ディスオーダー・アット・ザ・ボーダー/ベニー・ウォレス
ベニー・ウォレスという人は、通常私好みの都会的でメカニカルなテナー・サックス(マイケル・ブレッカーなど)とは一線を画していて、ゴリゴリと野太い音でフリーにも近いんだけれど豪放磊落なメロディを奏でているサックスとして印象に残ります。それでいて心のこもったメロディアスなバラードも得意な人。なのでタイプが違っていても、この人だけは、つい追いかけてしまいます。今回はコールマン・ホーキンス特集のライヴということで、ホーン・アレンジやボトムのリズムも懐かしさのあるサウンドだったりしますが、ウォレスのソロになるとやっぱり彼のソロだなあ、ということで納得。こういう強烈な個性も、けっこういいですね。
ディスオーダー・アット・ザ・ボーダー/ベニー・ウォレス(Ts)(Enja)
Disorder At The Border/Bennie Wallace(Ts) & His Orchestra(Enja) - Recorded November 6, 2004. Terell Stafford(Tp), Ray Anderson(Tb), Jesse Davis(As), Brad Leali(As), Adam Schroeder(Bs), Donald Vega(P), Danton Boller(B), Alvin Queen(Ds) - 1. Disorder At The Border 2. La Rosita 3. Bean And The Boys 4. Honeysuckle Rose 5. Body And Soul 6. Joshua Fir The Battle Of Jericho
サブタイトルは「ザ・ミュージック・オブ・コールマン・ホーキンス」で、彼に捧げたライヴ演奏。彼ゆかりの曲が多く、編成もノネットと大きめで、アレンジがしっかりしています。ホーキンス作は1、3曲目。ちょっと丸くなったとはいえ、ベニー・ウォレスの強烈なフレーズは健在。懐かしめのホーン・サウンドで陽気な4ビートが繰り広げられているタイトル曲の1曲目、哀愁混じりでちょっと妖しげな魅力を放っているバラードから、4ビートに盛り上がる2曲目、ややアップテンポでホーンがきっちり織り込まれたようなアレンジと自在なアドリブが心地良い3曲目、ファッツ・ウォーラー作のこれまた陽気なアップテンポの4曲目、しっとり感とソロ楽器の情感のあるバラードの5曲目、トラディショナルで賑やかに展開している16分台もの6曲目。(06年10月25日発売)
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コメント
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おはようございます。
今日は当方から先にTBさせていただきましたが、なんか「続きを読む」の前が文字化けしていて滑稽です(笑)
ベニー・ウォレスのサックスは相変わらず元気があっていいですね。
投稿: nary | 2006/11/05 08:50
>naryさん
おはようございます。
あれっ?何ででしょう。>文字化け
昨日はすずっくさんがTBできなかったりと、不思議なことが続くものです。
このアルバム、少しオールドタッチのホーンアレンジが気に入りました。ベニー・ウォレスもいいですね。
投稿: 工藤 | 2006/11/05 10:23