While We're Young/John Abercrombie
オルガン・トリオのジャズなのに、コテコテどころか、全然涼しくてスマートなジャズというのも珍しいでしょう。それがここにあります。涼しいというよりは、時には冷たい感じすらします。暑苦しくて汗にまみれて、というイメージが全然なくて、ECMならばこういうのもアリかな、と納得してしまいます。かといって静かなばかりではなくて、スリリングなフレーズで盛り上がる場面もちゃんと用意されています。それでもECMのサウンドカラーに包まれていて、なかなか温度感を上げていかないのが面白いところ。3人のメンバーの組み合わせの妙、ということもあるかもしれませんが。
While We're Young/John Abercrombie(G)(ECM 1489) - Recorded June 1992. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Rain Forest 2. Stormz 3. Dear Rain 4. Mirrors 5. Carol's Carol 6. Scomotion 7. A Matter Of Time 8. Dolorosa
ジョン・アバークロンビー とダン・ウォールの曲が半々なので、実質双頭アルバムか。昔ながらのハモンドオルガンの音ですが、全体のサウンドはクールなまとまり。また、曲の構成もオルガンジャズの路線から大きく外れていて新鮮です。静かな場面からはじまって実に温度感の低い1曲目、持続音のオルガンがバックで2人のやや激しいフリー・インプロヴィゼーションが繰り広げられる2曲目、しっとりとした「雨」のようなゆったりめのバラードの3曲目、アップテンポの4ビートもあるけれども冷ややかでスリリングな4曲目、ちょっとジャジーながらも4ビートにはならない5曲目、ちょっとゆったりと包み込むように進む6曲目、浮遊感がありつつも哀愁もそこはかとなくある7曲目、静かながらもファンクっぽさを感じる沈んだ8曲目。
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