

ジャズの中でもさらにマイナーでマニアックな路線を行っているため、コメントやトラックバックがほとんどないのも止むを得ないなあ、と思いつつ、書いている本人はけっこう楽しかったりします。暇なときに書きだめをしておいて、毎日ひとつずつ自動的にアップできるのもココログプラスのいいところです。
今日紹介するアルバムは、4年も前に発売されたアルバムだし、いわゆる普通のジャズの要素はほとんどなく、東欧ミュージックを大幅に取り入れて、変拍子バシバシのかの地のプログレッシヴ・ロックというような雰囲気も強いグループです。そのサウンドの個性と、超絶技巧的変拍子にホレてしまいました。
1曲目だけを聴くとアコーディオンとサックスでのデュオで、東欧の懐かしい感触がプンプンするのですが、2曲目以降どんどん彼らのペースにはまっていきます。ジャズファンでこのサウンドを聴きたいという人は少ないかもしれませんが、ある一定層ではウケそうです。今年の4月にもアルバムが出ています。ただ、そのインパクトの大きさの点をネラうならば、このレーベル1枚目の「Farmers Market」の方かな、と思います。
Farmers Market/Stian Carstensen(G, Accordion, Banjo, Tmboura)(Winter & Winter 910056-2 Artist Edition) - Recorded September 10-14, 1999. Finn Guttormsen(B), Nils Olav Johansen(G, Vo), Trifon Trifonov(Sax, Cl), Jarle Vespestad(Ds), Guest: Goergi Andreev(Gadulka), Ivan Atanassov(Tapan), Krassimir Kondoff(Gaiba), Nedjalko Nedjalkov(Kaval), Jai Shankar(Tablas), Filip Simeonov(Tp, Cl), Choir: Tsonka Dimitrova, Darina Miteva, Radka Stefanova, Diana Velichkova - 1. Ramadan's Slow Song & Dance 2. A Young Girl Made A Crown Of Forest Flowers 3. Graovo Dance 4. Monkey's Dance 5. Les Paul, More John 6. New Smeseno 7. Some Fag Rag 8. Jog Trot 9. Jabber 10. The Straight One 11. Ornamental Boogie 12. Old Slow Melody 13. Trifonov's 5th
グループはノルウェー出身ですが、たぶんブルガリアの民俗音楽を中心にさまざまな音楽(ジャズ、ロック、インド音楽など)を抱合する演奏。どの曲もメロディや旋律の味付けに東欧色が強く、なかなかに郷愁を感じますが、エレクトリック楽器も使用している場面も少なくないです。3、6、10-11曲目はロックビートの上をさまよえる東欧の旋律。4曲目はバンジョーを使って東欧的ブルーグラスミュージックのようですが変拍子がバシバシと入っている気配。5曲目はモロに懐かしいロックの変拍子世界。他の曲も、陽気な東欧音楽に見えて、けっこう超絶技巧のような気がします。インド的要素の強い8曲目、遊園地の音楽をアップテンポにしたような9曲目、バラードでせまる12曲目。躍動感と変拍子、ドラマチックな展開。(00年7月23日発売)
Backwards Into The Backwoods/Stian Carstensen(Accordion, Banjo, G, Vln, Kaval)(Winter & Winter 910 087-2) - Recorded June 5-7, 2002, February 12-14, November 10, 11 and 25, 2003. Arve Henriksen(Tp, Vo, Spinet), Ernst Reijseger(Cello), Jarle Vespestad(Ds), Haavard Wiik(P, Spinet) - 1. Dimitri's Polynesian Vacation 2. Death Of A Neutered Choir Boy 3. See Fair Lis (Is Her Veneer Real?) 4. Backwards Into The Backwoods 5. Zat Was Zen...Zis Is Now 6. Solo Improvisation No.1 7. Solo Improvisation No.2 8. Solo Improvisation No.3 9.Solo Improvisation No.4 10. Solo Improvisation No.5 11. Gyorgy's Appalachian Vacation 12. What's That Horsehead Doing On My Pillow? 13. (Look Granpa!) Buckwheat's On Dogweed 14. One Legged Cow's New Age Square Dance 15. Vrad Tepes' Two-step (Swing That But) 16. Funeral March For A Neutered Choir Boy
かわった編成のユニットによる演奏。ジャズの要素は薄く、東欧の民俗音楽的要素もあればロックの要素もあり、何気ない高度な変拍子に聴こえる部分はプログレッシヴ・ロックの影響か、それにアコーディオンの素朴なサウンドやエレクトリックなシンセサイザーのようなサウンドも混ざって何が何だかわからないエスニックさがあるところがミソ。曲は短めのものが16曲で、編成はさまざま。曲によっては雰囲気がどんどん変わっていって目まぐるしいものもあって、特に2曲目のロック度は高し。一転3曲目がギターとヴォーカルの素朴なフォークになるところなど、何が何だか、という急な変身。6曲目から10曲目はソロでのフリー・インプロヴィゼーションでアコーディオンが中心。12曲目は荘厳な雰囲気。とにかくゴタマゼ。(04年4月25日発売)
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