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2011/09/30

ラテン・ジャズ・クインテット・ウィズ・エリック・ドルフィー

Latinjazzq
今回買ったEMIの999円シリーズ5枚のうち、これだけが国内初CD化ではないです。輸入盤では’90年代には出ていたし、国内盤も数年前に紙ジャケで出ていたけど、インディペンデント・レーベルからの発売だったようで、雑誌等には、おそらく掲載されていなくて買い逃していたのでしょう。’50-60年代のジャズ・ジャイアンツの追っかけをしていたのは、’90年代ごろまでだったので、私はその頃は国内盤中心に買っていて、輸入盤を探せばまだ参加作などは発見できるでしょうが、興味は今のジャズに移ってしまったので、それほど熱心でもなく。でも、エリック・ドルフィーの参加作となると、聴いてみたくなってしまいますね。


ラテン・ジャズ・クインテット・ウィズ・エリック・ドルフィー(As、Fl、Bcl)(Liberty)
The Latin Jazz Quintet(Liberty) - Recored 1960-1961. Eric Dolphy(As, Fl, Bcl), Felipe Diaz(Vib, Leader), Arthur Kenkins(P), Bobby Rodriguez(B), Tommy Lopez(Conga Ds), Louie Ramirez(Timbales) - 1. You Are The Cutest One 2. Speak Low 3. I Got Rhythm 4. Night In Tunigia 5. Cha Cha King 6. I Wish I Were In Love Again 7. You Don't Know What Love Is 8. Lover 9. Mangolina 10. April Rain

エリック・ドルフィーは6-7曲目以外に参加。フェリペ・ディアス作は10曲目で、スタンダードが2-4、6-8曲目、ラテンが1、5、9曲目ではないかと思われます。人数的にラテン・ジャズ・クインテットにエリック・ドルフィーが客演している感じですが、のどかなラテン音楽の中を、泳ぎ回るドルフィーのフレーズはやはり強烈で、彼の演奏だということをまざまざと見せつけてくれます。他のメンバーを見ても、ジャズのスタンダードを演奏してはいるけれども本業はラテンの人たちなのでしょう。こういうラテンの方からのジャズ・スタンダードもなかなか面白いと思います。また、ヴァイブラホン、ピアノ、ベース、コンガ、ティンバレスの楽器編成もなかなか陽気にさせてくれます。ドルフィーの追っかけなら聴いてみる価値はあるのではと思います。(11年9月21日発売)

2011/09/29

モンゴメリー・ランド/ウェス・モンゴメリー

Wesland
こういうアルバムが国内盤で初CD化というのが、ちょっと信じられないです。彼の初期の頃のアルバムとはいえ、もうだいぶ彼の演奏ができあがっているので、けっこう素晴らしいと思いました。だいたい今頃になって出て来るCDは権利関係がややこしいか、こういうマニアックなのもありますよ、ってものが多いので。モンゴメリー・ブラザースとしてパシフィック・ジャズの2枚目とのことですが、こうなってくると1枚目も聴いてみたくなってしまいますね。リヴァーサイドに移ってからのアルバムが、ブレイクするのも当然でしょう。(発売当時にブレイクしたのか、後年ブレイクしたのかはちょっと調べてませんけど。)なかなか良かったでした。


モンゴメリー・ランド/ウェス・モンゴメリー(G)(Pacific Jazz)
Montgomeryland/Wes Montgomery(G)(Pacific Jass) - Recorded April 18, 1958 and October 1, 1959. Pony Poindexter(As on 1-4), Harold Land(Ts on 5-11), Buddy Montgomery(P), Monk Montgomery(B), Tony Bazley(Ds on 5-11), Louis Hayes(Ds on 1-4) - 1. Monk's Shop 2. Summertime 3. Falling In Love With Love 4. Renie 5. Far Wes 6. Leila 7. Old Folks 8. Wes' Tune 9. Hymen For Carl 10. Montgomeryland Funk 11. Stomin' At The Savoy

ウェス・モンゴメリー作が1、4-6、8、10曲目で、他はスタンダード。9-11曲目は別アルバムに収録されていたものを今回持ってきたもの。ウェスのアルバムとしてはパシフィック・ジャズでの2枚目となります。いちおうモンゴメリー・ブラザースの名義だったようだけど、彼の作曲が多いので、実質彼のリーダー作か。1曲目の冒頭から、当時としてはけっこう速いフレーズがバシバシ出てきて、なかなか興奮させられますが、3曲目のようなややスローな曲でも歌心満載のギターのフレーズがなかなかいいです。オクターヴ奏法の割合は低いものの、この時点で彼のギターはかなり完成されたものになっています。4曲目と5曲目からと2つのセッションに分かれてますが、ちょっと雰囲気が変わったかな、というのはあっても流れは自然です。(11年9月21日発売)

2011/09/28

スティット・ゴーズ・ラテン/ソニー・スティット〜チック・コリア

Sonnylatin
チック・コリアは、ライナーを読むと’62年あたりからラテンのバンドに参加していたようですが、リーダー作、参加作含めて、国内盤CDではおそらくこのアルバムが一番早い記録では。LPや輸入盤などまであたっていないので、そこまで広げるとどうか分かりませんけれども。また、このあたりの時代のラテンは、いわゆるラテン・ミュージックと言われていたジャンルのリズムがそのままこちらでも使われている感じで、ジャズ的なサンバで急速調のノリ、というのはもっとあとの時代になってからのようです。なので、どことなく懐かしいサウンドなのですが、これはこれでアリかと思います。ただ、これが名盤かと言われると、ちょっと困ってしまいますが。


スティット・ゴーズ・ラテン/ソニー・スティット(As、Ts)〜チック・コリア(P)(Roost)
Stitt Goes Latin/Sonny Stitt(As, Ts)(Roost) - Recorded November 6, 1963. Thad Jones(Tp), Chick Corea(P), Larry Gales(B), Willie Bobo(Ds), Carlos "Patato" Valdes(Conga, Bongos), Osvaldo "Chihuahua" Martinez(Per) - 1. Are You Listening 2. Amigos 3. My Little Red Suede Shoes 4. Ritmo Bobo 5. I Told You So 6. Chic 7. Senor Jones 8. Autumn Leaves

ソニー・スティット作が1-2、4-7曲目、チャーリー・パーカー作の3曲目、有名なスタンダードの8曲目。チック・コリアの参加作としては早い時期のアルバム。ラテンといってもサンバ的ではなくて、以前からのラテンにコンガやボンゴなどのサウンドの味付けがされたものが多いです。8ビートでラテン・パーカッションが彩りを添える1曲目、軽快で8ビートの、これぞラテンというようなリズムの2曲目、パーカー作もやっぱり軽快なサウンドでせまってくる3曲目、ややアップテンポでいちばんラテンノリしている元気な4曲目、ややマイナーな8ビートミディアムの5曲目、再びカラッと太陽を浴びているようなサウンドになる6曲目、シンコペーションのリズムが心地良いやはり明るい7曲目、この曲もラテンのリズムだけれど、心地良い8曲目。(11年9月21日発売)

2011/09/27

ザ・ジャズ・ソウル・オブ・ポギー&ベス/ビル・ポッツ・ビッグ・バンド~ビル・エヴァンス〜ズート・シムズ

Billpottsjazzsoul
最近は’50-60年代までさかのぼることは珍しいのですが、どうしてもビル・エヴァンス、エリック・ドルフィーなどのサイド参加作は、公式盤は今でも追いかけてしまいます。EMIの999円シリーズ第4弾で、聴きたいものが5枚出てきてしまったので、つい買ってしまいました。ここではビル・エヴァンス買いなのですが、他にも有名どころがゾロゾロいて、懐かしいですね。ただ、今は頭が新譜追っかけになってしまっているので、こういうのもいいなあ、とは思っても、かなり感動した、というところまではなかなかいきませんけれども。ただ、昔は’30-50年代のビッグ・バンド・ジャズ(いわゆるスイング・ジャズですね)も聴いていた身としては、けっこういいです。


ザ・ジャズ・ソウル・オブ・ポギー&ベス/ビル・ポッツ・ビッグ・バンド~ビル・エヴァンス(P)〜ズート・シムズ(Ts)(Liberty)
The Jazz Soul Of Porgy & Bess(Liberty) - Recorded January 13-15, 1959. Art Farmer(Tp), Harry "Sweets " Edison(Tp), Bernie Glow(Tp), Marty Markowitz(Tp), Charlie Shavers(Tp), Bob Brookmeyer(V-Tb), Frank Rehak(Tb), Jimmy Cleveland(Tb), Earl Swope(Tb), Rod Levitt(Tb), Gene Quill(As), Phil Woods(As), Zoot Sims(Ts), Al Cohn(Ts), Sol Schlinger(Bs), Bill Evans(P), Herbie Powell(G), George Duvivier(B), Charlie Persip(Ds), Bill Potts(Arr, Cond) - 1. Summertime 2. A Woman Is Sometime Thing 3. My Mn's Gone Now 4. It Takes A Long Pull To Get There 5. I Got Plenty O'Nuttin' 6. Bess, You Is My Woman 7. It Ain't Necessaryily So 8. Medley: Minor Themes - Prayer - Strawberries - Honey Man And Crab Man 9. I Love You Porgy 10. Clara, Clara 11. There's A Boat Dat's Leavin' Soon For New York 12. Oh Bess, Oh Where's My Bess 13. Oh Lawd, I'm On My Way

ジョージ・ガーシュイン作の「ポギーとベス」をビル・ポッツがアレンジしたもので、’59年録音ということもあってか、有名どころのミュージシャンの名前がゾロゾロと出てきます。アレンジは当時のビッグ・バンド・ジャズでは、原曲からするとけっこう洗練されていて、また当時のビッグバンドらしくゴージャスな感じもあって、そこにソロが挟み込まれているメロディアスな雰囲気です。もっとドロドロしてもいいのかな、とは思いますが、これもまた当時のジャズ。ビッグ・バンドなのでビル・エヴァンス度は高くないですけど、それでもソロをとる場面が何か所かあります。彼だけではなくて、いろいろな有名無名のミュージシャンのソロのクレジットも小さい字ですけれど曲ごとに書かれてあって、それを見ながらソロを聴くのも楽しい。国内初CD化です。(11年9月21日発売)

2011/09/24

Navidad De Los Andes/Dino Saluzzi/Anja Lechner/Felix Saluzzi

2204
ECMの新譜。ただ、New Seriesではないからジャズの範疇に入れただけで、インプロヴィゼーションはあるのだろうけれども、聴いた感じ、乾いたタンゴとクラシックの間のボーダーレスな世界です。ディノ・サルーシとAnja Lechnerが共演するアルバムは過去にもあって(その時はデュオ)、はじめての経験ではないけれど、そのサウンドにはとりこになってしまいます(あくまでも個人的感想ですが)。ベースとか他のリズム楽器がない中での、にじみ出て来るようなうっすらとしたタンゴの味わいというのも、なかなかいいもんです。ちょうど前作の録音時の様子はDVDのドキュメンタリー(Sounds And Silence/Travels With Manfred Eicher(DVD))でも観ることができます。


Navidad De Los Andes/Dino Saluzzi(Bandoneon)/Anja Lechner(Cello)/Felix Saluzzi(Ts, Cl)(ECM 2204)(輸入盤) - Recorded July 2010. - 1. Flor De Tuna 2. Sucesos 3. Fragments 4. Son Qo'nati 5. Requerdos De Bohemia 6. Gabriel Kondor 7. El Vals De Nostros 8. Candor/Soledad 9. Variacions Sobre Una Melodia Popular De Jose L. Padula 10. Ronda De Ninos En La Montana 11. Otono

(11/09/23)題は「アンデスのクリスマス」。全11曲中、5曲目以外はディノ・サルーシの作曲ないしは共作です。インプロヴィゼーションはあるのだろうけれど、いわゆるジャズ度はなく、乾いた静かな南米のアルゼンチンの音楽とクラシックの融合のサウンドで、こんな落ちついた世界があったのか、と気付かせてくれています。リズム楽器がないので、タンゴ色も希薄だし、やはり内側を向いていて、思索的な雰囲気です。時々彼らならではの盛り上がりはありますが、クラシック的というか現代音楽的というか、そんな感じ。その中では4、8曲目がタンゴ的に割とストレートにサウンドを表出させています。5曲目は他人の曲(’35年作曲のタンゴ)をディノ・サルーシがアレンジしたものだけど、タンゴとクラシックの間のボーダーレスな世界。

2011/09/23

未聴盤が2年5カ月ぶりに片付く

以前にも同じようなことを書いた記憶がありますが、最初に未聴CDがたまりはじめたのが’03年の4月のことでした。その時は、CD制作の関連会社で、制作とは関係ないですが仕事を請け負うことになり、行くたびにサンプル盤はじめ、CDをたくさんもらったことがはじまりです。最初のうちは、律義に全部聴いていたのだけれども、そのうちパンクしてしまい、自分と指向性の合ったものだけを聴くようになりました。それに追い打ちをかけるように、某CDショップにCriss Cross盤の取り置きをお願いして、毎月10枚ずつ送ってもらっていたのが、ちょっとお店で持ちきれないということで、35枚だったかな?いっぺんにラストを送ってもらっています。やはり100枚以上たまってしまいました。その当時は毎日ブログ更新をしていたのだけれど、それが片付いたのが’07年の4月のことでした。ここでも片付くまでに4年かかっています。

そして昨日アップしたCDで、’09年の知り合いのCDショップ閉店セール(4-7月)でまとめて購入したCDを聴き終えました。新譜優先だったのと、もうこの時はブログの毎日更新のペースではなかったので、2年5カ月かかってしまいました。100枚以上(すでに何枚買い込んだかの記録が残ってないです)買い込んでしまって、結局小曽根真トリオや日野皓正その他一部のアルバムは未開封のまま処分してしまったので、反省点も多いです。ただ、割引価格(2-5割引き)で買ったものなので、極端な損はしませんでしたけれど。

どんなに多くのCDが届いても、ジャズ/フュージョンのCDは基本的には聴いたCDを全部アップする、という方針のため、それがけっこうキツかったです。例外的に、いただきものCDなどで、アップしないと決めたものはごく一部だったですが、何十枚あっても聴き流して終わりなので、かなり楽でした。基本的に「全部ブログにアップ」の方針があったので、今回も2年5カ月の間、心の隅に負担を感じつつの作業でした。それから解放されて、正直ホッとしています。

もう金銭的な余裕や、聴く頻度からして、今後はそんなにまとめて買い込むことはないと思いますが、逆に、今は次が届くまで1枚しかないので、やっぱり過去盤のコメント手直し聴きもやろうかなと思っています。

2011/09/22

テンテッツ/フランコ・アンブロゼッティ

Francotentets
このアルバムで’09年に購入した閉店セールのアルバムはやっと終了しました。割引値段につられて確か100枚以上購入してしまい、聴ききれないと思った1部は未開封のまま処分したものもあったし、新譜を優先的に聴いていたこともあってなかなか更新頻度を上げるわけにもいかず、結局残ったCDは2年5ヶ月かかって聴き終えました。そのラストを飾るEnja紙ジャケですが、好きなミュージシャンがけっこういて、マイケル・ブレッカーとルー・ソロフとスティーヴ・コールマンの3人が揃うなんてここしかないんじゃないでしょうか。デイヴ・ホランドとダニエル・ユメールのコンビも強力ですし。’09年購入のCDの最後を飾るにふさわしいアルバムとなりました。


テンテッツ/フランコ・アンブロゼッティ(Flh)(Enja)
Tentets/Franco Ambrosetti(Flh)(Enja) - Recorded March 13 and 14, 1985. Mike Brecker(Ts), Lew Soloff(Tp), Mike Mossman(Tp), Steve Coleman(As), Howard Johnson(Bs, Tuba), Alex Brofsky(French Horn), Tommy Flanagan(P), Dave Holland(B), Daniel Humair(Ds) - 1. Yes Or No 2. Rio Morena, Allegro Con Brio 3. Autumn Leaves 4. Ten And Eleven 5. Ode To A Princess 6. Uptown Ed [Bonus Track]

フランコ・アンブロゼッティ作が2、4曲目、1曲目はウェインショーター作、3曲目はスタンダード、5曲目はジョルジュ・グルンツ作、6曲目はマイケル・ブレッカー作。興味深いメンバーの10人編成です。アップテンポの4ビートでなかなかのホーンアレンジとソロで聴かせてくれる1曲目、明るいサウンドを聴くことができるアップテンポでノリの良いサンバ(自由度の高い4ビートもあり)の2曲目、超有名な「枯葉」を少し意表のついたアレンジとアップテンポでややアグレッシヴに展開していく、これはこれで面白い3曲目、少し凝った明るめなビッグバンド・サウンドのようなテーマとアレンジでややアップテンポの4曲目、ややゴージャスな雰囲気もあるしっとりとしたバラードの5曲目、アップテンポでスリリングなソロが4ビートで展開する6曲目。(08年9月27日発売)

2011/09/21

ウィングス/フランコ・アンブロゼッティ

Francowings
マイケル・ブレッカー買い。’80年代前半は、マイケルはフュージョン畑の仕事が多く、ジャズの割合は少なかったでした。そんな中で、このアルバムは当時の彼の4ビートジャズ(4ビートばかりではありませんけど)を聴きたい気分を満足させてくれるものです。リーダーももちろんいいし、ジョン・クラークのフレンチ・ホルンは超人技ですし、アンサンブルもいい。このアルバム、のちに、このアルバム全曲と次に紹介する「テンテッツ」(’85年)の一部の曲ととカップリングで「ジン・アンド・ペンタトニック」というアルバムとして再発されていて、ややこしいことになっています。私はうっかり両方買ってしまいました(笑)。一部ダブり買いってやつですか(笑)。


ウィングス/フランコ・アンブロゼッティ(Tp、Flh)(Enja)
Wings/Franco Ambrosetti(Tp, Flh)(Enja) - Recorded December 1 and 2, 1983. Mike Brecker(Ts), John Clark(French Horn), Kenny Kirkland(P), Buster Williams(B), Daniel Humair(Ds) - 1. Miss, Your Quelque Shows 2. Gin And Pentatonic 3. Atisiul 4. More Wings For Wheelers

1-2曲目がフランコ・アンブロゼッティ作、3曲目は彼の父Flavio Ambrosetti作、4曲目がジョルジュ・グルンツ作。今は亡きマイケル・ブレッカーやケニー・カークランドの演奏も堪能でき、メンバーの人選がいいアルバム。フレンチ・ホルンを加えた変則3管のセクステットで、メカニカルな雰囲気のテーマの曲が目立ちます。アップテンポの4ビートで各メンバーのソロもバリバリと進んでいく、カッコいいジャズを演奏する1曲目、割と作り込まれた感のあるテーマとその後のアドリブが印象的な、少しアップテンポの13分にも及ぶ2曲目、サックスとピアノのバラードではじまり、途中から一気にアップテンポの4ビートで展開して、時に静かな場面もある14分台の3曲目、6人なのにオーケストラのようにも聴こえるなだらかなバラードの4曲目。(08年9月27日発売)

2011/09/20

ベース・イズ/ピーター・ウォーレン

Peterbassis
このアルバム、それまでのEnja紙ジャケを出していたWard RecordsではなくてIsol Discus Organizationからの発売です。しかもSHM-CDで値段が3千円。再発ものでこれだけの金額出せるかとなると、ちょっとキビシイ。自分は閉店セールで2割引きで買ったからいいものの。また、スイングジャーナルにはレビューが掲載されていなかったと思いました。それで閉店セールで現物を発見し、確認して購入しました。チック・コリアとデイヴ・ホランドにつられたのですが、当時の彼らはフリーのまっただ中。さらに曲によっては複数のベースやドラムスが同時に演奏するので、けっこう聴く人を選ぶアルバムかもしれません。


ベース・イズ/ピーター・ウォーレン(B)(Enja)
Bass Is/Peter Warren(B)(Enja) - Recorded May 25, 1970. John Surman(Bs), Chick Corea(P), Dave Holland(B), Jaime Faunt(B), Glen Moore(B), Peter Warren(B), Barry Altschul(Tabla, Ds), Steve Hauss(Ds), Stu Martin(Ds) - 1. Bass Is 2. Interlude 3. Subra Har 4. Welcome To New York 5. Instrumental No.2

曲ごとに異なるメンバーのセッションで、1曲目がベーシスト4人の曲、2曲目がピーター・ウォーレンのソロ、3曲目は複数のベースにバリー・アルトシュルのタブラとの演奏、4-5曲目はベースとドラムスが複数でそこにジョン・サーマンとチック・コリアが加わる編成。ほぼインプロヴィゼーションと言ってもいいかも。特にベース4人のみの1曲目は斬新だし、当時としてはなかなかの、構築も少しある抑制の効いたフリー。3曲目もベース色は高く、前半は管もピアノも出てこないので、そういう意味ではかなり特徴的なアルバムかも。4-5曲目は静かな場面からフリー・ジャズとして盛り上がるところまでダイナミクスが広く、聴いているとドラマチックにも思える進行。やはりベースとドラムスを複数にする試みが成功しているのだと思います。(08年9月27日発売)

2011/09/19

ハート・バップ/フランコ・アンブロゼッティ

Francoheart
Enja紙ジャケ旧譜聴き3日目。フランコ・アンブロゼッティのEnja盤はこの紙ジャケシリーズでけっこう買いましたけど、たいていが参加ミュージシャン買いでした。このアルバムに関しては、ホームページで特集をやっているミュージシャンは参加していないんだけど、何枚も(編集盤を除き6枚)買ったのでこれも、という感じだったと思います。もう2年以上も前のことなので、記憶が薄れかけていますけど。でもフィル・ウッズその他、皆いい仕事をしているなあと思います。「ハート・バップ」はハード・バップにかけているのかな、とも思ってみたりしましたけど、バップというよりは当時の現代ジャズ色が強い感じでした。でも、とりあえずでもこのアルバム、聴く機会があってよかったです。


ハート・バップ/フランコ・アンブロゼッティ(Flh)(Enja)
Heart Bop/Franco Ambrosetti(Flh)(Enja) - Recorded February 10 and 11, 1981. Phil Woods(Cl, As), Hal Galper(P), Mike Richmond(B), Billy Hart(Ds) - 1. Triple Play 2. Fairy Boat To Rio 3. Heart Bop 4. A Flat Minor 5. My Funny Valentine

2-4曲目がフランコ・アンブロゼッティ作で、しかもジョルジュ・グルンツのアレンジ(割と凝ってます)、1曲目がハル・ギャルパー作、5曲目がスタンダード。メンバーがメンバーだし、やはり’80年代の(当時の)現代ジャズしているサウンドです。8分の6と4分の4の複合拍子のような場面も交えながら、シャッフル的にもなったりと、硬派でモーダルなサウンドを展開している1曲目、ちょっと綾織り系のアンサンブルのやや明るいサウンドでミディアムの4ビート(途中倍速あり)が心地良い2曲目、ややアップテンポの4ビートで、これぞ彼らのジャズという感じのタイトル曲が進行していく3曲目、8分の6拍子でちょっと明るめの浮遊感を伴ないつつ進むクラリネットもいい4曲目、超有名曲を2ホーンの印象的な絡みの演奏で表現している5曲目。(08年1月23日発売)

2011/09/18

オールド・ボトルズ-ニュー・ワイン/レイ・アンダーソン

Rayoldbottles
Enjaの旧譜紙ジャケ聴き続き。今でこそ、トロンボーンの超絶技巧のミュージシャンは何人か上がりますが、’80年代当時のレイ・アンダーソンはスゴかった。ここでもスゴいですけれども。速いパッセージをバリバリ吹くのと、ちょっとヨレたようなメロディの進行のさせ方が強い個性になっていて、ブラインドをやってもけっこう彼のトロンボーン、あてられるんじゃないかな、と思います。他にもEnjaで出ていたアルバムがどこかにあると思いましたが、たぶん、これを買うきっかけになったのは、そのトロンボーンをまた聴いてみたい、と思ったからじゃないかと。バックのメンバーもスゴいですしね。ちょっとクセはありますけど、いいアルバムです。


オールド・ボトルズ-ニュー・ワイン/レイ・アンダーソン(Tb、Vo)(Enja)
Old Bottles-New Wine/Ray Anderson(Tb, Vo)(Enja) - Recorded June 14 and 15, 1985. Kenny Barron(P), Cecil McBee(B), Dannie Richmond(Ds) - 1. Love Me Or Leave Me 2. Bohemia After Dark 3. La Rosita 4. Ow! 5. In A Mellow Tone 6. Laird Baird 7. Wine

オリジナルはなく、スタンダードやジャズメン・オリジナルなど、古い曲にスポットを当てていて、タイトル的には「古い入れ物と新しい中身」という感じか。割とおなじみの曲が多いですが、当時にしては超絶的な速いパッセージと幅広い表現力で吹きまくっています。トロンボーンでブロウしまくっている部分もあって、当時としてはやはり超絶テクニック。アップテンポからバラードまで何でもござれの実力はスゴいですね。バラードではただメロディをなぞるだけではなくて、味のある吹き方をしていますし。端正に音階をたどるのは少なくて、ルーズな音階移動が特徴か。ブラインドで分かるほどの吹き方の個性があります。サポートしているバックのピアノ・トリオも実力者たちばかりで、それぞれ盛り立ててます。7曲目のヴォーカルもなかなか。(08年1月23日発売)

2011/09/17

スポンティニアス/アルバート・マンゲルスドルフ・ミーツ・マサヒコ・サトー

Albertspon
またEnja紙ジャケ旧譜に戻りたいと思います。’71年の録音のフリージャズ。現代のフリー・インプロヴィゼーションと違って、当時はメチャクチャと紙一重のものもあったりして、それが淘汰されていって聴くべきフリーが残っているという感じだと思うのですが、このアルバムはいい感じで進行して、絡み合っています。この年代で海外のミュージシャンと対等にフリーで渡り合っている佐藤允彦もスゴいですし。当時としてはかなり先端を行っていたのでは。ただ、曲ごとの差というのは、やはり分かりづらい面も持っているかな、とも思います。しかし、こういう盤まで紙ジャケ化したのは、’07年当時の日本はまだまだマニアックだった、ということでしょうね。今みたいに国内盤CDの売り上げが下がってくると、企画が通らないかも。


スポンティニアス/アルバート・マンゲルスドルフ(Tb)・ミーツ・マサヒコ・サトー(P、Modulator)(Enja)
Spontaneous/Albert Mangelsdorff(Tb)(Enja) - Recorded November 1971. Masahiko Sato(P, Modulator), Peter Warren(B), Allen Blairman(Ds) - 1. Voices, Noises, Lungs'N'tongues Strings And Things 2. Roots To Moods 3. Ludwig Van Watches 4. Cosmopolitans 5. Almapela[Bonus Track]

4曲をそれぞれのメンバーが作曲していて、1曲目がアルバート・マンゲルスドルフ、2曲目がアレン・ブレアマン、3曲目がピーター・ウォーレン、4曲目が佐藤允彦作。5曲目はボーナストラックで4人のフリー・インプロヴィゼーション。ただ、差はあまり分かりませんが、自由度は高いながらもアップテンポの4ビートから叙情的なバラードを経由してギンギンのフリーになる1曲目、1曲目とは途切れているけれどもその引き続きで、ある程度の秩序とドラマ性を保ちつつフリージャズが続いていく2曲目、ドラムスのプッシュとワンコード的な進行でスリリングなソロが展開する3曲目、静かな展開で徐々にふつふつとソロがわき上がって盛り上がる4曲目、即興演奏の割には他の曲とあまり変わらないで、むしろ統制がとれているような5曲目。(07年8月22日発売)

2011/09/15

Reminiscence/山中千尋

Yamanakaremini
このアルバム、3種類(DVD付きCD、CD、SACD)出ています。それぞれにジャケット写真を変えて、これじゃあJ-POP商法じゃないの、と思います。J-POPなら3種類全部あえて買う人もあるだろうけど、こういう商法をやっていたんじゃ、マーケットの狭いジャズのことだもの、ダメですよね。ただ、演奏の内容はけっこう良くて、彼女のピアノの印象もいいし、その時々のハジケぶりもけっこうインパクトがあります。ちょっと異論があるとすれば、Featuringで出ている2人が何で10曲中2曲しか出てないの?とか、説明書きを読まないとラストの曲の編集部分がいったい何事か、と思ってしまったりはしましたが。まあ、演奏がいいので。


Reminiscence/山中千尋(P、Key、Org)(Verve)
Reminiscence/Chihiro Yamanaka(P, Key, Org)(Verve) - Recorded June 27, 2011. Larry Grenadier(B on 6, 8), Bernard "Pretty" Purdie(Ds on 6, 8), Yoshi Waki(B on 1-5, 7, 9-10), John Davis(Ds on 1-5, 7, 9-10) - 1. Rain, Rain And Rain 2. Soul Serchin 3. (They Long To Be) Close To You 4. Dead Meat 5. Ele E Ela 6. This Masquerade 7. She Did It Again 8. You've Got A Friend/Central Park West 9. La Samba Des Prophetes 10. Can't Take My Eyes Off Of You

山中千尋作曲は1曲目のみで、スタンダード、ポップス、ジャズメン・オリジナル、サンバなど多彩な音楽を取り上げています。知っている曲ではなくても、聴き覚えのあるメロディがよく耳に入り込んできます。7曲目はミシェル・ペトルチアーニの曲。音もいいし、合い変わらず、勢いのあるところはズバッと切り込むようなピアノが気持ち良い。オリジナルの1曲目は8ビート的なマイナー調の曲だけれども、この曲だけでも統制のとれた部分とハジけっぷりの良さがよく分かる感じ。トータルで50分ないけれど、けっこう密度の濃いピアノなのです。10曲目最後の部分に「ラジオ周波数音、音の飛び、等の編集が」あるとのことだけど、遊びとしては面白いかも。ラリー・グレナディアらが10曲中2曲のみに参加というのはもったいなかったか。(11年8月24日発売)

2011/09/14

Sounds And Silence/Travels With Manfred Eicher(DVD)

5050
マンフレート・アイヒャーを5年かけて追いかけたというドキュメンタリーだそうです。DVDとBlue-rayの2種類(両方ともECM 5050で同じ)出てますが、私はDVDを買いました。ボーナストラックとして、予告編とマヌ・カッチェのスタジオ録音が1曲入っています。これを見るとECMはどんなレーベルか、マンフレート・アイヒャーはどんな人物か、より見えてくるんじゃないでしょうか。英語、ドイツ語、フランス語を選べるようになっていて、まあ、語りはそれほど多くないので、字幕で何とかいけると思います。そしてミュージシャンにも興味はありますし。値段も手ごろだし、最近のECMが気になる方は買って観てみることをおススメします。


Sounds And Silence/Travels With Manfred Eicher(ECM 5050)(輸入盤DVD) - Released 2011.

(11/09/13)ECMのマンフレート・アイヒャーのドキュメンタリー。アルヴォ・ペルト(録音風景)、エレニ・カラインドルー(ライヴ前、練習)、ニック・ベルチュ(録音風景)、アヌアル・ブラヒム(ライヴ前、練習)、ジャンルイジ・トロヴェシ(練習、録音風景、ライヴ)、マリリン・マズール(録音風景)、ディノ・サルーシ(録音風景、ライヴ)、ヤン・ガルバレク(ライヴリハ)その他、いろいろなミュージシャンをとらえつつ、語りも入れたり、何よりもアイヒャーの音への関わり方がかなりよく分かる内容になっています。彼が映像にここまで出たことがあったろうか、という点でも貴重。また、ヨーロッパを中心とした、世界各地の風景なども映像が入っていて、観る人を飽きさせないようになっています。なぜECMがボーダーレスなのか、ということもよく分かる内容。

2011/09/13

ウォーターシェッド/藤井郷子 Min-Yoh Ensemble

Fujiiwater
藤井郷子新譜3日目。それにしてもさまざまな編成で、同時に3枚発売というのもスゴいです。しかも、今までにもこういうことはあったし、結果、大量のアルバムが残ってます。先日ライヴに行った時は、CDの記録だけじゃなくて、ライヴそのものを聴かないと、とそのインパクトから思ったものでしたが。まあ、とりあえずはアルバムを追いかけます。民謡アンサンブル、とはなってますが、民謡そのものだけじゃなくて、西洋のメンバーも加わっているし、ピアノは西洋の音階の楽器だしと、折衷的になっています。が、フリーの要素も加わり、やはり藤井さんでなければ出せない音が、そこにはあります。聴く人を選ぶかもしれないけれど、ハマるとけっこういいですね。


ウォーターシェッド/藤井郷子(P) Min-Yoh Ensemble(Libra)
Watershed/Satoko Fujii(P) Min-Yoh Ensemble(Libra) - Recorded September 3, 2009. Natsuki Tamura(Tp), Curtis Hasselbring(Tb), Andrea Parkins(Accordion) - 1. The Thaw 2. Whitewater 3. Takeda No Komoriuta 4. Soranbushi 5. Cascade 6. Limestone Cave 7. Hanagasa Ondo 8. Estuary

3-4、7曲目が日本民謡で、他は全曲藤井郷子作曲。このグループでは2作目。西洋音楽と民謡の風味の中間をいくサウンド。ゆったりとしつつ西洋と東洋のメロディとノイズのせめぎあいの、不思議な感触を持っている1曲目、トロンボーンの語りかけから徐々に楽器が絡んで自由に盛り上がる2曲目、素直なテーマ部分と静かで幻想的なその後の展開がある3曲目、モード的、そしてハードなフリー的なサウンドをぶち込んだ元気かつ浮遊的な4曲目、ゆったり感からテンポのはっきりしているテーマ、そして掛け合いへと盛り上がる5曲目、合いの手やヴォーカルも出だしに入って不思議な一体感をかもし出す6曲目、異様な管と声のサウンドが解体再構築している7曲目、薄暮のような、しっとりと西洋的に落ちついた感触の8曲目。(11年9月10日発売)

2011/09/12

干支/藤井郷子 Orchestra New York

Fujiieto
藤井郷子関連アルバム新譜2枚目。オーケストラ(ビッグバンド)のアルバムですがニューヨークのメンバーでは8枚目(しかも15年目とのこと)他に東京で4枚、名古屋で3枚、神戸で1枚と、オーケストラ作品だけでも多いです。先日東京のライヴには行きましたが、他のビッグバンド(マンハッタン・ジャズ・オーケストラなど)では、分厚い本のような楽譜を各メンバーが使っているのですが、藤井オーケストラは、各メンバーの譜面の量が少なかったです。おそらく構築された部分もあるけれど、自由な部分が大きいということなんでしょうけれども。それはここでもあらわれていて、フリーが続く中、しばしばビシッとキマるアンサンブルは、けっこう聴いていて気持ちの良いものです。


干支/藤井郷子(P) Orchestra New York(Libra)
Eto/Satoko Fujii(P) Orchestra New York(Libra) - Recorded October 27, 2010. Oscar Noriega(As), Briggan Krauss(As), Ellery Eskelin(Ts), Chris Speed(Ts), Andy Lester(Bs), Herb Robertson(Tp), Dave Ballou(Tp), Frank London(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Joey Sellers(Tb), Curtis Hasselbring(Tb), Joe Fielder(Tb), Stomu Takeishi(B), Aaron Alexander(Ds) - 1. The North Wind And The Sun Eto Suite: 2. Overture 3. Rat 4. Ox 5. Tiger 6. Hare 7. Dragon 8. Snake 9. Horse 10. Ram 11. Monkey 12. Rooster 13. Dog 14. Boar 15. Epilogue 16. Pressure Cooker 17. Stroll

全曲藤井郷子作曲で、NYオーケストラ8作目。特に2-15曲目は干支組曲になっていて、1-2分台の曲が続きます。17曲もあって50分弱。フリーと構築の具合の入り組み方は相変わらず一流。ソロはフリー気味が目立ちます。「北風と太陽」を表すようなダイナミクスとゆったり感が交互にくる、オーケストラらしい展開の1曲目。2-15曲目は短い曲ばかりですけど、実質的にはほぼつながっています。それぞれの干支の動物を表すような個性的なフリーな表現が面白く、特に2-14曲目にはそれぞれのソロイストの名前が一人ずつあがります。静かになったり爆発したり。ロック的なビートで割と勢いがついて進行していく16曲目、エキゾチックなホーンアンサンブルに囲まれつつちょっと妖しい雰囲気でもスムーズに進む17曲目。(11年9月10日発売)

2011/09/11

Rafale/KAZE

Kazerafale
藤井郷子関連で10日に新譜が3枚出ました。通販によっては今日紹介するアルバム、「藤井郷子」ではなくて「KAZE」で検索しないと出ないところもあって、あえて一番先での紹介です。いつもの自主レーベル「Libra」ではなくて「Cirsum Libra」ってなっていますね。ただ、このアルバムもそうですが、最初から最後までフリー一辺倒ではなくて、フリー色はかなり強いながらも、中に入る旋律とか、進行部分で構築されたものを感じ取ることができ、それが60分以上聴いていてもひかれる要因になっているのだな、と思います。コメントには書ききれなかったけど、どの曲もけっこうドラマチックです。フリーもハマると奥が深いですね。


Rafale/KAZE(Circum Libra) - Recorded November 15, 2010. Christian Pruvost(Tp), Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P), Peter Orins(Ds) - 1. Noise Chopin 2. Anagramme 3. The Thaw 4. Marie-T 5. Polly 6. Blast

Peter Orins作が2、4-5曲目、藤井郷子作が3、6曲目、田村夏樹作が1曲目。実質的に硬派なフリー・インプロヴィゼーションにドラマ性を加えたもの。曲の切れ目がない部分もあり。出だしの非メロディ系のトランペットからドラムスも加わり、ピアノ・ソロで硬質感が増し、大団円に向かうドラマチックな1曲目、ノイズ的なトランペットの出だしから荘厳に他楽器が加わり、後半8ビート的になる2曲目、ドラム・ソロからはじまり静かにピアノが出てきて管のメロディが流れるように加わる3曲目、温度感の低いピアノから、ギャロンギャロンと少し出つつも静寂の中を動いていく4曲目、静かな中からトランペット他の激しい動きや叫びが加わり変幻自在な進行と爆発もある5曲目、うごめきから7拍子的フリージャズそして大盛り上がりの6曲目。(11年9月10日発売)

2011/09/09

Athens Concert/Charles Lloyd/Maria Farantouri

2205
ECMレーベル新譜聴き。チャールス・ロイドはもともとエスニックな感じのサウンドではあったのですが、そこにギリシャのヴォーカルと、曲によっては民族楽器も加わるという編成で、より無国籍(あるいは多国籍)的なワールドのサウンドも加わった演奏です。いつもの彼ららしい部分と、相手のペースに合わせたような演奏の部分とありますが、基本的なグループのアプローチは、サウンドは変わるにしても、いい意味であまり変化がないような気もしています。まあ、新たな側面も見た思いですが、メンバー買いした人は、賛否両論分かれるかもしれません。この融合は、まさにECMのものと言えるのですが。


Athens Concert/Charles Lloyd(Sax, Fl, Tarogato)/Maria Farantouri(Voice)(ECM 2205/06)(輸入盤) - Recorded June 2010. Jason Moran(P), Reuben Rogers(B), Eric Harland(Ds), Scratis Sinopoulos(Lyra), Takis Farazis(P) - 1. Kratissa Ti Zoi Mou 2. Dream Weaver 3. Blow Wind 4. Requiem 5-7. Greek Suite, Part 1 8. Taxidi Sta Kythera 9. Prayer 10-12. Greek Suite, Part 2 13-17. Greek Suite, Part 3 18. Yanni Mou

(11/09/08)CD2枚組。チャールス・ロイドのバンドとギリシャのヴォーカル共演の、アテネでのコンサート。ロイド作は2-4、9曲目のみで、あとはギリシャの作曲家の曲やトラディショナル、あるいはそれを基にした曲で、エレニ・カラインドロウ作(8曲目)も。ほとんどの曲にヴォーカルが入っています。ギリシャのトラディショナル寄りのサウンドの曲もあれば、ロイドのサウンドの曲も2、4曲目などにあり。時にギリシャ流のエキゾチックさ、ギリシャの曲でのバンドサウンド、それらが合わさった場面も。18曲中、特に組曲がパート1から3まで11曲もあるのでこれらが骨組みなのですが、つながってい流れていくようでも、個々の曲の組み合わせ。スピリチュアルな演奏も多めですが、ECMにしては時々賑やかなサウンドで盛り上がります。

2011/09/08

Robert Schumann/Geistervariationen/Andras Schiff

2122
ECM New Seiresがとりあえず1枚(CD2枚組なので1組か)入手できたので、今回はこの1枚のみの紹介です。以前はこのレーベル、現代音楽と古楽が多かったり、現代音楽とクラシックを同一アルバムに混ぜたりしたものが多かったのですが、アンドラーシュ・シフがこのレーベルに来てから、ベートーベンのピアノ・ソナタをシリーズで出してしまったこともあったりして、王道のクラシックもなかなかやるもんだなと思うようになりました。ECMはクラシックとしては独特のホール感とかミキシングなんだそうですけど、これは聴き比べたことがないので、あまりよく分っていないところがあります。


Robert Schumann/Geistervariationen/Andras Schiff(P)(ECM New Series 2122/23)(輸入盤) - Recorded June 2010. - 1-12. Papillons Op.2 13-16. Klaviersonate Fis-Moll Op.11 17-29. Kinderszenen Op.15 30-32. Fantasie C-Dur Op.17 33-41. Waldszenen Op.82 42-47. Thema Mit Variationen (Geistervariationen) 48. Fantasie C-Dur Op. 17

(11/09/07)CD2枚組。ロベルト・シューマンは19世紀ドイツの作曲家。ここでは有名な曲「蝶々」「子供の情景」「森の情景」「幽霊変奏曲」などを演奏しています。やはり伝統的な19世紀クラシックのピアノ演奏なので聴きやすく、クリアで端正な音はまさにECMでのアンドラーシュ・シフのアルバムにふさわしいものとなっています。19世紀の情念が今によみがえってくるような感触も。正統派としてのレーベルイメージを強める1組のアルバム。

2011/09/07

スクラッチ/ケニー・バロン

Kennyscratch
ケニー・バロンはCriss Crossレーベルでのリーダー作やサイド参加作で何枚か聴いていますか、膨大なレコーディングには手をつけていない状態です。ただ、このアルバムからだけでも、けっこう実力あるピアニストなのだ、ということが分かります。バラードではフレーズが唄っているし、普通にジャズしているだけではなくて、モーダルやよりフリーに近いところでの急速調のフレーズも、バッチリサウンドに合っているし、スゴい、と思わせるものがあります。やはり評判の良かったミュージシャンは聴いておくものだと思いました。ここではトリオのメンバーがEnjaらしくて面白く、入手した記憶があります。そしてそれは正解でした。ちょっとマスタリングが音圧が低めでしたけど。


スクラッチ/ケニー・バロン(P)(Enja)
Scratch/Kenny Barron(P)(Enja) - Recorded March 11, 1985. Dave Holland(B), Daniel Humair(Ds) - 1. Scratch 2. Quiet Times 3. Water Lily 4. Song For Abdullah 5. The Third Eye 6. Jacob's Ladder 7. And Then Again

2曲目がカーメン・ランディ作、6曲目がデイヴ・ホランド作の他はケニー・バロン作。なかなか興味深いメンバーとのトリオで、やはり素晴らしいピアニスト。複雑で速いテーマとモーダルなアップテンポの4ビートがカッコ良い1曲目、明るめでしっとりとしたサウンドとメロディが味わい深いバラードの2曲目、8分の6拍子で、暖色系のサウンドと陰影もやや垣間見えてピアノのフレーズやトリオの盛り上がりもあったりする10分台の3曲目、ソロ・ピアノで美しい旋律を聴かせてくれるバラードの4曲目、メカニカルでダイナミックなテーマから変幻自在に自由度とスピード感満点で突き進む5曲目、けっこうジャズしているサウンドのミディアム4ビートの6曲目、明るめのテーマでで浮遊感のある速いフレーズが続く、アップテンポの4ビートの7曲目。(06年8月23日発売)

2011/09/06

アウトロウズ/ジェレミー・スタイグ/エディ・ゴメス

Jeremyoutlaws
Enjaレーベルのこの時期のアルバムは聴くとハマってしまいます。特に自分の好きなミュージシャンの参加作ばかりを買っているので、当然と言えば当然なのかもしれませんが。それなら2年以上放っておかないで早く聴いたら、なんて声を聞きそうですが(笑)。その間に、輸入盤がジャケット違いなので、もう少しでこのアルバムのダブり買いをしそうになったことがありました。今回のこのアルバム、フリー・インプロヴィゼーションがメインだったんですね。でも、いかにもフリーやってます、って感じではないので、自由度は高いながら、割とすんなりと耳に入ってくるのでは、と思います。最近でも共演しているようですが、当時も2人の演奏はなかなかでした。


アウトロウズ/ジェレミー・スタイグ(Fl)/エディ・ゴメス(B)(Enja)
Outlaws/Jeremy Steig(Fl), Eddie Gomez(B)(Enja) - Recorded December 15, 1976. - 1. Outlaws 2. Autumn Comes/Autumn Leaves 3. Arioso 4. Night Mare 5. Nardis

2曲目後半と5曲目以外は、2人それぞれの作曲ないしは共作。1-4曲目(2曲目は前半)はフリー・インプロヴィゼーションだと思います。この2人のややエキゾチックな、内省的な面もある世界を聴かせます。フルートの時々息がもれるような吹き方、饒舌なベースの組み合わせが個性的。ワンコード進行のやりとりで、静かな場面から2人で絡み合って高みに登っていく感じの1曲目、高音域を中心とした速いパッセージのベース・ソロからデュオになって「枯葉」のフォービートへ続く2曲目、意表をついてアルコ奏法でのゆったりしたベース・ソロの3曲目、と思ったら今度はフルート・ソロが7分続いていく、幻想的な雰囲気もある4曲目、出だしはベースでエフェクターの音を出して、その後おなじみの曲調になっていく11分台の5曲目。(06年8月23日発売)

2011/09/05

ファーザー・タイム/フランク・トゥサ

Frankfather
新譜を聴こうと思ったのだけれど、時間が長そうなものばかりなので、今日もEnjaのアルバムいきます。トータルで37分台なので、ちょうどです。しかも、大好きなリッチー・バイラークとデイヴ・リーブマンが入っているではありませんか。いい意味での自由度が高い’70年代のジャズが詰まっていますね。いろいろなサウンドを作るためなのかどうか、曲によって2-5人で人数も変われば編成も変わるという演奏です。もっと早く聴いていれば、と思っても、CD時代より前はジャズをあまり聴いてなかったので、今回はそれで良しとしましょう。手持ちのEnja紙ジャケは’70年代から’80年代前半にかけて(LP時代ですね)のものが多いです。


ファーザー・タイム/フランク・トゥサ(B)(Enja)
Father Time/Frank Tusa(B)(Enja) - Recorded July 1, 1975. Dave Liebman(Ts, Ss, Fl, Per), Richard Beirach(P, Per), Badal Roy(Tabla), Jeff Willams(Ds) - 1. Don't It 2. Cameo 3. Gipsy Song 4. Mabel's Mood 5. Kristie's Spirit 6. String Beans

全曲フランク・トゥサの作曲。全員参加は1曲目だけで、他の曲は2-4人の参加です。割と自由な進行で、曲ごとでさまざまなサウンド。ミディアム・テンポの8ビートで、最初はパーカッションが強調されていて、徐々に他のメンバーが本来の楽器に持ち替えて、ワン・コード的に進んでいく1曲目、サックス、ベース、ピアノのトリオで温度感低く美しいバラードが進んでいく2曲目、ベース以外はパーカッション3人で、1曲目と3曲目だけに参加のバダル・ロイが加わるとインド風味がかなり強くなる、エスニックな3曲目、ピアノとベースでフリー・インプロヴィゼーションらしく氷の世界を構築している感じの4曲目、フルートとのデュオでこれまたエスニックな雰囲気の5曲目、サックス・トリオで徐々に盛り上がり、激しいドラム・ソロもある6曲目。(06年8月23日発売)

2011/09/04

ナウ・ヒア・ディス/ハル・ギャルパー

Halnow
Enja紙ジャケの2日目。ただ、他の新譜が届いているのでEnjaは今日で一度中断するかも。しかし今日のアルバム、スゴいメンバーですね。サイドに日野皓正(Tp、Flh)、セシル・マクビー(B)、そしてトニー・ウィリアムス(Ds)ですもんね。もう亡くなった方もいますけど、今考えるとビッグな組み合わせだったんだな、と思います。モロにモーダルな曲調の曲が目立っているなど、当時の彼らのジャズの雰囲気を伝えるものはあります。でも案外に4ビート度は高くなかったりして、そこがやはり’70年代なんでしょうかね。音質的にはもう少しドラムが張り出していてもいいなあ、とは思いましたが、それでも十分に迫力はありました。


ナウ・ヒア・ディス/ハル・ギャルパー(P)(Enja)
Now Hear This/Hal Galper(P)(Enja) - Recorded February 1977. Terumasa Hino(Tp, Flh), Cecil McBee(B), Tony Williams(Ds) - 1. Now Hear This 2. Shadow Dance 3. Me. Fixit 4. First Song In The Day 5. Bemsha Swing 6. Red Eye Special 7. First Song In The Day [Previously Unreleased Take]

5曲目がセロニアス・モンク作の他は、全曲ハル・ギャルパー作曲。7曲目はボーナストラック。今となってはけっこう大物の顔合わせのクァルテット。特にトニー・ウィリアムスのプッシュは強力です。アップテンポの4ビートでパワー全開でモーダルに進んでいくタイトル曲の1曲目がアルバムの方向性を示しています。スペースがあって自由度の高いワルツのバラードの上を時に優しく、時に縦横無尽に吹いて(弾いて)いく2曲目、8ビート系のやはり元気のあるサウンドでバリバリとせまってくる3曲目、やはり8ビート系だけれども、モーダル色が全開のパワーあふれるジャズの4、7曲目、ジャズメン・オリジナルは原曲を活かしたようなサウンドで攻めてくる5曲目、やはりややアップテンポでの4ビートのモーダル系が良く似合う6曲目。(06年8月23日発売)

2011/09/03

アイヴォリー・フォレスト/ハル・ギャルパー

Halivory
’09年春のCDショップSTEPさんの閉店セールで買ったCDが、Enjaの紙ジャケばかりあと12枚残っています。もう2年以上も聴かずにためておいたのですけど、そろそろ聴いていかないともったいないですね。紙ジャケでなければ輸入盤で安く手に入るのもありますが、中古でプレミアのついているのもあるようです。はっきり言って、今日のアルバムは’70年代後半のジョン・スコフィールドを聴きたくて買いました。彼の露出度は、実際彼のリーダー作と言えるぐらいあって、しかも4曲目はソロ・ギターでの演奏で、彼にしては珍しくコード奏法を取り入れての静かな演奏です。1曲目も6曲目もバリバリ弾きまくっているし、聴いて良かった1枚になりました。


アイヴォリー・フォレスト/ハル・ギャルパー(P)(Enja)
Ivory Forest/Hal Galper(P)(Enja) - Recorded October 31 and November 1, 1979. John Scofield(G), Wayne Dockeny(B), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Ivory Forest 2. Continuity 3. My Dog Spot 4. Monk's Mood 5. Yellow Days 6. Rapunzel's Luncheonette

1-3、6曲目がハル・ギャルパーの作曲で、4曲目はギター・ソロによるセロニアス・モンクの曲、5曲目はベースとのデュオのスタンダード。4人で演奏しているのは1、3、6曲目のみ。ギター度がかなり高し。8ビート系で出だしにギターソロがバリバリときて、サンバ/4ビートなども混ざり終盤静かで変幻自在なタイトル曲の1曲目、ピアノとデュオでギターの静かながら速いパッセージも登場してやや盛り上がる2曲目、どこか醒めた部分もあるけれど勢いのあるアップテンポのサンバの3曲目、ギター・ソロでコード奏法取り交ぜて、というのはジョン・スコには珍しいし、渋い4曲目、デュオで温かみもしっとり感もあるスタンダードのバラードの5曲目、モーダルかつアップテンポの4ビート、時にフリーのテンポなしの自由に展開する6曲目。(06年8月23日発売)

2011/09/02

Joy Luck/Peter Erskine New Trio

Peterjoy
ピーター・アースキンの新作。曲を聴いていると、ジャズに分類していいのか、フュージョンに分類していいのか、迷います。インプロヴィゼーションの度合いやピアノ・トリオという点ではジャズですが、曲調や曲の組み立て、エレクトリック・ベースの使用などではフュージョン寄りの感じもしますし。でも、彼のアルバムらしいといえばらしいですね。過去にECMから複数リーダー作を出したことがあるけれど、そこまで極端じゃないにしても、静かな感じの曲が多めですし、バリバリとしたアップテンポの曲はなし。メロディが印象に残ったり、美しいなあと思う曲があったりと、自分の中のポイントは高めでしたけど。


Joy Luck/Peter Erskine(Ds, Marimba) New Trio(Fuzzy Music)(輸入盤) - Recorded October 1 and 2, 2010. Vardan Ovsepian(P), Damian Erskine(B) - 1. Joy Luck Club 2. On Land, On Sea 3. Man's Dream 4. Esperanca 5. Dr. Kildare 6. Iridescence 7. Something New 8. Dreaming Paris 9. I've Never Been... 10. Every Tomorrow 11. Song For Zory

(11/08/31)1、7曲目がピーター・アースキン作曲、2-3、8、10曲目の4曲がVardan Ovsepian作曲、11曲目がDamian Erskine作で、他は新旧の他人の曲。個人的には6曲目のボブ・ジェームス作がうれしい。ベースはエレクトリック・ベース。4ビートも少なく、フュージョン的と言えなくもないです。曲の構成もフュージョン的なものが目立つし。全体的にゆったりしていたりミドルテンポの曲が多く、ドラマーのアルバムにしてはトータル重視なのか、静かな曲が多いです。逆に言えば丁々発止の場面が少なく、これは彼の過去のリーダー作で割と多く感じたことでもあります。タイトルの1曲目も盛り上がりはあるにしても、明るくホンワカとした印象。静かな曲の情景的なサウンドが明暗あって印象に残ります。10曲目の曲調、各ソロも見事。

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