Night In Tunisia/Manhattan Jazz Orchestra(Sweet Basil) - Recorded August 30 and 31, 1993. Lew Soloff(Tp), Byron Stripling(Tp), Joe Shepley(Tp), Ryan Kisor(Tp), Jim Pugh(Tb), Keith O'quinn(Tb), Birch Johnson(Tb), Dave Taylor(Btb), George Young(Ts, Ss, Fl, Cl), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As, Ss), Roger Rosenberg(Bcl), Fred Giffen(French Horn), John Clark(French Horn), David Matthews(P), Chip Jackson(B), Danny Gottlieb(Ds) - 1. Four 2. A Night In Tunisia 3. Take The "A" Train 4. All Blues 5. Harry's Jump 6. Here's That Rainy Day

ますますアレンジの腕が冴えます。オリジナルは1曲(5曲目)で、他はジャズでは有名な曲ばかり。ジャズとして曲とビッグバンドを両方楽しめます。マイルス・デイヴィスの曲を鮮やかでシャープなアレンジに乗せて、アップテンポで起伏も大きく物語的な進行の1曲目、意外に静かにはじまって原曲からは離れた複雑な中間色系のアレンジで楽しませるタイトル曲の2曲目、これまた意外な綾織り系の迷彩的なアレンジではじまってソロに突入する終わりも迷彩のややアップテンポの3曲目、原曲の良さを生かしたシンプルな8分の6拍子の4曲目、ちょっとユーモラスなゆったりしたフレーズから中盤ミディアムの4ビートになりソロが繰り広げられる5曲目、スローなバラードからミディアムにいく、独特なホーンの響きが美しい6曲目。

2007/05/06

Ghazal/The Rain

1840

Ghazalというトリオのグループでの演奏。ペルシャ(イラン人)とインド人の組み合わせで、ジャズ度はなく、民族音楽のアルバムになってしまっています。ここでは民族音楽のジャンル分けのカテゴリーがないので、やむを得ないですけど。でも時々出てくるこういう中東系、アジア系の民族音楽、私はけっこう好きで、そういうジャンルのアルバムを他ではあえて買わない代わりにECMでけっこう楽しませてもらってます。超絶技巧的なものも時にありますしね。それにしてもこの異国情緒と哀愁はなかなかいいと思います。

 

Ghazal/The Rain(ECM 1840)(輸入盤) - Recorded May 28, 2001. Kayhan Kalhor(Kamancheh), Shujaat Husain Khan(Sitar, Vo), Sandeep Das(Tabla) - 1. Fire 2. Dawn 3. Eternity

(03/07/09)ペルシャ(イラン人)とインドのインプロヴィゼーションということで、ジャズではなくて完全な民族音楽になっています。いわゆるジャズ的ではないにしろ、異なる民族の音楽を融合させたという点ではECM的である、とも言えます。1曲目は哀愁を伴ったフレーズで、その哀愁を引き寄せたまま徐々に盛り上がっていき、そして静かになっていく18分台の曲。 14分台の2曲目も似たようなサウンドカラーですが、こちらは盛り上がらずに、よりしっとり感が高い雰囲気を漂わせています。 19分台の3曲目は、一転、長調が基調の曲で、明るいながらもやはりエキゾチックさはあります。どの曲もモードは異なりますが、同じコード(概念は違うと思います)でその曲のサウンドが続くと不思議な効果を脳に与えるようです。

Back East/Joshua Redman

Joshuaback
ジョシュア・レッドマンの新作、ゲストでサックスが3人、4曲に出ているものの、基本的にピアノレストリオ。大らかさのある太いフレーズが特色で、もちろん高音域を使ったメカニカルなフレーズも吹けるオールマイティな人。あえてトリオで演奏するのは自信の表れてしょうね。そして、彼の曲は最近は変拍子が多いのも特色で、こちらの方で現代ジャズの香りをプンプンさせています。リズム陣を3通り、しかも有名どころを揃えていて使い分けているのもけっこう贅沢。やっぱり今だと個性があるなあ、と思わせます。ただ、ある意味アンバランスに聴こえる可能性もなきにしもあらずか、好き嫌いは分かれそう。なぜかラストの11曲目ではデューイ・レットマンの作品を親だけが吹いていて、ちょっと異色な感じもしますが、これはこれでアリなのでしょう。


Back East/Joshua Redman(Ts, As、Ss)(Nonesuch)(輸入盤) - Recorded Mat 18-19, and June 18, 2006(?). Larry Grenadier(B on 1-2, 8-11), Ali Jackson(Ds on 1-2, 8-11), Christian McBride(B on 3-4), Brian Blade(Ds on 3-4), Joe Lavoano(Ts on 4), Reuben Rogers(B on 5-7), Eric Harland(Ds on 5-7), Chris Ceek(Ss on 8), Dewey Redman(Ts on 10-11) - 1. The Surrey With The Fringe On Top 2. East On The Sun (And West Of The Moon) 3. Zarafah 4. Indian Song 5. I'm An Old Cowhand 6. Wagon Wheels 7. Back East 8. Mantra#5 9. Indonesia 10. India 11. GJ

(07/05/03)Joshua Redmanの作曲は4曲(3、7-9曲目)。スタンダードというか過去の名盤で聴いた曲、ジャズメン・オリジナルも多い。サックスはまったりと吹いているのに、リズムは奇数(半拍)変拍子の曲が多く、これが強烈な個性になってます。ピアノレス・トリオの曲が主で、3人4曲のサックスのゲスト。ソニー・ロリンズの「ウェイ・アウト・ウエスト」の曲も複数(5-6曲目)。印象は違うけど。もうひとつの重点で東洋にイメージを持たせた、あるいは現代ジャズの一連の自作曲。けっこう現代的に8分の7拍子で突進している2曲目、フリーに近いモーダルさで攻めていく4曲目、珍しく4拍子の8、10曲目。特に「インディア」は親子共演で、原曲よりも明るめで軽快なリズム。親のアルトの曲で幽玄的空間と咆哮が混ざる11曲目。(国内盤は07年5月23日発売)

ちなみに国内盤には、12曲目 クライシス、13曲目 エクストラ・ソース のボーナス・トラックが入ってます。

2007/05/05

Concierto De Aranjuez/Manhattan Jazz Quintet

Mjqconcie
マンハッタン・ジャズ・クインテット(オーケストラ)聴き6日目。デヴィッド・マシューズは何度かアランフェス協奏曲のアレンジをやっていて、ここではクインテットでの演奏。やっぱりこの編成の時はソロの部分がジャズっぽくなりますね。これはこれでいいと思いますし、好きです。他の曲も有名な曲が多くて、楽しみなアルバムでした。実は私、’90年代の前半は私生活と仕事が忙しくて、CDは割と買いながらも、あまり聴いていないものが多かったんですね。今回、このグループを中心にですが、時系列的に聴き直してみて良かったと思います。グループ(オーケストラ)がこういう風に発展していったんだな、ということも分かりましたし。


Concierto De Aranjuez/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded May 11 and 21, 1994. Lew Soloff(Tp, Flh), George Young(Ts, As, Ss, Fl), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds), Eddie Gomez(B), Steve Gadd(Ds) - 1. Concierto De Aranjuez 2. Blue Bossa 3. Watermelon Man 4. Manhattan Tower 5. Cantaloupe Island 6. Alfie's Theme 7. Black Orpheus 8. Midnight Sun Will Never Set

邦題「アランフェス協奏曲」。オリジナルは1曲(4曲目)。彼が何度もアレンジしてきたタイトル曲を、クインテットで。原作の味わいと強い哀愁、適度なミディアムのジャズ感覚のバランスが取れていて、けっこういいタイトル曲の1曲目、意表をついた出だしからノリのよいアップテンポのサンバのテーマやソロに移っていく2曲目、8ビートの粘り気のあるジャズロックがまた楽しい3曲目、パルスのようなピアノからメロディアスなテーマ、爆発するソロのアップテンポの4曲目、渋めの8ビートでせまる原曲に近いような5曲目、ソニー・ロリンズ作のマイナー具合がいい6曲目、原曲よりはシャープで都会的なサンバの7曲目、しっとりとしてメロディアスなバラードの8曲目。1、7曲目にエディ・ゴメスが、1-2曲目にスティーヴ・ガッドが参加。

Abaton/Sylvie Courvoisier

1838 Abaton/Sylvie Courvoisier(P)(ECM 1838/39)(輸入盤) - Recorded September 2002. Mark Feldman(Vln), Erik Friedlander(Cello) - (CD1) 1. Ianicum 2. Orodruin 3. Poco A Poco 4. Avaton (CD2) 1. Icaria 1 2. Imke's 3. Icaria 2 4. Clio 5. Nova Solyma 6. Spensonia 7. Octavia 8. Icaria 3 9. Sonnante 10. The Scar Of Lotte 11. Turoine 12. Archaos 13. Ava's 14. Brobdingnag 15. Calonack 16. Precioso 17. Sekel 18. Izaura 19. Marnia

 

(03/10/11)CD1枚目がSylvie Courvoisierの作曲、2枚目が3人のフリー・インプロヴィゼーション。ピアノ、ヴァイオリン、チェロという特殊な編成で、音楽的にもジャズ色はなく、現代音楽に近い響きを持っています。1枚目の作曲された曲は、寒色系で味わいもやや難解なものを持っていて、静かな盛り上がりを繰り返しながらも語り合いをしているような、独特の間があります。2曲目は立ち止まったり盛り上がったり、ゆったりしたりの語りかけ。3曲目は弦楽器の2人のみの演奏。タイトル曲の4曲目は緊張感があふれます。2枚目の即興は、ソロ、トリオの曲もあり、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのうち、それぞれのデュオの曲が目立ちますが、現代音楽的ながらもより自由な演奏が聴けます。New Seriesとの境目のような雰囲気。

 

2007/05/04

オフ会に行って来ました

今日は15-18時に、国立の「ノートランクス」で、マイミクのマダムさん主催で、皆でCDを持ち寄って聴くオフ会がありました。マダムさんを含めて13人集まりました。今回で3回目とのことで、私は初参加。

皆さん、どういうCDを持ってくるのか楽しみだし、ネット上では目にした事のあるハンドルネームの方ばかりだったので、お会いするのも楽しみでした。ところが挨拶や自己紹介で全部お名前(HN)を頭の中に叩き込んでくるはずが、18時の段階で酔っ払って出来上がってしまって、また一部記憶の空白が(笑)。

いろいろなジャズのCDを持ってきて、聴くのも楽しかったし、お会いしてお話もいろいろ楽しかったでした。私のいけないところはすぐに出来上がってしまって、18時以降のライヴを観れずに帰ってしまったことかな? 最近出来上がる(酔っ払う)のがけっこう早くてまいります。歳のせいかもしれませんが、2次会、3次会、その他長時間飲むのは弱くなりましたねえ。

ゴールデンウィークで皆でジャズとお酒、食事に会話を堪能出来た1日でした。

ちなみに、自分の持って行ったCDでかけたのは
Time And The Infinite/Adam Rogers(Criss Cross)
1曲目 Night And Day

Inversations/Ari Hoenig(Dreyfus)
1曲目 Anthropology

他の人とカブって、自分がかけようと思った曲をかけてくださいました。
The Trumpet Player/Avishai Cohen(FSNT)
1曲目 The Fast

Der Turken Anmarsch/Biber/Muffat/John Holloway

1837 ECM New Seriesは’04年11月は3枚出ました。内容は1枚がバロック音楽、1枚がチェロをバックにしたナレーション、そしてもう1枚(2枚組)はピアノとバリトンの歌唱のデュオです。バロック音楽の方は聴きやすくていいにしても、ナレーションの方は、他のECM New Seriesにも何枚かあったものの、話している言語が分からない私にはなんのこっちゃと思う現代音楽。そして、2枚組のアルバムも、静かにゆったりと延々2時間流れていくので、普段ジャズばかり聴いている私には少々物足りなかったかな、と思います。

 

Der Turken Anmarsch/Biber/Muffat/John Holloway(P)(ECM New Series 1837)(輸入盤) - Recorded July 2002. Aloysia Assenbaum(Org), Lars Ulrik Mortensen(Harpsichord) - Heinrich Ignaz Franz Biber: 1. Sonata "Victori Der Christen" A Minor 2. Sonata 1 A Major 3. Sonata 2 D Dorian 4. Sonata 5 E Minor 5. Sonata 8 A Major Georg Muffat: 6. Sonata Violino Solo D Major

(04/11/21)Heinrich Ignaz Franz Biberは17世紀ドイツのヴァイオリニストであり作曲家。1曲目の「キリスト教徒の勝利」他。いかにもバロック音楽らしくゆったりとしていて、それでいて落ち着いた演奏。聴いていて安心できる演奏です。それでいてヴァイオリンはなかなかひきつける感じ。ラストの曲のみやはり17世紀ドイツの音楽家Georg Muffat作曲の曲。アルバムのメインはオルガンとの演奏のようですが時々ハープシコードが入ります。

Best Of Best/Manhattan Jazz Quintet

Mjqbestof
マンハッタン・ジャズ・クインテット(オーケストラ)手直し聴き5日目。今日はベスト盤の登場です。普通ならベスト盤は取り上げないのですが、ここには新録音が3曲入っています。キングからスイートベイジルにグループごと移籍をしてしまったので、キング時代の曲を再録音したような形になっていますが、結局これが正解だったというか、ボトムの2人が替わっていて、しかも「枯葉」「サマータイム」は若き日にチャーネット・モフェットが参加していた時期があって、その再録音ということもあり、彼の進歩をうかがえる内容にもなっています。再録音の曲の基本路線のアレンジはそれほど変わっていませんが、演奏はやっぱり変わりましたね。


Best Of Best/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded 1990, 1992, 1993 and 1994. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(Bon 1-5), Victor Lewis(Ds on 1-5), Eddie Gomez(B on 6-7), Steve Gadd(Ds on 6), Peter Erskine(Ds on 7), John Scofield(G on 6) - 1. My Funny Valentine 2. Autumn Leaves 3. Maden Voyage 4. One, Up, One Down 5. Summertime 6. St. Louis Blues 7. Stella By Starlight

ベスト盤なのですが、1-2、5曲目が新録音なので、単なるベスト盤では終わっていません。この3曲はチャーネット・モフェットとヴィクター・ルイスのコンビ。おそらくキング時代の曲が使えなかったから再録音したのでは、とも思うのですが、いいものはいい、ということで結論。新録音の曲はアレンジは似ているけれど、ボトムの2人が替わったので印象はだいぶ違います。他の曲はスイート・ベイジル・レーベルになってからの録音を使用しています。アップテンポで重量級のベースが支えて安定感もあり、激しくスリリングなソロが展開していく1曲目、テーマのサウンドは似ていながらもちょっと重心が下になった気もする、ミディアムの有名な曲の2曲目、チャーネット・モフェットにとっても再録になり、進歩がうかがえる5曲目。

2007/05/03

Autumn In New York/Manhattan Jazz Quintet

Mjqautinny
マンハッタン・ジャズ・クインテット(オーケストラ)手直し聴き4日目。クインテットの場合、リズム・セクションがよく替わり、これで何度目かな。それでも最初の2枚のアルバムに出ていたチャーネット・モフェットがかなりパワーアップして戻ってきましたよ。やっぱりボトムが変わると印象がけっこう違うものです。この2人になってから現在まで、サックスが入れ替わっただけでクインテットが10年以上続いているので、レコーディングやライヴのためだけに集まるバンドだとしても、長命だな、と思います。私にとってはスティーヴ・ガッドがドラマーではアイドルでしたが、派手すぎる面もあり、ヴィクター・ルイスは比較的堅実にバンドのカラーを守っているのでは、と思います。


Autumn In New York/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded April 20 and 21, 1993. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. One Up, One Down 2. Maiden Voyage 3. Mas Que Nada 4. Corcovado(Quiet Nights And Quiet Stars) 5. Watching The River Flow 6. Funky Mama 7. Autumn In New York

再びリズムの2人が交替。チャーネット・モフェットは腕を磨いて戻ってきて、はじめて黒人2人のリズムでけっこう強力。オリジナルは3曲(1、5-6曲目)。特集ものではないですが、ハービー・ハンコックの曲やボサノバ系もあって、いい選曲。テンポもフレーズも緩急自在の難曲ですが、軽々と演奏しているのがスゴい1曲目、ファンクのリズムでメロディはたゆたうように流れ、後に飛び回るのがカッコよい2曲目、アップテンポのラテンと4ビートでメロディアスに展開する3曲目、ジョビン作で漂っていくようなメロディの、ゆったりめのボッサの4曲目、ミディアムでポップスのような軽いメロディを持っている5曲目、ズシンとくる8ビートでのトランペットが叫ぶようなロック的な6曲目、バラードにしてはほんの少しテンポが速めの7曲目。

Vindonissa/Paul Giger

1836

Paul Gigerのリーダー作。とは言うものの、共演者はフルート(他)とパーカッションのみ。そして、奇数曲目はGigerのソロの演奏で、偶数曲目がデュオまたはトリオによるフリー・インプロヴィゼーションになっています。ECMではヴァイオリンのソロのアルバムも出したことがあるくらいだし、楽器の少なさではあまり関係はないですね。フリーの方はエレクトロニクスも使っているようで、それらしき音が出ていて、いわゆるジャズ的なフリーとはあまり近くないものもあるかもしれません。それでも、音的にはゆったりとしていて面白いとも思えます。なお、持ち込み音源のようです。

 

Vindonissa/Paul Giger(Vln. etc)(ECM 1836)(輸入盤) - Recorded 1995-2000. Robert Dick(Fl, etc), Satoshi Takeishi(Per) - 1. Vindonissa - Intro 2. Oogoogajoo 3. Introitus 4. Lava Coils 5. Kyrie 6. Fractal Joy 7. Chorale 8. Afterlife Calypso 9. Gloria Et Tarantella 10. An Ear On Buddah's Belly 11. Vindonissa

(03/05/30)奇数番目の曲がPaul Gigerのオリジナルで、彼のソロでの演奏、偶数番目の曲がデュオまたはトリオによるフリー・インプロヴィゼーションで、ヴァイオリン、フルート、パーカッションを中心とした演奏。ソロの演奏はしっとり感がある哀愁を帯びた旋律。2曲目はコントラバス・フルートもあってエキゾチックというかおどろおどろしいというか、その雰囲気がゆったりと流れていきます。なぜか日本的な旋律や間を感じる事ができる4-5曲目(5曲目のタイトルは「切り絵」?)、フルートとヴァイオリンでスペイシーに流れていく6、10曲目、幽玄な世界が繰り広げられる8曲目、ソロながら11分の演奏がドラマチックに展開する9曲目、ややエスニック風味と哀愁で淡々と心にせまってくるタイトル曲の11曲目。

2007/05/02

Manteca/Manhattan Jazz Quintet

Mjqmanteca
マンハッタン・ジャズ・クインテット(オーケストラ)手直し聴き3日目。日本では有名だったバンド(元々は日本企画のバンドで、日本でもその後にライヴをやってけっこう人気だった)も、アメリカでもやっぱり反響があったようで、これだけのメンバーだもの、当然かなあ、という気がしています。ただ、今でもデヴィッド・マシューズ氏はアメリカではアレンジャーの方で名が通っているようではありますけれど。スタジオ盤もいいのですが、やっぱりライヴがホットですね。ちょっと時代はさかのぼります(キング時代?)が、残念なことに、日本公演でのLD(レーザーディスク)、2枚持っていたのを処分してしまっています。現在はDVDでもその時代のものは入手不可能。


Manteca/Manhattan Jazz Quintet(Sweet Basil) - Recorded January 24 and 25, 1992. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), Eddie Gomez(B), Peter Erskine(Ds) - 1. Manteca 2. George's Dilemma 3. Cherokee 4. Swing With It 5. Sweet Bossa 6. Stella By Starlight

MJQは日本企画のバンドだったのですが、これは本国アメリカでのライヴ録音。やはりライヴならではの臨場感。ピーター・アースキンのドラムでもライヴだと熱くなる印象。オリジナル曲は2曲(4-5曲目)。迫力のあるノリの良いラテン・リズムと4ビートで明るいサウンドでせまってくるタイトル曲の1曲目、クリフォード・ブラウン作のテーマがラテン、アドリブがラテンと4ビートで熱いソロが展開している2曲目、ハイスピードでドラムスとサックスのデュオからテーマになだれ込んでソロの戦いがはじまる3曲目、優しいメロディのテーマでミディアムの4ビートがさらに温かみを添えている4曲目、アップテンポのボッサでマイナー系のメロディが印象的な5曲目、やはり長調の温かい4ビートでソロを奔放に遊んでいるという感じの6曲目。

Sonatas Pour Violon Solo/Eugene Ysaye/Thomas Zehetmair

1835 今日は朝6時に起きてしまったので、いつもはジャズのところを、気分を変えて下記のCDを聴いていました。ECM New Seriesというと割合的には現代音楽や古楽が多くて、通常のクラシックの分野が少ないのですが、今回は聴きやすいクラシック。とは言うものの、アルバムコメントというよりは、単なる聴いた記録になっています。

(’04年10月現在)午後は川崎駅前の「ミューザ川崎」という新しいコンサートホールで、14-16時の間、家族でクラシックのコンサートを観に行きました。ただし子供向けなので有名な曲ばかりでしたが。と言うわけで、珍しくジャズのない、クラシック漬けの日になってしまいました。

 

Sonatas Pour Violon Solo/Eugene Ysaye/Thomas Zehetmair(Vln)(ECM 1835)(輸入盤) - Recorded September 2002. - 1-4. Sonata No.1 In G Minor 5-8. Sonata No.2 In A Minor 9. Sonata No.3 In D Minor "Ballade" 10-12. Sonata No.4 In E Minor 13-14. Sonata No.5 In G Major 15. Sonata No.6 In E Major

(04/10/24)Eugene Ysayeは19-20世紀にかけてのベルギーの作曲家でヴァイオリニスト。ここではヴァイオリンのソロの曲ですが、複数の弦を同時に弾きながらハーモニーを感じさせる場面も多いです。しかも短調の曲が多く、まだ難解な作風の時代ではないので、比較的分かりやすいヨーロッパの哀愁感が漂っています。情感の豊かな演奏表現がなかなか見事。それほど冷たくないサウンドですが、13-15曲目は基本が長調系。 (05年1月26日発売)

2007/05/01

Les Liaisons Dangereuses (No Problem)/Manhattan Jazz Orchestra

Mjoles
マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(クインテット)手直し聴き2日目。このアルバムで、フレンチ・ホルン、チューバ、バス・クラリネット、そして時にフルートが勢ぞろいします。これらの音色を生かした低音重視の独特な柔らかい音も出せるアンサンブルが、時にシャープなアレンジにも乗っかり、けっこうダイナミクスの広いサウンドを醸し出すことが特色のオーケストラになりました。それでいて、オリジナル3曲、ジャズメン・オリジナルやポップスが3曲という、それぞれの垣根がなくなって、意識することなく通してアンサンブルやソロなどを楽しむことができます。何だかんだ言っても、デヴィッド・マシューズのアレンジの力はスゴいものだと、改めて納得。


Les Liaisons Dangereuses (No Problem)/Manhattan Jazz Orchestra(Sweet Basil) - Recorded August 19 and 20, 1991. Lew Soloff(Tp), Byron Stripling(Tp), Joe Shepley(Tp), Walter White(Tp), Randy Brecker(Tp), Jim Pugh(Tb), Keith O'quinn(Tb), Birch Johnson(Tb), Dave Taylor(Btb), George Young(Ts, Ss, Fl), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As, Fl), Roger Rosenberg(Bcl), Fred Giffen(French Horn), John Clark(French Horn), David Matthews(P), Chip Jackson(B), Danny Gottlieb(Ds) - 1. Les Liaisons Dangereuses (No Problem) 2. Spanish Blue 3. Two New Stars In Heaven 4. Doxy 5. Sir Duke 6. One Black Orchid

オーケストラ編成が低音重視になって、フレンチホルンなどの楽器も定着、ほぼ方向性がはっきりしてきたアルバム。オリジナルも半分の3曲あります(2-3、6曲目)。デューク・ジョーダン、ソニー・ロリンズ、スティーヴィー・ワンダーの曲が1曲ずつ。小さい音から大きい音までダイナミックに展開しながらも、哀愁が色濃く漂っている1曲目、スペインの情熱と哀愁を秘めた渋めの演奏が続いていく、これまたダイナミクスが大きい13分弱もの2曲目、しっとりとしたバラードがゆったりと、時にシャープに流れていく3曲目、ややゆっくりめにメロディを生かしつつ現代的なアレンジの4曲目、ポップスなのでゴキゲンなメロディとアレンジの5曲目、叙情的なバラードをじっくり聴かせる6曲目。ランディ・ブレッカーは1、5-6曲目に参加。

Changing Places/Tord Gustavsen

1834トルド・グスタフセンのECM初リーダー作。比較的聴きやすさのあるECMのピアノ・トリオのアルバム、ということでは、彼のアルバムが一番ではないかなあ、と思います。じっくりと、じっくりとフレーズを紡ぎだしていて、音数は少なめで、そして美旋律でもあるという彼のアルバムが好きですが、逆に言うと、どのアルバムも似たようなサウンドになってしまう面もあります。でも、彼のピアノが好みではあるので、あまりマイナスポイントに関しては、気になりません。この調子でずっと行ってくれたら、と思うのですが、それはどうでしょうね。

 

Changing Places/Tord Gustavsen(P)(ECM 1834) - Recorded December 2001 and June 2002. Harald Johnsen(B), Jarle Vespestad(Ds) - 1. Deep As Love 2. Graceful Touch 3. IGN 4. Melted Matter 5. At A Glance 6. Song Of Yearning 7. Turning Point 8. Interlude 9. Where Breathing Starts 10. Going Places 11. Your Eyes 12. Graceful Touch, Variation 13. Song Of Yearning(Solo)

ECMには珍しく、やや内省的ですが一般受けしそうな美旋律の曲が多いピアノ・トリオが登場しました。北欧系、哀愁系の旋律で、ゆるやかに弾く曲が中心。13曲全部がトルド・グスタフセンのオリジナルというところにも要注目で、ゆったりとしながらも比較的オーソドックスな曲が多めなのもECMらしからぬところ。1-2曲目あたりでこの雰囲気にのまれますが、3曲目でやや定型ビートを外れて自由に速いパッセージを弾いています。また4曲目以降は彼のペースに戻りますが、聴いていくうちに内面を向いているゆえの緊張感も感じます。9曲目あたりの短調の分かりやすいテーマも魅力。ややマニアックな感じかなと思える10曲目。12曲目、13曲目(ソロ・ピアノ)はそれぞれ2、6曲目のヴァリエーション。(03年5月21日発売)

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