Book Of Ways/Keith Jarrett
キース・ジャレットのソロ・ピアノはあまりにも有名なのですが、ここではクラヴィコードというチェンバロ(ハープシコード)よりもさらに古い楽器を使用してのインプロヴィゼーションです。音だけ聴いているとクラシックやバロック音楽とも思えないことはないのですが、彼特有の「今」のフレーズなども出てきて、それだけではないことを思わせます。ただ、ジャズとしては知っている限り唯一「クラヴィコード」を使用しているインプロヴィゼーションということで、果たしてジャズというジャンルでいいのかどうか(笑)。やっぱり彼の他の基本となるアルバムを聴いてから押さえた方が良いアルバムかもしれません。
Book Of Ways/Keith Jarrett(Clavicord)(ECM 1344/45) - Recorded July 1986. - Disc1 Book Of Ways 1-10 Dics2 Book Of Ways 11-19
キース・ジャレットがクラヴィコード(チェンバロと似たような楽器で、もっと古い時代、16-19世紀のもの)に挑戦した、ソロアルバム。この楽器の音を出すのは難しいのだそうですが、キースの何にでも挑戦する意欲に脱帽。でも、この楽器特有の響かせ方をしていると、ピアノやチェンバロのようにテクニカルに歌わせるということができずに、どちらかと言うとモッタリした感じのフレーズになります。音色も歴史を感じさせる古楽器の音色。それでも中世のバロック音楽を思わせるような、癒される感じの曲や、時にバッハのように、時に日本情緒も感じるような、そして時にキース独自のピアノで演奏したようなやや激しいフレーズや、8ビートの牧歌的な雰囲気でと、表現が制限されていてもいろいろなサウンドを聴けます。
(追記’23年7月14日)新たに紙パッケージの印字がエンボス仕様のCDが発売されています。
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