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2017/11/29

私的2017年ベスト3

Onishiglamo
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まだ12月じゃないので、ちょっと早いですが、手元の未聴盤、注残もなくなったので、いいタイミング。今年も私的年間ベスト3の季節がやってきました。今年は最近に出たものでいいと思ったアルバムが多く、結局上半期とはあまり重ならなくなってしまいました。今年の特徴として、ECMレーベルが多くなっているのも特徴かもしれません。やはり自分はやや硬派な方のジャズが好きなのだなあ、というのと、ちょっと変わったものも興味を示している感じはあると思います。なので、万人に受け入れられるベストではないです。長男から言わせると、大西順子のアルバムも「何だか難しそうなの聴いてんな。」だそうでした。なおどれが1位というものではなく、順不同です。


グラマラス・ライフ/大西順子(P)トリオ(Somethin' Cool)
Glamorous Life/Junko Onichi(P) Trio(Somethin' Cool) - Recorded September 4-6, 2017. 井上陽介(B)、高橋信之介(Ds) - 1. Essential 2. Golden Boys 3. A Love Song (a.k.a. Kutoubia) 4. Arabesque 5. Tiger Rag 6. Almost Like Me 7. Hot Ginger Apple Pie 8. Fast City 9. 7/29/04 The Day Of(From "Ocean's 12")

1-4、7曲目が大西順子の作曲、5曲目はアート・テイタムの演奏曲(ジャズの最初の録音の1曲だそうだ)、8曲目はジョー・ザヴィヌルの作曲と、いろいろ。やはり彼女は大物でした、と、個人的な思いがあります。1曲目は彼女にしては珍しく少し思索的な出だしかなとも思いますが、ダイナミクスも健在。解説を読んでいるとけっこう複雑な演奏をしているようですが、すんなりと入ってきてしまうところも、それでも、難しそうだなと思うところも、いろいろ。相変わらず半端ではないテクニックを見せつけてくれます。そこまで目が行くと気難しい印象ですけど、繊細さとダイナミックさ(こちらの方が大きいか)に心地よく身をゆだねながら聴くと、なかなかの傑作ではないかと思います。6曲目はスゴい彼女の演奏。8曲目はなかなか圧巻。(17年11月15日発売)


Far From Over/Vijay Iyer(P. Key) Sextet(ECM 2581)(輸入盤) - Recorded April 2017. Graham Haynes(Cor, Flh, Electronics), Steve Lehman(As), Mark Shim(Ts), Stephan Crump(B), Tyshawn Sorey(Ds) - 1. Poles 2. Far From Over 3. Nope 4. End Of The Tunnel 5. Down To The Waire 6. For Amri Baraka 7. Into Action 8. Wake 9. Good On The Ground 10. Threnody

(17/08/19)全曲ヴィジェイ・アイヤーの作曲。ECMにしては元気な曲が多く、ACT時代の感触も少しあり。けっこう複雑な曲で、おそらく変拍子が多いと思われます。リズムがパルス的に来るため、何拍子か考えるのは、少々難しい。ただ、そういう点を除けば、通常のジャズから大きくはみ出たところは少ないと思います。聴くのに体力がいりますが、智に勝った部分も。プロデューサーはマンフレート・アイヒャー。メンバーがメンバーだからか、インド的要素は影を潜め、むしろM-BASE的なサウンドを感じるのは一部メンバーのせいか。とにかく、ECMにしては賑やかな演奏が多いです。3曲目のようにシンプルなファンクビートの曲もあるけど、一筋縄ではいかない現代ジャズ的なイメージ。時に静かな場面もあり。少し野性的か。


Small Town/Bill Frisell(G)/Thomas Morgan(B)(ECM 2525)(輸入盤) - Recorded March 2016. - 1. It Should Have Happened A Long Time Ago 2. Subcouscious Lee 3. Song For Andrew No.1 4. Wildwood Flower 5. Small Town 6. What A Party 7. Poet - Pearl 8. Goldfinger

(17/05/31)ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ。2人の共作は7曲目、ビル・フリゼール作が3、5曲目、ポール・モチアン作が1曲目、リー・コニッツ作が2曲目、他は映画音楽など。2人での幽玄な、時にのどかな世界が68分続きます。でも、2人のやり取りは緊密です。モチアンとの演奏を比べてみたくなるけど、印象的には似ている、夢見心地で愁いを含む1曲目、コニッツの曲らしい醒めた4ビートで進んでいく2曲目、明るめで牧歌的な情景から哀愁に表情を変える3曲目、やや快活で明るいカントリー的な4曲目、8ビートでいつものフリゼール節が聴けるタイトル曲の5曲目、これまたビートはっきりめで明るくせまる6曲目、既成曲的なゆったりインプロヴィゼーションの7曲目、渋くて幻影的な演奏が続く映画音楽の8曲目。


次点として、以下の3作

The Dreamer Is The Dream/Chris Potter(Sax, Cl, Fl, Ilimba, Samples)(ECM 2519)(輸入盤)
Blue Maqams/Anouar Brahem(Oud)(ECM 2580)(輸入盤)
3 For 3/Mike Moreno(G)(Criss Cross 1396)(輸入盤)

2017/11/28

チャイニーズ・バタフライ/チック・コリア+スティーヴ・ガッド

Chickchinese
CDの手持ち在庫をやっと聴き終えました。これで手持ちなし、通販の注残も現在のところなし。当分入ってこないんじゃないかと。ほぼ毎日更新をしてきましたけど、仕事も忙しくなってくるし、12月中旬にはライヴで2時間分の練習もしなければならないので、更新間隔がちょっと開くかもしれません。今日のアルバム、この2人の双頭バンドなので悪かろうはずはないです。また新たなグループができたので、楽しみでした。ただ、最近のスティーヴ・ガッドは、ちょっと落ち着いてきてしまったかな、という感じもするので、グループの音楽性は高いのだけれど、これならCD1枚で出しても良かったかなあ、なんてことも思っています。チック・コリアが絡むと日本先行発売が多いのですが、輸入盤を同時に出してくれてもいいんじゃないかなあ、なんて。


チャイニーズ・バタフライ/チック・コリア(P、Key)+スティーヴ・ガッド(Ds)(Stretch)
Chinese Butterfly/Chick Corea(P, Key) +Steve Gadd(Ds)(Stretch) - Released 2017. Lionel Loueke(G), Steve Wilson(Sax, Fl), Carlitos Del Puerto(B), Luisto Quintero(Per) - 1. Chick's Chums 2. Serenity 3. Like I Was Sayin' 4. A Spanish Song 5. Chinese Butterfly 6. Return To Forever (Feat. Philip Bailey(Vo)) 7. Wake-Up Call 8. Gadd-Zooks

ジョン・マクラフリン作が1曲目、Lionel Louekeとチック・コリア作が7曲目、他は全曲コリア作。スティーヴ・ガッドとの双頭バンドで、ガッドの指向性とか年齢を考えると、ちょっと落ち着いたフュージョン的なサウンドですが、曲はやはりコリア作らしく、メロディがけっこう良かったり、サウンドが深みを増してます。CD2の6曲目以降は16分以上の長い曲が多いので、これは1枚にまとめた方が良かったのかもしれない。ベースはエレクトリックとアコースティックの両刀使いですが、ジョン・パティトゥッチのような派手さはなくて、ボトムを支える要素が大きいのかな、という感じ。7曲目は明らかに中国(東洋)的なメロディを持ってきているので、タイトルに引っ掛けたのか、どうか。6曲目はECM盤以来45年ぶりとのことで、興味深い演奏。(17年11月22日発売)

2017/11/27

グラマラス・ライフ/大西順子トリオ

Onishiglamo
大西順子の同時発売のアルバムの2日目。こちらはピアノ・トリオだし、本命に思っている人が多いんじゃないかな。確かにその通りで、日曜の朝聴かなくて良かったと思います。いやはや、聴いていてスゴいインパクトがあります。もうすぐ今年のベスト3をきめることになりますけど、この時期これが出たという事は、その選定にも影響してくるんじゃないかなあ、と思います。いかに複雑なことをさりげなく、そしてダイナミックな表現でやっているかという事は、解説にも書いてありますし、自分もアマチュアバンドの端っこのベース弾きですが、やってることはおぼろげながら理解しているつもりです。到着後、すぐ聴けばよかった。


グラマラス・ライフ/大西順子(P)トリオ(Somethin' Cool)
Glamorous Life/Junko Onichi(P) Trio(Somethin' Cool) - Recorded September 4-6, 2017. 井上陽介(B)、高橋信之介(Ds) - 1. Essential 2. Golden Boys 3. A Love Song (a.k.a. Kutoubia) 4. Arabesque 5. Tiger Rag 6. Almost Like Me 7. Hot Ginger Apple Pie 8. Fast City 9. 7/29/04 The Day Of(From "Ocean's 12")

1-4、7曲目が大西順子の作曲、5曲目はアート・テイタムの演奏曲(ジャズの最初の録音の1曲だそうだ)、8曲目はジョー・ザヴィヌルの作曲と、いろいろ。やはり彼女は大物でした、と、個人的な思いがあります。1曲目は彼女にしては珍しく少し思索的な出だしかなとも思いますが、ダイナミクスも健在。解説を読んでいるとけっこう複雑な演奏をしているようですが、すんなりと入ってきてしまうところも、それでも、難しそうだなと思うところも、いろいろ。相変わらず半端ではないテクニックを見せつけてくれます。そこまで目が行くと気難しい印象ですけど、繊細さとダイナミックさ(こちらの方が大きいか)に心地よく身をゆだねながら聴くと、なかなかの傑作ではないかと思います。6曲目はスゴい彼女の演奏。8曲目はなかなか圧巻。(17年11月15日発売)

2017/11/26

ヴェリー・スペシャル/大西順子

Onishivery
大西順子初の2枚同時発売、という事で、どっちから聴こうかなと思ったけど、日曜の朝早くなので、静かな方のバラード集から。デュオの曲が多く、やはり静かな場面も多いので、この時間にはしっくりときます。シンプルで攻めてみても、ピアノは歌っているし、やっぱりいい感じ。曲によってはフェンダー・ローズ・ピアノを使っていて(5、9曲目)、これも自然な流れのうちで使っているので、急に雰囲気が変わったりという事はありません。ウィリアムス浩子のMy Room集を何となく思い出した(ギタリストが重なっているからか)けど、それよりは賑やかな雰囲気も持っています。こういう一面もあるんだなと、うれしくなってきました。


ヴェリー・スペシャル/大西順子(P、Key)(Somethin' Cool)
Very Special/Junko Onishi(P, Key)(Somethin' Cool) - Recorded September 7-9, 2017 (Tr 3 and 8, January 17, 2011). Toshiaki Baba(G on 2, 4, 7, 9, 10), Jose James(Vo on 3, 8), Miho Hazama(Arr, Cond on 6), Takuya Mori(Cl on 6), Yoshie Sato(Bcl on 6), Shinnosuke Takahashi(Cymbals on 1), Yosuke Inoue(B on 11) - 1. Very Special -Intro- 2. I Cover The Water Front 3. Lush Life 4. Easy To Love 5. Barcarolle (From "The Seasons"), 6. Willow Song (From "Othello") 7. Comecar De Novo (The Island) 8. A Flower Is A Lovesome THing 9. How Do You Keep The Music Playing 10. After The Love Has Gone 11. Very Special - Outro-

1、11曲目のみ大西順子作曲で、他はスタンダードなどの他人の曲。構成が考えられているようで、小品の1、11曲目自体シンプルで美しい。基本的にピアノに相手が加わる(デュオなど)ことで、シンプルな美しさを醸し出すバラード集になってます。ゆったりした曲の中にも、繊細な場面もあれば、力強い場面や速いパッセージの部分があたかも歌うような感じ。そのメロディにひかれる感じです。クラシックの味わいのある曲も。今話題のホセ・ジェイムスのヴォーカルとのデュオが2曲ありますが、これのみ’11年の録音。先を見越した録音と言っていいでしょう。基本的にバラード集はあまり得意ではないのですが、このアルバムはよく歌うし、変化に富んでいるので、何度も聴きたくなります。彼女の別な側面を垣間見ました。(17年11月15日発売)

2017/11/25

フクシマ/藤井郷子オーケストラニューヨーク

Fujiifukushima
国内盤があと4枚あって、なるべく早く聴かなければ。迷ったときは、発売日の順番に聴いていこう。今日は、「フクシマ」。重たいテーマですね。でもそれをニューヨークのビッグバンドでやってしまうことで、ある程度の客観性を持つことになったんじゃないかと思います。基本、フリーなので、その客観性が何なのか、というのを説明するのは難しいんですけれども。しかも非イディオム系のソロもある、硬派なフリー。ここでは、前作と比べ、Nels ClineとChes Smithが入っていることが目をひきます。このフリーのビッグバンドに同化した演奏なんですけれども。ひとつのテーマで57分やり切るのも大変だったろうと思いますけど、やはりそれだけ重いテーマだと思います。


フクシマ/藤井郷子(Cond)オーケストラニューヨーク(Libra Records)
Fukushima/Satoko Fujii(Cond) Orchestra New York(Libra Records) - Recorded May 18, 2016. Oscar Noriega(As), Ellery Eskerin(Ts), Tony Malaby(Ts), Andy Laster(Bs), Dave Ballou(Tp), Herb Robertson(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Joey Sellers(Tb), Joe Fielder(Tb), Chrtis Hasselberg(Tb), Nels Cline(G), Stomu Takeishi(B), Ches Smith(Ds) - 1. 1 2. 2 3. 3 4. 4 5. 5

全曲藤井郷子作曲で、オーケストラ・ニューヨークの10作目。文字通り、福島の原発事故によって引き起こされた人間の「落胆や絶望や、そしてそんな中でも希望や意欲や、エモーショナルな体験を表現したくて」作曲したそう。静かな場面からゆっくりと音が出てきて、大きくなったり、静かになったり。やや過激なフリーなんですけど、フリーという手段を使って、なるほどという感じでエモーショナルに響いてきます。聴く人を選ぶかもしれませんが、その音が大きくなった時の、ビート感と同時に心のうねりのようなエネルギーを感じ取ることができます。もちろん、完全なフリーではなく、随所にアンサンブルのメロディを交えつつ、なお、そのビッグバンドの限界にせまるような、盛り上がりを見せます。ひとつのテーマが基の壮大な作品。(17年11月11日発売)

2017/11/24

スノーイング・タウン/外山安樹子トリオ

Toyamasnowing
この時期集中して、国内盤5枚が割と短期間に届いています。なるべく今月中に聴きたいのですが、忙しくなってきたこともあって、聴けるかどうか。発売日の順番とかは前後します。今日は、やっぱりこの時期クリスマスアルバムだよね、と聴きたくなって、到着したばかりのアルバムから。外山安樹子さんのクリスマスのミニアルバム。ジャズでありながら、彼女自身のメロディアスな演奏で、クリスマスの明るさをスマートに表現している感じです。バランスを取る感じで、5曲目のオリジナルが、しっとり感満載なので、今年のクリスマスアルバムはこれで決まり、という感じになってます。これがフルアルバムの分量で出てくれたらなあ、と思いますけど、25分収録でも、なかなかいいです。


スノーイング・タウン/外山安樹子(P)トリオ(Rice Records)
Snowing Town/Akiko Toyama(P) Trio(Rice Records) - Recorded November 25, 2015. 関口宗之(B)、秋葉正樹(Ds) - 1. Rudolph The Red-Nosed Reindeer 2. Christmas Waltz 3. Let It Snow 4. Snowing Town 5. I'll Be Home For Christmas

5曲目のタイトル曲のみ外山安樹子の作曲で、あとはクリスマス・ソング集。ミニ・アルバムで25分収録。もともとは他のアルバムを収録時に、この曲たちも一緒に収録してしまったとのことで、発売するタイミングとしては良かったのではないかな。ジャズなんだけど、ピアノ・トリオが明るくてメリハリが効いた、スマートなジャズなので、すんなりと聴ける感じ。ジャズ感も過不足なくジャズなので、クリスマス・ソングから入った方もジャズから入った方も。オリジナルの5曲目は少し淡い感じのバラードなんだけど、それがまた雪が降っている街の風景を呼び起こすようなしっとりとした曲で(おそらく北海道の風景か)、なかなかいい感じに仕上がっています。ミニアルバムにしておくのがもったいないくらい。いいクリスマスプレゼントですね。(17年11月19日発売)

2017/11/23

Unloved/Maciej Obara Quartet

2573
ECMの新譜4日目で一段落。このアルバム、最初は典型的なECMのゆったりとした出だしでこのまま続いていくと見せかけて、5-6曲目の後半に激しい曲を持ってきてます。アルバムコメントを聴きながら書いている身としては、最初にずらっと書いておくも、かなり途中で書き直しをしてます(笑)。1曲目でゆったり入るというのは、プロデューサーのマンフレート・アイヒャーの意向なんでしょうね。ECMで激しい曲がないというとそんなことはなく、意外にあるものなのですが、レーベルイメージから、そう感じている人が多いようです。それでも、今回の4枚の中では、一番ECMのイメージ(個人的感想ですが)にシンクロしていたアルバムかな。


Unloved/Maciej Obara(As) Quartet(ECM 2573)(輸入盤) - Recorded January 2017. Diminik Wania(P), Ole Morten Vagan(B), Gard Nilssen(Ds) - 1. Ula 2. One For 3. Joli Bord 4. Unloved 5. Sleepwalker 6. Echoes 7. Storyteller

(17/11/22)タイトル曲の4曲目のみクリストフ・コメダ作で、他は全曲Maciej Obara作曲。彼はポーランド出身で、ECMでは初リーダー作なれど、他ではアルバムあり。前半テンポ感のあまりない、ゆったりした、時に盛り上がる演奏は北欧のジャズに近く、メンバーもノルウェー出身が混ざっていて、いかにもECMという感じの演奏です。むしろ安心して聴ける、その典型的な、やや寒色系でしっとり感のあるサウンドの1曲目。リズム的には多少変わるものの、北欧的な雰囲気のある曲が続きます。4曲目のコメダ作は、やはりメロディの強度があって、この曲は浮かび上がってきます。ところが5曲目は激しく、6曲目はフリー調からかなり盛り上がり。この5-7曲目あたりで、硬派な北欧的なジャズもやっていると、印象も軌道修正。

2017/11/22

Nahnou Houm/Jon Balke/Siwan

2572
ECMの新譜3日目。ヨン・バルケのSiwanECM2作目。ここではヴォーカリストが替わり(国籍も)、作詞の方も、既成の昔の、主にスペイン語の歌詞(トラディショナルのみアラビア語)の詩に乗せて歌っているところが違います。また前作ではあったエレクトロニクスはどうやら使っていないようです。でもアラブ世界と西洋世界を、今回はアンダルシアという地に焦点を当ててですが、結びつけている姿勢は近いものがあります。こういうある意味冒険的なアルバムを作れるのは、やはりECMだからかなあ、とも思います。便宜上ジャズに入れてありますが、どちらかと言うと民族音楽の方に近く、いわゆるジャズ度はないのは前作に同じです。


Nahnou Houm/Jon Balke(Key)/Siwan(ECM 2572)(輸入盤) - Recorded January 2017. Mona Boutchebak(Vo), Derya Turkan(Kemence), Helge Norbakken(Per), Pedram Khavar Zamini(Tumbak), Barokksolistene: Bjarte Eike(Vln, Leader), Alison Luthmers(Vln), Oivind Nussle(Vln), Milos Valent(Viola), Per Buhre(Viola), TOrbjorn Kohl(Viola), Judith Maria Blomsterberg(Cello), Mime Brinkmann(Cello), Johannes Lundberg(B) - 1. Duda 2. Desmayer Se 3. Castigo 4. Del Rey 5. Ma Kontou 6. Nahnou Houm 7. Zem Zemeh 8. Aun Beniendo 9. Arco Y Flecha 10. Sin Nada Querer 11. Itimad

(17/11/21)SiwanのECM2作目、5曲目がアンダルシアのトラディショナルで、7曲目はメンバーのPedram Khavar Zaminiの打楽器の曲以外は全曲ヨン・バルケの作曲。11世紀から17世紀にかけてのスペインの詩を、曲にのせて歌っていますが、この時期はイスラム教からキリスト教にかけての時期ではなかったか。ヴォーカルはアルジェリア人。そのイスラムの音楽のような主要メンバーとバックの弦楽はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ベースと西洋のもの。でも旋律はアラブの味のところも。ヴォーカルのエキゾチックさと相まって、アラブと西洋の折衷的な民族音楽が繰り広げられています。スペインのアンダルシアも地域的、音楽的には興味深いので、これはバルケにしかなし得ないような、独特な世界観が広がっています。

2017/11/21

Comment C'est/Michael Mantler

2537
ECM新譜聴き2日目。このアルバム、以前ならWattから出していたんじゃないかなあ、と思える内容。歌詞が仏語(翻訳された英語)で分かるならともかく、ただ音楽として聴くだけならば、少し暗めの、テンポも一定な感じの曲が続くので、そのあたりを考慮して、手を出すのがいいのかなあと思いました。もちろん歌詞の内容は深いと思うし、それを読み込んだらその深遠な世界に放り込まれるのかもしれませんけど、音として聴くだけなら、少々単調にも聴こえます。まあ、それでも飽きはこない方のサウンドなので、いいのかなあとも思えるのですが。これは、聴き手の判断にお任せしますとしか、言いようがないのですけれども。


Comment C'est/Michael Mantler(Tp)(ECM 2537)(輸入盤) - Recorded April, June and July 2016. Himiko Paganotti(Voice), Max Brand Ensemble: Annegret Bauerle(Fl), Peter Tavernaro(Oboe), Gregor Narnhofer(Cl), Eberhard Reiter(Bcl), Baldum Wetter'French Horn), Tobias Ennemoser(Tuba), Joanna Lewis(Vln), Simon Frick(Vln), Simon Schellnegger(Viola), Arne Kircher(Cello), Tibor Kovesdi(B), Sun Yi(Vib, Marimba), David Helbock(P), Christoph Cech(Cond) - 1. Aujourd'hui 2. Intolerance 3. Guerre 4. Commerce 5. HIver 6. Sans Fin 7. Folie 8. Pourquoi 9. Apres 10. Que Dire De Plus

(17/11/20)全曲の作詞作曲はマイケル・マントラ―。やや暗めの色調にあふれたバックのサウンドにHimiko Paganottiのヴォイスが絡んで、メッセージ性もけっこう高いと思われるのですが、通販のサイトなどには書いてあるけれど、ジャケットには仏語と英語の歌詞のみ。プロデュースはマイケル・マントラ―で、以前ならWattレーベルから出ていたのではないかと思わせる内容。割と重々しくヴォイス(ヴォーカル)も絡んで進んでいくので、原語(あるいは英語)を分かる人には深いメッセージ性はあると思います。私も含めて、歌詞を音として聴いていると、やや薄暗くて、テンポ的にも一定の曲が続くので、少し単調に感じるかもしれない。New Seriesにオペラ系があるとしたら(ヴォイスはオペラではないですが)こういう感じではと。

2017/11/20

The Study Of Touch/Django Bate's Beloved

2534
またECMの新譜が4枚入ってきたので、聴いていきます。そろそろ毎日更新がキビシイ時期ですね。でも新譜はなるべく早く聴いていきたいので。ジャンゴ・ベイツ、この人はJMT/BAMBOO時代にリーダー作を5枚以上聴いた人ですが、けっこうテクニシャンで、しかもあまり素直ではない面も持っています。ここでもしっとりとくる場面もあるかと思いきや、浮遊感を伴う、けっこう複雑そうな演奏をフリー的感覚もありながら、トリオでやってのけていますし。聴きやすいアルバムか、と言うと、ま、ちょっと覚悟はしておけ、って感じのサウンドなのですが、極端にトンガって聴こえるわけでもないので、いわゆるディープなECMファン向けのピアノ・トリオという感じでしょうか。


The Study Of Touch/Django Bate's(P) Beloved(ECM 2534)(輸入盤) - Recorded June 2016. Petter Eldh(B), Peter Bruun(Ds) - 1. Sadness All The Way Dpwn 2. Giorgiantics 3. Little Petherick 4. Senza Bitterness 5. We Are Not Lost, We Are Simply Finding Our Way 6. This World 7. The Study Of Touch 8. Passport 9. Slippage Street 10. Peonies As Promised 11. Happiness All The Way Up

(17/11/19)6曲目がIain Ballamy作、8曲目がチャーリー・パーカー作の他は全曲ジャンゴ・ベイツ作。彼は以前、First House名義でECMに2作残しているし、Beloved名義では他レーベルからもアルバムが出ているようです。そのECM初作品。いかにもECMらしいゆったりした曲から、やや賑やかな、少しフリーの要素も持つような自由な曲まで、曲もタイトル曲の9分台のものから、3分以下の曲も3曲あったりと、アルバムの中で、そしてECMらしく、いろいろな演奏をしています。ただし、トリオとしてはヨーロッパ的であって、非4ビート系(変拍子もあり?)の曲が続くし、曲調も割と硬派なものが続きます。その中に1、3曲目のようなしっとりしたバラードの曲が混ざります。やはりこういう曲調であればECMから出すのもうなずけます。

2017/11/19

ECMストリーミング配信の周囲の雑感続きとウェザーリポートBOX発売情報

いよいよ自分の出るライヴまで1か月を切りました。若い頃には2時間ライヴってやったことがあるのだけど、30年ぶりに、2年半前から20-30分のライヴを年2回ほどやってきた身にしては、やはりプレッシャーもあるので、ブログの更新が少し間隔が開くかもしれません。今まで2か月間ぐらいほぼ毎日更新だったのですけれども。仕事もこれから繁忙期ですし。

そんな中で、先日も書きましたけど、ECMがストリーミング配信を11月17日からいろいろなところで、デジタル音源化されたほぼ全部をやっているので、当ブログ(アクセス解析をつけてないけど、おそらくホームページにも)のアクセス数が上がっています。ツイッターを検索してみると、これを機会に、高いけど廃版の「ECM catalog」の本を買ったとか、いろいろ読むことができますが、あの本も、’10年あたりまでの掲載なんですよね。批評というまでにはいかないですけど、おおよそどんなアルバムかという簡単な説明は、当ブログで、CD化されたものは、先月発売のものまでは、おそらく網羅していると思います。今日も4枚、11月発売のECMのCDが届きましたが、なるべく早くブログにアップしたいとは思いますが。

ホームページではECMの番号順に掲載もしています。(ECMに関してはホームページとブログ、本文は同じものが掲載されてます。)

ECMのCD特集のページ

お手軽に見る目的では、ある程度いいんじゃないかな、と思います。

それと、これはたまたま偶然なんですけど、ホームページとブログで、最近ウェザー・リポートのアルバムコメントの手直しをしました。そうしたら、廉価で全24枚組CD-BOXが11月3日(24日の表記のあるところも)発売されるんですよね。そういう意味で、ウェザー・リポートのページにもアクセスがある程度コンスタントにあります。

そんなわけで、いつもよりはアクセス数が多いですけど、やはりジャズ(フュージョンあるいはクラシック)の世界なので、爆発的にと言うわけにはならないです。まあ、自分のブログ(サイト)にしては、こういうことがあったというわけで。

2017/11/17

Lost Tribes/The Zawinul Syndicate

Zawinullost
ザ・ザヴィヌル・シンジケートの3作目だけ残っていたので、これを聴いて一段落。時代も’92年発売となってくると、いつものジョー・ザヴィヌル節はあれど、ベースやドラムスのリズムがけっこう洗練されてきて、曲によっては都会的なフュージョンに聴こえるものもあって、やはりソニーではこのアルバムで一段落してしまったのだあ、という感じも。その後も他レーベルから名作に値するようなアルバムも出していましたけど。これを考えると、やはり’70年代初期からのウェザーリポートの変遷を今回、まとめて聴けて良かったなあと思います。BOXセットも出るし、タイミング的にも良かったかもですね。


Lost Tribes/The Zawinul Syndicate(Sony) - Released 1992. Joe Zawinul(Key), Mike Baker(Ds), Randy Bernsen(G), Bobby Thomas Jr(Hand Ds, Fl, Vo), Gereld Veasley(B), Bill Summers(Per), Lebo M.(Vo), etc. - 1. Patriots 2. South Africa 3. Lost Tribes 4. Rua Paula Freitas 5. Victims Of The Groove 6. Night Clock 7. Afternoon 8. San Sebastian 9. In A While, In A While 10. Changes

久しぶりに全曲ジョー・ザビヌルの(あるいは共作の)作曲。メンバーが若返りをして、ジョー・ザヴィヌルのバンドという性格を強めています。ただ、少々インパクトの強さがなくなってきたようにも感じ、これ以後ソニーからはアルバムが出ていません。それでも、シンセサイザー、ベース、ドラムスその他の音は、やはり彼らのものですね。2曲目のように、アフリカ的なヴォーカルがシンセサイザーの音と共に出てくると、ああ、ザヴィヌル節だなあ、と思えます。結局は無国籍的民族音楽を取り入れたファンクでしょうが、アフリカ風の明るいサウンド。3曲目のタイトル曲のバラードを聴いてもやはり独自のメロディアスな方向性を感じます。4曲目は都会的な雰囲気があります。やはり基幹部分は同じでも時代と共に変化していきます。

2017/11/16

ECMがストリーミング配信に進出

ECMがストリーミング配信に進出。TIDALのようなHigh Fidilityをうたっているところとか、Spotify、Apple MusicのようなMP3?音源までいろいろ。本来はCDとかLPがいいんだけど、違法なストリーミングサイトとか、違法ダウンロードとかの対策のためでもあるらしいです。ECM公式の詳細が英語で下記に書いてあります。なんかCDがいらなくなってしまいそう。

https://www.ecmrecords.com/public/docs/ECM_and_Streaming.pdf

私はまだストリーミングをやってないので、やっている人から教えていただいたり、ラインナップを見たりしてますが、いちおう日本のみの販売を含め、CD化されたもの(デジタル音源化されたもの)は網羅しているんじゃないかと思います。情報に修正あったら、ご連絡ください。


(11月17日追記)コメント欄に貴重な情報をいただき、「かなり網羅されていますが,たとえば Keith Jarrett At the Blue Noteなどは全38曲中23曲のみ(?)配信されており,...」とのことでした。別な方のご意見として、調べてもらったら、Spotifyでは(MP3の圧縮音源)23曲、TIDAL(非圧縮音源)では38曲全曲が配信されているという事でした。ちょっとややこしいですが、どうやら、配信の曲数に違うものがあるようです。

This Is This/Wether Report

Weatherthisis
ウェザー・リポートの16日目にして最終作。ただし、「ザ・ザヴィヌル・シンジケート」の3作目のホームページのコメント手直しが残っているので、それが続きますが。この録音後、ウェイン・ショーターとの決別が決定的となり、この録音の段階でも新バンド「ウェザー・アップデート」(メンバーは、ジョー・ザビヌル(Key)、ジョン・スコフィールド(G)、ヴィクター・ベイリー(B)、ピーター・アースキン(Ds)、ミノ・シネル(Per)という強力なメンバーの予定でした。)の構想の曲(おそらく7曲目)も入っているのですが、このメンバーでのアルバムは結局出てきませんでした。そしてその後’88年に「ザ・ザヴィヌル・シンジケート」が出て来るんですけれどね。


This Is This/Wether Report(Sony) - Released 1986. Joe Zawinul(Key), Wayne Shorter(Ts, Ss), Omar Hakim(Ds, G, Vo on 2), Victor Bailey(B), Mino Cinelu(Per), Peter Erskine(Ds except 2), Carlos Santana(G on 1, 5) - 1. This Is This 2. Face The Fire 3. I'll Never Forget You 4. Jungle Stuff, Part 1 5. Man With The Copper Fingers 6. Consequently 7. Update 8. China Blues

ジョー・ザヴィヌル作が1-3、5、7-8曲目、ミノ・シネル作が4曲目、ヴィクター・ベイリー作が6曲目。グループのラストアルバムで、ウェイン・ショーターの曲はなし。ショーターの出番も少ないような気も。何と1、5曲目にカルロス・サンタナも参加。曲も少しポップ化路線を歩んでいる感じ。強力なリズムのファンクで、ギターも同化しつつ存在感のあるタイトル曲の1曲目、民族色のヴォーカルも見せつつリズミカルな2曲目、ザヴィヌル作らしい静かなバラードの3曲目、アフリカ的なヴォーカルも混ぜつつ、ファンクしている4曲目、意外にメロディアスなフュージョンの5曲目、これもソフトなゆったりしたフュージョンの6曲目、グループらしいサウンドで4ビートのアップテンポの7曲目、チャイナっぽくなく、ブルースに聴こえない8曲目。

2017/11/15

Sportin' Life/Wether Report

Weathersportin
ウェザー・リポートの15日目。メンバー交代後の後期アルバムの中では一番好きなアルバム。この時代、他のフュージョンバンドもそうですが、ヴォーカルをフィーチャーしたアルバムが多かったですね。時代の流れなのか、あるいは売れセンを意識したのかどうか。ここでも、あくまでもこのグループとしてのサウンドを前提に、ヴォーカルというか、コーラスも楽器としてとらえられる面も多いですけど、その中で4曲目のように、普通のヴォーカル曲もあったりします。基本的なザヴィヌルサウンドは変わりないですけど、リズムがやたらタイトになっていたりして、サウンド全体からくる印象はだいぶ変わってきたのではと思います。


Sportin' Life/Wether Report(Sony) - Released 1985. Joe Zawinul(Key), Wayne Shorter(Ts, Ss), Omar Hakim(Ds, G, Vo), Victor Bailey(B), Mino Cinelu(Per, G, Vo), Bobby McFerrin(Vo), Carl Anderson(Vo), Dee Dee Bellson(Vo), Alfie Silas(Vo) - 1. Corner Pocket 2. Indiscretions 3. Hot Cargo 4. Confians 5. Pearl On The Half-Shell 6. What's Going On 7. Face On The Barroom Floor 8. Ice-Pick Willy

ジョー・ザヴィヌル作が1-3、8曲目、ウェイン・ショーター作が5、7曲目、ミノ・シネル作が4曲目で、6曲目はマービン・ゲイのヒット曲をこのグループらしい独自なアレンジで。ヴォーカリスト(しかも有名な人も)を何人も起用して、ヴォーカルあるいはコーラスが前面に出てきたアルバム。ウェザー・リポートとしてはけっこうポップな感じ。後期の作品の中では印象に残る曲が多い。演奏は基本はグループのサウンドだけど、出だしの早口コーラスが印象的な1曲目、ややスローでビートがしっかりしている2曲目、パーカッションが躍動しているファンクの3曲目、シネルのヴォーカルの軽いポップの4曲目、浮遊感のあるファンクの5曲目、しっとりとしつつ独自な色のバラードの7曲目、ヴォーカル&強烈なリズムでせまってくる8曲目。

2017/11/14

Domino Theory/Wether Report

Weatherdomino
ウェザー・リポートの14日目。やっぱりベースとドラムスが代わると、音的にはけっこう変化してきてますけど、やぱりジョー・ザヴィヌルのバンドという性格は強く、核となる部分はあまり変わってないんじゃないかと思います。もちろんグループ初期の時代と比べて、シンセサイザー関係の格段の進歩というものは無視できないですが。どこかにありそうでなさそうな民族音楽的な要素も健在ですし。ただ、このあたりは私はリアルタイムで聴いていたはずなんだけど、初めて出会った「ナイト・パッセージ」の影響を大きく受けているので、今聴き返しても、あまり強い印象がのこっていない(と言うと失礼になるかな)のも事実ではありますね。


Domino Theory/Wether Report(Sony) - Released 1984. Joe Zawinul(Key), Wayne Shorter(Ts, Ss), Omar Hakim(Ds, G, Vo), Victor Bailey(B), Jose Rossy(Per), Carl Anderson(Vo on 1) - 1. Can It Be Done 2. D Flat Waltz 3. The Peasant 4. Predator 5. Blue Sound-Note 3 6. Swamp Cabbage 7. Domino Theory

ジョー・ザヴィヌル作が2-3、5、7曲目、ウェイン・ショーター作が4、6曲目。ウィリー・ティー作の1曲目にカール・アンダーソンのヴォーカル曲。アレンジを除けば割と普通のバラードなので、意外かもしれない。相変わらずの音だけど、徐々にサウンドが変わりつつあります。11分台ものワルツ・ファンクで民族的なコーラスが時折り出てくるノリの良い2曲目、民族音楽の要素を取り入れたような、少しエキゾチックな、それでいて奥行きのある3曲目、タイトなリズムの分、ハードフュージョンというような表現が似合う4曲目、変化に富むスローファンクなんだけど、後半、ハッとするような印象に残るメロディの5曲目、6拍子でこのグループらしい音のファンクの6曲目、 小刻みなベース、ドラムスが速射砲的な効果を出す7曲目。

2017/11/13

Procession/Wether Report

Weatherprocess
ウェザー・リポートの、しばらくおいて13日目。ジャコ・パストリアスやピーター・アースキンの、いわゆる黄金期のメンバーからヴィクター・ベイリーとオマー・ハキムにメンバー交代しています。ベースのカリスマ性は薄れましたけど、個人的にはベイリーは好きな人。このアルバムを久しぶりに聴いたのと、彼の初リーダー作の印象が強かったので、彼はフレットありのベースを弾いていたのかと思いきや、聴き直したら、このアルバムではフレットレス・ベースを弾いていますね。まあ、ベースの場合、両方弾ける人も珍しくはないんですけど。交代後ののグループらしさが出てるのは、やはり6曲目のタイトな曲かな。個人的にはこのメンバーも好きです。


Procession/Wether Report(Sony) - Released 1983. Joe Zawinul(Key), Wayne Shorter(Ts, Ss), Omar Hakim(Ds, G, Vo), Victor Bailey(B), Jose Rossy(Per), Manhattan Transfer(Vo on 4) - 1. Procession 2. Plaza Real 3. Two Lines 4. Where The Moon Goes 5. The Well 6. Molasses Run

ジョー・ザヴィヌル作が1、3-4曲目、ウェイン・ショーター作が2曲目、2人の共作が5曲目、オマー・ハキム作が6曲目。ベースとドラムスがメンバーチェンジ。派手さこそないもののヴィクター・ベイリーのベースもなかなかいいと思います。以前からのグループ路線をそのまま引きずっているような、徐々に盛り上がっていくシンプルなリズムの1曲目、やや静かでもメリハリのある浮遊感のある曲の2曲目、スピーディーなリズムの上を多少のたくったシンセが舞うテーマの3曲目、マンハッタン・トランスファーが参加してもグループに同化しているけれども、ヴォーカル曲で華を添える4曲目、日本でのライヴのインプロヴィゼーションを収録した静かな5曲目、ハキムとベイリーののコンビで、かなりタイトな演奏をしている6曲目。

2017/11/12

ディア・ファミリー/桑原あい X 石若駿

Kuwabaradear
国内盤新譜が1枚届いています。桑原あいは以前から注目しているピアニストで、どちらかと言うと、上原ひろみを連想させるような曲調だけど、今はフォロワーという感じは全然しなくて、独自のジャズ・フュージョン路線を行っているテクニシャンです。通常のジャズとは違いますし。仮バンドのライヴにゲスト出演するくらいだから、その腕はたいしたもの。ここでの石若駿との変幻自在な一体感は、やはりたたものではありませんでした。ベースがいなくても全然不足感はないですし、こういうケースも珍しいです。まあ、ここでとにかくすごい、と言ってもはじまらないので、どこかで聴いてみて下さい、としか言うしかないのですが...。


ディア・ファミリー/桑原あい(P) X 石若駿(Ds)(Verve)
Dear Family Ai Kuwabara(P) x Shun Ishiwaka(Ds)(Verve) - Recorded Mar 17, 2017(on 1) and August 8-11, 2017. - 1. Dear Family -TV Version- 2. Idea For Cleanup 3. The Great U's Train 4. Improvisation #1 5. Family Tree 6. Tuneup 7. Andy And Pearl Come-Home 8. Granpa's Sunglass 9. Inprovisation #2 10. Dog DOesn't Eat Dog World 11. Dear Family Bonus Tracks: 12. Saturday COme Slow 13. Sunday Morning

1曲目のみTVのオープニング曲の録音なので、日付が違います。2人の共作が1、4、9、11曲目、桑原あいの作曲が3、6、10曲目石若駿の作曲が2、5、7-8曲目。ほぼ対等な関係。ボーナストラックは他人の曲でも境がない。13曲で47分と短めだけど、ピアノとドラムスのデュオでも音の不足を全然感じさせず、旋律とか変拍子とか、この2人ならではのテクニックが大いに生かされた曲が多いです。でも、静かな曲もあり、そういう曲ではしっとり感も。TVのオープニングの、爽やかでかつ複雑な面を持つ1曲目は印象が強いです。よくこういう曲ができるなあと。ところどころ瞬間的に変幻自在になるので、このコンピネーションは鉄壁と思われる曲が随所にあり。インプロヴィゼーションもなかなか面白い。現代のジャズ。(17年11月8日発売)

2017/11/11

J.S. Bach/Suiten Fur Violoncello/Thomas Demenga

2530
ECM New Seriesの新譜3日目で一段落。今回の3枚とも、現代音楽度が低め(あるいはない)で、聴くのに身構えないですんだのですが、ここでトーマス・デメンガの無伴奏チェロ組曲が出るとはねえ、と感慨深いものがあります。今までの印象から、現代音楽方面の方が多い人だったので。でも、バッハは様式美として完成されているなあと、県検知のあまり高くない私でも、この完璧な演奏を聴いて思いました。周りにも、バッハは特別、という人が割と多いですもんね。これを演奏者ごとに同じ音源を聴いてみるともっと面白いのでしょうが、私はジャズメインで、ほぼNew Seriesだけを聴いているので、ここはグッとガマンかな。


J.S. Bach/Suiten Fur Violoncello/Thomas Demenga(Cello)(ECM New Series 2530/31)(輸入盤) - Recorded February 2014. - Johann Sabastion Bach: [CD1] 1-6. Sute I G-Dur BWV1007 7-12. Suite II D-Moll BWV1008 13-18. Suite III C-Dur BWV1009 [CD2] 1-6. Suite IV Es-Dur BWV1010 7-12. Sute V C-Moll BWV1011 13-18. Suite VI D-Dur BWV1012

(17/11/08)バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家。今回は無伴奏チェロ組曲の全曲。以前にはトーマス・デメンガはNew Seriesに現代音楽との組み合わせで、バッハの作品を扱ったことがありましたが、今回はCD2枚組でひとつのテーマで演奏しています。やはりバッハ作品ならではの完成度の高さと、チェロの奥深い響きで、残響具合やミキシングはECM独特かもしれないですが、素晴らしい作品に仕上がっているのではと思います。

2017/11/10

Yuuko Shiokawa/Andras Schiff/Bach/Busoni/Beethoven

2510
ECM New Series新譜の2日目。今日のアルバムはクラシックの巨匠の曲メインなので、けっこう聴く人も多いんじゃないかというアルバムです。ブゾーニは聴いたことがないんじゃないかと思いましたけど、けっこう前にやはりNew Seriesで3枚ブゾーニの曲を演奏しているアルバムを聴いていました。バッハとベートーベンから影響を受けているという事で、3つの曲の流れも心なしかスムーズに行っているようにも感じるし。このレーベル、現代音楽比率が高めなので、こういう普通にクラシックの演奏を聴く方が、本来これが普通なんでしょうけど、珍しいことのように感じます。なかなかいいですねえ。


Yuuko Shiokawa(Vln)/Andras Schiff(P)/Bach/Busoni/Beethoven(ECM New Series 2510)(輸入盤) - Recorded December 2016. - 1-4. Johann Sebastioan Bach: Sonata No.3 In E Major BWV1016 5-8. Ferruccio Busoni: Sonata No.2 In E Minor Op.36a 9-12. Ludwig Van Beethoven: Sonata No.10 In G Major Op.96

(17/11/08)バッハは18世紀ドイツの作曲家、ブゾーニは19-20世紀イタリア出身でドイツを中心に活躍した作曲家、ベートーベンは18-19世紀ドイツの作曲家。アンドラーシュ・シフと塩川悠子夫妻による有名な作曲家たちのソナタを1枚のアルバムにまとめたもの。ブゾーニはバッハとベートーベンから強い影響を受けているのだそう。ですので、この3曲の並びにも意味があるそうです。クラシックのアルバムとしてもいい。76分収録。

2017/11/09

Bruno Maderna/Luciano Berio/Now, And Then

2485
ECM New Seriesが3枚届いているので、他に割り込んでくるものがなければ、続けて聴いていきたいと思います。タイトルが「Now, And Then」ですもんね。現代音楽家2人による曲の演奏ですが、Bruno Madernaは現代音楽家でありながら昔の曲のトランスクリプションをやっている演奏で、しかも、当時の曲を使いながら、古楽やバロックではなくてクラシックのサウンド(聴きやすいですけど)になっているのは、当時の再現ではなくて、そういう背景を自分でアレンジしてしまう、というのがやはり現代音楽家らしいです。もう一人のLuciano Berioは現代音楽らしい作品ですが、ギターのPablo Marquezが引き立っています。


Bruno Maderna/Luciano Berio/Now, And Then(ECM New Series 2485)(輸入盤) - Recorded August 2015. Orchestra Della Svizzera Italiana. Dennis Russell Davis(Cond), Pablo Marquez(G on 6) - 1-4. Bruno Maderna Transcriptions Girolamo Frescobaldi: The Pezzi 5. Giovanni Legrenzi: 5. La Basadonna 6. Luciano Berio: Chemins V 7. Bruno Maderna Transcriptions Girolamo Frescobaldi: Canzone A Tre Cori 8-12. Tommaso Lodovico Da Viadana: Le Sinfonie 13-15: Unico Wilhelm Van Wassenaer Fformerly Attributed to GIovanni Battista Pergolesi: "Palestrina-Konzert"

(17/11/07)Bruno Madernaは20世紀のイタリアの現代音楽家ですが、ここでは16-18世紀頃の音楽をトランスクリプションしています。6曲目のLuciano Berioの曲以外は全部そうです。Luciano Berioもイタリアの20-21世紀の現代音楽家で20分にわたる6曲目はいかにも現代音楽という感じの曲。他のBruno Maderna編曲作品はクラシックらしく割と聴きやすいのですが、作曲当時の音や背景などは気にしないで編曲しているとか。

2017/11/08

The Legendary Live Tapes: 1978-1981/Weather Report

Weatherlegend
今、ちょっと中断していますけどウェザー・リポートのアルバムコメントの手直しをしています。そうしたらタイミング良く3日(24日の説もあり)にグループの24枚組廉価盤BOXセットが発売されたんですね。で。その中にこのアルバムがあって、BOXセットとどっちを買おうか迷いました。結局、こっちにしたわけなんですけど、’15年の発売当時、買うつもりはなかったのに、こういうタイミングで買ってしまった、というわけ。でも、この膨大なライヴ音源を聴いて、この偉大なグループのあり方というか、曲とインプロヴィゼーションについて、考え方を改め、大いに参考になりました。当時のアルバム曲もオンパレードだし。決まりごとは多くても、やっぱり自由度が高かったんですね。


The Legendary Live Tapes: 1978-1981/Weather Report(Sony Music)(輸入盤) - Recordeed 1978 - 1981. Joe Zawinul(Key), Wayne Shorter(Ts, Ss), Jaco Pastorius(B), Peter Erskine(Ds), Robert Thomas, Jr.(Hand Ds) - [CD1] The Quintet: 1980 + 1981: 1. 8:30 2. Sightseeing 3. Brown Street 4. The Orphan 5. Forlorn 6. Three Views Of A Secret 7. Badia/Boogie Woogie Waltz 8. Wayne Solo 8. Jaco Solo [Osaka 1980] [CD2] The Quartet: 1978: 1. Joe And Wayne Duet 2. Birdland 3. Peter's Solo 4. A Remark You Made 5. Continuum/River People 6. Gibraltar [CD3] The Quintet: 1980 + 1981: 1. Fast City 2. Madagascar 3. Night Passage 4. Dream Clock 5. Rockin' In Rhythm 6. Port Of Entry [CD4] The Quartet: 1978: 1. Elegant People 2. Scarlet Woman 3. Black Market 4. Jaco Solo 5. Teen Town 6. Peter's Drum Solo 7. Directions

(17/11/06)ピーター・アースキンとジョー・ザヴィヌルの息子のトニー・ザヴィヌルによる共同プロデュースで、’15年12月に発売されたアルバム。音源はライヴの時のカセットテープらしく、これがある程度いい音にリマスターされていて、ウェザー・リポートのファンにはたくさんの音源のいいプレゼントになったのでは。アドリブがないというグループの印象は、曲の核は決まっているけれど、メンバーはインプロヴィゼーションでその都度ライヴで違うフレーズを奏で、それで印象的にはその元曲と違わないイメージを持たせるという高度な技をやっているのが分かります。ここでは4枚のCDで曲は重なっていませんが、おそらくライヴごとに自由に演奏しつつ曲のイメージはほぼ同じだと思います。ソロもいくつかメンバーであるのがいい。

2017/11/07

3 For 3/Mike Moreno

1396
Criss Crossレーベルの新譜が届きました。10年前あたりは、毎年2月、5月、9月に各5枚ずつ出していたのが、その後1回あたりに出す枚数が減っていき、今回は出るのが10月になっていて、しかも1枚。このレーベル、フェードアウトしていかないかどうか心配になってきました。でも、出すものはいいものを出していて、今回のマイク・モレノも聴く人を満足させる内容になっているんではないかと思います。ギターは派手ではないけれど、おそらくやっていることはスゴいことだろうと予想できるし、フレーズも現代っぽさを織り交ぜつつ、繊細だし歌っていると思います。ギター・トリオですし、ギターが好きな人は聴くんじゃないかなあ。


3 For 3/Mike Moreno(G)(Criss Cross 1396)(輸入盤) - Recorded September 22, 2016. Doug Weiss(B), Kendrick Scott(Ds) - 1. The Big Push 2. For Those Who Do 3. You Must Believe In Spring 4. Clube Da Esquina No.1 5. April In Paris 6. A Time For Love 7. Perhaps 8. Glass Eyes

(17/11/05)スタンダードやジャズメン・オリジナル、ロック等の曲でオリジナルはなし。1曲目はウェイン・ショーター作、2曲目はマルグリュー・ミラー作、7曲目はチャーリー・パーカー作、8曲目はレディオ・ヘッドの曲と、1曲目から一筋縄ではいきません。これをギター・トリオで演奏してしまうのだから見事。ギターが派手ではないけど印象的だしスリリングで渋いです。やはり通好みのギタリストか。3曲目は優しいバラードで、彼の繊細さがよく分かる演奏です。それでいてたまに速いフレーズの場面もあるし。4曲目はジャズから少し距離を置き、聴きやすい。スタンダードなのに個性的な元気さを発揮する5曲目、やっぱり渋いという以外に言葉が見つからなくて困る6曲目。8曲目はギターは多重録音で、こういうところも現代人。

2017/11/06

Blue Maqams/Anouar Brahem

2580
ECMの新譜が届きました。New Seriesよりジャズの方を先に聴いておきたいという事で、まず1枚。ECMではもう8枚(かな?)息長くアルバムを出しているウード奏者のアヌアル・ブラヒムの新作。ベースとドラムスに有名なベテランを配すことで、期待は高まります。聴いてみたら、そのベテランたちは、ウードやその曲に合わせた演奏に徹しているのがECMらしくて良いなあ、と思いました。思ったより変拍子の曲が多くて、それも自然なやり取りで聴かせてしまうので、さらりとも聴けますけど、ズブズブとハマるような聴き方になることも。これをジャズと言っていいのか、という問題はあるにせよ、けっこう質の高い音楽だと思います。


Blue Maqams/Anouar Brahem(Oud)(ECM 2580)(輸入盤) - Recorded May 2017. Dave Holland(B), Jack DeJohnette(Ds), Django Bates(P) - 1. Opening Day 2. La Nuit 3. Blue Maqams 4. Bahia 5. La Passonate 6. Bom Dia Rio 7. Persepolis's Mirage 8. The Recovered Road To Al-Sham 10. Unexpected Outcome

(17/11/04)全曲アヌアル・ブラヒムの作曲。彼はチュニジアのウード奏者。曲は、構成上はピアノ・トリオにウードなのだけど、ジャズのイディオム的な演奏はほとんどなく、他のメンバーはウードに寄り添うように、哀愁のある、中東的なエスニックな味わいもある演奏をしています。変拍子も割と多めですが、ブラヒムのために演奏されている場面が77分続きます。それだけカットできる要素が少なかったという事か。ブラヒムの演奏に長時間寄り添っても、自然な感じで聴けるのは、周りのメンバーが素晴らしいウデを持っているからでしょう。曲的にはどの曲も割と印象が似てい入るのですが、そこに違いを見つけるのも楽しい。それがウード的な曲なのかもしれませんけど、実に繊細な楽器だと思います。ECM的なアルバムです。

2017/11/05

Distant Look/Paolo Di Sabatino Quartet

Paolodistant
今日のアルバムは新譜ではなくて、’13年の7月に出ていたんだけど、ジョン・アバークロンビーが亡くなったという事で、改めて買ってみようかと思い、注文しました。大手通販にはギターが全面参加と書いてあったのですが、実際に彼が弾いているのは半分の5曲なので、これでクァルテットをうたっていいのかな、とも思いますけど、それでももう聴けなくなった彼のギターの演奏を、出ている曲ではかなりフィーチャーされているので、結局買って良かったなあと思えるアルバムになりました。パオロ・ディ・サバティーノは澤野工房のアルバムで何枚か聴いてます。でも’10年以降はこのレーベル、ほとんど追っかけしてないので、今の演奏は分かりません。


Distant Look/Paolo Di Sabatino(P) Quartet(millesuoni S.R.L)(輸入盤) - Recorded March 2012. Luca Bulgarelli(B), John Abercrombie(G), Glauco Di Sabatino(Ds) - 1. Distant Look 2. On The Stairs 3. Suite 4. Waiting For A Snowy Night 5. Close Enough For Love 6. Odd Dance 7. Skylark 8. Tempus Fugit 9. Waltz For John A. 10. The Country Lane

(17/10/31)パオロ・ディ・サバティーノ作が7曲(1-4、6、9-10曲目)、バド・パウエル作が9曲目、他はスタンダード。基本はトリオで、ジョン・アバークロンビーが1-2、4、9-10曲目に加わっています。哀愁の漂うメロディアスさは、1曲目のタイトル曲にも出てますけど、澤野工房の一連の作品とも少し趣きが違っている感じ。ブルース進行でギターも堪能できるのがうれしい2曲目。ギターはそれでもマイペース。非4ビート系(8ビート)の割とヨーロッパ的な曲で、そのバランスはなかなかな3曲目、ボッサ的で浮遊感も盛り上がりもある4曲目、8分の7拍子の跳ねるようなリズムで、ピアノがグングンせまってくる6曲目、ギターが優しく奏で、盛り上がるワルツの9曲目、やはり哀愁路線で4ビート基調がなかなかいい10曲目。

2017/11/04

Another Time/Bill Evans

Billanother
ビル・エヴァンスのこのアルバム、8月25日に出ていたのですが、当時あまり注目してなくて、やっと注文してみようという気になりました。音を聴いたら、当時のライヴ録音にしてはけっこういいし、演奏もいいではありませんか。昨年出た「Some Other Time」というスタジオ録音から2日後のライヴ。エヴァンスにしてみればいつもと同じような演奏かもしれませんが、彼のピアノだなあ、というのが最初から伝わってくるし、ジャズだから演奏場所によっても、ソロの内容が変わってくるので、結局追っかけになってしまうという事が多いんですよね。私は公式盤以外は途中で半分あきらめてますけど。でも買って損はないアルバムでした。


Another Time/Bill Evans(P)(Resonance Records)(輸入盤) - Recorded June 22, 1968. Eddie Gomez(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. You're Gonna Hear From Me 2. Very Early 3. Who Can I Turn To? 4. Alfie 5. Embraceable You 6. Emily 7. Nardis 8. Turn Out The Stars 9. Five

(17/10/31)このメンバーでの3枚目の録音で、ライヴ演奏で47分の収録。ビル・エヴァンス作は3曲(2、8-9曲目)だけど、おなじみの曲が並んでいて、エヴァンスの音になっているので、そういう事はどうでもいいのかも。1曲目の導入部からその世界に引き込まれます。ドラムスがジャック・ディジョネットの音源が当初1枚の公式アルバムだけだったのが、これで3枚目になったとは言っても、当時のミキシングはドラムスはちょっと控えめなので、あまり目立たないです。ただ、8曲目に少し長いドラム・ソロあり。エヴァンスの音源はなんでも聴いてみたいという人は多いと思うので、そのために買う価値のある演奏だとは思います。ライヴとしても当時としては音質はけっこういい方ですし。話題になるだけのことはあるアルバム。

2017/11/03

Bad Hombre/Antonio Sanchez

Antoniobad
アントニオ・サンチェスの新譜です。8月ごろから大手通販で予約していたのだけれど、遅れ、そのついでに番号が変わったとかで注文のし直し、というややこしい手続きをとりました。もう少し柔軟に対応してくれたらいいのに。さて、このアルバム、聴きましたけど、ジャンル的にはロックでもいいのかな、とも思います。まあ、ドラムス自体はインプロヴィゼーション度が強いのですけれども。そこに多重録音で、キーボードやエレクトロニクスをのせて、とそちらは素人かもしれませんが、演奏にはうまくハマっている感じではあります。こういうジャンルもありますし。でも聴く人を選ぶだろうなあ、と思う、ジャズから見るとけっこう特殊なアルバムではありますね。


Bad Hombre/Antonio Sanchez(Ds, Key, Electronics, Voice)(Cam Jazz)(輸入盤) - Recorded 2016? - 1. Bad Hombre Intro 2. Bad Hombre 3. Fire Trail 4. Distant Glow 5. BBO 6. Momentum 7. Home 8. The Crossing 9. Nine Lives 10. Antisocial

(17/10/30)作曲、アレンジ、プロデュース、演奏をすべてアントニオ・サンチェスが行ったアルバム。ドラムスという点では相変わらずスゴいことになってます。時に変拍子を叩きながらスーパーテクもあってグングンと進んでいる感じ。ドラムスだけで、これは、と思わせるものはさすが。キーボード(シンセサイザー)、エレクトロニクス、ヴォイスもあって、これらまで自分で多重録音して、アヴァン系のロックかなと思わせる切り口も面白いかも。昔はこういうサウンドも聴いていましたね。このエネルギーは何だろう。緩急をつけてドラマチックな演出もあります。ただ、万人受けするかというと微妙。こっち方面のサウンドが好きな人、サンチェスのドラムスがけっこう好きで追っかけしたいという人向けか。かなり聴く人を選ぶと思います。

2017/11/02

Formidable/Pat Martino

Patformi
新譜が届いてきているので、またしばらく新譜を聴いていこうと思います。久しぶりのパット・マルティーノで、2管のホーン入り。今回は発売されてから気が付きました。ジャズとしてはオーソドックスな方に入ると思うのですが、世間に彼ほど上手いギタリストって、なかなかいないなあ、と思います。歌う曲はしっかりと歌い、テクニックでも16ぐ音符の速射砲を持ってますしね、しかも、それをメロディアスに弾いていく。このアルバムもたっぷりと71分楽しめるので、聴いてみても損はないと思います。オルガンジャズ、私はあまり聴かないですけど、こういうオルガンジャズだといいですねえ。


Formidable/Pat Martino(G)(High Note)(輸入盤) - Recorded April 17-19, 2017. Pat Bianchi(Org), Carmen Intorre, Jr.(Ds), Adam Niewood(Ts on 1-3, 5, 7, 9), Alex Norris(Tp, Flh on 1-3, 5, 7, 9) - 1. El Nino 2. Hipsippy Blues 3. Homage 4. Duke Ellington's Sound Of Love 5. El Homble 6. In Your Own Sweet Way 7. Nightwings 8. In A Sentimental Mood 9. On The Stairs

(17/10/29)ジョーイ・カルデラッツォ作の1曲目から、ジャズメン・オリジナルやスタンダートがズラリと並びます。特に5、7、9曲目はアストル・ピアソラ作が3曲も。相変わらずのマイペースで、バラードだけではなくて、ある程度のテンポの良い曲でもギターが歌ってますね。昔ほどではないにしても、16分音符の速射砲的なフレーズもところどころに出てきます。今回は2管のホーンを曲によって入れたことで、ややリラックスして聴けるし、それでいて決して軟弱になっていないのがいいところ。ホーンなしの曲はバラードかミディアムの4ビートで、ここでは歌うギターを楽しめます。それにしてもパット・マルティーノはオルガンとの相性が良いようで、こういう編成のアルバムで71分続いても、感動することはあっても、まず飽きません。

2017/11/01

Weather Report/Wether Report

Weatherweather
ウェザーリポートの12日目。何とファーストアルバムと同じアルバムタイトルなんだからややこしい。こちらの方も、いわゆる黄金期のメンバーのラスト作という事で、こういうタイトルになったのかもしれないです。だいたい同年代のファンは、ここまでのアルバムを重要視している方が多いようですけど、この後、ヴィクター・ベイリー(B)、オマー・ハキム(Ds)になったグループも個人的には好きなんです。ここまでのアルバムを聴いて、ジャコ・パストリアスはどこまで行ってしまうんだろうと当時思ってましたが、その後演奏面では失速、そして事故で’87年に亡くなってしまいます。何とも天才肌の人ではありました。


Weather Report/Wether Report(Sony) - Recorded 1981. Joe Zawinul(Key, Per), Wayne Shorter(Ts, Ss), Jaco Pastorius(B, Per, Vo), Peter Erskine(Ds), Robert Thomas, Jr.(Hand Ds) - 1. Volcano For The Hire 2. Current Affairs 3. N.Y.C. Part1 41st Parallel Part2 The Dance Part3 Crazy About Jazz 4. Dara Factor One 5. When It Was Now 6. Speechless 7. Dara Factor Two

ラストはメンバーのインプロヴィゼーション、5曲目がウェイン・ショーター作、他は全曲ジョー・ザヴィヌル作。シンプルな感じと複雑な感じのサウンドが同居した、ウエザー・リポートの黄金期のメンバーが解体する寸前のアルバム。印象深いメロディーも数曲で聴かれます。とにかくリズムが前面に出ている、フレーズの速い1曲目、牧歌的かつ、浮遊感のあるバラードの2曲目、組曲でファンクあり、ヴォーカルあり、ソロあり、4ビートありと曲調にも変化に富んでいる3曲目、タイトなリズムの上を他の3人が気ままなフレーズで動く構図の4曲目、はっきりとした4拍子の上をそれぞれが無機的というか自由に奏でていく5曲目、ミステリアスな雰囲気の美しいバラードの6曲目、4曲目をさらに全員でインプロヴァイズした感じの7曲目。

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