Epigraphs/Ketil Bjornstad/David Daring
ケティル・ビヨルンスタとデヴィッド・ダーリングのアルバム。これをジャズと言っていいのか、という問題はありますが、もしかすると、ある程度はメロディの部分はアドリブだったりして、とも思います。でも、構成といきさつからすると、記譜されていると見るのが正解かもしれません。この時期になってもボーダーレスへの希求は止まずに、New Seriesに入れてもおかしくない作品がECMから出ています。クラシック(バロック)作品との区別もほとんど気にならずに聴き通せてしまうのが、なかなかいい感じです。ECMだからこそできる音楽。
Epigraphs/Ketil Bjornstad(P)/David Daring(Cello)(ECM 1684) - Recorded September 1998. - 1. Epigraph No.1 2. Upland 3. Wakening 4. Epigraph No.2 5. Pavane 6. Fantasia 7. Epigraph No.1, Var.2 8. The Guest 9. After Celan 10. Song For TKJD 11. Silent Dream 12. The Lake 13. Gothic 14. Epigraph No.1, Var.3 15. Le JOur S'endort 16. Factus Est Repente
比較的短い曲が全16曲。ピアノとチェロのデュオで、主にケティル・ビヨルンスタのオリジナルが中心。また、デヴィッド・ダーリングの曲が2曲と、15世紀から17世紀の作曲家の作品も4曲ありますが、クラシック(バロック?)作品との違和感がほとんどなく、うまく溶け込んでいます。オリジナル中心でなければECM New Seriesに入れても良いのではないかと思うクラシックっぽい内容のアルバム。相変わらず色彩感覚は寒色系のダークな色使いですけれど、演奏はナチュラルな感じなので、ピアノとチェロの静かな語りかけに身を沈めて聴くと心地良いかもしれません。ヴァージョンを変えて4回出てくるタイトル曲の「エピグラフ」が印象的ではあります。 ジャズではないけれど、最近のECMのサウンドのような気がします。(00年6月1日発売)
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