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2023/12/10

Hibiki(響)/Trio San

Triosanhibiki藤井郷子さん関連で、輸入盤を入手しました。最初は普通の通販で頼んでいたけど、いつ入荷するか分からず、ディスクユニオンなら在庫もあるし、値段も安かったのでそちらに注文を切り替え。ご本人のサイトでも扱ってなかったようなので、やはりこういうアルバムはディスクユニオンが強いなあ、と思いました。ドイツはベルリンでのライヴを、フランスのレーベルが作る、という、EU圏ならではの作り方になっていて、拍手がアルバムの最後に入っているので、何も見ないで聴いた当初、スタジオ録音かなあ、とも思ってました。フリーなんですが、そのサウンドもさまざまで、最後まで飽きさせずに聴かせてくれます。作曲者の個性もあってか、よけいそのように聴こえました。

 

Hibiki(響)/Trio San(Jazzdor)(輸入盤) - Recorded June 8, 2022. Satoko Fujii(P), Taiko Saito(Vib), Yuko Oshima(Ds) - 1. HIbiki 2. Soba 3. Yozakura 4. What You See 5. Wa 6. Ichigo

(23/12/10)大島祐子作が1曲目、藤井郷子作が2-4曲目、齊藤易子作が5-6曲目。収録時間は54分。タイトル曲の12分台の1曲目は静かなところから始まり、徐々に音を発するもそれが「響き」の曲のイメージでの夢幻的なフリーのサウンドになっています。特殊音も使っていて、緊張感もあり、シリアスで心地よい音が伝わってきます。楽器構成のせいなのか、2曲目のやり取りも、硬派だけどその音の心地よさのあるやり取りで真剣勝負になってます。特に藤井の作曲は、キメのあるところもあって、ピシっと締まる印象の曲も。4曲目はドラムスでの出だしでドラマチックな展開。5曲目は「和」「輪」どちらなのでしょうか、静かに平和な音が進んで盛り上がっていく感じ。6曲目も盛り上がりのあるサウンドで幕を閉じます。

2023/12/09

ジャズCDの全部ブログアップ時代の終わり

今までは、だいたい’97年頃からのジャズやフュージョンのCDで入手したものは、ほぼ100%ホームページなりブログにアップしてきました。3月にCDの大量処分をして身軽になってきたので、今後は購入CDの全部アップはやめようと思ってます。とは言うものの、今までに追っかけしていたレーベル(ECMやCriss Crossなど)やミュージシャンなどは従前の通りとなります。ですのでアップしないCDは少ないと見られ、そんなに影響はないのではないかと思います。

今年4月の時点で、ほぼ毎日のブログ更新を終え、毎日訪問してくる方よりも、検索エンジン経由の方が割合が高くなった気もしています。そして、ホームページやブログを削除しない限りは、絶対数も少なくなったとしても、検索エンジンがあれば訪問してもらえるので、少なくとも自分の元気なうちは、移転や廃止は考えていません。日本でここだけという特集もいくらかありますしね。ジャズなだけに、身近に年配の方のホームページやブログも多く、だんだん更新しなくなってくる方も少なくないです。世代交代の時期かな、とも思っています。私も最初にホームページをはじめたときは30代半ば、現在は60代になっています。

もっとも最近はホームページやブログでの発表ということではなくて、X(旧ツイッター)やNoteなど、いろいろ媒体は変わってきてはいるようですね。その中で気に入ったところを見にいけばいいんではないでしょうか。私も’80年代当時はM-BASEなど、先端のジャズを聴いてきた自負はありましたが、今現在の新しいジャズになじめなくなってきているのは、やはり歳をとった証拠でしょう。早くバトンタッチできればいいと思っています。

そんなわけで、購入CDがあっても、今後アップしないものがあることをお許しください。と書きつつ、最近自分語りが増えたなあと反省してます。これも歳をとってきたせいかな、とも思っています。

2023/12/07

ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル、ジェリ・アレン

Gerialove 当初輸入盤で注文したけど、発売予定日に入荷日未定になっていて、輸入盤国内仕様の方が在庫ありだったので、注文替えをして、ようやく届きました。最近はストリーミングでも聴けるんだけど、気に入ったアルバムはCDで持っていたいというのはあります。カート・ローゼンウィンケルはだいぶ前にライヴを観に行っていて、その時にスタンダードオンパレードの演奏でしたが、けっこうメロディアスでうまく、ほれぼれした記憶があります。今回のジェリ・アレントのデュオも、録音が10年以上前ということでも、未発表演奏なので気になっていました。淡々とやり取りが交わされるようなイメージですが、繊細な部分がよく出ていて、なかなかいいアルバムだと思います。

 

ア・ラブサム・シング/カート・ローゼンウィンケル(G)、ジェリ・アレン(P)(Motema/Agate)
A Lovesome Thing/Kurt Rosenwinkel(G), Geri Allen(P)(Motema Agate) - Recorded September 2012. - 1. A Flower Is A Lovesome Thing 2. Embraceable You 3. Geri's Introductions 4. Simple #2 5. Ruby My Dear 6. Kurt's Introductions 7. Open-Handed Reach

ライブの演奏で、収録時間は53分。4曲目がカート・ローゼンウィンケル作で、7曲目がジェリ・アレン作、イントロダクションの他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。ピアノとギターとでかなり繊細なデュオの演奏が聴けます。さすがにこの2人の演奏という感じで、繊細さとメロディが浮き出るような美しさがあります。カートの演奏は、ライヴではスタンダードを演奏することが当時は多かったので、その表現力はさすがといわざるを得ません。ジェリの演奏も、そちらに振れているような弾き方で、それそれに速いフレーズが混ざりこむものの、やはり何度も言うように、美しさがあります。オリジナルも、4曲目は多少ダイナミクスは出るも、メロディ感があるワルツだし、7曲目は2人のやり取りが乾いた感じもする好演奏です。(23年11月24日発売)

2023/12/06

Most Peculiar/Lage Lund Quartet

1412 Criss Crossの新譜も今年はこれで終わりかな。1417まで先に出ていて、1412のこのアルバムが今になって出るのも、新生Criss Crossになってから順番通りでもなくなっているので、まあ、いいかと思います。ベース1人を除き同じメンバーでは2作目の録音で、以前より慣れてきて、さらに高度になっていてけっこういいところもあるんだけど、ちょっと頭でっかちに感じる部分もあります。彼らが進化したのか、私がついていけなくなったのか分かりませんが、本来こういう演奏、私は好きなんですけどね。メロディがいい曲も現代ジャズしているような感じが少々もったいないかなあ、なんてことも感じてしまうので、自分も歳はとりたくないなあ、と思ってもいるところです。

 

Most Peculiar/Lage Lund(G) Quartet(Criss Cross 1412)(輸入盤) - Recorded June 17, 2022. Sullivan Fortner(P), Matt Brewer(B), Tyshawn Sorey(Ds) - 1. Cigarettes 2. Trees 3. Circus Island 4. Warsaw 5. Elephants 6. Stone Age 7. Lost In Your Hometown 8. Antarctica 9. Bad Acrobat 10. Horses

(23/12/05)全曲Lage Lund作曲。収録時間は59分。前作からベース以外は同一メンバーでのアルバム。メンバーとしても申し分ないし、ギターの魅力も十分。1曲目から、現代ジャズ的な、まとまっているような、取っ散らかっているような、サウンドで、それでいて中心の軸がぶれていない曲を聴かせてくれます。4ビートの曲は当然ながらないし、曲によっては変拍子で分からない表紙がせまってきますが、Criss Crossとしては少し前衛的かもしれないけれど、世の中の今のジャズの一方向として聴くのはいいかも。フリーまでは行かないけど自由なジャズは好きなのですが、自分のアンテナとは少々方向が違う感じもします。それでもオリジナルで攻めて、なかなか渋い音空間にいるのも事実。好きな人にはたまらないかも。

2023/12/05

Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg/Jakob Bro/Marilyn Mazur

2812ECMの新譜2枚目で年内はこれで一段落だと思います。コロナ禍以降、ECM番号にけっこう空き番があって、それらは今後どうするのか分からないですが、その一方でこのように2800番台に突入しているのだから、相当数企画はあったのだと思います。今回の2枚は持ち込み音源のようで、マンフレート・アイヒャーも歳なので、持ち込み音源が増えてくるのかなあ、などと気にはしていますが。このアルバム、作曲の中心がヤコブ・ブロですし、好きなギタリストのひとり。静かなサウンドが持ち味ですけど3曲目は盛り上がりますねえ。こういう場面もあってこそのライヴだとは思いますが、緩急の緩を中心にワンポイントあるというのが、ECMらしくていいですね。

 

Strands - Live At The Danish Radio Concert Hall/Palle Mikkelborg(Tp, Flh)/Jakob Bro(G)/Marilyn Mazur(Per)(ECM 2812)(輸入盤) - Recorded February 2023. - 1. Gefion 2. Oktober 3. Returnings 4. Strands 5. Youth 6. Lyskaster

(23/12/04)収録時間は46分。5曲目がPalle Mikkelborg作、1-2、4、6曲目がJakob Bro作、3曲目が2人の共作。ライヴですが、ECMらしく静かであり朗々としたホーンのサウンドが効いている、落ち着いた曲がメインで続きます。1曲目はその静かなサウンドとメロディが印象的な曲。パーカッションも音数少なく、その静かな場に寄り添うような雰囲気で演奏します。2、4曲目はやや淡く、哀愁も伴っていますが、似たようなサウンドで進んでいきます。特に4曲目は12分。ブロの作品は全体的にそのような感じでもあります。それでも3曲目はけっこうな盛り上がりを見せ、ライヴでの華になっています。ホーンの響きがゆったりと他の楽器と絡みながら漂っていく5曲目、そしてそのまま続くように小品の6曲目で幕を閉じます。

2023/12/04

Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian

2788 ECMから新譜が2枚届いたので、聴いていきます。今日のはグルジェフ・アンサンブルで、民族楽器を使ったビッグ・バンドというのか、大編成の民族楽器のワールドミュージックというのか、以前よくあった西洋との折衷音楽ではなくて、完全に現地の音になっています。歌唱のあるものもあって、クラシック的な意識のサウンドはよく聞くと1曲目だけなんですね。それにしてもアルメニアの音楽はクセがけっこう強くて、もうアラビア音楽にかなり近いのではないかと思います。こういう作品が多少グループ名を変えながら3枚目というのも、ヨーロッパでの需要があるのでは、と思わせるところがあります。まあ、好きな人は好きでしょうね、と思いますが。

 

Zartir/The Gurdjieff Ensemble/Levon Eskenian(Artistic Director)(ECM 2788)(輸入盤) - Recorded December 2021. Vladimir Papikyan(Voice, Santur, Burvar, Tmbuk. Singing Bowls), Emmanuel Hovhannisyan(Dukduk, Pku), Meri Vardanyan(Kanon), Armen Ayvazyan(Kamancha, Cymbal), Gagik Hakobyan(Duduk), Norayr Gapoyan(Duduk, Bass Duduk, Pku), Avag Margaryan(Blul), Aram Nikoghosyan(Oud), Astgnik Snetsunts(Kanon), Davit Avagyan(Tar), Mesrop Khalatyan(Dap, Tmbuk, Bells, Triangle), Orestis Moustidis(Tombak), National Chamber Choir Of Armenia, Robert Mlkeyan(Director) - Georges I. Gurdjieff: 1. Pythia 2. No.10 3. Sayyid Chant And Dance No.41 4. Introduction And FUneral Ceremony 5. Oriental Dance Ashugh Jivami: 6. Kankaravor Enker Sayat-Nova 7. Dard Mi Ani Georges I. Gurdjieff: 8.Thirty Gestures 9. Prayer And Despair 10. Sayyid Chant And Dance No.42 Sayat-Nova 11. Ashkharhes Me Panjara e (The World Is A Windos) Georges I. Gurdjieff: 12. Trembling Dervish Baghdasar Dbir: 13. ZArtir Georges I. Gurdjieff: 14. The Great Prayer

(23/12/04)グルジェフ・アンサンブルの3枚目。収録時間は55分。グルジェフは19-20世紀のアルメニアの作曲家。ここでは民族楽器を用いて、クラシック的なサウンドも1曲目で少し意識していたと思ったら、その後は民族的なサウンドが前面に出てきます。グルジェフ以外にも、作曲家(吟遊詩人?)の名前が出ていて、歌唱もあってジャズではないんだけどECMでは割とある民族音楽の世界です。ECMではよくある折衷音楽ではなくて、いわゆる純粋種の民族音楽ととらえられますが、New Seriesにしていないのは、その民族的側面が強く出ているからかもしれません。Levon Eskenianのアレンジも3枚目。アレンジも、アラビア音楽にどちらかというと近い、というのはなじみが薄いだけに病みつきになりそうなサウンド。

2023/11/29

7月の入院その後

7月に入院、手術をして1週間弱で退院したことは以前書きました。もう退院3日後にはお客さんの訪問ができるくらいには元気になったのですが、膀胱がんの初期症状の(というより上皮種というらしい)内視鏡手術だったので、踏ん張ってはダメと言われても、トイレではどうしてもそうなるので、少しの血尿は1か月間ぐらい続いたと思います。

その後9月から、BCGを膀胱に2時間ほど入れる治療を1週間ごとに6回受け、これは抗がん剤の代わりになる処置なのですが、がん細胞が取り残された場合、膀胱内のがん細胞を無くす効果があります。副作用も人によってまちまちで、私の場合副作用はほとんどなく、ラッキーでした。少し直後に頻尿気味になった程度です。

そして11月に手術後初の内視鏡検査でした。尿検査でも、がん細胞や抗体は見つからず、内視鏡でも、膀胱内は手術の跡はちょっとひきつれて残るものの、きれいなピンク色になってました。入院前から今にかけて、これに対する飲み薬はもらってなくて、いちおうはこれで治った、と考えていいみたいです。他に転移している兆候もなかったですし。ただ、他のがんに比べて再発率が高めのため、今後は3か月ごとの内視鏡検査で様子を見るようです。

がんという病気にかかったことで、ちょっと人生観が変わってしまったところもありますね。今後歳をとるにつれて、他の部分でも発症しやすくなるし、あまり人生を長いスパンで考えなくなったというか。それと、これは関係あるのかどうか、眠くなるのが早くなったこと。早い時には21-22時ぐらいには布団に入ってしまいます。またお酒を飲むのをカミさんに禁じられたので、入院前からほとんど飲まなくなったことも変化のひとつにはなってます。人生分からないものですが、節制を保つ、という意味ではいいんじゃないかな、と思います。ほんと、お医者さんには感謝の言葉しかありません。

それとこれは偶然なんですが、コロナが流行ってワクチンを打ちだす頃、私は急性前立腺炎で熱を出して、その時の超音波映像では膀胱のあたりがんの兆候も何もなってなかったでした。その直後に1回目のワクチン接種、都合3回受けてますが、3回目で皮膚の炎症が起きてその後打つのを止めました。そして今年の6月末に、発見、と、これが本当に偶然なのか、どうなのか。いまだに謎ではあります。

2023/11/24

2023年私的ジャズベスト3

2796_20231123053901Chickthefuture_20231123054001Ueharasonicwon_20231123054001昨年の12月から今年の11月までに届いたアルバムからのベストです。今年は、なぜかベスト3を考えはじめると、すぐに3枚がパッと頭に浮かんできて、これで行こうということになりました。いつもの年なら、全部リストアップしていってから絞り込むんですけど。まあ、10枚選ぶのは大変ですが、3枚だと私の場合こうなるよね、という結果になってしまいました。個人的なものだから、まあ、いいかと。珍しく、上半期のベスト3ともかぶっていません。(注)月末近くにあと最大5枚届くはずだったのですが、結局12月に入ってからになりました。

 

Uncle John's Band/John Scofield(G)(ECM 2796/97)(輸入盤) - Recorded August 2022. Vicente Archer(B), Bill Stewart(Ds) - [CD1] 1. Mr. Tambourine Man 2. How Deep 3. TV Band 4. Back In Time 5. Budo 6. Nothing Is Forever 7. Old Man [CD2] 1. The Girlfriend Cord 2. Stairway To The Stars 3. Mo Green 4. Mask 5. Somewhere 6. Ray's Idea 7. Uncle John's Band

(23/11/05)CD2枚組。収録時間は90分。ジョン・スコフィールド作が[CD1]2-4、6曲目、[CD2]1、3-4曲目で、他はボブ・ディラン作、ニール・ヤング作やミュージカル、ジャズメン・オリジナル等、いろいろなところからの演奏。とは言うものの、出てくるフレーズはいつものジョン・スコ節で、全曲彼自身のオリジナルかのように、自由奔放に演奏を繰り広げているところがすっきりとしています。特にギター・トリオなので、ギター好きにはたまらない1枚なのでは。CD1枚ではおさまらなかったですが、これはあえてLP2枚分ということで焦点を定めているのかなと思います。ドラムスも相性のいいビル・スチュワートなので、なおのこと自由に3人の演奏をしているように聴こえます。ラストのタイトル曲はオリジナルではなかったです。

 

ザ・フューチャー・イズ・ナウ/チック・コリア(P、Synth)・エレクトリック・バンド(Candid)
The Future Is Now/The Chick Corea(P, Synth) Elektric Band(Candid) - Recorded 2016-2018. Eric Marienthal(Sax), John Patitucci(B), Frank Gambale(G), Dave Weckl(Ds) - 1. Changed Particles 2. Trance Dance 3. C.T.A. 4. Jocelyn - The Commander 5. Beneath The Mask 6. Ished 7. Alan Corday 8. Johnny's Landing 9. Got A Match

CD2枚組のライヴで収録時間は118分。3曲目がジミー・ヒース作のジャズメン・オリジナルの他は、チック・コリア作ないし共作。時々この、エレクトリック・バンドの創成期の頃のメンバーで復活ライヴをやっていたようだけど、ここまでまとまって音源があって、それをセレクトして発表できる分量があるとは思ってませんでした。ついたり離れたりしながらもう何十年も演奏をしている仲なので(しかも素晴らしいメンバー)、これは、論評抜きで素晴らしいといえます。チックの亡くなる前はこのアルバムの制作をしていたということなので、なおさら。再演曲がほとんどですが、ライヴならではの流れで、その時にしか味わえない演奏をしています。こういうカチッとした演奏を、最近の録音でじっくりと聴けるのは幸せだと思っています。(23年11月3日発売)

 

Sonicwonderland/上原ひろみ(P、Key) Hiromi's Sonicwonder(Telarc) - Recorded May 25-28, 2023. Hadrien Feraud(B), Gene Coye(Ds), Adam O'Farrill(Tp, w/pedals), Oli Rockberger(Vo on 6) - 1. Wanted 2. Sonicwonderland 33. Polaris 4. Go Go 5. Up 6. Reminiscence Feat. Oli Rockburger 7. Trial And Error 8. Utopia 9. Bonus Stage Bouns Track: 10. Reminiscence

全曲上原ひろみの作曲ないしは共作(6曲目)。収録時間は75分。このメンバーだとどんなにすごいことをやっているのだろうと思ったら(確かにすごいが)、1曲目は大人の味のあるフュージョンと言う感じで少々抑えた具合がカッコいい。もちろんピアノがはじけている部分もありますが。エレキ・ベースのアドリアン・フェローもテクを見せてくれますし。タイトル曲の2曲目は、ややアップテンポで、キーボードとベースのユニゾンがなかなかすごいことになっています。今回はトランペットも参加していて、ピアノがその分負担軽減になっているような気がします。時に鋭く盛り上がりつつ余裕を持った曲が多いのも、成熟してきた表れではないかと。6曲目のヴォーカル曲はポップス的。カチッとしているけど各演奏者の自由度も高め。(23年9月6日発売)

2023/11/23

Over Here/Jim Rotondi Quintet

1417 さて、今回届いたうちの最後のアルバムはCriss Crossレーベルから。このレーベル、もう1枚3日に発売になっているはずなんだけど、現地からの輸送の関係か、いつも遅れてまだ入荷してないようです。今日のアルバム基本的な印象はジャズの王道路線だけど、ダニー・グリセットと、特にリック・マギーツァが今のフレーズを吹く傾向が強く、そこが現代ジャズとの接点になるのかな、という気もしています。もちろん、リーダーのジム・ロトンディも両刀使い的な感じではあります。最後に近づくにつれて、現代ジャズ的なサウンドが強くなっていくという感じでしょうか。それでも、王道路線のイメージの方が勝っているかな、と感じましたけれども。

 

Over Here/Jim Rotondi(Tp, Flh) Quintet(Criss Cross 1417)(輸入盤) - Recorded May 10, 2023. Danny Grissett(P), Rick Margitza(Ts), Joshua Ginsburg(B), Vladimir Kostadinovic(Ds) - 1. I'll Be Seeing You 2. Pete's 32 3. I Concentrate On You 4. Jim's Blues 5. Moclieda 6. Voice 7. Leemo 8. Father John 9. Happy Feet

(23/11/23)1、3、5曲目がスタンダードなどで、4曲目がDanny Grissett作、8曲目がRick Margitza作、他は全曲Jim Rotondi作。収録時間は52分。1、3曲目も彼のアレンジと明記されていて、今聴ける、温かみのあるハード・バップ的なサウンドが全体を通して支配しています。それぞれのメンバーもテクニックもあって、派手さはないもののメロディアスで渋いジャズが展開しています。演奏曲は3-7分台とコンパクトにまとまっていますが、美味しいところをギュッと詰め込んだ感じ。サウンドは時々は今になるけど、こういう王道を行くようなジャズは久しく聴いてなかった気がする。非4ビートの曲もあるけど、オリジナルもスタンダードもシームレスにアルバムを安心して1枚楽しめるという点ではなかなかいいアルバムです。

2023/11/22

Arvo Part/Tractus

2800 ECMの新譜はこれで一段落。年内に遅れてなければ、あと2枚は届くはずなんですが、それはそれとして。2800番という区切りのいい番号のアルバムは、その時に意味を持つというのをどこかで読んだことがあるのですが、アルヴォ・ペルトはECM New Seriesから有名になった作曲家なので、やはりアルバムの内容も、あまり深く考えずに広く、いろいろなところで聴けると思え、そう言うところが彼をそこまで大きくしていたのかなあ、とも思えます。このアルバムは近年に作曲されたもの、あるいはヴァージョン・アップされたものが多いので、彼のアルバムが、今ではけっこう推されてるのかな、とも思います。なかなか良かったでした。

 

Arvo Part/Tractus(ECM New Series 2800)(輸入盤) - Recorded September 2022. Estnian Philharmonic Chamber Choir, Tallin Chamber Orchestra, Tonu Kaljuste(Cond), Maria Listra(Soprano) - 1. Littlemore Tractus 2-8. Greater Antiphones I-VII 9. Cantique Des Degres 10 Sequentia 11. L'abbe Agathon 12. These Words... 13. Veni Creator 14. Vater Unser

(23/11/21)Arvo Partはエストニアの現代音楽家。収録時間は67分。20世紀末から最近までに作曲された曲が並びます。相変わらず現代音楽というよりは、ゆったりとした情景描写のサウンドが続き、ある部分は宗教音楽的に聴こえますが、この音世界に浸っていたい、という欲求にとらわれる、落ち着いた景色が見えます。透明度の高いオーケストラと合唱団というイメージ。ヴァージョンアップした曲が多く、ラストは指揮者の編集。

«Call On The Old Wise/Nitai Hershkovits

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