It's OK To Listen To The Gray Voice/Jan Garbarek
まだこの時代はどちらかというとLP時代だったので、ECMはCDにボーナストラックをつけない方針のため、CDへの収録時間も40分台のものが多く、比較的短い時間でアルバムコメントの手直しができる、というメリットがあります。これに対してCriss CrossレーベルはLP時代の作品のCD化に際し、けっこうたくさんボーナストラックを入れてしまっています。聴ける時間が長くなっていいのか、元のイメージを大切にした方がいいのか、難しいところですね。
いつもは親しみづらい部分の多いECMですが、このアルバムの4曲目は、まさにメロディ・メイカーで親しみやすく印象的なメロディが続く曲でした。ただし、この曲のみでしたけれど(笑)。スペイシーな曲が多い中、3曲目はけっこうハードな音色のインプロヴィゼーションを見せてくれます。
It's OK To Listen To The Gray Voice/Jan Garbarek(Ts, Ss)(ECM 1294) - Recorded December 1984. David Torn(G、Synth), Ebarhard Weber(B), Michael DiPasqua(Ds, Per) - 1. White Noise Of Forgetfulness 2. The Crossing Place 3. One Day In March I Go Town To The Sea And Listen 4. Mission: To Be Where I Am 5. It's OK To Phone The Island That Is A Mirage 6. It's OK To Listen To The Gray Voice 7. I'm The Knife-Thrower's Partner
全曲ヤン・ガルバレクの作曲。曲の題名は詩人のトーマス・トランストローマーの詩 の引用。全員個性的な音色とフレーズで演奏していますが、まとまっています。神秘的で哀愁のある包み込むサウンドではじまって、同じようなサウンドカラーでゆっくりと進んで、時折りサックスやギターが舞う1曲目、ベースの静かなソロではじまり、スペイシーから民族的な合奏に移って盛り上がっていく2曲目、やっぱり幻想的からややアブナいフリーが混ざるようなサウンドに移っていく3曲目、8ビートの親しみやすくてメロディアスな曲の4曲目、ホンワリとしていてやや切ないようなフレーズが出てくる5曲目、ゆったりした不安定なサウンドから時々サックスの叫びが聴こえるタイトル曲の6曲目、サックスを中心に哀愁で聴かせる小品の7曲目。
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