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2005/07/27

Ecstasy/Steve Kuhn

1058

スティーヴ・キューンの、これまた耽美的なピアノ・ソロの世界。それにしてはCD化が少し遅かったような気もしてますが、細かいことは置いておいて。これを聴いてしまうと、他のアルバムはしばらく聴けないんじゃないかと思うくらいの内容で、好きなアルバムの1枚です。プロデューサーに合わせていると彼は言ってましたが、彼の各方面のアルバムを聴くにつけても、豪快な場面も出せるし、すごいピアニストだなあ、と思います。機会があれば、まあ、ECMにはいいピアノアルバムは多いのだけど、これを1枚とりあえず聴いてみてください、と言いたくなるような、そんなアルバムです。

 

Ecstasy/Steve Kuhn(P)(ECM 1058) - Recorded November 1974. - 1. Silver 2. Prelude In G 3. Ulla 4. Thoughts Of A Gentleman - The Saga Of Harrison Crabfeathers 5. Life's Backward Grance

非常に美しいソロ・ピアノの世界。それが彼にとっての世界のほんの一部とは。驚きました。木の葉、あるいは雪が舞い落ちるようなフレーズがちりばめられています。1曲目から静けさの中に穏やかに切れ込むピアノの音世界。2曲目は暗く、しかし平穏な中にふつふつとたぎる情念をかきたてられるような、そんな盛り上がりが印象的。3曲目は硬質な響きをもちながらもやさしく語りかけてきます。4曲目はタイトルのように物語を想像させるような曲の流れがやはり静かに展開していき、幕を閉じます。5曲目はあたかもフリー・インプロヴィゼーションのように自由に、しかもキューンの冷たいカラーを出しながら 進んでいきます。印象的なメロディも、あちらこちらに見受けられるのは、やはり彼の才能でしょうか。(00年9月23日発売)

(注)Life's Backward Glances - Solo And Quartet/Steve Kuhn(P)(ECM 2090-92)の3枚組BOXとして’08年に再発。

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コメント

工藤さん,こんばんは。

私はLPを保有していますので,本作のCDは買っていなかったんですが,ようやく購入と相成りました。いかにもECM的な響きを持つもので,やっぱり好きな作品でした。Steve KuhnとECMはつかず離れずって感じですが,もう本作が吹き込まれてから40年以上が経過しているってのが今更ながら凄いと思いました。

ということで,TBさせて頂きます。

>中年音楽狂さん

TBどうもありがとうございます。

再び国内盤化されていたんですね。スティーヴ・キューンもCD化されるのが一部を除き遅かったこともあるのですが、内容を聴くと、なんでこれが、と思うものが多いです。彼の多面性の一部分であるにしても、このアルバムはいいですね。

いいアルバムですね。長らく楽しんだトランスより、好み。
ECMにはECM向けでこのレベル、ヴィーナスにはあのレヴェル、という技は改めて凄いことだと思います。

>kenさん

TBどうもありがとうございます。

キューンのソロ・ピアノというのもまた好きで、でも後のインタビューであっさりとアイヒャー好みに演奏した、と語ってしまうところが彼らしいなあ、と思います。そして、ECMの方向性にここでも一役かってますね。

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