YOGI JAZZ/ヨキ・フロイント・セクステット
澤野工房シリーズの中でもこれは’63年録音の幻の名盤の復刻とのこと。ただ、幻の名盤って、期待ばかりふくらんでしまって、このアルバムを聴いた人の中には、なーんだ、という方もいたみたいですね。やはりこの当時にしては編成やオリジナルなどの冒険を聴くのがこのアルバムの意図なんではないかと思います。何たって2ベース、けっこうそのうちの1人はリード・ベースという形態をとっていて、これも非常に珍しい。そして、この時代のヨーロッパでフリーまでは行かないにしてもけっこうモーダルな雰囲気のサウンドを出していた、とこの2点を受け入れるかどうかで好悪は違ってくると思います。私的にはベーシストの一人がエバーハルト・ウェーバーで、おそらく彼がリード・ベースを弾いていると思うので、マルでしたが。
YOGI JAZZ/ヨキ・フロイント(Ts、Ss)・セクステット(澤野工房)
Yogi Jazz/Joki Freund(Ts, Ss) Sextet(Atelier Sawano AS058) - recorded November 20, 1963. Emil Mangelsdorff(As, Fl), Wolfgang Dauner(P), Eberhard Weber(B), Karl Theodor Geier(B), Peter Baumeister(Ds) - 1. Caravan 2. Aisha 3. The Caribean Ringo 4. Killer Joe 5. HL 20 6. Yogiana
ヨキ・フロイントの作曲は3、5-6曲目。他はジャズメンオリジナル。2ベースの編成がちょっと変わっています。有名な「キャラヴァン」ですが、独特な、そしてやや軽快かなと思えるサウンドに1台のベースがリード・ベースとして絡み続けるのがけっこう面白い1曲目、静かにフルートがメロディを奏でていく、マッコイ・タイナー作にしてはまるで映画音楽を聴いているような感じにさせる2曲目、この時代にしては変幻自在なやや自由な部分と構築された部分が緻密に絡み合うジャズを超えた曲調の3曲目、比較的まったりとオーソドックスに進むミディアムの4曲目、ラテン調のリズムと自由なリード・ベースの動き回りで少し混沌さを生み出す4曲目、ゆったりと進んで、低音部がモーダルな雰囲気の、ちょっとエスニックな6曲目。(06年4月28日発売)
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この盤も、幻の名盤として、以前から有名だった盤です
このジャケットって、もう随分前から、書籍で見ていたですが、実物は全然見たこと無いという、
本当に幻だったんだと思います。
で、澤野さんの執念が、CD化を実現しまして、ようやく発売されたという逸品です。
が、往年の欧州ジャズ こりゃ即買いだ と思っている反面、でもなぁと思っている部分もあって、
すぐに購入には、実は至りませんでした。
どうしようかなぁ、どうしようかなぁ。と思っているうちに、ちゃんと中古が出て..... [続きを読む]
だいぶ、遅くなりましたが、聴きました。
一種独特の雰囲気は、ツインベースからくるんでしょうかねぇ。
なんだかキラージョーに、妙に惹かれているのであります(笑)。
ということで、TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2006/10/27 06:47
>oza。さん
このアルバムは’63年という年にしては、ツインベースだったり、けっこうサウンド的にも冒険していた、という部分で聴くんでしょうね、やっぱり。
いわゆる幻の名盤と言ってしまうと、ちょっと予想と方向違いでガックリする人もいるんではないかと。
投稿: 工藤 | 2006/10/27 09:35