Open Land/John Abercrombie
ジョン・アバークロンビーのオルガン・トリオのリーダー作。曲によりゲストが参加。ECMではトリオの4作目ということで、よっぽどこのオルガンが気に入っていたのかな、と思わせますが、オルガンというと通常は暑苦しいようなサウンドなのを、ここではECMに合わせたかのように、ひんやりとしたオルガンになっているので、私も当時はけっこう聴き返していました。それでいて静かというわけでもないので、ミキシングの影響かもしれないですが。このトリオが長く続いたのは、けっこう本人が気に入っていて、セールス的にもそこそこいったのでは、と予想させます。
Open Land/John Abercrombie(G)(ECM 1683) - Recorded September 1998. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds), Mark Feldman(Vln), Kenny Wheeler(Tp, Flh), Joe Lovano(Ts) - 1. Just In Tune 2. Open Land 3. Spring Song 4. Gimme Five 5. Speak Easy 6. Little Booker 7. Free Piece Suit(e) 8. Remember When 9. That's For Sure
洗練された涼しいオルガン・トリオがあるとすれば、おそらくこのメンバーが唯一ではないかと思います。オルガン・トリオの4枚目で曲によりゲストが入れ替わります。相変わらず透明度の高いギター。全体的にメロディアスで案外聴きやすいアルバム。1曲目は哀愁を帯びたメロディとケニーのホーンが印象的。2曲目は密度の高いテーマと自由な アドリブ空間の対比が面白い。ふつふつと情念がよぎってギターとテナーが心に染みる3曲目、5拍子のマイナー調が心地よい4曲目、淡々としつつもメロディが印象に残る5曲目、テーマもソロもメロディアスな6曲目、ヴァイオリンが印象的なフリー・インプロヴィゼーションの7曲目、ホーンによるテーマとソロが哀愁を誘う8曲目。9曲目は肩の力が抜けた明るめの小品。(99年9月15日発売)
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