ソニー・プリーズ/ソニー・ロリンズ
ソニー・ロリンズの新作が出ました。黄金時代のジャズマン達で現在も活躍しているミュージシャンが少なくなっている中、貴重な音源だと思います。相変わらずマイペースのフレーズ。今回は1曲目に顕著でしたけれど、他の曲にもアグレッシヴなフレーズやアウトしたフレーズがけっこうあります。この歳で新たな冒険をしようとしているのか、指が動かなくなって音を探しながら吹いていたり、爆発させたりしているのかは分かりません。グループのサウンドもどことなくユルい感じです。他のミュージシャンだったら気になってしまうけれど、ロリンズだったら何でも許せてしまう、というところはありますね。ただ、ライナーに書いてあったのですが、今後は演奏活動は縮小していくそうで、ちょっと残念です。
ソニー・プリーズ/ソニー・ロリンズ(Ts)(Doxy Records)
Sonny, Please/Sonny Rollins(Ts)(Doxy Records) - Recorded December 20 and 21, 2005 and January 13, February 9 and 10, 2006. Clifton Anderson(Tb), Bobby Broom(G), Bob Cranshaw(B), Steve Jordan(Ds), Kimati Dinizulu(Per), Joe Carsello(Ds on 6) - 1. Sonny, Please 2. Someday I'll Find You 3. Nishi 4. Stairway To The Stars 5. Ramembering Tommy 6. Serenade 7. Park Palace Parade
ソニー・ロリンズの作曲は4曲(1、3、5、7曲目)。最近はピアノを伴なうことが多かったですがここではギタリストが参加。タイトル曲の1曲目は珍しく明るい感じではなく、彼なりのアグレッシヴさを持ってかなり自由に吹いている曲調。最近の彼では聴くことのできなかったサウンドがここにあります。ミディアムのバラードとも言える美しいメロディが印象的で、ドラムのソロの場面が何度も入ってくる2曲目、ややアップテンポでアコースティックベースも使用してジャズっぽいアプローチをしている3曲目、しっとりくるようなバラードをゆったりと演奏する4曲目、ミディアムの曲をマイペースで吹き続けている感じのある5曲目、8分の6拍子の明るめなバラードを優しく吹いていく6曲目、ややゆったりめのカリプソで彼の本領発揮の7曲目。(07年1月1日発売)
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コメント
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今日はいろいろあって記事を書けなかったです。
コメントを入れるのもこんな時間になっちゃいました。
このロリンズは近年の作品の中ではけっこう気に入った方です。
でもこれが最終作品にはなってもらいたくないなあって感じです。
50年代のような素晴らしい演奏は無理としても、最後にピアノ入りのワンホーン・カルテットでガツンといってもらいたいです。
こちらからもTBさせていただきます。
投稿: nary | 2007/01/18 00:52
>naryさん
TBありがとうございます。
やっぱり大いなるマンネリもありますけれど、ちょっと方向性が曲によって変わってきたかな、という面がありました。もう結構な歳なので、あまり多くは望みませんが、こういうアルバム、あと何枚か出てくれたらなあ、とは思うのですが。
投稿: 工藤 | 2007/01/18 08:35