Ring/The Gary Burton Quintet with Eberhard Weber
ゲイリー・バートンのECMリーダー作第2作。先にパット・メセニーのリーダー作を経験してから、このアルバムを聴いているので、なおさら、メセニーが目立たないのでちょっと地味だなあ、という印象を受けたのかもしれません。ただ、エバーハルト・ウェーバーもベースで入っているし、ECM的なレコーディングという意味では、視点を変えて聴いてみれば、成功だったのだと思います。スティーヴ・スワロウと、曲によって同時参加というのも、少々冒険的に感じますし。何とも不思議な味わいのあるアルバムですが、レーベルカラーを活かしたという点では、こういう録音もアリなのかなあと思います。
Ring/The Gary Burton(Vib) Quintet with Eberhard Weber(B)(ECM 1051) - Recorded July 23 and 24, 1974. Mick Goodrick(G), Pat Metheny(G), Steve Swallow(B), Bob Moses(Per) - 1. Mevlevia 2. Unfinished Sympathy 3. Tunnel Of Love 4. Intrude 5. Silent Spring 6. The Colours Of Chloe
マイケル・ギブスの曲が3曲、カーラ・ブレイの曲と、参加メンバーの曲で成り立っています。パット・メセニーが参加していますが、ギターはミック・グッドリックもいるので、あまり目立ってはいません。曲によって2人のベーシストが同時参加。ヴァイブラホンを中心に全体で聴かせるようなサウンド。ゆったりとしているようでエキゾチックなメロディを持って進んでいく1曲目、やはりエキゾチック路線で不思議なビートで迫ってくる2曲目、静かですが2人のベースで浮遊感とともに語りかける3曲目、前半がドラムソロで、不思議なビート感のギター度も高い4曲目、カーラ・ブレイ作でしっとりと哀愁度の高い、10分台の5曲目、エバーハルト・ウェーバー作で彼のアルバムでもおなじみの、印象的な展開の6曲目。
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» [ECM1051] The Gary Burton Quintet with Eberhard Weber : Ring (1974) 知っているECMの空気の中へ [Kanazawa Jazz days]
1974年の7月後半、西独での録音。 キース、ガルバレクと2枚吹き込んだ後、6月から7月にかけて米国で3枚、そして西独。巷では、ハンコックやマイルスのファンクが唸りを上げていた頃。そんななかで吹き込まれた、このアルバムが缶詰のように保っている空気は、ボク...... [続きを読む]
先般のヴェーバーへのオマージュ、につながるアルバムで素晴らしいですね。
特に最後の曲は良かったなあ。
少しバートンは苦手なんですが、ECMの枠の中ではいいですね。
投稿: ken | 2015/12/17 08:27
>kenさん
TBどうもありがとうございます。
ゲイリー・バートンのリーダー作の中のパット・メセニーは地味な存在だなあ、という感じはするのですが、ここではやはりエバーハルト・ウェーバーがいい味を出している感じです。1050番も過ぎるとまた違ったECMという感じもしてきます。連続的な変化なんですけど。
投稿: 工藤 | 2015/12/17 17:28