Afternoon Of A Georgia Faun/Marion Brown
マリオン・ブラウンのアルバム。当時は、黒人白人区別なく、とにかく録音できるものからやっていったイメージがあるのですが、かなり初期の割には、編成が大きいので、録音にけっこうお金をかけていたなあ、ということが想像できます。それでも、フリーへの傾倒は初期の頃からあって、このアルバムもまさにそういうアルバムでした。その後を考えてみると、なるほどなあ、と思います。それにしても、メンバーには有名になった人も多く、先見の明があったのでは、と思わせます。偶然が積み重なったと考えるよりは、ある程度の計算があったのではないか、ととらえる方が、自然だと思います。左側がCD、右側がLPのジャケ写です。
Afternoon Of A Georgia Faun/Marion Brown(As, etc)(ECM 1004)(輸入盤) - Recorded August 1970. Anthony Braxton(As, Ss, Cl, Bcl, Fl, etc), Bennie Maupin(Ts, Afl, Bcl, etc), Chick Corea(P, etc), Andrew Cyrille(Per), Jeanne Lee(Vo, Per), Jack Gregg(B, Per), Gayle Palmore(Vo, P, Per), William Green(Per), Billy Malone(Ds), Larry Curtis(Per) - 1. Afternoon Of A Georgia Faun 2. Djinji's Corner
(00/09/10)全曲マリオン・ブラウンのオリジナル。当時のECMからすれば、大編成でしかもメンバーもスゴい。1曲目は厳かにパーカッションではじまって、日本的な間を感じさせるようなホーンが徐々に入ってくるフリージャズ。エコーが効いていて深遠なる咆哮。静かにピアノが入ってその後ホーンやヴォイスが合流していきます。あくまでもソロではなくて全体のサウンドバランスで聴かせていて、アグレッシヴさは陰をひそめています。全般的に内に秘める炎というような感じで内面にこもるフリージャズ。2曲目はこれに対して言わばオーソドックスなフリージャズ。ドシャメシャもありますが、爆発しっぱなしというわけではなくて、全体の統制はとれている感じです。ヴォイスが印象的。少しですが、時代を感じます。
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» [ECM1004] Marion Brown: Afternoon Of A Georgia Faun (1970) 牧神の午後のけだるさだけが [Kanazawa Jazz days]
これはアイヒャー・プロデュースでニューヨーク録音。先に録音についての感想だけど、多楽器・多奏者の空間をうまく定位できていないような、散漫な印象がある。
1970年代の似たような録音に、富樫雅彦のSpirutual Natureがあるが、あのアルバムの魅力は音楽そのもに...... [続きを読む]
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TBさせて頂きました。
このマリオンブラウンには疲れました。
全体イメージが散漫で。
仰せのように、時代の磨耗を受けて、今、きついですね。
このあたりの時期の試行錯誤が、その後の黄金時代の礎だと思いました。
(positiveに云うと)
毎日のようにスミマセン
投稿: ken | 2015/01/29 12:48
>kenさん
TBどうもありがとうございます。
ごく初期のアルバムはこのブログをアップした時から聴いてませんが、やはりECMの方向性が定まるまでのアルバムかなあ、という気もします。ただ、やっぱりいい意味にとらえたいと思います。
投稿: 工藤 | 2015/01/29 12:58
新しいリンク:
http://kanazawajazzdays.hatenablog.com/entry/2015/01/28/065423
投稿: ken | 2016/08/12 09:39