Morton's Foot/Rahib Abou-Khalil
これまた「CDショップ+αのオススメCD日記」の6月30日付けのところに書いたものなのですが、こちらに転載させていただきます。かわりダネ盤としては、かなりなものだと思うのですが、どうでしょうか。ヨーロッパではこういうのがけっこう聴かれているんだそうです。
今月のオススメ盤は皆さんに、というわけではなくて、ちょっと要注意盤です。楽器編成はウード、クラリネット、アコーディオン、チューバ、ドラムスという異色の編成で、フレーズなどの語法も中近東色が強い感じでジャズではない。しかし、このジャズとは対極にある編成とサウンドから、なぜか私は広い意味でのジャズを感じてしまいました。変拍子だらけでスリリングな曲が多く、素朴なヴォイスや楽器のサウンドもありと、幅広いアルバムです。
レバノン育ちのウード奏者、ラビ・アブ・ハリルの他のアルバムでは、ヨーロッパ圏内で何と10万枚売り上げたものもあるそうです。Enjaレーベルでも有名なミュージシャンとのこと。そういう意味では、ちょっとどういう世界が繰り広げられているか、のぞいて見たい気がするアルバム。
Morton's Foot/Rahib Abou-Khalil(Oud)(Enja) - Recorded Febryary 25 - March 6, 2003. Gabriele Mirabassi(Cl), Luciano Biondini(Acoordion), Michel Godard(Tuba), Gavino Murgia(Vo), Jarrod Vagwin(Ds), Walter Quintus(Sound Engineer) - 1. Ma Muse M'abuse 2. Morton's Foot 3. Il Ritorno Del Languore 4. Lobotomie Mi Baba Lu 5. L'historie D'un Parapluie 6. O Papaia Balerina 7. Dr. Gieler's Wiener Schnitzel 8. Il Sospiro 9. Hopping Jack 10. Waltz For Dubbya 11. The Return Of The Maltese Chiken
非常に変わった編成で中近東的なワールドの楽曲でもあるのですが、変拍子バシバシのスリリングでスピーディーなテーマと、それに続く魅力的なソロは、まるでファンクを聴いているような雰囲気におそわれます。1曲目から飛ばしまくりの曲でテーマもソロも魅力的。かの地のお経のようなヴォーカルにはじまりサウンドの綾織の中にはまり込んでいく2曲目、ちょっと抑え目のサウンドになるもあちらの雰囲気の3曲目、やっぱりスリルのあるヴォーカル入りの4曲目、変拍子エキゾチック・ファンクの5、9(こちらは静かな部分も)曲目、やや軽めに楽器が唄う6曲目、良いテンポの中に哀愁もある7曲目、訥々と語りかけてくる8曲目、静かな雰囲気で異郷感覚のノスタルジーがある10曲目、そしてなぜか鶏の鳴き声で、幕。(04年4月21日発売)
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