ライヴ・イン・ジャパン 2004/藤井郷子4
多作な藤井郷子のライヴアルバムです。しかも最強のマーク・ドレッサーとジム・ブラックのトリオに、田村夏樹が加わった編成。私のフリージャズ観も、はっきり藤井郷子前とその後とで変わってしまいました。混沌の部分があってもドシャメシャだけで続くわけではなく、構築された部分や、クラシックの素養など、上手くドラマチックに演奏が配されていて、それを聴いているのがけっこう心地良いんですね。もっとも、フリー系統を好きではない方には、何を聴いてもピンとこない、という面もあるのかもしれませんが。本当はライヴで体験した方がいいのでしょうけれど、ライヴにいかない私にとってはこのアルバム、いい体験になりました。
ライヴ・イン・ジャパン 2004/藤井郷子(P)4(P.J.L.)
Live In Japan 2004/Satoko Fujii(P) 4(P.J.L.) - Recorded July 28, 2004. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds), Natsuki Tamura(Tp) - 1. Ninepin 2. Illusion Suite 3. Looking Out Of The Window 4. An Insane Scheme
全曲藤井郷子の作曲。以前に田村夏樹を除く3人で録音・発表した曲ばかりの再演ですが、トランペットが入るとサウンドの雰囲気も違うし、やはりカッチリした部分とフリーの部分の微妙な組み合わせが楽しめます。小刻みのリズムの上のエキゾチックなテーマもあってドラマチック、それでいてある程度の混沌さが心地良い16分台の1曲目、何と36分もあって、静かな場面からはじまり、途中変拍子のファンク的なリズムの上を泳ぐピアノがあったり、中盤18分ほどでキメのユニゾンがあったりと、静かだったり重量級だったり、物語的な進行が印象深いトリオでの2曲目、音の連なりからメロディが浮かび上がってくるようで、盛り上がっていく場面もある3曲目、静寂の場面と割とハードな場面とのレンジが広い4曲目。(05年8月24日発売)
« Characters/John Abercrombie | トップページ | But Beautiful/Jimmy Raney Trio »
「音楽」カテゴリの記事
「ジャズ」カテゴリの記事
« Characters/John Abercrombie | トップページ | But Beautiful/Jimmy Raney Trio »
コメント