Illusion Suite/藤井郷子
藤井郷子さんのアルバムがインディーズながら、6月20日に出ました。このメンバーでは6作目にあたり、過去に同メンバーで以下のアルバムが出てきます。
Looking Out Of The Window/Satoko Fujii(P)(Ninety-One)
Kitsune-bi/Satoko Fujii(P)(Tzadik)
Toward, "To West"/Satoko Fujii(P)(Enja)
JUNCTION/Satoko Fujii(P)(ewe)
Bell The Cat!/Satoko Fujii(P)(Onoff)
さすがにずっと一緒に録音しているだけあって、そのフリー(そう、フリーなんですが)の方向性とまとまりが見事で、一見3人がバラバラのベクトルで音を出しているかと思ったら、急に3人がまとまって動いていったり、何度も急展開があって、その3人の出方が、まるで書き譜のような統一感がある部分もあります。実際に譜面で構築された部分もあると思うのですが、自由な部分との組み合わせが、やっぱり見事。
ある種このドラマ性とカチッとした部分にひかれてしまいます。そして時折発作的に爆発する、時に静かにうごめいていくフリーの部分。いいですねえ。ただし、オーソドックスなジャズが好きな方には厳重に取り扱い注意なんですが。私は最近のフリー作の中では、これ、けっこう好きです。
Illusion Suite/Satoko Fujii(P)(Libra) - Recorded July 14, 2003. Mark Dresser(B), Jim Black(Ds) - 1. Illusion Suite 2. An Irregular Course 3. Flying To The South 4. An Insane Scheme
このメンバーでは第6作。1曲目のタイトル曲は何と34分。ピアノと、ベースのアルコで静かにはじまり、ドラムスも加わって、少しずつ盛り上がります。バラバラのフリーのような部分と、3者のまとまりが見事な部分が繰り返されます。5分台、21分台のところで変拍子系のビートが合わさり、ややファンク系のノリに。ピアノのメロディは時に舞うように、時に激しく、ドラムスも変幻自在。中盤から一転フリーになったり3人がまとまったり、静かになったり盛り上がったりを繰り返し。ラストは荘厳な雰囲気。2曲目は奇妙な音のベースとドラムスの出だしで、次第にパワフルに盛り上がっていきます。ピアノではじまりプログレ変拍子的からフリーに盛り上がる3曲目、浮遊感がありつつ、かなり自由かつ急展開に変化していく4曲目。(04年6月20日発売)
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