Cure Jazz/UA x 菊地成孔
最初はジャズ風イージーリスニングかなという先入観があって手を出さなかったのですが、聴いてみるとけっこういいです。曲ごとに変化に富んでいて、4ビートでジャズ的にせまる曲からけっこうフリーに近いようなシリアスな曲、パーカッションが入ってノリの良い曲など、やっぱり変化に富んでいます。さすが菊地成孔の参加のアルバムだけあるなあ、と思いました。新しい面も取り入れつつ、あまり先端的にならずに、それでいて曲ごとの変化は非常に富んでいるという。昨年これを聴いていたら、けっこう自分的にはランクの高いところにいったのだろうと思います。歌の言語も英語だけではなくて、中国語、フランス語その他何種類もあって、びっくり。オシャレなつもりで買ったらジャズの真髄(広義の?)にズブズブとハマっていくでしょう。
Cure Jazz/UA(Vo) x 菊地成孔(Sax、Vo)(Speedstar Records)
藤井信雄(Ds)、鈴木正人(B)、坪内昌恭(P)、島田真千子(Vln)、花田和加子(Vln)、赤坂智子(Viola)、中木健二(Cello)、木村茉莉(Harp)、芳垣安洋(Per)、高良久美子(Per)、中牟礼貞則(G)、荒川洋(Fl)、佐々木史郎(Tp)、斉藤幹雄(Tp)、阿部雅人(Horn)、吉永雅人(Horn)、河合わかば(Tb)、青木タイセイ(Tb)、渡辺泰(Fl)、最上峰行(Oboe)、安保龍也(B)、中島ノブユキ(Org)、大儀見元(Per)、牧原正洋(Flh)、関島岳郎(Tuba)、井上桐子(Vln)、小松美穂(Vln)、寺岡由希子(Vln)、大佐貫美保(Viola) - 1. Born To Be Blue 2. Night In Tunisia 3. Over The Rainbow 4. Music On The Planet Where Dawn Never Breaks 5. Ordinary Fool 6. 嘆息的泡 7. This City Is Too Jazzy To Be In Love 8. Luiza 9. Honeys And Scorpions 10. Hymn Of Lambarene 11. I'll Be Seeing You 12. Nature D'eau
菊地成孔の作曲が全12曲中6曲(4、6-7、9-10、12曲目)。アレンジも凝っていて、豪華なメンバーで曲により弦楽(1、3、8、12曲目)やホーン・セクション(6-7、9-11曲目)が入ったり、クラシック的な楽器も使用したり(8曲目)、パイプオルガンを使っていたり(10曲目)と、かなり変化に富んでいて、聴きごたえがけっこうあります。UAのヴォーカルも、フィーリングもバッチリで、かなりジャズヴォーカルとして向いているのでは、と思いました。オーソドックスなことをやっているように見えて、アヴァンギャルドではなくてもどこか新しい、やっぱり菊地のSaxだなあ、と感じます。3曲目もゆったりをこえたスペースのある静寂の出だしからとことん盛り上がります。4曲目は語りとフリー一歩手前の緊張感。(06年7月19日発売)
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コメント
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菊地個人名義だと、もうちょっと、広義のジャズ
と言う感じになるので、工藤さんなら、そちらも
結構気に入るんじゃないか?とも思うのですが...
TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2007/01/07 07:25
>oza。さん
このアルバムを昨年のベストにあげる人もいたので、けっこういいんじゃないかと思います。菊地さんのアルバムになると、今までもちょっとあちこち手を広げすぎているんで(笑)、追いかけられるかどうか(笑)。
投稿: 工藤 | 2007/01/07 09:39