Blue/Terje Rypdal & The Chasers
テリエ・リピダルのギターは、デビュー当初からロックやプログレなどの持ち味があったわけですけれど、ここでもやっぱりそういった方面の持ち味を、全面的に発しています。曲によってはベースはエレクトリック、ギターだけでなくキーボード(シンセサイザーか?)を駆使して空間的に彩りを添えつつ、スペイシーでロックな味わいを前面に出している演奏です。かなりスペイシーなので、そういう面がやっぱり北欧サウンドなのかな、とも思わせますが。やっぱりこう聴いてくると、ECMレーベルはジャズからけっこう逸脱していて、それが強烈なレーベルカラーとなってファンを増やしていることが予想されます。
Blue/Terje Rypdal(G, Key) & The Chasers(ECM 1346)(輸入盤) - Recorded November 1986. Njorn Kjellemyr(B), Audun Kleive(Ds, Per) - 1. The Curse 2. Kompet Gar 3. I Disremember Quite Will 4. Og Hva Synes Vi Om Det 5. Last Nite 6. Blue 7. Tanga 8. Om Bare
全8曲中6曲がTerje Rypdalの作曲で、他の2曲がフリー・インプロヴィゼーション(2、4曲目)。編成だけ見るとオーソドックスなギタートリオですが、 おそろしく空間的なサウンド。その中をいかにもエレキギターという音が時々(あのトーンがいいですね)駆け巡ります。これが北欧の響きなのでしょうか。 導入部ともいえる空間的なロックの小品の1曲目、スローで重たい一発モノのロック・サウンドの2曲目、かなりスペイシーな、北の果てを感じさせるバラードの3曲目、持続するキーボードをバックに時おりフレーズが舞い降りるような4曲目、ドスンドスンとゆったりとしたバックで舞い飛ぶギターの5曲目、ロック・バラードの趣きを持つタイトル曲の6曲目、レゲエのリズムをバックにたゆたう7曲目、静かなオーケストラのような8曲目。
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