All Those Born With Wings/Jan Garbarek
ヤン・ガルバレクは以前から北欧色の強いサックスでしたけれど、この一人多重録音のアルバムを聴くと、いわゆる狭義のジャズではない。これを北欧サウンドと言うのだろうか、スペイシーで哀愁がある低い温度感でせまってくる世界なのですが、「北欧」がこんなものかなあ、という認識ができたアルバム。「ジャズを聴きたいんであってこういう音楽を聴きたくはない」という人も当然いるであろう極端な、聴く人を選ぶサウンドですが、私がECMにはまり込んで行ったのもこういう個性的で、ある意味深いサウンドを聴いたからでもあります。ヒーリングのようでいて、意外にシリアスな感じが全編を通してあります。
All Those Born With Wings/Jan Garbarek(All Instruments)(ECM 1324) - Recorded August 1986. - 1. 1st Piece 2. 2nd Piece 3. 3rd Piece 4. 4th Piece 5. 5th Piece 6. 6th Piece
全曲ヤン・ガルバレクの作曲、というよりは即興での演奏をサックスだけでなく、シンセサイザーなども使って一人多重録音し、セレクトしてまとめた世界。 多くは空間を生かした広がりのあるサウンドで、漂うようでもけっこうシリアスかも。哀愁あふれる、そして静かなリフが続きつつ、サックスが後半時々つんざくように入ってきたり、リフが力強くなったりする1曲目、北欧的かつ日本的のような分かりやすいテーマとエコーの効いたパーカッションの入る2曲目、素朴でゆったりした哀愁のある3曲目、ピアノとサックスのの何となく物悲しげな雰囲気が印象的な4曲目、前半はギターをバックに、後半はサックスソロでの、入っては消えていくサックスが歌う13分の5曲目、スペイシーなパーカッションとゆったりしたサックスの6曲目。
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