Echonomics/Seamus Blake Quartet
Criss Crossレーベル順番聴き8日目。シーマス・ブレイクのサックスはちょっと前から注目していて、なかなか良いとは思うのですが、このアルバムの聴きどころは、4人の演奏の絶妙なコンビネーションではないかな、と思います。1曲目は7拍子と定型的なフレーズが出てきて、それに合わせざるを得ないところはあったにせよ、例えば3曲目など、4人の音やビートがどんどん変化していって、いったいどこへ行ってしまうんだろうというような、スリルを味わうことができます。やっぱりこのメンバーだからでしょうか。あとは8ビート的な曲や、ポップス・ロックの曲も複数あって、その分4ビート的なノリは少なめです。
Echonomics/Seamus Blake(Ts) Quartet(Criss Cross 1197)(輸入盤) - Recorded December 15, 1999. David Kikosuki(P), Ed Howard(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Cirkle K. 2. Why Not 3. Last Minute Club 4. Children And Art 5. Echonomics 6. Rain Your Love Down 7. God Only Knows
(06/12/24)全7曲中Seamus Blake作は3曲(1、3、5曲目)。クァルテットのリーダー作で、バックの人材もスゴい。ややエキゾチックな7拍子のテーマで、その雰囲気と拍子がソロでも持続しつつ盛り上がる1曲目、8ビートのファンク的なミディアムの演奏で、管にエフェクター(?)をかけつつ進行する2曲目、浮遊感を絡めながら自由なビートからアップテンポの4ビートで盛り上がって突き進む感触のある3曲目、しっとりとしたメロディで穏やかに時間が通り過ぎていくようなバラードの4曲目、やはり8ビートでロックのノリにサックスが乗っかってエフェクターがかかるタイトル曲の5曲目、スティーヴィー・ワンダー作をボッサに近いテイストで唄い上げる6曲目、ビーチ・ボーイズの曲をカラッとした明るいバラードで演奏している7曲目。
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» Seamus Blake Echonomics [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
遅れたSeamus Blakeのリーダー作収集シリーズです。
Seamus Blakeはピアノとギターの双方が参加しない作品が良いんじゃないか?と前回(http://blogs.yahoo.co.jp/pabljxan/59195199.html)書いているのですが、ギターが参加しないでピアニストだけなので、買ってみたということになります。
メンツは以下の通り。criss cross盤でDavid Kikoskiがサイドに入ると言うところも期待感を上げてくれます。
David Kiko..... [続きを読む]
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今日のTBは4回目でようやく成功です(苦笑)
本作は1曲目の7拍子はまあまあいいとして、なんか他の曲の単調な8ビート(16ビート)なのが気になりました。
どうせだったら4ビートでガンガンいったほうがまだルイスを活かせたと思うのですが、シーマスにしてみればこういうサウンド(リズム)でやってみたかったのでしょうね。
投稿: nary | 2007/07/19 17:55
>naryさん
TBありがとうございます。また要承認の方に入ってきてしまいました。
これを聴いた時は、4ビートでない部分が多かったり、管楽器にエフェクターをかけたりしたのが、Criss Crossをたて続けに聴いていて、新鮮に感じたのかもしれませんが、確かにヴィクター・ルイスだと、4ビートで勝負をかけた方が良かったのかもしれませんね。こういう曲調だと、なるほどビル・スチュワートの方が向いているようです。
投稿: 工藤 | 2007/07/19 18:04
エフェクトが気にくわなかったのですが、総じて熱い演奏が楽しめ好印象でした。
個人的には、あまり単調なイメージではなかったですねぇ。。
古い記事からのTBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2010/05/26 06:30
>oza。さん
TBどうもありがとうございます。
最近来日した時のトリオのYoutubeを観たことがあります(すいません、アドレスを失念しました)が、エレクトリック満載のサックス(EWIだったかな?)だったです。
一連のCriss Crossレーベルの流れで聴いてきたときには、4ビートではないのがけっこう新鮮でした。もう10年以上前の録音ですもんね、当時としては十分新しかったんだろうと思います。
投稿: 工藤 | 2010/05/26 17:19