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2022/07/03

Blue Wail/Uri Caine Trio

Uribluew ジャズです。これがユリ・ケインの初めてのピアノ・トリオのアルバムだそうです。彼は器用すぎるせいか、幅広くいろいろなことをやっていて、ちょっととっ散らかった印象を受けますが、基本的にはジャズ・ピアニストなんですよね。メンバーも申し分ないし、思いっきり演奏してくれています。でもやっぱりちょっと饒舌かなあ、という印象はあるかな。まあ、これも個性なので、いいと思います。彼の場合天才肌があふれかえってしまって、演奏は申し分ないんだけど、メインで活躍したレーベルがマイナーだったこともあって、ちょっと日本人には知名度が今ひとつだったかなあ、という、微妙な感じになっているのではないかと。

 

Blue Wail/Uri Caine(P) Trio(Winter & Winter) - Recorded December 1 and 2, 1997. James Genus(B), Ralph Peterson, Jr(Ds) - 1. Honeysuckle Rose 2. Loose Trade 3. The Face Of Space 4. Digature Of The Line 5. Blue Wail 6. Stain 7. Sweat Potato 8. Bones Don't Cry 9. Poem For Shulamit 10. Fireball 11. Honeysuckle Rose

1、11曲目以外はユリ・ケインのオリジナル。ジェームス・ジナスとラルフ・ピーターソンという強力なリズムに囲まれた、ユリ・ケインのはじめてのピアノ・トリオでのアルバム。 しかも演奏しているのは純ジャズ。1曲目のソロ・ピアノで誰風でもない強力な彼のピアノが主張してきます。ちなみに11曲は同じ曲の別テイクの演奏。粘り気のあるドラムスとのテーマを経てモーダルに進んでいく2曲目、ある意味でメロディアスに、ある意味で複雑に進んでいく3曲目、ノリが良く比較的オーソドックスな4曲目、ブルース的感触をもつゆったりめの5曲目、ラテン複雑系とでも言うような6曲目、いかにも普通のジャズ的な7曲目、ノリが良く軽快なラテン系の8曲目、叙情的な語り合いのある9曲目、トンガリ具合とノリが良い10曲目。

2022/07/02

Wagner E Venezia/Uri Caine Ensemble

Uriwagnerユリ・ケインの、アルバムの量産期になる、というくらい短期間のうちにたくさんアルバムを出している時期の1枚。これは完全にクラシックのアルバムなんですけど、彼自身で小編成にアレンジし直しています。前作「ウルリヒト」のようにいろいろなジャンルをぶち込むということは、今回は全くないんですけど、クラシックの世界でもちゃんとアルバムを作れるのは、世界でも数少ない中のひとりでしょう。しかもアレンジしまくりというのは、かなりチャレンジングなようにも見えますし。クラシックファンなら原曲と比べて聴いてみると面白いかもしれません。彼の八面六臂の活躍には驚きを隠せません。

 

Wagner E Venezia/Uri Caine(P) Ensemble(Winter & Winter) - Recorded June 6-9, 1997. Mark Feldman(Vln), Joyce Hammann(Vln), Erik Friedlander(Cello), Drew Gress(B), Dominic Cortese(Accordion) - 1. Liebestod(Tristan Und Isolde) 2. Ouverture(Tannhauser) 3. Ouverture(Lohengrin, 3 Akt) 4. Prelude(Tristan Und Isolde) 5. Ouverture(Die Meistersinger Von Nurnberg) 6. Der Ritt Der Walkuren 7. Ouverture (Lohengrin, 1 Akt)

ジャンルはクラシック/室内音楽。しかもライヴ。オーケストラの曲をを6人編成でアレンジした演奏とのことで、内容はワーグナーそのもの。ただし、オーケストラの曲を室内楽風にアレンジしてしまう事も、けっこうなチャレンジだとのこと。たしかにある程度重厚な響きをもたせたまま、うまくアレンジしてあります。そして、ワーグナーの曲の中でもけっこう有名なものばかりだとか。マーク・フェルドマンやドリュー・グレスの名前はジャズでも見かけるので、ヨーロッパではクラシックが身近な音楽なのでしょう。ジャズ度は全然ないものの、たまに聴く分には、けっこう耳あたりも良く聴くことができます。そして、意外ですがアコーディオンのサウンドがうまくマッチしています。 ユリ・ケインの全方向性がうまく出たアルバム。

2022/07/01

Urlicht/Primal Light/ Gustav Mahler/Uri Caine

Uriurlicht ちょっと理由があって後回しにしていたピアニストのユリ・ケインですけど、何とか取り上げることにしました。実は彼のアルバムは、ジャズ、クラシック、その折衷音楽など様々な要因をぶち込んでいて、さて、どう聴き直してみたらいいんだろうと、ちょっと悩んでいたんですね。クラシックそのもののアルバムもあるし。Winter & Winterレーベルもブログ開始前に手をつけているので、これから取り上げなければならない枚数も少し多めだし。でもこのある意味破天荒なピアニスト(アレンジも含めて)は、いずれ紹介しなければな、と思っていました。このレーベルだとストリーミングでも聴けますしね。その破天荒な出だしにあたるこのアルバム、一度聴いてみてもいいのかも。

 

Urlicht/Primal Light/ Gustav Mahler/Uri Caine(P)(Winter & Winter) - Recorded June 11-14, 22 and 26, 1996. Joey Baron(Ds), Aaron Bensoussan(Per), Danny Blume(G), Dave Binney(Ss), Dean Bowman(Vo), Don Byron(Cl), Dave Douglas(Tp), Mark Feldman(Vln), Michael Formanek(B), Larry Gold(Cello), Arto Linsey(Vo), DJ Olive(Ternntables), Josh Roseman(Tb) - 1. Symphny No.5, Funeral March 2. The Drummer Boy From "The Boy's Magic Horn" 3. Now Will The Sun Rise As Brightly From "Songs Of The Death Of Children" 4. I Often Think They Have Merely Gone Out! Form "Songs Of The Death Of Children" 5. Synphony No.1 "Titan", 3rd Movement 6. Symphony No.2 "Resurrection", Primal Light 7. I Went Out This Morning Over The Countryside From "Song Of A Wayfarer"Symphony No. 2 "Resurrection", Andante Moderato 8. Synphony No.5, Adagietto 9. The Drunkard In Spring From "The Song Of The Earth" 10. Who Thought Up This Song From "The Boy's Magic Horn" 11. The Farewell From "The Song Of The Earth"

邦題「ウルリヒト」。メンバーも豪華で、レーベルの意気込みが感じられます。マーラー作品集なのですが、単なるメロディーを取り入れたジャズ化ではなく、クラシック、ジャズ、ユダヤ音楽(クレズマーって言うんですか?)他、さまざまな要素が詰め込まれたまま1枚のCDとして凝縮されています。ジャズとして楽しむというよりは、マーラーそのものを分かっている人がマーラーを正面から笑い飛ばしてやろう、という気分で聴くアルバムかも しれません。アヴァンギャルドな部分も刺激的ですが、ヴォーカルや朗読の部分もけっこう個性的。場面によってはジョーイ・バロンのドラムが強力。ユリ・ケインのクラシックに対するこうした姿勢があらわれた、最初のアルバム。 こういうやり方で、彼は今後アルバム制作を続けます。

2022/06/30

Experiencing Tosca/Tethered Moon

Tetheredtosca ゲイリー・ピーコックの参加アルバムを追いかけるのも今日で一段落。この時期、キース・ジャレット・トリオの音源がけっこうあって、他のピアニストのアルバムにも参加していたんだけど、これらはもうブログで発表済みだったので、枚数的には少なくなりました。ゲイリー・ピーコックとポール・モチアンの取り合わせもあちこちで見ているけど、個人的にはこのテザード・ムーンの組み合わせがいちばん印象に残ったかなあ、とも思います。それにしても、このあたりが今までもれていたのは、意外でした。次はWinter & Winterつながりで、ピアニストで残り1人保留にしてあったユリ・ケインに行こうかな、なんてことを考えてます。

 

Experiencing Tosca/Tethered Moon(Winter & Winter) - Recorded December 14 and 15, 2002. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds) - 1. Prologue 2. Part 1 3. Part 2 4. Part 3 5. Homage To Puccini 6. Ballad 7. Blues For Tosca 8. Part 4

5、7曲目が3人のフリー・インプロヴィゼーション、他の曲は菊地雅章、あるいは3人によるプッチーニ(クラシック)のトスカをアレンジしたものだそう。1曲目の小品で美しいピアノが静かに奏でられますが、2曲目以降、内側を向かい合うような、時にエネルギッシュな、このトリオ独自の音がぶつかり合います。トスカもオリジナルも同列に演奏されているようなハードでストイックな演奏が繰り広げられている間に、またピアノを中心とした美しいメロディが姿をあらわす場面(2曲目のラスト、3、8曲目のはじまり)があって、そのコントラストも面白い。また、6曲目は切ないバラードです。ピアノのやや少なめな音数と3人の個性を追いかけるのは、自分の内面を覗き込むような、息がつまる感じがするのは私だけではないかも。(04年1月25日発売)

2022/06/29

Chansons d'Edith Piaf/Tethered Moon

Tetheredchanson テザード・ムーンのWinter & Winterでの2枚目。題材はエディット・ピアフのシャンソンということで、それらしきメロディはあちこちに登場しますが、やはりこのメンバーならではのサウンドに仕上がっています。やはり聴く人を選ぶということになるのでしょうけど、彼らのアルバムの中では聴きやすい方かなと思います。このレーベル、ちょっと前までは割と追いかけていたのですが、’14年ぐらいを境に、あまり自分と合わなくなったのか、それ以後は購入してません(正確には’03年ぐらいから徐々に)。元はというとJMTレーベルを立ち上げていた人が、再建したレーベルだったので、当初は興味が重なっていたのですが。ただ、まだブログアップしてないアルバムがあるので、それ以前のは出てくると思います。

 

Chansons d'Edith Piaf/Tethered Moon(Winter & Winter) - Recorded May 15-16, 1999. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds) - 1. L'accordeoniste 2. Que Nadie Sepa Mi Sufrir 3. Fais Comme 4. Sous Le Ciel De Paris 5. Le Petit Monsieur Triste 6. La Vie En Rose 7. Bravo Pour Le Clown 8. L'homme De Berlin 9. Les Mots D'amour

何とこのメンバーでエディット・ピアフの歌った曲を演奏という、意表をついたことをしています。どこかで聴いたことのある哀愁漂うメロディの曲が多いです。それでいて安易なサウンドになっていないのは見事。静かな場面では通常安らぐはずなのですけれど、ピアノの音数が少ないのに、やはり聴くものにある程度の緊張を強いられるサウンド。ギリギリのテンションなんだと思います。4、6曲目など、非常に印象的 なメロディなので聴いたことがある方は多いと思いますが、時折フリー・インプロヴィゼーションの深遠な世界をのぞく事もあります。キース・ジャレットのような場面もありますが、より内向的か。 あくまでもピアフは題材で、サウンドからはテザード・ムーンの深遠な世界が。けっこうマニアックかも しれない。(99年9月26日発売)

2022/06/28

First Meeting/Tethered Moon

Tetheredfirst_20220614144201 ゲイリー・ピーコックの参加アルバムでまだブログにあげてないものをリストアップしていて、おかしいなあ、合わない、と思ったら、Winter & Winterレーベルは先にブログ以前にコメント手直ししていたんですね。なので、このアルバム、あとになって気が付きました。このグループで複数のレーベルから計6枚出たことになるのかな?アルバムとしては最初に出たアルバムではないと思いますが、時期的にはこのアルバムが最初の録音ということになります。Winter & Winterのものは3枚ともストリーミングにもありました。聴く人を選ぶグループだとは思いますが、個人的にはかなり好きな演奏が詰まっています。

 

First Meeting/Tethered Moon(Winter & Winter) - Recorded October 20, 1990 and May 11-13, 1991. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds) - 1. Tethered Moon 2. Misterioso 3. Intermezzo - So In Love 4. First Meeting - Solar - Open Trio 5. P.S.

このメンバーでの最初の録音(’90年と91年)。他のピアノトリオでは表わせない、間というのか、独特の空間が素晴らしいです。この時期はまだ温度感が多少高かった部分も。1曲目はタイトル曲で、何と19分もの大曲。哀愁漂うメロディラインで、彼らならではの世界が展開されていますが珍しくふつふつと熱く盛り上がっていく場面もあります。モンク作でありながら、ブルース的アプローチもあって空間的緊張を強いる2曲目、前半がフリー・インプロヴィぜーションで後半しっとりとしたスタンダードに流れていく3曲目のメドレー、タイトル曲のフリー、ジャズメン・オリジナル、自然発生的でドラマチックな展開を見せる4曲目のメドレー、静かに淡々と語っていくゲイリー・ピーコック作の5曲目 と続いていきます。

2022/06/27

Crossfade/Masahiko Osaka

Osakacrossfこの時期は日本人のジャズもよく買っていたなあ、と思います。特にキングが力を入れていて、いいアルバムが今よりも多かったような気がしています。今回はゲイリー・ピーコックつながりで取り上げましたけど、まだホームページにもないアルバム、けっこう多いんじゃないかな。それにしてもこのアルバムはちょっと特殊で、周りを外国人ミュージシャンが取り囲んでいます。ストリーミングにはなかったのが少々残念。ベーシストのもう一人はリューベン・ロジャースだし、メンバーを見ても、けっこう豪華な顔ぶれだったんですね。やはりジャズのアルバムにお金をかけることができた時代。こういうのがあるから、処分するのがためらわれる。

 

Crossfade/Masahiko Osaka(Ds)(Paddle Wheel) - Recorded September 27 and 28, 1999. Nicholas Payton(Tp), Brian Lynch(Tp), Antonio Hart(As, Ss), Mark Turner(Ts, Ss), David Murray(Ts, Bcl), Anthony Wonsey(P), Onaje Allen Gumbs(P), Ruben Rogers(B), Gary Peacock(B) - 1. Don't Get Upset 2. Last Summer 3. Cold Love 4. Minor Mood 5. Sinple Waltz 6. Scarborough Fair 7. Morning Dance 8. Fragment 9. In A Merrow Tone 10. Just Like A Woman

けっこう有名なミュージシャンが参加しています。 しかも外国のミュージシャンばかりとの対戦で、真っ向から勝負。若手(1-3、6、8曲目)と、中堅&ベテラン(4-5、7、9-10曲目)の2つのグループに分けた録音とのこと。大半の曲が大坂昌彦作曲で、作曲者としてのセンスをこれでもか、と見せつけています。曲はカラフルで2、5曲目のようにメロディが美しいものから、3曲目のアップテンポのもの、8曲目のファンクっぽいものまでさまざま。6曲目で「スカボロー・フェア」と9曲目のデューク・エリントン、10曲目のボブ・ディランの曲なども。曲からはジャズ以外の要素も感じられます。そして肝心のドラムも負けていません。まさに今のジャズ、という感じ。ゲイリー・ピーコックは4-5、7、9-10曲目に参加。(99年12月23日発売)

2022/06/26

Just So Happens/Gary Peacock & Bill Frisell

Garyjustso ゲイリー・ピーコックとビル・フリゼールのデュオ作。もう一つの違うジャケットのものもあるようです。やはり彼ららしいいなあと思う柔軟さでフリーも既成曲もこなしていきます。そう言えば、このアルバムのコメントで、かなり昔ですが、ホームページを大がかりでパクられたのを発見したことも。最初は同じミュージシャンやアルバムを好きな人もいるもんだなあ、と思って眺めていたのですが(文章の一部を改変してあった)、このアルバムのコメントが酷似。問い詰めたところ、やっぱりということで。彼はすぐに該当箇所を(かなりの部分だった)削除しましたけど、しまいには閉鎖したようですね。こんなサイト、パクってどうするんだ、今となっては感じますけど。余談ですがその後DMMのレンタルCDのサイトでも何枚かパクられたものがあるのを発見、削除してもらいました。今も当時の社長からの謝罪の手紙を保管してあります。今はネットの世界は膨大になってしまったので分かりませんが、ヤフオクなどの説明文で使われていそうな気も。

 

Just So Happens/Gary Peacock(B) & Bill Frisell(G)(Postcards) - Recorded February 17 and 18, 1994. - 1. Only Now 2. In Walked Po 3. Wapitis Dreams 4. Home On The Range 1 5. Home On The Range 2 6. Through A Skylight 7. Red River Valley 8. Good Morning Heartache 9. Reciprocity 10. N.O.M.B. 11. Just So Happens

邦題「峠の我が家」。1-3、6、11曲目がおそらく2人によるフリー・インプロヴィゼーションなので、けっこう彼ら流フリー寄りのアルバムのイメージがあります。これらをアルバムの前と後ろに持ってきたということは、こちらに力を入れているということでしょうか。4-5曲目がアメリカ民謡のタイトル曲(Take1と2?)なのですが、こちらはビル・フリゼール流空間をかなり生かした牧歌的バラードといった感じです。7曲目のおなじみの民謡もシンプルで良い。ゲイリー・ピーコック名義の曲も2曲あり、ジャケットのロゴからも彼がリーダーシップをとっていることが分かります。この2人ならではの空間を感じることができ、奥が深いと思うのですが、 その自由さと奥深さゆえに、やはり聴く人を選ぶアルバムかもしれません。(00年2月23日発売)

2022/06/25

’22年上半期私的ジャズベスト3

Onishigrand_20220624131401 Bobfeellike_20220624131501 2684_20220624131601 ’21年12月から22年6月までという変則的なベストになりますが、今回は枚数が少ないので、今回もちょっと偏っているかもしれません。いつもよりは渋めというか、地味かなあとも。ウィリアムス浩子以外はストリーミングでも聴けます。

 

グランドヴォヤージ/大西順子(P)クァルテット(Somethin' Cool)
Grand Voyage/Junko Onishi(P) Quartet(Somethin' Cool) - Recorded September 26-29, 2021. 井上陽介(B)、大儀見元(Per、Vo)、吉良創太(Ds)、ゲスト:小野リサ(G、Vo) - 1. Wind Rose 2. Turquoise Drops 3. Printmakers 4. Tridacna Talk 5. Ground Swell 6. Harvest! Harvest! 7. Flor De Organdi 8. I Love Music 9. Charlie The Wizard 10. High Tide 11. Kow Tide 12. Un Dia De Colo Azul 13. It's A Fine Day 14. Kippy

3曲目がジェリ・エレン作、4曲目が大儀見元作、7曲目の詞は小野リサ作、8曲目はHole Smith作、12曲目の歌詞は石塚隆充と大儀見元の作曲で、14曲目がダラー・ブランド作、他は全曲大西順子作曲。オビに「カーニバル的な」とありますが、ラテンアメリカ的なサウンドもあるけれど、彼女自身のジャズに加えて、意外に1曲目のようにアフリカン・リズム的な曲も多かったりして、けっこうハードな感じもあって、最初から最後まで引きこまれてしまいます。ピアノ・トリオにパーカッションが入るというアクセントがなかなかいい。そんな中に2曲のヴォーカル曲を加えて、サウダージ的なサウンドもあるってことも、このアルバムの幅の広さを物語っています。彼女でしか成しえないサウンドがそこにあって、何度も聴くのが楽しい。(21年12月29日発売)

 

Feel Like Making Live!/Bob James(P, Key)(Evosaound)(輸入盤) - Recorded October 8 and 9, 2018. Michael Palazzolo(B), Billy Kilson(Ds) - 1. Angela 2. Rocket Man 3. Maputo 4. Topside 5. Misty 6. Avalabop 7. Nautilus 8. Downtown 9. Niles A Head 10. Feel Like Making Love/Night Crawler 11. Submarine 12. Mister Masic 13. Nardis (SACD Only) 14. Westchester Lady

(22/03/07)基本的に過去のアルバムのセルフ・カヴァーをピアノ(キーボード)・トリオで、それと2、4曲目はカヴァー作。SACDで聴くと、ボーナストラックありで収録時間83分。2曲目がエルトン・ジョン作、3曲目がマーカス・ミラー作、5曲目がエロール・ガーナー作、8曲目がToni Hatch作、12曲目がラルフ・マクドナルド作、13曲目がマイルス・デイヴィス作、10曲目前半がGene McDaniels作。昔のクロスオーヴァーやフュージョンで大編成の曲もあったのを、シンプルなピアノ・トリオで、80歳を超えても、まだまだイケる演奏をしているのにはびっくりしました。その歳で無理なく、しかもその効果を最大限に発揮するジャズであり、フュージョンです。トリオアレンジもなかなかで、音もいいですし、まだまだこれから先も期待してます。

 

Return From The Stars/Mark Turner(Ts)(ECM 2684)(輸入盤) - Recorded November 2019. Jason Palmer(Tp), Joe Martin(B), Jonathan Pinson(Ds) - 1. Return From The Stars 2. Terminus 3. Bridgetown 4. It's Not Alright With Me 5. Nigeria II 6. Waste Land 7. Unacceptable 8. Lincoln Heights

(22/04/25)全曲マーク・ターナーの作曲。収録時間は64分。マンフレート・アイヒャーのプロデュース。2管のピアノレスのクァルテットで、その雰囲気はやはりクールだけど、今のジャズっぽく盛り上がる部分も多い。各楽器とも音数が多めの部分も少なくなく、普通に現代ジャズになっているので、全体のミキシングでECMにやや合わせている感じ。どこかひねくれたような曲作りになっていて、それは1曲目のタイトル曲でも感じます。テーマの部分はターナーの抑制的で内省的な性格があらわれてますが、テーマからして音数が多かったり4ビートで進行する曲もあります。ピアノがないだけ自由だけど、フリーに行きそうで結局はまとまる方向に。3、5曲目はその中でも元気な方なので、他レーベルで録音したらどうなっていたか。

 

(次点)

2727_20220624131601 Williamsanother_20220624132201 John Scofield(G, Looper)(ECM 2727)(輸入盤) - Recorded August 2021. - 1. Coral 2. Honest I Do 3. It Could Happen To You 4. Danny Boy 5. Elder Dance 6. Mrs. Scofield's Waltz 7. Junco Partner 8. There Will Never Be Another You 9. My Old Flame 10. Not Fade Away 11. Since You Asked 12. Trance De Jour 13. You Win Again

(22/05/13)完全ソロ作、とはいえLooperというループマシーンを使って、そこで弾いたバックの演奏を元に、ギター・ソロをとっているものが多いです。1曲目がキース・ジャレット作、3-4、7-10曲目がトラディショナルやスタンダード、13曲目がハンク・ウィリアムス作。正統派のギター・ソロのアルバムからすればどうなのよってこともあるけど、彼しかできないある意味のたくったようなフレーズといなたい雰囲気が、まさに彼の歴史を物語っていると思います。彼のファンなら最高、と叫ぶと思うけど、賛否両論あるかもしれない。こういう演奏をしてきた彼だけにできる世界が、まさに彼の名前をタイトルにしたアルバムになったのは、興味深いと思います。持ち込み音源と思われますが、ECMからこれが出たということ自体が驚き。

 

My Room Another Side/ウィリアムス浩子(Vo)(Berkeley Squiare Music)
My Room Another Side/Hiroko Williams(Vo)(Berkeley Square Music) - Recorded 2014-15 and 2021. Takayoshi Baba(G) - 1. My Wild Irish Rose 2. Scarborough Fair 3. The Water Is Wide 4. Night And Day 5. 朧月夜

収録時間18分のミニアルバム。トラディショナル2曲、スタンダード2曲と日本の曲1曲。元は雑誌「オーディオアクセサリー」での配布用のサンプラー音源に、1曲録音を足して(4曲目)発売されたとのこと。演奏もギター1本とシンプル(場所によっては多重録音になっていますが)で、ヴォーカルの良さを最大限に引き出しているし、埋もれさせておくのが惜しい音源が、とうとう発売されたか、と思います。元々のMy Roomシリーズとつながっているようなサウンドや歌い方なのもいい。2、4曲目はやや活気があり、後半にスキャットもあるけど、基本的には落ち着いて聴けるアルバム。編成のシンプルさを活かしつつ、歌に味わいがあって、やはり話題になるヴォーカリストなんだなあということを、改めて何度も聴きながら思いました。(22年6月15日発売)

2022/06/24

Waltz Blue Side/Steve Kuhn Trio

Steveblueside たまたま次にゲイリー・ピーコックをやろうとしていたので、彼の参加アルバムの順番を変えて、前回に引き続き紹介できるようにしました。「レッド」「ブルー」の印象はやはり強く、聴いていてもそれぞれにそれぞれのイメージがあります。それにしても、よく、同じ曲がほとんどでベーシストだけを交替させるという案を、発案した人も発案した人だし、それを受け入れる方も受け入れる方だと思います。まあ、彼らほど一流になると、セッションのひとつにすぎないのかもしれませんが。一部に4ビートがあるとはいえ、ワルツという特集も功を奏したとは思います。そのあたりのセッティングがなかなか興味深いです。

 

Waltz Blue Side/Steve Kuhn(P) Trio(Venus) - Recorded May 9-11, 2002. Gary Peacock(B), Billy Drummond(Ds) - 1. When I Grow To Old To Dream 2. Charade 3. Remember 4. Years Later 5. Once Upon A Summertime 6. I'll Take Romance 7. I'm Glad There Is You 8. Pastorale 9. My Buddy

「レッド・サイド」と収録曲は1曲を除いて同じで、ベースがエディ・ゴメスでなくゲイリー・ピーコックになっただけという面白い収録方法。そして曲は原曲がワルツで、アレンジ上4ビートが一部混ざる構成。確かに「ブルー」のサウンド・イメージが強く、冷静に、脇役としてピアノが進んでいくのにベースとして手を差し伸べているという印象。それでいてベースの存在感は大きいです。ウォーキング・ベースはあまり出てこずに、ピアノの周りを合わせながら漂っている雰囲気。その分ピアノの方も冷静で繊細な演奏が多くなっていて、ほどほどに内省的な雰囲気が漂っています。もちろん、ヴィーナス・レーベルなのでスティーヴ・キューンにしては開放的な部分もありますが。そんな中で6曲目では元気な演奏を聴かせてくれます。(02年8月21日発売)

«Waltz Red Side/Steve Kuhn Trio

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