私の運営するホームページ

掲示板

Twitter

無料ブログはココログ

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010/05/31

Crime Scene/Terje Rypdal

2041
ECMレーベル新譜聴き2日目。今日はECMの初期の頃から活躍しているギタリスト、テリエ・リピダルの新譜です。以前からオーケストラ指向が強く、共演作だけではなくて、作曲家としてだけでの登場もありましたが、今回はビッグバンド(でもサウンドは通常のジャズのビッグバンドとは大きく異なりますが)との共演で、彼としては新機軸だったのでは、と思います。時にファンク・サウンドになって、トランペットでパレ・ミッケルボルグがソロで吹いている時には、マイルスの影響も何となく感じられる場面もありました。そして、現代音楽やフリーにも接近。聴く人を選ぶアルバムかもしれませんが、これが出たのは彼の経歴からして必然的かも。


Crime Scene/Terje Rypdal(G)(ECM 2041)(輸入盤) - Recorded May 2009. Palle Mikkelborg(Tp), Stale Storlokken(Org), Paolo Vinaccia(Ds, Sampling), Bergen Big Band, Directed by Olav Dale - 1. Clint - The Manace 2. Prime Suspects 3. Don Rypero 4. Susupicious Behaviour 5. The Good Cop 6. Is That A Fact 7. Perli Con Me?! 8. The Criminals 9. Action 10. One Of Those 11. It's Not Been Written Yet 12. Investigation 13. A Minor Incident 14. Crime Solved

(10/05/30)ライヴ録音で、全14曲中7曲目以外がテリエ・リピダルの作曲。総勢17名のビッグバンドを従えての演奏です。タイトルも「犯罪のシーン」とでもいうのか、組曲になっていて曲もつながり、時にヴォイスも入って、何やら怪しげな物語風。ビッグ・バンドはオーソドックスな編成ですけれども、ジャズ的ではなくて、現代音楽のオーケストラというか、時にはフリーのような響きが強調されることも。今まで現代音楽的な傾向はあったけれども、こういうサウンドは彼の新傾向かも。そこに漂うような、やはり幻想性と攻撃性のある彼のエレクトリックギターが絡んで、ギターはモロにロックしていることも。マイルスの影響も少し? アルバム中盤にはファンクビートの効いたサウンドの場面もある程度長くあるし、緩急自在なアプローチ。

2010/05/30

Natural Causes/Steve Tibbetts

1951
ECMレーベルの新譜がたまってしまったので、他にも聴きたいものがあるのですが、先にECMを聴いていきたいと思います。このスティーヴ・チベッツという人、ECMではステファン・ミカスと同じぐらい不思議な人で、マイペースで録音しては、ECMから作品を発表する、というパターンの人のようです。どちらもワールド色が混ざっていて、多重録音の多めなのも似たような感じ。今回もマンフレート・アイヒャーのプロデュースは入ってませんし、今になって1900番台の番号のついたアルバムが出るのも異色です。企画から長くかかってしまったのかな。相変わらずのギター中心のワールドも入った世界を垣間見せてくれますが、これもECMの世界なんですね。


Natural Causes/Steve Tibbetts(G, P, Kalimba, Bouzouki)(ECM 1951)(輸入盤) - Recorded 2008. Marc Anderson(Per, Steel Ds, Gongs) - 1. Sitavana 2. Padre-yaga 3. Attahasa 4. Chandogra 5. Sangchen Rolpa 6. Lakshmivana 7. Manikarnika 8. Ishvaravana 9. Gilezian 10. Kill-ki Drok 11. Kuladzokpa 12. Lament 13. Threnody

(10/05/30)全13曲がスティーヴ・チベットの作曲ないしは一部の曲(9曲目)で共作。幻想的で、どこのものとも言えないワールドの世界が広がっています。あえて言うなら、ギターや時にピアノなどが使用される西洋に、インドや中近東系の音が混ざり合って、それをECM風にしっとりと聴かせているという感じです。インプロヴィゼーションで演奏をしているのだろうと思いますが、いわゆるジャズ度はほとんどなく、それこそサウンドだけでいくならワールドに入ってしまうでしょう。でもECMにはこういう作品が多いので、こういうものだと思って聴けば、自然に聴けてしまうのが不思議なところ。多重録音も駆使しているようです。大いなる自然を感じながら、時が流れていくような、雄大でもあり繊細でもあるサウンドが目の前にあります。

2010/05/29

レコファン川崎店オープン

昔、小さいレコファンが川崎に一時あって、中古CDを集めるのにだいぶ助かっていた時期がありました。今、日記を読み返してみると’99年8月30日に、同じ建物の中でブックオフがオープンするので、閉店に至ったと書いてありました。

新しい川崎店はルフロンの9階にあって、在庫数が10万枚とのこと。5月28日(昨日)にオープンでした。ジャズも新規開店ならば、けっこういいものがあるんじゃないかと思って、今日行ってきました。お店は確かに広く、10万枚というのも確かに、と思うような量です。品ぞろえは、う~ん。豊富なんだけれども、例えば過去に売れたもので中古に出てきた同じアルバムが何枚もあるとか、やはりディスクユニオンのようなお店と比べてはいけないことは分かっているんだけれども。ひととおり、欲しいものは持っていて、さらにマニアックなものを探す、という感じでは、あまりなかったような気がします。よそのお店、あるいは倉庫から、ある在庫を集めて持ってきた、という感じです。

結果、新規開店なのに、自分にとっての出物はなく、1枚も買わずに帰ってきてしまいました。想像するに、ジャズファンはやはりディスクユニオンに買い取りに出す方が多いのかな、と思います。

お店を出て、ヨドバシカメラに寄って、携帯の保護シールと、山野楽器でベース弦2セットを買って(いずれも頼まれもの)帰ってきました。

(追記)今日は何枚かまとめ聴き、と思っていたのですが、息子が部屋で定期試験の勉強をやっているので音出しができません。残念。

(11/05/05追記)昨日ちょっとお店に寄ろうと思ってみたら、ありませんでした。帰ってきてネットで調べたら’11年3月閉店とのこと。1年もたなかったので、けっこうCD業界もキビシイんでしょうね。

2010/05/25

Truth Be Told/Mark Egan

Marktruth
マーク・イーガンのリーダー作は、以前はウィンダム・ヒルから出たこともあって、内省的で静かなアルバムも目立ったのですが、今回はハードコア・フュージョン。いや~、こういうアルバムもいいですねえ。インド音楽の風味を多少持つような、ラストの静かな11曲目の小品は別にして、あとは外側を向いている曲が多いし、ファンクです。こちら方面、けっこう好みなので、珍しく何度も聴いてしまいました。メンバーもかなり強力ですし、軟弱でもないし、ということで、こっち方面が好きな方は聴いてみてもいいんじゃないでしょうか。彼のエレキ・ベースは何でも好きですが、特にフレットレス・ベースを弾くところは絶品です。


Truth Be Told/Mark Egan(B)(Wavetone)(輸入盤) - Recorded June 15-17, 2009. Bill Evans(Sax), Mitch Forman(Key), Vinnie Colaiuta(Ds), Roger Squitero(Per) - 1. Frog Legs 2. Gargoyle 3. Truth Be Told 4. Sea Saw 5. Cafe Risque 6. Shadow Play 7. Blue Launch 8. Rhyme Or Reason 9. Blue Rain 10. Pepe 11. After Thought

(10/05/25)2曲目が他人の作で6曲目がミッチ・フォアマン作の他は、全曲マーク・イーガンの作曲。ハードコア・フュージョンで、外側を向いている演奏が多いので、けっこう気持ちがいいです。メンバーも、これだけそろったら最高というメンバー。ドライブにも合いそう。エレキ・ベースのソロも、本来ソロのあるべき部分でのソロ(1曲目など)と、多重録音で、普通のベースの音にかぶせて高音域でメロディをとるようなソロとあります。後者の方が多いかな。ベースはフレット有りとフレットレスを使っていますけど、どちらも上手いですが彼の個性的な方面はフレットレスにあると思います。ポワーンとした響きの味がなかなかです。どの曲もいい感じのファンクになっていて、しかも割と硬派なのに聴きやすいところもいい。11曲目は静か。

2010/05/24

Thomas Larcher/Madhares

2111
Thomas Larcherは、やっぱりいかにも現代音楽っていう感じでしたね。ちょっとハードルが高いというか。このブログではジャズの愛好者の方がだいぶ多いと思うので、いちおうご参考まで。私も現代音楽になってくるとあまりうまく説明ができないのが残念です。


Thomas Larcher/Madhares(ECM New Series 2111)(輸入盤) - Recorded August 2008 and July 2009. Till Fellner(P). Kim Kashkashian(Viola), Munchener Kammerorchester, Dennis Russell Davis(Cond), Quatuor Diotima: Naaman Sluchin(Vln), Yun Peng Zhao(Vln), Frank Chevalier(Viola), Pierre Morlet(Cello) - Thomas Larcher: 1-4. Bose Zellen 5-6. Still 7-11. Madhares

(10/05/23)Thomas Larcherは’63年生まれのオーストリアのピアニストで現代音楽家。ここでは21世紀に入ってからの曲の作曲で、ピアノは他に任せています。1-4曲目はピアノとオーケストラ、5-6曲目はそれにヴィオラが加わり、タイトル曲の7-11曲目は弦楽四重奏での演奏。かなり静かな場面が多く、印象に残るのはECM的ですが、3曲目で打楽器が前面に出てきたり、ダイナミックレンジは広い。いかにも現代音楽的な展開。

Ritualism/David Gilmore

Davidritual
デヴィッド・ギルモアとは言っても、ピンク・フロイドの方ではなくて、昔M-BASEでスティーヴ・コールマンらと活躍した黒人のギタリスト。ピアノ&キーボードにジョージ・コリガンが加わって、うれしい編成です。このアルバム、数年前に入手試みましたが、もう廃盤になっていて入手できませんでした。今回、中古で比較的安価に入ったので、やっと紹介できる次第です。メンバーが繰り出す変拍子ファンク(といってもアコースティック・ベースなのでビンビン、という感じではありませんが)にはシビレてしまいますね。それを軽々と演奏してしまうこのメンバー(ゲストを含めて)には脱帽です。入手して聴くことができて良かったでした。


Ritualism/David Gilmore(G)(Kashka Music)(輸入盤・中古) - Recorded April 16 and 18, 2000. George Colligab(P, Key), Brad Jones(B), Rodney Holmes(Ds) Special Guest: Ralph Alessi(Tp on 6), David Binney(As on 2, 6, 9), Ravi Coltrane(Ts, Ss on 1, 6, 8-9), Bruce Cox(Ds on 1-2, 6, 8), Daniel Moreno(Per on 8, 10), Sharrif Simmons(Spoken Word on 10), I Mani Uzuri(Vo on 5) - 1. Ritualizm 2. Kaizen 3. Paradaigm Shift 4. Event Horizon 5. Confluence 6. Off Minor 7. Reality Check 8. The Wanderer 9. Elementary 10. Musical Revolutions 11. Uncertainty Principle

(10/05/23)セロニアス・モンク作の6曲目と、5、10曲目の詩以外はデヴィッド・ギルモアの作曲。アコースティック・ベースを含むクァルテット編成ですが、M-BASEを基調とした変拍子ファンクの雰囲気が色濃く残っているサウンドです。ギターもエレクトリックとアコースティックを使い分けて縦横無尽に変拍子の中を弾きまくっていて、けっこうカッコ良い。ゲストも多彩で、5曲目の静かなバラードのヴォーカル曲、10曲目のスポークン・ワードの曲をはじめ、管やパーカッションなども曲によって入って、変化に富んで飽きさせず変拍子ファンク中心の曲を聴かせます。6曲目もモンク色を色濃く残しながら、こういう変則的な方法で来たか、とけっこう楽しめるアレンジ。ドラムスが基本的にタイトなので、変拍子の魅力を伝えてくれます。

2010/05/23

Henri Dutilleux/Robert Levin/D'ombre Et De Silence

2105
Henri Dutilleuxは、現代音楽だけれども、例えばキース・ジャレットのこっち寄りの演奏とそんなに開きがなく、カチッとした感じと叙情性のある部分もあって、記譜された、おそらく無調のソロ・ピアノといっても、そんなに難しそうな印象はありませんでした。


Henri Dutilleux/Robert Levin(P)/D'ombre Et De Silence(ECM New Series 2105)(輸入盤) - Recorded December 2008. Ya-Fei Chuang(P on 1-13) - 1. Petit Air A Dormir Debout 2-4. Sonate 5-6 From: Au Gre Des Ondes 7. Blackbird 8. Tous Lers Chemins... Menent A Rome 9. Resonances 10-13. Figures De Resonances 14. Mini-Prelude En Eventail 15-17. Preludes 18. Bergerie 19-24. Au Gre Des Ondes

(10/05/23)Henri Dutilleuxは20世紀に生まれた現代音楽家。作品は’40年代から’80年代と幅広く取り上げられています。その曲は現代音楽ではあるけれども、現代音楽らしさもあれば、研ぎ澄まされた美しさの部分もあります。フランスのそれ以前の音楽の影響も感じられます。調性はないようなサウンドですが、実験的という感じは少しで叙情性も感じられる、彼の中で完成された曲という感じ。発表された年代は幅広いけど統一性あり。

2010/05/22

Flying Toward The Sound/Geri Allen

Geriflying
3月に届いたCDがやっとこれで終わりました。と言いつつ、他に遅れて注文したCDも他にあるため、他でも新鮮さは少し落ちるかもしれませんが。このところ、毎日更新できる状況になく(時間だけで言うと、あることはあるのですが)、もう開き直っています(笑)。さて、このアルバム、ジェリ・アレンのソロ・ピアノのアルバムです。昔みたいにゴツゴツしたり民族音楽的なところはなく、現代音楽的になっています。ジャズって感じはほとんどしないですね。でも硬派なところは相変わらず。セシル・テイラーを丸くしたような感触があるんですけど、どうなんでしょう。このアルバムは周りでは買った方、見かけないですが、個性的なソロ・ピアノという点では面白いとは思います。


Flying Toward The Sound/Geri Allen(P)(Motema Music)(輸入盤) - Recorded December 18-20, 2008. - 1-8: Refreactions: Flying Towards The Sound (A Solo Piano Suite In Eight Refractions) Refractions 1. Flying Towards The Sound Refractions 2. Red Velvet In Winter Refractions 3. Dancing Mystic Poets At Midnight Refractions 4. GOD's Ancient Sky Refractions 5. Dancing Mystic Poets At Twilight Refractions 6. Faith Carriers Of Life Refractions 7. Dancing Mystic Poets At Dawn Refractions 8. Flying Toward The Sound (Reprise) 9. Your Pure Self (Mother To Son)

(10/05/22)1-8曲までソロ・ピアノの組曲になっていて、ジャケットには「セシル・テイラー、マッコイ・タイナー、ハービー・ハンコックからインスパイアされた」とあります。完全な即興なのかある程度記譜されているものかは分かりませんが、クラシックや現代音楽から、硬質なジャズの路線のものまで、割とソロ・ピアノとしては女性的ではあるけれどもハードな路線で演奏しています。ある程度表現の幅はあるものの、通して聴くにふさわしい統一感があります。あくまでもある程度の緊張感を強いてきますが、その緊張感が心地良い部分も多いです。60分中55分が組曲になっているので、いかにここに重点を置いているかが分かるでしょう。統制のとれたシリアスなピアノです。その分、9曲目では、少しリラックスした演奏があります。

2010/05/18

「スイングジャーナル(Swing Journal)」6月で休刊

昨夜、ニュースがあちこちで駆け巡ったのですが、ジャズ雑誌「スイングジャーナル(Swing Journal)」が6月19日発売の7月号で休刊、とのことです。私も’86年1月号から今年の2月号まで買い続けていて、今も持っています。その数日前にフライング情報がTwitterで出ているのを知って、どうせあと少しだからと、3-5月号のバックナンバーを注文しました。

「スイングジャーナル」については、最近雑誌の内容や密度などに疑問点を持ち、昨年9月に「「スイング・ジャーナル」10月号を買ったけれど」、今年1月に「ブログ再開/「Swing Journal」を買うのをやめた」という記事を書いていて、そういういきさつで、2月号で買うのをやめてました。

ニュース記事でも、原因として「広告量の減少」と「販売部数の減少」があがっていたけど、ニュースによっては「広告量の減少」のみを原因として書いているところもけっこうあって、これがやっぱりこの会社の体質なのかな、とも思いました。現代の未曾有の出版不況の中、出版社も書店もどんどんなくなっている時代なので、「Jazz Life」の時(’01年)のような復刊は望み薄かもしれません。メインの雑誌が休刊だと、休刊後に会社は清算でしょうか。

「Jazz Life」は立東社の倒産で休刊になったのですが、当時の「Jazz Life」は単体では黒字だったこと、「ベストカー」の三栄書房(今は会社名が変わったようですが)という引き取り手がいて、復刊にこぎつけました。CDの販売状況や書籍の販売状況も9年も前のことなので、今よりもずっと良かった、ということもあります。

「スイングジャーナル」を購読していないジャズファンもまわりにはかなり多く、伝統ある雑誌なのでひとつの区切りかな、とは思わせますが、個人的にも情報はネット、購入は通販と輸入盤にシフトしてしまっているし、購読をやめても困らなかったので、あまり感慨というものはありません。休刊で日本のジャズ文化が大きく変わっていくとも思いません。

それでも’90年代あたりまでは国内盤中心の購入だったし、けっこういろいろと国内盤でCDが発売されていたので、かなり重宝してました。この雑誌と「Jazz Life」で今月あるいは来月買うCDを決めて買ったり予約してたりとか。そういう意味では、当時はお世話になりました、と言うべきでしょうけれども。’47年の創刊で、確かに戦後のジャズ文化をけん引していた役割もあったと思います。お疲れさまでした。

2010/05/17

愛の風に乗せて/千明せら

Seraaino
今日は「インディーズのジャズCDを応援するページ」からの1枚です。

「愛の風に乗せて/千明せら」(Nagomi Records) - 千明せら(Vo)、渡辺かづき(P)、田辺 等(B)
Recorded March 23 and 26, 2010.(2,200円、税込み)
1. Summertime 2. It's Only A Paper Moon 3. 愛の風に乗せて-生きてる人へのメッセージ その2 4. Am I Blue 5. 千の風~泣かないで-生きてる人へのメッセージ その1 6. ブルーローズ 7. ユアソング 8. Tea For Two 9. Jupiter 10. バニラの香り 11. Route 66 12. Moon River

今まで長くデュオのユニットとしてやってきたケイ柴田さんが亡くなり、千明せらさんは悲しみの淵に立たれました。その想いを新しいCDにこめつつ、ジャズシンガーとしてだけではなくて、シンガーソングライターの立場も合わせて、新しいアルバムを作りました。そこには、なつかしむ気持ちも、これからの希望もあるような気がしています。ちなみにせらさんの作詞・作曲は英語、日本語の歌詞の曲を含め、5曲(3、5-7、10曲目)もあります。スタンダードその他の曲がちりばめられていて、アルバムは変化に富んでいます。

このアルバムでも、「和・なごみ」がテーマになっています。ちなみに今回参加しているピアノの渡辺かづきさんは、ジャジーにも弾けるけど、透明感があって好きなピアニストです。そしてベーシストの田辺等さんとは30年以上の付き合いだそうで、亡くなったケイ柴田さんのお気に入りだったそうです。

半分ほどがスタンダードの曲。1-2曲目はスタンダードなんですけど、ちょっとアレンジが変えてあって、それでいて奇抜ではなくて、味のあるサウンドに仕上がっています。陰影がありつつスマートに演奏される1曲目、ちょっとスローでじっくり聴かせる2曲目。4曲目はタイトルとはうらはらに明るいメロディを持つワルツ(8分の6拍子?)のスタンダード。同じくワルツ(8分の6拍子)で明るい味わいのある8曲目。

3、5曲目が、メッセージ性のある日本語の歌詞のオリジナルで、日本の情緒もあるJ-POP(ちょっと前のジャンル分けならば大人の雰囲気のあるニューミュージック)なのですが、私はこちら方面も好きなので、じっくり聴きました。3曲目が哀愁のあるメロディ、5曲目の方は長調になっていますが、やはり歌詞は「悲しまないで」とのメッセージが。

6-7、10曲目もオリジナルですが、英語の歌詞のため、スタンダードにも聴こえます。6曲目はメロディも何もかもジャズしています。7曲目はポップス的なノリの明るい8ビートの曲。10曲目もポップス的ですけど、ジャズ的フレーバーが効いていて、楽しい。

9曲目「ジュピター」は、ちょっと異色かなと聴く前は思ってましたけど、やや重厚な雰囲気で、なかなか聴きごたえがあります。引き締まった感じで後半のアクセントかな。

そして、モロにジャズのサウンドをどっぷりひたることになる11曲目、ラスト12曲目で慈しむように、それでいて声量があるのか、堂々と歌う「ムーン・リヴァー」で、しっとりと幕を閉じます。

曲の試聴はこちらでできます。
http://www.youtube.com/user/EVERY1BHAPPY

購入についてはメールで受け付けしているとのことです。下記アドレスへどうぞ。

thanku4649-toiawase@yahoo.co.jp(CD の受付先)

せらさんのホームページブログはこちら。

2010/05/16

Now/John Patitucci

Johnnow
久しぶりに’98年以前に書いたコメントの手直し聴きです。なぜこれをやらなくてはならないか、というと、これでクリス・ポッターのページが(完全ではないですけど)一段落するからです。当時はジョン・スコフィールドとマイケル・ブレッカーにばかり目がいって、このアルバムでかなり活躍しているクリス・ポッターに注目しなかったのかが不思議なんです。でも、当時は他に追っかけしているミュージシャンがいっぱいいて手一杯だったこともあったり、国内盤中心の買い方をしていたので、注目しなかったんですかね。けっこう素晴らしいですよ、ここでの演奏は。マイケルとキャラクター的に曲の感じが違うので、出てくるフレーズやメロディが2人ではっきり違い、その比較も面白いです。今一流の、魅力あるメンバーでの録音なので、けっこういいです。


Now/John Patitucci(B)(Concord)(輸入盤) - Recorded January 14-17, 1998. Michael Brecker(Ts), Chris Potter(Ts), John Scofield(G), Bill Stewart(Ds) - 1. Now 2. Grace 3. Out Of The Mouths Of Babes 4. Hope 5. Labor Day 6. Espresso 7. Forgotten But Not Me 8. Search For Peace 9. Giant Steps 10. Miya

8曲目のマッコイ・タイナー作、9曲目のジョン・コルトレーン作以外はジョン・パティトゥッチ作曲。ジョン・スコフィールドは1-8曲目に、マイケル・ブレッカーは4-5曲目に、クリス・ポッターは1-3、6-7曲目に参加。ジョン・スコの全面的参加がうれしい。1-7曲目までピアノレス・クァルテットで、内容もストレート・アヘッドな現代ジャズの仕上がりです。どのフロント陣も自由に弾いたり、吹いています。テナー・サックスは、2人を比べてみるとキャラクターの違いが分かります。バラード(4、8、10曲目)の曲も。7曲目まではアコースティック・ベース、8曲目以降が6弦エレクトリック・ベースなのですが、8曲目はギタートリオ、9曲目の「ジャイアント・ステップス」はドラムスとのデュオ、10曲目はソロで聴けます。分けたことで統一感あり。

2010/05/15

This Will Be/Chris Potter Quartet & Jazzpar Septet

Chrisjazzpar
クリス・ポッターのリーダー作は、これで全部聴き終えたことになるのかな? とりあえずは一段落でホッとしました。このアルバム、「The Jazzpar Prize」とサブタイトルがあって、’00年にこれで賞をとったんでしょうね。組曲はその発表、という感じなんですけれども、現代ジャズのみのサウンドではなくて、クラシックだったりエリントンサウンドだったり、表現の幅が通常のジャズを超えてしまっているので、好き嫌いは分かれるかもしれません。当時から編曲にも興味を示していた、ということで、後に10人編成のバンドアレンジが出てくる伏線になっているようです。ちょうどConcordがらVerveに移籍する間での録音でした。


This Will Be/Chris Potter(Fl, Ss, Ts, Bcl) Quartet & Jazzpar Septet(Storyville)(輸入盤・中古) - Recorded March 9-10 and 12, 2000. Kevin Hayes(P), Scott Colley(B), Billy Drummond(Ds), Kasper Tranberg(Cornet), Peter Fuglsang(Fl, Bcl), Jacob Fisher(G) - 1. This Will Be 2. Okinawa JAZZPAR Suite: 3. Part One - Chorale 4. Part Two - Medium 5. Part Three - Rubato 6. Part Four - Tribute To Hodges & Ellington 7. Part Five - Ballad 8. Part Six - Folk Tune 9. In A Sentimental Mood

(10/05/15)9曲目を除き、全曲クリス・ポッター作曲。1-2、9曲目がクァルテットで3-8曲目の「JAZZPAR組曲」はセプテットでの演奏。1-2曲目は再演曲ですが、ライヴなので長尺で臨場感はあります。サックス・ソロではじまりアップテンポの4ビートでグイグイ進む1曲目、沖縄の旋律を使った明るめのサウンドから中盤フリーに向かう2曲目。3-8曲目の組曲は構成が素晴らしく、ジャズ的な面もあれば、クラシックの影響も感じさせる面もあるホーン・アンサンブルで、それを効果的に使いながら、コアのメンバーでの演奏や各メンバーのソロが引き立ちます。現代ジャズの側面を見せる時もあれば、エリントンサウンドのような場面、しっとりとした静かな場面も。9曲目のバラードは中盤にミディアムに盛り上がり、幕を閉じます。

2010/05/14

The Brighter Side/The Joel Spencer Kelly Sill Quartet featuring Chris Potter

Joelbrighter
これもクリス・ポッターの初期の参加作で、廃盤なので中古で買いました。ワン・ホーン・クァルテットなので、リーダー作のような目立ち方をしています。リーダーはドラムスとベースの双頭カルテットのアルバムなんですけど、そう言われてみれば、彼らのプッシュが目立つかな、というサウンド。ベーシストKelly Sillの作曲も2曲(5、7曲目)あります。バラードの曲を除いて、どの曲も盛り上がる場面があるので、コメント書きに苦労してます(笑)。けっこう当時のオーソドックスなジャズというイメージも強く、そこに今風の風味が少し入っているかな、という感じ。クリ・ポタのファンなら聴いておいても損はないでしょう。


The Brighter Side/The Joel Spencer(Ds) Kelly Sill(B) Quartet featuring Chris Potter(Ts, Ss, As)(Concord)(輸入盤・中古) - Recorded April 19 and 20, 1993. Garry Dial(P) - 1. Fear Of Flying 2. Rosebud 3. The Greater Fool 4. Additional Dialogue 5. Naomi 6. The Breighter Side 7. Ironic Line 8. Charlie's Tonic

(10/05/14)クリス・ポッター作が1、6曲目で、その他の曲の大半(4曲)がGary Dialの曲なのですが、やはりベースとドラムスのソロも多め。ワン・ホーンというのもポッターの露出度高し。ややオーソドックスなサウンドか。8分の6拍子でドラムスも強力にプッシュして明るいフレーズを吹きまくる1曲目、淡い浮遊感のあって盛り上がる、ややアップテンポの2曲目、静かな出だしから8分の6拍子中心で、時々超アップテンポの4ビートが入りこれまたプッシュする3曲目、これまたワルツ的なサウンドで突き進む4曲目、しっとり感のある静かなバラードの5曲目、サックスとベースのユニゾンのテーマからアップテンポの4ビートで攻める6曲目、けっこうオーソドックスな4ビートの7曲目、かなり明るいサウンドとビートで楽しめる8曲目。

2010/05/10

Pathways/Dave Holland Octet

Davepath
デイヴ・ホランドの新作は8人編成のオクテット。ドラムス、ヴァイブラホンのウデが確かなのは当然として、ホーンの5人は皆、リーダー作だってそれぞれ出ているくらい、一流のミュージシャンです。ライヴでこんなアンサンブルを変拍子も取り混ぜて、しかも聴かせるソロもとれるとなると、選ぶメンバーも限定されてしまうんでしょうね。だから、ものスゴいことをやっているのを肌で感じますけど、音楽の楽譜を見たりとか音楽の学理が分かっているわけではないので、それがどの程度かが分からないのがクヤシイところ(笑)。アンサンブルで固めすぎ、という意見もありますけど、やろうと思ってもなかなかここまではできないということで、個人的には絶賛できるアルバムとなりました。


Pathways/Dave Holland(B) Octet(Dare2 Records)(輸入盤) - Recorded January 7-11, 2009. Antonio Hart(As, Fl), Chris Potter(Ts, Ss), Gary Smulyan(Bs), Alex "Sasha" Sipiagin(Tp, Flh), Robin Eubanks(Tb), Steve Nelson(Vib, Marimba), Nate Smith(Ds) - 1. Pathways 2. How's Never? 3. Sea Of Marmara 4. Ebb And Flow 5. Blue Jean 6. Wind Dance 7. Shadow Dance

(10/05/09)3曲目がクリス・ポッター作、6曲目がアレックス・シピアギン作、他は全曲デイヴ・ホランド作。再演曲も何曲かあるライヴ。変拍子も含めて高度なアンサンブルを維持するため、一流どころのホーンが集まった感じです。変拍子的ラテン拍子で、シャープなサウンドでのアンサンブルで突き進むのがカッコ良い1曲目、収まりのいいような変拍子ファンクのような、変化を伴いながら進む13分台の2曲目、バラードの(7拍子系?)ゆったり感からかなり盛り上がる3曲目、モロにラテンサウンドなんだけれども変拍子で進んでいく4曲目、しっとりとした陰影のあるメロディの4拍子ボッサの5曲目、綾織り系アンサンブルのテーマと変拍子(9拍子系?)で幻惑される6曲目、ゆったりはじまりテンポが自在に変わる15分台の7曲目。

2010/05/09

Jasmine/Keith Jarrett/Charlie Haden

2165
このアルバム、昨日の夕方届いたばかりで、本当はまだ先に聴く予定だったのですが、順番を変えて。バラード中心で温かみのあるホンワカしたアルバム。キース・ジャレットの変にジャズくささのない、自然に流れるようなメロディが素晴らしいです(実際には弾いているフレーズは聴いているより複雑そうな部分も見受けられますが)。チャーリー・ヘイデンもデュオのアルバムをかなりたくさん出しているベテランなので、2人で息の合ったところを聴かせてくれます。ベースの訥々とした語り口もいいですね。ゲイリー・ピーコックだったらこんな雰囲気出ませんし。肩の力がかなり抜けている、リラックスした演奏ですけれど、こっち方面が好きな方は、一度耳にしておいてもいいアルバムだと思います。


Jasmine/Keith Jarrett(P)/Charlie Haden(B)(ECM 2165)(輸入盤) - Recorded March 2007. - 1. For All We Know 2. Where Can I Go Without You 3. No Moon At All 4. One Day I'll Fly Away 5. Intro - I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life 6. Body And Soul 7. Goodbye 8. Don't Ever Leave Me

(10/05/09)5曲目のイントロ部分がキース・ジャレットの即興部分(自然なメロディ)の他は、全てスタンダードでバラード中心、ミディアムの4ビート(3曲目、6曲目中盤のみ)。しっとりとピアノが優しく、そしてメロディアスに歌い上げていく曲が多いです。6曲目ではいつもの彼の入り組んだメロディの面も。バップの香りは微かで、自然にメロディが紡ぎだされていきます。そこに寄り添うようにチャーリー・ヘイデンの、ややねばり気のあるベースですが、バラードが多いため、どっしりと支えています。レーベル特有の硬質さは息をひそめて、温かみのあるホンワカとした雰囲気が前面に出ています。ECMでただひとり、スタンダードをこのように演奏していいことを認められているキースならではのアルバム。それでも昔に比べれば、丸いか。

2010/05/08

Pure/Chris Potter

Chrispure
クリス・ポッターの中古盤がまた届きました。今回のアルバムは、程度は非常に良いはずなのに、CDの盤面が細かいすり傷だらけで、前に持っていた人はたぶん、CDをケースから出してはだかのまま、積んでいたりしたんじゃなかろうかと思います。CDプレイヤーの方はトレース能力が高いので、音飛びはなかったですけど、こういうのをプレミアつけて売る神経も、さすが外国、という感じですね。まあ、音源を聴けたということでは満足しています。今回は3曲でオルガン、3曲でピアノが加わり、あとはサックス(他の楽器の曲もあり)・トリオの演奏が多いのですが、ホーンの多重録音もあって、変化に富んでいます。逆にあれもこれも、という感じもなきにしもあらずでしたけど、ポッターの演奏自体は満足度は高かったでした。


Pure/Chris Potter(As, Ts, Ss, Bcl, Afl)(Concord)(輸入盤・中古) - Recorded June 14 and 15, 1994. Larry Goldings(Org on 1, 4, 11, P on 3, 6, 8), Larry Grenadier(B), Al Foster(Ds), John Hart(G on 3, 8, 11) - 1. Solome's Dance 2. Checking Out 3. Resonance 4. Bad Guys 5. Boogie Stop Shuffle 6. Second Thoughts 7. That's What I Sad 8. Fool On The Hill 9. Bonnie Rose 10. Easy To Love 11. The Distant Present 12. Every Time We Say Goodbye

(10/05/08)全12曲中、7曲(1-4、6-7、11曲目)がクリス・ポッター作で、9曲目がアル・フォスター作、8曲目がビートルズの曲、他にスタンダードなどで、やはりオリジナルの割合が多いです。60分で12曲なので、1曲あたりちょっと短め。当時はいろいろな楽器を駆使しての演奏が印象的で、それぞれの楽器の使いこなしがうまい。ここではオルガンを加えた編成(ただし3曲のみ)の曲があるのもちょっと珍しいです。オリジナルは当時は分かりやすいものが目立ちますが、やや個性的な曲もあります。ワン・ホーン(ホーンの多重録音も入っています)で、バリバリと吹きまくる場面も目立ちます。約半分の曲はサックス・トリオで勝負なので、ホーンの露出度が高いわけです。ピアノ、ギターの参加の曲もいいですが。ラストはソロ。

2010/05/07

ロード・トゥ・ショパン/小曽根真

Ozoneroad
小曽根真の新譜は、基本的にソロ・ピアノのショパン集です。2曲ずつアナ・マリア・ヨペク(Vo)かグレゴリー・マレ(Harmonica)が参加しています。ジャズ・ミュージシャンがクラシックの曲を演奏すると、テーマだけ持ってきてあとはジャズで、ということが多いのだけど、ここではそういう演奏がなくて、ジャズを感じさせる曲も少なめ。クラシックの土俵に上がってテーマを尊重しつつ、その雰囲気のまま即興演奏をしていると考えられる、クラシックのテクニックを持ち合わせてないとできない演奏をしています。こういうやり方って他ではなかなか聴くことができないんじゃないかと思います。できればクラシックに詳しくてピアノも弾く方に感想をお聞きしてみたいなあ、なんて思ってますけれど。


ロード・トゥ・ショパン/小曽根真(P)(Universal)(国内盤)
Road To Chopin/Makoto Ozone(P)(Universal) - Recorded November 9-12, 2009. Anna Maria Jopek(Vo on 1, 12), Gregoire Maret(Harmonica on 4, 7) - 1. Dumka (Nie Ma Czego Trzeba) 2. Mazurka No.13 Op.17-4 3. Valse No.6 "Petit Chien" 4. Prelude No.4 In E Minor 5. Etude No.4 Op. 10-4 6. Improvisation From Prelude No.15 Op.28-15 7. Improvisation From Mazurka No.24 Op.33-3 8. Valse No.7 Op.64-2 9. Mazurka No.40 Op.63-2 10. Polonaise No.3 Op.40-1 " Militaire" 11. Nocturne No.2 Op.9-2 12. Mazurka No.2 - Polish Folk Song "Kujawiak"

19世紀ポーランドの偉大な作曲家、フレデリック・ショパンの曲を元に即興も加えた演奏です。ヴォーカルが2曲に、ハーモニカが2曲に参加していて、しかもアドリブの部分もけっこうあると思うのですが、多くの曲はクラシック的に展開していて、ジャズ的な即興にはなっていないところがミソ。原曲をクラシックで聴いたことがない曲が多いので何とも言えないですけど、これをショパンの曲そのものです、と言って聴かせても違和感がないのでは、と思わせます。即興とクラシックとショパンのピアノに精通していないと、そしてテクニックもないとこういう本格的なアプローチはなかなかできないものです。素晴らしい。その中でも7-8曲目は、ジャズのスウィングやフリー・インプロヴィゼーションの要素があったりします。それも自然な流れ。(10年4月14日発売)

2010/05/06

オール・カインズ・オブ・ピープル~ラヴ・バート・バカラック~/Produced By ジム・オルーク

Jimburt
聴きました、このバート・バカラック集。豪華なヴォーカル陣と、そしてクリヤ・マコトと藤井郷子という、異色のピアニストの参加ということで手を出したのですが、これまた見事にポップス集で、他のジャズ・ピアニストの黒田京子を含め、ほぼ伴奏に徹していて、さすがゲスト参加、というような面はありませんでした。流行の先端を行くようなポップスファンには、こういうサウンド、人気がありそうですが。何たってジャズでもなければファンクでもなく、ポップスなので、まあ、曲のメロディを楽しんで、はい、聴きましたっていう感じかな。もっと強烈なジャズやファンク側からのアプローチを期待していたのですけれども。


オール・カインズ・オブ・ピープル~ラヴ・バート・バカラック~/Produced By ジム・オルーク(B.J.L)(国内盤)
All Kinds Of People - Love Burt Bacharach - /Produced By Jim O'Rourke(Vo, B, G, Harpsichord, Banjo, Cello, Whritzer)(B.J.L.) - Released 2010. Haruomi Hosono(Vo on 1), Thurston Moore(Vo, Noise on 2), Etsuko Yakushimaru(Vo on 3), Akira Sakata(Vo, Cl on 4), Masaya Nakahara(Vo on 4), Yoichi Aoyama(Vo, G on 5), Kahimi Karie(Vo on 6), Chu Kosaka(Vo on 7), Mitsuko Koike(Vo on 8), Yoshimi(Vo, Tp, Per on 9), Donna Taylor(Vo on 11), Glenn Kotche(Ds on 1, 4-11), Kyoko Kuroda(P on 1, 3-5, 10), Yuji Katsui(Vln on 1, 5, 11), Mikiko Narui(Vln, Viola on 1, 5, 11), Eiko Ishibashi(Fl on 1, 8-9), Toshiaki Sudoh(B on 2-5, 7-9, 11), Makoto Kuriya(P on 2, 6, 11), Shiro Sasaki(Tp on 6), Satoko Fujii(P on 7-9), Yoshio Machida(Steel Pan on 8) - 1. Close To You 2. Always Something There To Remind Me 3. Anonymous Phone Call 4. After The Fox 5. You'll Never Get To Heaven 6.Do You Know The Way To San Jose 7. Don't Make Me Over 8. Raindrops Keep Falling On My Head 9. I Say A Little Prayer 10. Trains And Boats And Planes 11. Walk On By

ジム・オルークによるバート・バカラック集。ジャズ色はなく、全くのポップスのアルバムと言っていいアレンジ。キーボードにジャズ畑の人を3人使っていますけれど、特に個性を強く感じることもなく、ポップスに合わせて演奏しているというサウンドです。曲ごとにヴォーカリスト(けっこう有名な人もいます)が交代して、ジム・オルーク自身も歌っているのが何曲かあります。聴いて面白いのが4曲目の坂田明で、歌詞とは関係ないことを、いつもの調子でしゃべりまくっています。クリヤ・マコトと藤井郷子が同じアルバムでピアノを弾いている、ということで手が出たアルバムですけど、これでは他のミュージシャンでも置き換えできるかもしれないなあ、なんてことを感じました。ジャズファンよりは先端のポップ・ミュージックファン向けか。(10年4月7日発売)

2010/05/05

Time After Time/セルジュ・デラート・トリオ

Sergetime
昨日に引き続き、澤野工房の4月発売分で、定期的にこのレーベルを購入する最後のアルバムとなりました。このレーベルとはもう10年ぐらいの付き合いになるかな。当初はヨーロッパの隠れ名盤を発掘したりフランスのSketchレーベルを取り扱ったりしていたのですが、最近は澤野おかかえのミュージシャンのローテーションという趣きが強くなり、さすがにスタンダード中心のオーソドックスなピアノ・トリオを、ずっと聴いていくのも感想を書くのもつらくなってきた、というのが本音です。それでも他レーベルに比べて水準の高いアルバムを出し続けてはいるんですけどね。ここの読者の方はご存じでしょうけれど、私はひとクセもふたクセもあるジャズの方が好きなもので。でも、このレーベルには感謝してます。これからは気になったアルバムだけ買っていくことにします。


Time After Time/セルジュ・デラート(P)・トリオ(澤野工房)(国内盤)
Time After Time/Serge Delaite(P) Trio(Atelier Sawano AS097) - Recorded March 3-5, 2009. George Mraz(B), Jean-Marc Lajudie(Ds). - 1. Time After Time 2. Invention No.13/Moon And Sand 3. Recordame 4. Michelle 5. Without A Song 6. The Night Has A Thousand Eyes 7. Stardust 8. Invention No.4/In A Sentimental Mood 9. On The Trail 10. What's New

セルジュ・デラート・トリオ。彼の作曲はなく、スタンダード中心。2、8曲目の出だしの部分にバッハが使われていたり、4曲目はビートルズの作品「ミッシェル」だったりと、いろいろ変化に富んでいます。選曲はなかなかで、この曲目でこの順番だと、心地良い時間が流れていく感じ。また、ベテランのジョージ・ムラーツがベースで、ベース・ソロやドラム・ソロの露出度が他のアルバムに比べて高いような気がします。特にベース・ソロは素晴らしい。やはりピアノはクリアでいて力強い面もあるのが特色で、非常に耳あたりのいい気持ち良いピアノを弾いてくれます。それでいてバラードは慈しむような心地良さがあります。3曲目の「リコーダーミー」はややアップテンポのノリの良いビートでやってくれて、この曲では甘さ控えめという感じ。(10年4月23日発売)

2010/05/04

Night Dreamer/エルマー・ブラス・トリオ

Elmarnight
澤野工房の3月に発売されたアルバム。だんだん聴くのが遅くなってきて、もう4月発売のものも届いています。こういうピアノ・トリオが好きなファンにはいいのでしょうけど、自分はひとクセあるピアニストが好きで、まあ、悪くはないだろうけれども、エヴァンス派の叙情的な面も見せながら、ドライブがかかったようなノリの良い演奏も聴かせる、というくくりで聴こえてしまいます。それが聴くのが遅れてしまう要因になってしまっているのかな、と思います。個人的にはこういうアルバムでもオリジナル曲を1曲でも演奏して個性をもっと見せてほしい、ということもありますね。やはり澤野工房をもってしてもヴィーナス化は避けられない、といったところかも。

(追記)4月はまたセルジュ・デラートで、5月もまたティチアン・ヨーストか、と思い、とりあえず4月発売分で澤野の全部購入はやめて、今後は気に入ったものだけを購入していくことにします。


Night Dreamer/エルマー・ブラス(P)・トリオ(澤野工房)(国内盤)
Night Dreamer/Elmar Bress(P) Trio(Atelier Sawano AS096) - Recorded December 20, 2008 and January 10, 2009. Markus Schieferdecker(B), Guido May(Ds) - 1. I'll Never Smile Again 2. How My Heart Sings 3. The Eternal Triangle 4. A Nightingale Sang In Berkeley Square 5. Black Nile 6. Red Top 7. My Heart Stood Still 8. Night Dreamer 9. The Look Of Love 10. Dewey Square 11. We'll Be Together Again 12. In The Still Of The Night

エルマー・ブラスの作曲はなく、スタンダードやジャズメン・オリジナルで12曲。ドイツ出身で、ヨーロッパ系の明るいジャズピアノという感じで、割とスウィングしてます。明るくてキラキラしつつも、なよなよとしてはいないのですが、ビル・エヴァンスの愛奏曲を弾かせると、やはりけっこうエヴァンスの影響があるのだな、と思わせてしまいます。やはりヨーロッパ系ということで、バラードの曲がなかなか繊細でいい味わいです。ソニー・スティット作が3曲目に、ウェイン・ショーター作が5、8(タイトル曲)にあるので、骨のある方にも軸足を置いているとは思うのですが、それも彼のマイペースで、決して骨太になっているわけではないです。テンポの速い曲でもよくコロコロと転がっていくソロです。次回作にはオリジナル曲も期待してます。(10年3月26日発売)

2010/05/03

シング・シング・シング2010/マンハッタン・ジャズ・オーケストラ

Mjosing
マンハッタン・ジャズ・クインテットの方はトランペットとサックスがユニゾンでテーマを吹いたりして分かりやすい入門者向けの曲が多いのですが、オーケストラ(ビッグ・バンド)になると、通常の4Tp、5Sax、4Tbの編成とは異なり、3人ほどのサックス(しかもフルートやクラリネットなどに持ち替えができる人)にフレンチホルンやチューバも混ざって、ある意味ギル・エヴァンスをほうふつとさせるような(譜面はしっかり書き込んであるという意味では、ギルとは違いますが)サウンドが出てきます。題材は有名なものが多いけど、けっこうマニアックなビッグバンド・サウンドだと思います。今回はスウィング・ジャズがメインの題材のようですが、しっかり現代ジャズしている(しかも聴きやすい)ところがミソ。


シング・シング・シング2010/マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(Birds Records)
Sing Sing Sing 2010 -Tribute To Benny Gooman-/Manhattan Jazz Orchestra(Birds Records) - Recorded 13 and 14, 2009. David Matthews(P, Cond), Lew Soloff(Tp), Walter White(Tp), Scott Wendholt(Tp), Kenny Rampton(Tp), John Fedchock(Tb), Birch Johnson(Tb), Larry Farrell(Tb), Dave Taylor(Btb), John Clark(French Horn), Vincent Chancy(French Horn), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(as, Fl, Afl), Andy Snitzer(Ss, Ts on 4-5), Bob Marack(Ss, Ts, Cl), Scott Robinson(Bcl, Cl, Bs), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds) - 1. Sing Sing Sing [2010 Version] 2. Don't Be That Way 3. Memories Of You 4. One O'clock Jump 5. For A Good Man 6. King Porter Stomp 7. Goodbye

ベニー・グッドマン楽団の有名曲を1曲目のタイトル曲に持ってきて、デヴィッド・マシューズのオリジナルは5曲目。他にもスウィング時代の名曲がズラッと並んでいます。1曲目からしてアレンジはポップな現代ビッグバンドジャズで(だから2010年ヴァージョンか)、マシューズのビッグバンドの低音重視が生きています。ベニー・グッドマン自身も作曲した、随所に今のサウンドと楽しさのある2曲目、ユービー・ブレイク作も重厚なビッグ・バンドになってしまう3曲目、カウント・ベイシー作のアップテンポで躍動感のあるアンサンブルの4曲目、ミディアムでの、当時の既成曲かと思う感じに仕上がっている5曲目、ジェリー・ロール・モートン作でややブライトなサウンドが印象深い6曲目、淡かったり鋭かったりするカラフルなバラードの7曲目。(10年4月21日発売)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

Amazon検索

HMV検索

  • HMV検索
    検索する
2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

メールアドレス

友人が運営しているサイト