War Orphans/Bobo Stenson Trio
今日はボボ・ステンソンのピアノ・トリオ。耽美的ではあるものの、フレーズやタイム感覚が伸縮自在で、サウンド傾向は異なっていても、2曲取り上げているオーネット・コールマンとの共通性を感じざるを得ません。そういう意味では、今はやっている、聴きやすいヨーロッパのピアノ・トリオとは一線を画しているかもしれません。なかなか絶妙なコンビネーションのトリオで、叙情的ではあるけれども、自由なやり取りをしている感じで、他者の曲もオリジナルもその境目がないような個性を発揮しています。8曲目がデューク・エリントンの曲だということは、クレジットを見なければ分かりにくいんじゃないでしょうか。
War Orphans/Bobo Stenson(P) Trio(ECM1604) - Recorded May 1997. Anders Jormin(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Oleo De Mujer Con Sombrero 2. Natt 3. All My Life 4. Eleventh Of Journey 5. War Orphans 6. Sediment 7. Bengali Blue 8. Melancholia
ボボ・ステンソンの曲は7曲目のみで、アンデルス・ヨーミンの曲が3曲(2、4、7曲目)です。オーネット・コールマン作が2曲(3、5曲目)、デューク・エリントン 作が1曲(8曲目)ありますが、非常に叙情的なサウンドに仕上がっています。キューバの作曲家の作品を自分流の繊細なポップナンバーに仕立て上げている1曲目、少しミステリアスな音使いながらも叙情的に進んで盛り上がる2曲目、オーネット流ではないが彼ら流のフリーにやや傾倒している3曲目、メカニカルでいて耽美的でもある不思議な感触の4曲目、静かにしっとりと奏でるタイトル曲の5曲目、浮遊感のあるメロディと間の取り方で語りかける6曲目、3者のインター・プレイで自由に行き来する8曲目、オリジナルのように伸縮自在なフレーズで飛び回る8曲目。
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