Blessed/Joe Maneri And Mat Maneri
ジョー・マネリとマット・マネリによる、ハードなフリー・インプロヴィゼーション。やはりフリー美微分音が加わると、音楽にあり続けることの失調感というのも出てきます。プロデューサーはスティーヴ・レイクで、こういう硬派なものはだいたい彼が担当しています。それにしても、久しぶりに聴いても、静かな場面が多いながらも強烈な印象を残してくれますね。テンポ的にもポツリポツリと進んでいく(激しめの場面でも)感じが強く、常に引っ掛かりながらも聴いている感覚が強いです。やはり、コメントに見書いてあるけど、聴く人を選ぶ音楽。
Blessed/Joe Maneri(As, Ts, Cl, P)And Mat Maneri(Vln, Viola, etc)(ECM 1661)(輸入盤) - Recorded October 1997. - 1. At The Gate 2. There Are No Doors 3. Sixty-One Joys 4. From Loosened Soil 5. Five Fantasies 6. Never Said A Mumblin' Word 7. Is Nothing Near? 8. Body And Soul 9. Race You Home 10. Gardenias For Gardenis 11. Outside The Whole Thing 12. Blessed
(03/09/29)2人の共作のフリー・インプロヴィゼーションが大半で、それぞれの作品は3作、トラディショナルとスタンダードがそれぞれ1作。音階を細かくした「微分音」の世界はこのデュオのフォーマットではやりやすく、まさに魑魅魍魎の棲む世界のサウンドかも。いわゆる平均律への失調感が漂っていて、これをメロディと言うとおこがましいような気も。こういうアプローチのフリージャズはあまり例がなく、そういう意味では貴重。ただ2曲目のようにピアノが出てくると、フレーズはフリーなのだけれども、何とか調子を取り戻せます。4曲目は11分台の大作ですが、サウンドは他の曲と似ています。6曲目のトラディショナルと8曲目のスタンダード(ソロの演奏)も、12曲目のタイトル曲も我が道を行く路線。聴く人を選びます。
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