ムジーク/ジラッド・アツモン with ロバート・ワイアット
Enjaレーベルも民族音楽やエレクトロニクスを多用した音楽に手を広げて久しいですが、このアルバムも中近東(イスラエル系?)を中心としてサーカスっぽい音楽、タンゴなど、様々な音楽があらわれています。ただし、ジャズ色はほとんどありません。曲によっては何人かが入れ替わってヴォイス(ヴォーカル)をとる曲も。たまにシリアスなジャズのスペイシーなある一部分を感じる場面もありますが、やはりいろいろな民族音楽の融合として考えてみるのがいいのかな、と思ってみたり。例えば3曲目、あるいは8曲目にジャズの香りを感じる部分はあったにしても、それは4ビートのものではなく、もっとスピリチュアルな部分での香りです。
8曲目は分かりやすくて明るいメロディ。クレジットでは5分4秒になっていますが、その後に隠しトラック(?)があって、サーカス風になって盛り上がる場面もあったりします。個人的には聴いていて分かりやすい音楽なのだけれど、やっぱり一般のジャズファン向けではないような気もしています。マニア向け?ただ、不思議なことに通して聴いていると、これもまたジャズ?と思ったりもします。
ムジーク/ジラッド・アツモン(Ss、As、Cl、etc)with ロバート・ワイアット(Vo、Tp)(Enja)
Musik/Gilad Atzmon(Ss, As, Cl, Sol, Tb, Shabbaabeh Fl, Piccolo) & The orient House Ensemble(Enja) - Released 2004. Grank Harrison(P), Yaron Stavi(B), Asaf Sirkis(Ds, Bandir, Riqq), Romano Viazzani(Accordion), Dumitru Ovidiu Fratila(Vln, Tp-Vln), Robert Wyatt(Voice, Tp), Guillermo Rozenthuler(Vo), Matthaios Tsahourides(Pontic Lyra, Greek Bouzouki), Tali Atzmon(Vo) - 1. Joven, Hermosa Y Triste 2. Surfing 3. Liberating The American People 4. Tutu Tango 5. Musik 6. Re-Arranging The 20th Century 7. Lili Marleen 8. And She Is Happy
ほぼジラッド・アツモンの作曲ないしは共作。彼はイスラエル人で、ジャズではなくて中近東の音楽を中心とした民俗音楽のミキスチャーのサウンド。1曲目は強力な哀愁路線でせまってきて、ヴォイスも語りかけてきます。2曲目は速いパッセージとほの暗いやはり哀愁路線とが交互に。ドラマチックに管楽器が響いたりピアノのスペイシーなサウンドがあったりと、インプロヴィゼーション的ジャズの雰囲気も感じる3曲目、3拍子も混ざり、中盤でモロにタンゴの雰囲気の場面もある4曲目、少し淡々としたその名も「Musik」というタイトル曲の5曲目、シリアスな感じで静かに進行していと思ったらサーカスっぽくもなる変幻自在の6曲目、唯一クルト・ワイル作なのに邦楽を含め民俗音楽っぽい7曲目、しっとり系のメロディの8曲目。(04年12月22日発売)
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