Angles Of Repose/Joe Maneri, Barre Phillips, Mat Maneri
フリー・インプロヴィゼーションといってもいろいろあります。メロディ的なものから遠ざかり、テンポや調性からの逸脱だけならまだしも、音階が12音階ではなかったとしたら、聴いていてかなりの失調感を味わうことになります。ここでは、「微分音」といって、12音階をさらに細かく分けた音が、時に静かに、時にたぎって、聴く人にせまってきます。このメンバーで2枚アルバムが出ただけでもスゴいのですが、そしてこのサウンド! ECMの勇気ある発売で、めったに他では聴くことのできないサウンドを聴くことができました。冗談でなく、本当に聴く人を選びます。あくまでも自己責任で聴いてください(笑)。
Angles Of Repose/Joe Maneri(As, Ts, Cl), Barre Phillips(B), Mat Maneri(Viola)(ECM 1862)(輸入盤) - Recorded May 2002. - 1. Number One 2. Number Two 3. Number Three 4. Number Four 5. Number Five 6. Number Six 7. Number Seven 8. Number Eight 9. Number Nine 10. Number Ten
(04/07/10)このメンバーでは2作目。全曲フリー・インプロヴィゼーションで、主にトリオの演奏。3曲目がJoe Maneriのみ、5曲目がBarre PhillipsとMat Maneriのデュオ。とは言いつつも、微分音といって12音階をさらに細分化した音階を使っているため、通常のメロディ感というものがなく、不安定な音階を聴く人にジワジワと突きつけてきます。フリージャズと現代音楽の要素を持っているような、不思議な失調感を伴うサウンド。それでも1曲目から10曲目まで、それぞれに個性があるのが分かります。静かな場面と盛り上がる場面など、いろいろ出てきますが、やっぱり音階と咆哮と、楽器から出るさまざまな音と、安易に聴こうとする人をある意味で拒否するかのようなアルバムです。ここまでくると、それはそれで深遠かも。
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