Between You & Me/マリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ
ジャズをこれから聴きはじめる人からヴォーカルもので何が良いですか?と質問を受けて、ついジャズならではのスキャットバリバリのアルバムをすすめて失敗することって多いと思う。実は私も経験があります。やっぱり広く受け入れられるには、ジャズっぽさというよりは、その音楽性やクセの強くない雰囲気だと思うし、BGMにもかけられるとなお良いかな、と思います。聴きやすさや、スタンダードだけでなくボサノヴァも入っているという点で、このアルバムはなかなか良いのでは。バッキングにまわったピアノのサポートもサウンド全体を引き締めて、時に良い方向へ引っ張っています。ちなみにこのアルバム、澤野工房からの最新作です。
Between You And Me/Marielle Koeman(Vo), Jos Van Beest(P) Trio(Atelier Sawano AS043) - Recorded September 2004. Evert J. Woud(B), Klaas Balijon(Ds), Giovanni Mastrandrea(Ds, Per), Douwe T'reve(G) - 1. Too Marvellous 2. So Tinha De Ser Com Voce 3. My Foolish Heart 4. Thou Swell 5. Gentle Rain 6. The Song Is You 7. Que Reste Il De Nos Amours 8. You Don't Know What Love Is 9. It Might As Well Be Spring 10. I Never Went Away
この2人による組み合わせは2枚目ですが、聴きやすいスタンダードやボサノヴァ集で、温かみがあって分かりやすいアルバム。けっこう売れセンかな、と思います。比較的素直な歌唱なのだけれど、どこか印象に残るマリエル・コーマンのヴォーカルと、バックで落ち着いて、しかもやはりやや陽性にサポートをするヨス・ヴァン・ビーストのピアノ。2、5、7、9(この曲のみアップテンポ)曲目がギターなどが加わったボッサで、通常のスタンダードとの境目がないようなスムーズな進行です。でもこのボッサのサウダージ感覚というか、雰囲気がなかなか良い感じ。3、8、10曲目のようなしっとり系のバラードや、6曲目のようなアップテンポでノリの良い曲もあって、ジャズ・ヴォーカルにこれから接してみたい人にも良いと思います。(04年11月27日発売)
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