書籍・雑誌

2007/12/20

ジャズの新書を2冊買った

今月はジャズの新書を2冊買いました。

1冊目は「読んでから聴け!ジャズ100名盤/中山康樹&ジャズストリート著」(朝日新書)で、文字通り名盤紹介本です。ただ、その選盤には一部にはひとひねりしてあるものもある感じです。他の著者は井上章一(以下敬称略)、後藤雅洋、杉田宏樹、林建紀、原田和典、村井康司、吉井誠一郎。アサヒコムの有料Webサイト、「ジャズ・ストリート」の執筆陣であり、有名な人も多いです。

名盤って、レビューを書くのは、よく聴きこんでいる読者が多いだけに、またいろいろな人によって何回も書かれているだけに、けっこう難しいものだと思います。誰も知らないような盤なら、何を書いても分からないですしね(笑)。その名盤を、それぞれの執筆者が個性を出して料理していて、面白くためになりながら、一気に読みました。以前も宝島社より「ジャズ名盤入門」が出ていましたが、そのときはジャズライターになりたてのような人も加わっていたのでしたが、今回は精鋭での執筆陣です。参考にすべきところは多いです。

2冊目は「ジャズ喫茶「四谷」いーぐるの100枚/後藤雅洋著」(集英社新書)で、こちらはまだ今日買ってきたばかりで、パラパラとしか見ていませんけれど、ジャズ喫茶の40年間の歴史をアルバムを出して、ああいうことがあった、こういうことがあったと振り返りながらレビューをしていく、という形式のようです。こちらは有名盤もあるけれども、現在に至るまでの、個性的な盤、割と新しめの盤などが載っていて、自分の好みのアルバムもいくらか掲載されていたりして、うれしかったですね。後藤さんって言えば、ジャズ・ジャイアンツのイメージがあったのですが、今に至るまで、現在進行形の人だな、ということを認識しました。

CDを買うより新書の方が安いので、書店で見かけたら、要チェックかもですね。私の場合、立ち読みをしてから買うか買わないか決めてますが、この2冊は、決めましたよ(笑)。

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2005/03/08

ジャズ・レーベル完全入門/後藤雅洋著

「ジャズ・レーベル完全入門/後藤雅洋著」(河出書房新社)税込み1,785円

ジャズのレーベル別ガイドブックであり、各レーベルの説明のほか、各レーベルでオススメのアルバムをリストアップして、それぞれのアルバムにレビューが付けられています。私なんかもアルバムコメントという形ではけっこうな枚数をホームページ上で紹介していますが、プロである後藤さんと、アマチュアである私との間には決定的な差があります。

それは何かというと、私はあくまでもアルバム1枚としての内容紹介、時には各曲がこんな感じだった、という紹介程度のもので、それを寄せ集めてくればある程度の形にはなるにしても、Web上で目的のアルバムの内容を拾い読みする程度の内容の濃さしか持ち合わせていません。

それに対して後藤さんは、アルバムごとに、各レーベルにおける紹介するアルバムの位置付け、その演奏するミュージシャンにおけるアルバムの位置付けをはっきりと書きつつ、読み物として、つまり魅力的な面白い文章でレビューをされている、という点に違いが出てきます。通常は自分の興味あるアルバムのレビューしか読まないのに、この本のアルバム(実に27レーベル、511アルバムとのこと)を順を追って読んでいこうとさせる、文章力がありました。本を読んでいて知らないうちにモダンジャズの主要な部分を俯瞰することさえできます。だからプロは大変なのだし、スゴイのだな、と思わせます。

現在進行形のレーベルでもたいていが’70年代のアルバムまでで(たまに’80年代や最新で’90年代初頭までは紹介されていますが)、ある程度評価の定まっているアルバムの紹介です。個人的にはブルーノート、プレステッジ、リヴァーサイドなど、掲載されているジャズ全盛期の有名レーベルは、紹介されているアルバムの半分以上は聴いているので、全部読もうという気にさせたし、知っているアルバムが多いことで親しみを持てました。

定番作品が多く紹介されているので、これからジャズを聴こうとする人にもある程度ジャズを聴いている人にもこの本はオススメなんじゃないかと思います。

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2005/03/07

ローランド・カーク伝/ジョン・クルース著/林建紀訳

「ローランド・カーク伝/ジョン・クルース著/林建紀訳」(河出書房新社)

5年ぐらい前になるでしょうか、割とベテランとおぼしき翻訳者の方から、ジャズ特有の用語の訳が分からない、という内容のメールをいただいたことがあります。私も20代の時に貿易業務を3年半ほど仕事でやっているので、英語は全く経験がないわけではないですが、商業英語って定型的なものが多く、最近ではその英語もほとんど忘れていて、私もお手上げでした。ジャズ本の翻訳というのは、そういうジャズ特有の用語がぼんぼん出てくるし、黒人の、あるいは地方の口語、スラング、地名などがけっこう出てくることもあって、翻訳は英語とジャズの両方の知識がないと、難しいと言われています。

翻訳者の林建紀さんは’02年頃まで「JAZZ DISC SELECTION」というホームページを持っていて、ジャズアルバムのレビューを日本語と英語両方でやっていたということもあり、英語とジャズの両方に精通している方です。今回が本の翻訳は初めてということですが、300ページほどもある本を、私はほとんど一気に読了してしまいました。時系列的ではなく項目別に、しかも様々な人のインタビューの断片をつなぎ合わせてローランド・カークを浮き上がらせていく、という気の遠くなるような伝記の表現の手法、おそらくその原文の文章の煩雑さ、インタビューの口語やスラングの翻訳に苦労されたのではないかと思います。こういう翻訳本って、レビューを書くのと違って、どこまで原文に忠実に訳すか、あるいは意訳をしていくのか、のバランスが難しいと思うのですが、うまくこなされていると思いました。

本の値段は税込み4,410円で、ある程度値段は張りますが、それだけの値打ちのある本だと思います。何たってローランド・カークの「初にして唯一の伝記」(本のオビより)なのですから。不幸にして、私はローランド・カークのアルバムをあまり聴いたことがありませんが、この本を一気に読んで、聴いてみたいなあ、と思うようになりました。内容については、先ほどのような執筆者の複雑な手法をとっているため、まず読んでみてください、としか言えませんが。それでものめりこんでしまいます。

(本のオビにある「訳者あとがき」より)
本書は、ラサーニアンにとっては彼の音楽への理解を深める格好のガイドで、ラサーン研究家と新たな伝記作者にとっては避けて通れない第一級の資料だ。

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2004/09/12

ムック「スウィングガールズと始めるジャズ入門」と付属CD

ムック「スウィングガールズと始めるジャズ入門」を書店で見つけ、買いました。私もミーハーですね(笑)。帰りの電車の中でパラパラと読んでみたけれど、40代のオヂサンが制服姿の女子高校生の写真が満載のムックを眺めるには少々勇気がいりました(笑)。制服姿のピンナップつきです。いえ、私はそちらには興味はないんですが(笑)。制服のピンナップを電車の中でうっかり広げてしまい、後になって周りの人の視線が気になってしまいました(笑)。内容的には映画制作の裏話的なものとか、ジャズとは何かを入門的に、しかもやわらかく解説しています。

税込み1,400円のムックで、40分強のCDがついていて、CDがあるだけでもだいぶお得感がありますが、内容的にはオリジナルサウンドトラックと比べて、映画の内容の雰囲気とはちょっと遠いかな、という気もしています。ただ、どの曲も個性的で変化に富んでいて、また他の人はCDの中身の説明まではやらないだろうと思うので、ここでやってしまいます。


付属CD内容
「JAZZ STANDARD BEST」 - 1. In The Mood (横内章次) 2. Strike Up The Band (前田憲男) 3. Oh, Lady Be Good (秋光義孝) 4. Summer Time (前田憲男) 5. Somebody Loves Me (エディ・ヒギンズ) 6. I Got Rhythm (前田憲男) 7. The Man I Love (原信夫とシャープス・アンド・フラッツ) 8. Fascinating Rhythm (前田憲男) 9. Moonlight Serenade (世良譲) 10. Comin' Through The Rye(故郷の空)(ジュリー・ロンドン)

1曲目はエレキギターを中心にエレキベースとコーラスのちょっと変わった演奏。2曲目になってくると、アップテンポでかなりハードなモダンジャズが展開していて、ちょっと初心者にはキツイかもしれないなあ、と思ってみたり。3曲目はコンボでのスウィングジャズ。4曲目はややヘヴィーなサウンドでピアノとスキャットのユニゾンが印象的。5曲目は体が揺れてくるようなソロピアノで、さすがエディ・ヒギンズ。6曲目もバリバリの、でも陽性なモダンジャズか。7曲目のみ古い音源で、モノラルですが、本編に近いビッグ・バンド・ジャズのサウンドを出しています。8曲目はテンポの良いゴキゲンなピアノ・トリオ。やはりおなじみの曲を落ち着いたピアノ・トリオで仕上げている9曲目。この曲も古く(詳細は書いてませんけれど)、女性ヴォーカルの演奏。

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2004/08/24

ジャズ批評121号(9月号)特集「ブルーノート65周年」

ジャズ批評121号(隔月刊9月号)を夕方購入。なんと大特集「ブルーノート65周年」と書いてあります。ジャズ批評には’99年に出たジャズ批評ブックス「決定版ブルーノートブック」という500ページにもわたる素晴らしい本が出ているのになぜ今さら、という感じがしないでもありません。

雑誌が薄くなった上に特集ページも少ないのに、なぜ「大特集」なのか。まさか最近発売された東芝EMIのブルーノートの廉価盤1,500円シリーズに時期的に照準を合わせてみたのでしょうか。特集部分は100ページほどですが、各方面にアンケートを取って、その結果でそれぞれの人気盤のレビューを書いただけ、のようにしか見えないのです。わずか21人の批評家のアンケートで「マイ・フェイバリット・アルバム」「ブルーノートの好きな曲・演奏」「ブルーノートの好きなジャケット」「ブルーノートの顔(象徴するミュージシャン)」「ブルーノート・フォー・ビギナーズ(はじめてジャズを聴く人に)」各ベスト5枚が選ばれています。

6月号からの方向転換で季刊から隔月刊になり、定価も3分の2ほどになって軽くなりましたが、内容まで軽くなったような気がしています。方針を変更することは新しいお客さんが増える可能性もありますが、新しいお客さんが増えないままに、昔からのお客さんが離れていってしまう、という可能性だってあるわけです。もちろん私は、今後もジャズ批評誌を応援し、買い続けるつもりですけれど、それでも毎回1冊が限度で、それ以上のことはできません。

寺島靖国氏が105ページから3ページに渡って、前号の「ジャズ批評」を批判していますが、私も半分以上は同感の気持ちもあります。これがジャズの最先端だ、と突っ張ってみたところで、商業ベースでは本や掲載されているCDのセールスが悪ければ、意味がないのです。実際、新しいジャズが好きな方だと思っている私でも、ほとんど知っているミュージシャンがなかったくらいですから。120号をもとにそこに掲載されているCDを端から買い集めてみようという方はわずかだったんではないでしょうか。

某ジャズ雑誌のように広告と、レビューや記事のバーター取引もどうかと思いますが、それでもそこには一定の需要があります。商業誌にとって一番コワいのは内容が良くても需要がなくなること、というのはかつてのOutthere誌(今は廃刊)が証明しています。もっともこの雑誌も後半に行くにつれて、内容も迷走状態になっていったように感じますが。何としてもジャズ批評誌には頑張ってもらいたいところです。

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