ラッハ・ドッホ・マール/山中千尋
私のアルバムコメントって長さを決めてあって、1枚あたり6-8曲だとコメントしやすいのですが、あまり多くの曲だと抜粋という手を使います。ただ、今回12曲、詰め込むのが少々大変。通り一遍の簡単な説明だけで既定の長さに行ってしまうので、どうしようか迷いましたが、曲の変化に合わせて全曲掲載することに。3曲目がローランド・カークの作曲とか、入れたかったんですけれどもねえ。50分強で12曲、これまた時間的にも詰め込んでありますが、アイデア的には変化に富んでいて、凝縮されていてかえって良かったです。そして共演歴のある気心の知れたベースとドラムス。そのままピアノを替えればブラッド・メルドー・トリオになりますが、音楽性はピアノが替わるだけでかなり違ったものになりますね。とにかく飽きないアルバムでした。DVDはたった4分(CD7曲目)ですが、ピアノを重点的にとらえています。
ラッハ・ドッホ・マール/山中千尋(P)(Verve)
Lach Doch Mal/Chihiro Yamanaka(P)(Verve) - Recorded June 14 and 15, 2006. Larry Grenadier(B), Jeff Ballard(Ds), John Carlini(G on 1, 5, Banjo on 3) - 1. Quand Biron Voulut Danser 2. Sabot 3. Serenade To A Cuckoo 4. RTG 5. The Dolphin 6. Night Loop 7. One Step Up 8. Lach Doch Mal 9. Liebesleid 10. Mode To John 11. What A Diff'rence A Day Made 12. That's All
ラリー・グレナディア(B)、ジェフ・バラード(Ds)とのトリオプラス、ジョー・カーリーニ(G、Banjo on 1, 3, 5)。山中千尋作は12曲中4曲(2、6-8曲目)。慣れたメンバーとのトリオでのセッション。トラディショナルの雰囲気を感じさせないメロディがきれいなラテン風の1曲目、リズミカルな渋いテーマでソロはけっこうイケる2曲目、ミディアムでの哀愁メロディがなかなかの3曲目、ジェリ・アレン作のスピーディでスリリングなピアノの4曲目、中間色的なボッサが心地良く響く5曲目、アップテンポでこれでもかとせまり来る6曲目、メカニカルなテーマと変拍子でエレピが絡む7曲目、アップテンポのソロのラグタイム・ピアノの小品でタイトル曲の8曲目、クライスラーの曲を8分の7拍子でこなす9曲目、マッコイ・タイナー作をバリバリと弾く10曲目、エレピも入れて変幻自在のテンポとアレンジをこなす11曲目、女性らしいスタンダードの12曲目。(06年9月13日発売)
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