スパイラル/上原ひろみ
上原ひろみの3作目。ここでこの3人だけのトリオでの演奏になり、ゲストはいなくなりました。キメもバシバシとキマり、内省的な演奏も多くなって、トリオとしてのまとまりがかなり良くなってきていて、ある時点での完成形をみたのではないかと思います。シンセサイザーを使用しているのが8曲目だけで、これはこれでシンセサイザーの特性を生かした面白くてノレる演奏なのですが、あえてほとんどの曲をピアノのみで演奏しているところなど、自信のあらわれかもしれません。私が思っているよりも、はるかに反響が多いのは、曲調からロックやプログレ、フュージョンのファンあるいはさらにその周辺の人たちにも違和感なく入れる、あまりジャズジャズしていない演奏だからかも。あまりに個性的ですが、話題作を聴いてみる価値はありそうです。
スパイラル/上原ひろみ(P、Key)(Telarc)
Spiral/Hiromi Uehara(P、Key)(Telarc) - Recorded May 28-31, 2005. Tony Grey(B), Martin Valihora(Ds) - 1. Spiral Music For Three-Piece-Orchestra: 2. Open Door-Tuning-Prologue 3. Deja Vu 4. Reverse 5. Edge 6. Old Castle, By The River, In The Middle Of A Forest 7. Love And Loughter 8. Return Of Kung-Fu World Champion 9. Big Chill
全曲上原ひろみの作曲。今回は3人だけでの演奏で、8曲目を除けばピアノで勝負。内省的な部分も増え、キメがけっこうキマります。あまり派手ではなく、静かにはじまったかと思ったら、穏やかな中にもスゴいフレーズも入っているドラマチックなタイトル曲の1曲目。2-5曲目は組曲になっていて、28分もの長さで、静かで美しいフレーズもちりばめられていて、メカニカルな部分もあったり、盛り上がるところは盛り上がる、まさに物語のような壮大な展開。まさに3人のオーケストラか。ラテンのテンポも良く、哀愁度がかなり強い情景的な6曲目、テンポが立ち止まるようなゆったりのような、それでホンワカとくる7曲目、シンセで「カンフー」が戻ったゴキゲンな8曲目、ゆったりと中間色的色合いでメロディアスに進む9曲目。(05年10月19日発売)
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スパイラル
上原ひろみ今、日本のジャズ界は、上原ひろみキャンペーン!?(笑)。たしかに、彼女の、ミスを恐れず楽しんでいるようにも見える自由奔放と迫力ある力強いピアノは、自然と元気にしてくれる。そんな彼女の新作なんだけど、初心者にはちょっと入りづらいかも。ま....... [続きを読む]
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