Habyor/Jim Black
紹介アルバムにアラウンド・ジャズというか、正直言ってジャズではないようなアルバムが続いていますが、このアルバムもジャズ色は全然なく、むしろそのビートやサウンドからロックのアルバムと言っていいんじゃないかと思います。実はこのジム・ブラックというドラマー、藤井郷子さんとトリオを組んで6枚もアルバムを出していて、やっぱりジャズドラマーらしからぬ、メリハリの効いたビート感が好きだったりします。
ただ、このアルバムはたぶん4ビートジャズが好きな方からはお叱りを受けるんじゃないかと思うので、要注意盤かもしれません。むしろこういうアルバムを難なく出してしまうヨーロッパのレーベル群にふところの深さを感じてしまいます。こうやって自分の聴いているものをどんどんアップしていると、私は非常に雑食性の強い、あるいはジャズにはこだわっていないんじゃないか、と思えるようなところもありますね(笑)。
Habyor/Jim Black(Ds, P, etc) Alasnoaxis(Winter&Winter 910 073-2 Music Edition) - Recorded September 23-26, 2003. Chris Speed(Ts, Cl, P, Accordion, etc), Hilmar Jensson(G), Skuli Sverrisson(B) - 1. Talk About 2. Z 3. Rade 4. Cha 5. Part Wolf 6. Hello Kombiant 7. Let Lt Down 8. Be Real 9. Endgatherers 10. Stay Go
AlasNoAxisというグループ名では3作目にあたります。全曲ジム・ブラックの作曲。ドラムスのビートの叩き方、曲全体のサウンドからしてジャズ度はなく、むしろ、インスト・ロックのアルバムと言った方がふさわしいアルバム。演奏全体からはヒネクれた音は出てこないで、やや淡々としたストレートなロックなのですが、例えば1曲目のように変拍子の曲もあり、他の曲でも自然に5拍子や7拍子が混ざっていたりと、ビートは意外性があります。曲ごとに表情を変えつつも、そのロック性という点では一貫したイメージがあります。ややタイトなドラムスの上をさまようベースとメロディとでも言えばいいのか。6曲目はその中でもアップテンポで過激なロック。意外なことにアドリブとしてのホーンのフレーズはあまり全面に出てきません。(04年6月20日発売)
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