You Stepped Out Of Dream/トヌー・ナイソー・トリオ
澤野工房からのトヌー・ナイソー・トリオの2作目。このピアニスト、個々のフレーズも良いのだけれど、どちらかというと曲の流れの中でドラマを作ってしまって、その流れの中で盛り上がったり落ち着いたりと、そういう才能もあるんじゃないかなと思います。やっぱりヨーロッパのピアニストだな、と思われる繊細さもある反面、曲を楽しませてくれる盛り上げ方も知っている人。そういう意味では印象深いです。ベーシストも4ビートも出来ますが、なかなかそちらへ行かずに、ピアノのカウンターメロディ的に絡んでくる場面が多かったので、これまた気に入りました。それに対してドラマーはやや平凡かな、という気も。ブライアン・メルヴィンという名前をここで見かけるとは思いませんでしたけれど。
You Stepped Out Of Dream/トヌー・ナイソー(P)・トリオ(澤野工房)
You Stepped Out Of Dream/Tonu Naissoo(P) Trio(Atelier Sawano AS061) - Recorded April 20 and 21, 2005. Ulf Krokfros(B), Brian Melvin(Ds) - 1. I've Got You Under My Skin 2. Milestones 3. Angel 4. You Stepped Out Of A Dream 5. Fly Fly Butterfly 6. The Dolphin 7. Lay Lady Lay 8. Lover Man 9. Don't Say Goodbye
トヌー・ナイソー作は2曲(5、9曲目)。ジャズのみならずロックの曲も取り上げています。ヨーロッパ特有の繊細さとエンターテイメント性の両方あるピアノ。演奏の流れが面白い。明るく温かい雰囲気でベースとの掛け合い的にはじまり、徐々に4ビートになって盛り上がりソロ・ピアノで締めくくる1曲目、リハーモナイズを加えてちょっと暗めに設定しつつドラマ的に発展する2曲目、ジミ・ヘンドリックス作の牧歌的な8ビートの3曲目、ポップスのようなメロディとビートの4曲目、8分の6拍子の落ち着いた演奏で時折キラキラとフレーズが舞う5曲目、優しいメロディのボッサ風(ベースが自由なので)の6曲目、ボブ・ディラン作の8ビートポップスの7曲目、ゆったりと、それほど沈まないバラードの8曲目、繊細なポップスの9曲目。(06年12月22日発売)
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