Promises Kept/Steve Kuhn
録音は’00年とのことで、発売までそれから4年ほど経過しています。ECMはポピュラリティに背を向けるようなサウンドポリシーなので、このアルバムは言い換えれば、ピアノとストリングスの美旋律のバラード曲ばかりが出てくるため、レーベルの方向性に合わず、しばらくオクラ入りになっていたんではないかと思わせます。あくまでも想像ですが。
ただ、美しいピアノとストリングスを思いっきり堪能したい(でもジャズ度はなし)という方にはうってつけのアルバムなんではないかな、と思います。それにしても昔のスティーヴ・キューンのECMのアルバム、廃盤(未CD化)が多いのはなぜなんだろう、と、ちょっと気になりますが。
Promises Kept/Steve Kuhn(P)(ECM 1815) - Recorded June and September, 2000. David Finck(B), Carlos Franzetti(Arr, Cond) and String Ensemble - 1. Lullaby 2. Life's Backward Glance 3. Trance 4. Morning Dew 5. Promises Kept 6. Adagio 7. Celtic Pirncess 8. Nostargia 9. Oceans In The Sky 10. Pastorale
全曲スティーヴ・キューンの作曲で、半数強が再演曲とのこと。どの曲も静かなバラード。美しいメロディがゆったりとまとわりついてくる感じですが、ECMにしては珍しく、耽美的ながらも甘さとやや温かみを持っている点が異色かも。ストリングスもまるで愛を奏でているかのような切なさと優しさを持っています。それだけに、ジャズではなくて一般のピアノ・ファンに受け入れられそうな雰囲気。1曲目は「トランス」からの再演で、この切ない響きをどこに持っていこうか、というサウンド。3曲目の「トランス」も、こんなに美しかったっけ、と思うようなピアノとストリングスです。タイトル曲の5曲目は、やはりジャズではなくて美旋律の分野があればそこに置いておきたい名曲。どの曲もきれいですが、個々の印象よりもトータルの感じ。(04年6月2日発売)
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