In Line/Bill Frisell
ビル・フリゼールの初リーダー作。今から20年以上前の録音です。今でこそ彼に影響を受けたギタリストが多いので、そんなに驚きませんが、当時は突然変異的に、超個性的なギタリストが現れたのでびっくりしました。最もジャズから遠いところのフレーズを弾くジャズギタリスト、と言ってもいいでしょう。このアルバムで、すでに今につながるような牧歌的で、アメリカの乾いた大地を思わせるようなサウンドを響かせています。
とは言うものの、彼の側面はこれだけではなくて、ジョン・ゾーンとのネイキッド・シティのようなハードコア・パンク・ジャズ方面にも参加したり、ハードなフレーズも弾けるギタリスト。かなり変わっていますが、彼にハマってしまったギターファンって、多いんじゃないでしょうか。
In Line/Bill Frisell(G)(ECM 1241) - Recorded August 1982. Arild Andersen(B) - 1. Start 2. Throughout 3. Two Arms 4. Shorts 5. Smile On you 6. The Beach 7. In Line 8. Three 9. Godson Song
全曲ビル・フリゼールの作曲。アリルド・アンデルセンは1、4、6、8-9曲目に参加。音色、フレーズ、独特の揺らぎなど、今まで全くいなかったタイプのギタリストだったので、ショックを受け ました。聴いていてなごむような感じ 。多重録音なども使って、おおらかな、ある時は映画のバックを流れるようなサウンド。牧歌的で明るく包み込むようなデュオの1曲目、アコースティックとエレキでゆっくりと進んでいく2曲目、クラシックのような薄暮を流れていくメロディが静かな3曲目、寄り添うように語り合うデュオの4曲目、しっとりとスペイシーな5曲目、まるで風の音のような6曲目、マイルドなエスニックの上を時々斬り込んでくるギターのタイトル曲の7曲目、不安な心を覗き込むような8曲目、メロディアスで牧歌的なサウンドの9曲目。
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