Voyage/Chick Corea/Steve Kujala
新しく聴いてコメントを書くのと、既にあるコメントを直していく作業とどっちが楽かと言えば、既にあるものを直していく作業の方がだいぶ楽です。というのもある程度コメントは過去のものが流用できるし、過去に聴いたものも、忘れかけているものもあるけれど、はじめて聴くよりは分かっているものが多いからです。そんなわけで今日はチック・コリアのアルバム。ジャズでもクラシックでも通りそうなこの内容は、サウンドから行けば、アドリブもあるクラシック、というような趣きがあります。まあ、これこそがECMのサウンドなんだと思う方が多いと思いますが。編成からも分かると思うけれど、4ビート派は避けて通るでしょうね(笑)。
Voyage/Chick Corea(P)/Steve Kujala(Fl)(ECM 1282) - Recorded July 1984. - 1. Mallorca 2. Diversions 3. Star Island 4. Free Fall 5. Hong Kong
邦題「果てしない旅」。1、3、5曲目がチック・コリアの作曲で、2、4曲目が共作ないしはフリー・インプロヴィゼーション。ピアノにスパニッシュの色やクラシック的な感じが濃く反映される部分もあって、 かなりジャズ色を抑えたフレーズで勝負しています。フルートも、やはりジャズをあまり感じさせないクラシック寄りの個性 かも。哀愁の漂う情景がヨーロッパ的に目の前に広がっていき、構築されたカッチリとしたやり取りの世界がそこにある10分台の1曲目、研ぎ澄まされたインプロヴィゼーションにも聴こえる変化に富んだやり取りの12分台の2曲目、ソロ・ピアノで、ゆったりしっとりと進行していく3曲目、やはり物悲しい雰囲気をもちつつ静かで日本的な情緒も少し感じる4曲目、緩急自在で温度感が低い現代音楽的な5曲目。
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