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2009/06/30

無限の譜/山本邦山

Yamamotomugenn
本当は今月はもうCDを買わないつもりだったのですが、昨日、このアルバムが24日に初CD化で出ているのを発見。即注文して、在庫ありだったので、その日のうちに発送、今日の到着となったものです。何たって富樫雅彦と佐藤允彦と山本邦山ですからね。最近和ものジャズ、しかもフリー系にけっこうハマッている私には、たまらないアルバムとなりました。なんかいいなあという気分で聴いてしまったので、下記のアルバムコメントがコメントの体をなしてないんじゃないかと、自分でも思いますけど、もうこれはこれでいいんではないかと、開き直ってます(笑)。でもユニバーサルのこのシリーズはそろそろこの辺で打ち止めにしておかないと、歯止めが効かないことになりそうです。


無限の譜/山本邦山(尺八)(Universal) - Recorded December 10-12, 1979. 富樫雅彦(Ds、Per)、佐藤允彦(P) - 1.古鐘 2.遠音 3.銀響 4.竹の譜 5.陽明 6.久遠の呼吸 7.海の彩 8.鼓動 9.無限の譜

全曲3人のフリー・インプロヴィゼーション。初CD化にもかかわらず、山本邦山の名盤「銀界」に負けないくらいの名盤ではないかと思います。このメンバーでの緊張感のあるやり取りもなかなか。あるいはリラックスしたサウンドの場面もあって、変化に富んだ素晴らしい演奏を聴くことができます。和的な丁々発止のやり取りというか、メロディアスな部分もあれば、尺八が咆哮するような奏法をするところもあって、それに絡むピアノとパーカッションが鋭く切り込んできます。曲のタイトルには純日本語のタイトルと英訳したタイトルがついていますが、日本語の方だけで雰囲気が出ています。和の雰囲気で情緒感あふれるインプロヴィゼーションを聴くにはいいアルバム。9曲目で盛り上がってフェードアウト。あまりにも日本的なフリー。(09年6月24日発売)

2009/06/29

寿歌(ほうぎうた)/日野皓正

Hinohogi
以前は日本のジャズはアメリカの数年遅れでやってくるなんている固定観念がありましたが、’60年代から日本独自のジャズがだんだん芽生えてきて、とくに’70年頃からのフリー系のジャズは日本独自の文化になっていることに気がつきました。そして、このアルバムも、’75年から渡米した日野皓正のニューヨーク録音で、2人外国人のミュージシャンが加わっていても、それでも日本的な味わいを出しているんだなあ、と聴いていてつくづく思いました。むしろ意識して日本を前面に出している感じ。こういう硬派なEast Windというレーベルが’70年代の日本にあったことをうれしく思います。


寿歌(ほうぎうた)/日野皓正(Tp、Flh、Per)(East Wind) - Recorded May 18-19 and 23, 1976. Cecil McBee(B)、日野元彦(Ds、Per)、M'tume(Per) - 寿歌: 1.暁光 2.豊穣 3.融和 4.寿歌 5.悠久   6.妖精 7.終焉

日本古来の音楽とジャズの融合とでも言うべきサウンド。全曲日野皓正の作曲で、タイトルも和的で凝っています。最初の5曲が寿歌(ほうぎうた)の組曲で、パートは分かれているけれども連続した演奏。4人中、2人が外国のミュージシャンですけど、立派にシリアスな和ジャズになっているところが面白い。リズムは4ビートではなくて、重たいファンク的な2曲目のように、あくまでも当時のジャズの傾向を踏まえつつ、個性的な部分を聴かせています。3曲目でパーカッションやドラムソロが出たと思ったら。タイトル曲の4曲目でやはり重たいサンバというようなパワフルな演奏。6曲目は日本的な部分は少し影をひそめて8ビート的な定型のフレーズの上を舞うトランペット。7曲目は日本古来の音楽のような空間的な間の打楽器群です。(6月24日発売)

2009/06/28

イースト・ウィンド/菊地雅章

Kikuchieast
このアルバム、’02年に紙ジャケで1,500円で発売されていたのですが、当時は他のミュージシャンの方に夢中になっていて、結局SHM-CDの2,500円のものを今回買うことになりました。音質もいいけれど、それ以上に値段が重要な要素になっていると思うので、この出費、イタかったかどうか。でも、このアルバムの内容はけっこういいですね。まあ、これだけのメンバーなので悪かろうはずはないのですが。ただ、ベースの音やシンバルの音などにこの当時のミキシングの特徴が出ていて、ベースはピックアップからも拾っているのかな、ちょっと気になりました。でも、曲の勢いの方がスゴかったんですけれどもね。


イースト・ウィンド/菊地雅章(P)(East Wind)
East Wind/Masabumi Kikuchi(P)(East Wind) - Recorded July 3, 1974. Terumasa Hino(Tp), Kohsuke Mine(Ts), Juni Booth(B), Eric Gravatt(Ds) - 1. East Wind 2. Green Dance

日本のレーベル、イースト・ウィンドの1枚目となるアルバムで、タイトルもそのまま「イースト・ウィンド」。長尺の曲が2曲(当時のLPではAB面各1曲)という、かなり挑戦的な内容で、2曲とも菊地雅章の作曲です。1曲目がタイトル曲でモーダルな展開、2曲目は今で言うところのファンクビート的なサウンドの曲。今では内省的なピアノを弾く菊地も、当時はこういう場面では、けっこうガンガンピアノを弾いていたんですね。勢いもあるけれど、長い曲なので、それぞれソロの場面があったり、盛り上がったり静かになったりと、ドラマチックな展開の部分も。でも基本的にはかなり活発なサウンド。こういう長い曲を演奏しきるのも、やはり若さと才能、テクニック三拍子だからか。ボトムの2人は外国勢ですが、日本人3人の顔ぶれのスゴいこと。(09年5月27日発売)

2009/06/27

ポエジー/菊地雅章+富樫雅彦

Kikuchipoesy
このアルバム、なんと初CD化だそうです。そしていきなり名盤入り。内容は聴いていてなるほどなあ、と思わせる当時の菊地雅章+富樫雅彦のフリー・ジャズ。こういういい内容(でもフリーですけど)のアルバムがなんで今までCD化されなかったのか、不思議です。ここではドラムセットの上半分を叩いている音が多く入っていて、もっと後の時代の富樫のパーカッションのサウンドとは違いますけど、事故(内容は詳しくは知りませんが)からの復帰後、そんなに時間が経っていなかったことを考えると、納得です。聴く人を選ぶアルバムだけれど、聴く価値はあるんじゃないかなあと思います。


ポエジー/菊地雅章(P)+富樫雅彦(Ds、Per、etc)(Universal)
Poesy/Masabumi Kikuchi(P), Masahiko Togashi(Ds, Per, Glocken, Marimba, Gongs)(Universal) - Recorded June 30, July 6 and 13, 1971. Gary Peacock(B on 4-5, 7) - 1. The Milky Way 2. Dreams 3. The Trap 4. Apple 5. Get Magic Again 6. Roaming Around Sound 7. Aspiration 8. End

1曲目が富樫雅彦の作曲で、他は全て菊地雅章の作曲。テーマだけが作曲してあって、どの曲もフリーに突入していきますが、空間的で抑制が効いていて、彼らの演奏ならではの緊張感と、静けさが漂っています。そして4-5、7曲目にゲイリー・ピーコックが参加していて、これまた日本的なフリー・インプロヴィゼーションのサウンドに寄り添った演奏を聴かせてくれます。パーカッションは、このアルバムでは、ドラムスの上半分をパーカッション的に叩くというような叩き方が比較的多かったりします。5曲目は静けさが基調ながらも情念的に盛り上がっていく部分があります。当時はパワフルなフリージャズが多い中、こういう静かな方向性へのベクトルのフリーは当時貴重かも。でも、6-7曲目もある意味盛り上がりのある曲。(09年5月27日発売)

2009/06/26

ユーラシア/ウォルター・ラング・トリオ

Waltereurasia
ウォルター・ラングは、何年か前にECMの曲を集めたアルバムを出していて、それを購入、気になっていたピアニスト。その後、1枚買ったけど、今回はいいかな、と思って、4月発売だったけど先日までスルーしてました。ちょっとしたきっかけで、最近入手。あまり甘口のピアニストって好みではないのですが、彼は別。やはりある程度は企画力ということもあるのでしょうけれど、今回もパット・メセニーの曲を1曲目に持ってきて、世界各地の曲を集め、時に特定の国を意識して曲を作り、意外にカラフルな曲が集まってました。彼のピアノもいいですしね。でも、次のアルバムを買うかどうかは企画次第かな。


ユーラシア/ウォルター・ラング(P)・トリオ(M&I)
Eurasia/Walter Lang(P) Trio(M&I) - Recorded January 28 and 29, 2009. Thomas Markusson(B), Sebastian Merk(Ds) - 1. Last Train Home 2. Ack Vaermaland (Dear Old Stockholm) 3. Nights Of Skopje 4. Ringo Oiwake 5. Que Reste T'il De Nos Amours? (I Wish I Love) 6. Estate 7. Madrid After Dark 8. Belalim 9. Omorfi Poli 10. Traveling Far

トーマス・マルキュソン(B)、セバスチャン・メルク(Ds)。ウォルター・ラング作は7曲目(スパニッシュで快活な曲)、10曲目(16ビートの進行で明るいタッチの曲)の2曲のみ。「ユーラシア」にとどまらす、世界の各地域の曲を取り上げています。日本の「りんご追分」(4曲目)も入っていますが中盤ジャズ的に盛り上がります。エキゾチック路線ばかりではなく、パット・メセニー作の原曲を生かした明るいタッチの1曲目、トラディショナルだけれどスタンダード化した2曲目などもあり、ラングの繊細でヨーロッパ的なタッチで、幅広いジャズを取り上げています。きれいなメロディだけでなく、迷宮の世界に入り組んでいくようなフレーズ、活発なアップテンポのフレーズもまた健在で、単なる売れセンのピアノ・トリオというわけでもなさそう。3曲目のダスコ・ゴイコヴィッチ作も5拍子の哀愁の曲です。(09年4月15日発売)

2009/06/25

ブラジリアン・パッション/アマンダ・ブレッカー

Amandabrazil
アマンダ・ブレッカーの2作目。デビュー作は内容的にはポップスのアルバムだったのに、スイング・ジャーナルのゴールド・ディスクを取ったりして、これもノラ・ジョーンズ以降の時代の流れかなあ、と思ったのですが、今回のアルバムもゴールド・ディスク。まあ、そのへんのことはどうでもいいのだけれど、個人的にはデヴィッド・マシューズのアレンジのアルバムは大好きなんですよね。エレキベースが入っているので、割と派手なアレンジに感じます。でもうまく全体をまとめている感じです。彼女が実力でのし上がっていけるのかどうかは今後次第だと思いますが、両親がランディ・ブレッカーとイリアーヌなので、サラブレッド的ではありますね。


ブラジリアン・パッション/アマンダ・ブレッカー(Vo、P on 6)(Birds Records)
Brazilian Passion/Amanda Brecker(Vo, P on 6)(Birds Records) - Recorded March 27-31, 2009. Oscar Castro Neves(G), Ross Traut(G), Andy Ezrin(P), Zeb Katz(B), Ray Marchica(Ds on 1, 3, 7, 9, 11-12), Rafael Barata(Ds, Per), Ivan Lins(Vo on 1, 7), Andy Snitzer(Ts on 1, 6-8, 11) - 1. Ai Ai Ai Ai Ai 2. Felicidade 3. Meant To Be 4. Agua De Beber 5. On And On 6. In The Sun 7. Lembra De Mim 8. Fly Me To The Moon 9. Deny Deny 10. Thirsty 11. Nobre Vagabundo 12. That Dance 13. Autumn Leaves

ブラジリアン・ソング(サンバ、ボッサ)を中心に、アマンダ・ブレッカー作も4曲(3、6、9-10曲目)あって、アメリカのAORのポップス(5曲目)もあります。デヴィッド・マシューズのアレンジで、ブラジリアン・ボッサ中心にしてはけっこう派手なアレンジで、彼の曲も12曲目に。彼女の2作目で、1作目がポップス色が強かったのに比べ、こちらは現代ブラジリアン・フレーバー強し。なので、ジャズファンには聴きやすいのでは。彼女のオリジナルはブラジル色が強い3、6曲目とポップスという感じの9-10曲目に分かれます。英語、ポルトガル語、フランス語を使い分けていて、彼女の国際色豊かな素性が分かります。イヴァン・リンスも1、7曲目に登場、彼の曲を演奏。ヴォーカリストとしては今もこれからも楽しみ。13曲目はギターのみの伴奏。(09年6月17日発売)

2009/06/24

Saudacoes/Egberto Gismonti

2082
今回ECMレーベルを5枚聴きましたけど、4ビートのジャズはないのは分かってますが、ジャズに近いのはミロスラフ・ヴィトウスのアルバムだけだったかな。今日のエグベルト・ジスモンチのアルバムは1枚目は彼自身は作曲のみで、モロに現代音楽になっているし、2枚目もギターのインプロヴィゼーション度はあるかもですが、クラシックギターでの演奏になるので、いわゆるジャジーな世界とは無縁です。まあ、それでこそ自分でジャンルを切り開いているECMということでもあるんですけどね。このアルバム、CD2枚組で両方とも70分以上収録。聴き通すのは大変かもですが、聴きごたえはあると思います。ジャンルに注意。


Saudacoes/Egberto Gismonti(G)(ECM 2082/83)(輸入盤) - Recorded Augusut 2006, April and May 2007. Camerata Romeu, Zenaida Romeu(Cond), Alxandre Gismonti(G) - [CD1] Sertos Veredas - Tributo A Miscigenacao: 1. Sertos Veredas 1 2. Sertos Veredas 2 3. Sertos Veredas 3 4. Sertos Veredas 4 5. Sertos Veredas 5 6. Sertos Veredas 6 7. Sertos Veredas 7 - Palhaco Na Caravela [CD2] Duetos De Violos: 1. Lundu 2. Mestico & Caboclo 3. Dois Violoes 4. Palhaco 5. Danca Dos Escravos 5. Chora Antonio 7. Zig Zag 8. Carmen 9. Aguas & Danca 10. Saudacoes

(09/06/21)CD1枚目はエグベルト・ジスモンチは作曲(一部共作)のみで、クラシックの弦楽楽団による演奏。なので現代音楽のジャンルに入ると思います。CD2枚目はギターのデュオの演奏。Alxandre Gismontiのソロが4、6曲目、彼の作曲が6曲目。エグベルト・ジスモンチのソロは10曲目で、主に彼の作曲ないしは共作。1枚目は現代音楽でも難解さはあまりなく、それでも西欧的で温度感は低め。ラストに分かりやすいメロディ。CD2枚目は、再演曲もあって、意味過去の再演と現在進行形の彼のギターを聴けるところに意義があるかも。乾いたクラシックギターの音と速いフレーズの技巧がスゴい。ただ、インプロヴィゼーションはあっても、ジャズとは離れたサウンドなので、聴く人を選ぶか。傍系レーベル「Carmo」のマークも。

2009/06/23

Remembering Weather Report/Miroslav Vitous Group w/Michel Portal

2073
このアルバムは、アルバムタイトルは気にせずに、純粋にミロスラフ・ヴィトウスの最新リーダー作として聴く方がいいのではないかと思います。その方がヘンな先入観を持たずに聴けるからです。どうしても彼の加入していた時期のウェザー・リポートとの関連性を探してしまうのですが、どう聴いても現在進行形の彼が浮かび上がってきてしまいます。演奏もかなりフリー度が高く、ECMのアルバムとしてはけっこうな力作なんだけど、はて、ウェザー・リポートのトリビュートでは?となってしまうと、迷いが出てきます。空間の中を自由に泳ぐ各楽器や、ベースのアルコ奏法の度合いが多く、超絶技巧でもあるので、そちらの方が楽しめます。それでも、フリーがメインなので、聴く人を選ぶかと思いますが。


Remembering Weather Report/Miroslav Vitous(B) Group w/Michel Portal(Bcl)(ECM 2073)(輸入盤) - Recorded Fall 2006 and Spring 2007. Franco Ambrosetti(Tp), Gary Cambell(Ts), Gerald Cleaver(Ds) - 1. Variations On W. Shorter 2. Variations On Lonely Woman 3. Semina (In Three Parts) 4. Surfing With Michel 5. When Dvorak Meets Miles 6. Blues Report

(09/06/21)2曲目がオーネット・コールマン作で他の曲はミロスラフ・ヴィトウスの作曲。ただし1曲目はウェイン・ショーターの曲の変奏曲で、「ネフェルティティ」が顔を出しています。ウェザー・リポートのトリビュート性はあまり関係ないような気がしていて、空間の中にヴィトウスの今が垣間見えるというところでは。緊張感のある「ネフェルティティ」が自由に展開していて、各楽器が絡み合っている1曲目、テンポの感覚がややあいまいなままゆったり進んでいく2曲目、スペイシーな中でソロかテーマか曖昧なまま各楽器が登場していく13分台の3曲目、ミシェル・ポルタルとの寄り添いながら緊張感のあるデュオの4曲目、空間的ながらもベースのアルコ奏法で超絶技巧が聴ける5曲目、ブルースと言うにはかなり自由な演奏の6曲目。

2009/06/22

The Moment's Energy/Evan Parker Electro-Acoustic Ensemble

2066
ECMレーベル新譜聴き3日目。このエレクトロ・アコースティック・アンサンブルはメンバーを少しずつ替えながら、ECMでは4枚目の発売。でも、要注意盤でして、非イディオム系(メロディがほとんどないということ)のフリー・インプロヴィゼーションなので、こういう方面を聴ける人ってかなり限定されるんではないかな。ゆったりと流れていく時間軸に沿って、少しずつサウンドに変化が見られ、アコースティックの楽器とエレクトロニクスの合わさった音の流れを聴いていく作業(そう、作業ですね)をしている、という感じ。ですので、ジャズに項目を入れましたが、普通の人が想像するようなジャズ度は、ないです。ですので、かなりこっち方面が好きな人向けでしょうね。


The Moment's Energy/Evan Parker(Ss) Electro-Acoustic Ensemble(ECM 2066)(輸入盤) - Recorded November 2007. Peter Evans(Tp, Piccolo Tp), Ko Ishikawa(Sho), Ned Rethenberg(Cl, Bcl, Shakuhachi), Philipp Wachsmann(Vln, Live Electronics), Agusti Fernandez(P, Prepared P), Barry Guy(B), Paul Litton(Per, Live Electronics), Lawrence Casserley(Signal Processing Instrument), Joel Ryan(Sample And Signal Processing), Walter Prati(Computer Processing), Richard Barrett(Live Electronics), Paul Obermayer(Live Electronics), Marco Vecchi(Sound Procession) - The Moment's Energy: 1. 1, 2. 2, 3. 3, 4. 4, 5. 5, 6. 6, 7. 7, 8. Incandescent Clouds

(09/06/20)エヴァン・パーカーのエレクトロ・アコースティック・アンサンブルの4作目。毎回ちょっとづつ参加者は違います。エレクトロニクスとアコースティックの楽器のアンサンブルと言いつつも、サウンドは非イディオム系が中心のフリー。全曲エヴァン・パーカーの作曲とは言いつつも、フリー・インプロヴィゼーションのように聴こえます。ただ、エレクトロニクス系は用意周到な事前準備が必要だと思うので、けっこう手間がかかっているとは思います。グループ名どおり、両者の融合が、一体感があって素晴らしい。だけど聴く人によっては何が何だか分からない67分間になる可能性もあります。ここでは日本の楽器も出てくるのですが、少しの間判別できる程度。ジャケットに集団で演奏している写真があり、かなり大掛かりです。

2009/06/21

Siwan/Jon Balke/Amina Alaoui

2042
ECMレーベルの面白いところは、このアルバムで言うと北欧のヨン・バルケとモロッコ出身のAmina Alaouiを組み合わせてしまって、西洋音楽と中近東の音楽との折衷音楽を作ってしまうこと。今回の場合は中近東の味付けが濃いですけど、キーボードやエレクトロニクスなども地味に混ぜ込んで、流して聴いてもあまり違和感がないようにしてしまうところです。とは言うものの、このアルバムをジャズか民族音楽かというと、どちらかと言えば民族音楽に区分されるようなサウンドです。いわゆるジャズ度というのはほとんどなし。まあ、ECMには珍しいことではないんですけれども。


Siwan/Jon Balke(Key, Cond)/Amina Alaoui(Vo)(ECM 2042)(輸入盤) - Recorded 2007-2008. Jon Hassel(Tp, Electronics), Kheir Eddine M'Kachiche(Vln), Helge Norbakken(Per), Pedram Khavar Zamini(Zarb), Barokksolistene: Bjarte Eike(Vln, Leader), Per Buhre(Vln), Peter Spissky(Vln), Anna Lvanovna Sundin(Vln), Milos Valent(Vln), Rastko Roknic(Viola), Joel Sundin(Viola), Tom Pitt(Cello), Kate Hearne(Cello, Recorder), Mattias Frostensson(B), Andreas Arend(Theorboe, Archlute), Hans Knut Sveen(Harpsichord, Clavichord) - 1. Tuchia 2. O Andalusin 3. Jadwa 4. Ya Safwati 5. Ondas Do Mar De Vigo 6. Itimad 7. A La Dina Dana 8. Zahori 9. Ashiyin Raiquin 10. Thilathiyat 11. Toda Ciencia Trascendiendo

(09/06/20)全曲ヨン・バルケの作曲で、それにモロッコ出身のAmina Alaouiが補完して作曲し、作詞したアルバム。歌詞もどうやらイスラム圏の言葉のようです(曲によって西欧圏の言語もあるよう)。ヴァイオリンをはじめ、ストリングスセクションを使った曲もありますが、中近東の音楽とクラシックの折衷サウンドで、ストリングスのソロ楽器のこぶしの付け方が、やはり中近東音楽そのものになっています。エキゾチックな不思議な歌の世界が、たゆたうストリングスをバックに、ゆったりと展開していきます。そこに目立たないようにエレクトロニクスや西洋の楽器が加わっているという構図。不思議な世界ですけど、現代の民族音楽ととらえてもいいのかも。5、12曲目はエレクトロニクス中心か。楽器の絡み具合がまさに折衷民族音楽。

2009/06/20

Lost On The Way/Louis Sclavis

2098
しばらくあっちこっちのアルバムに寄り道しているうちに、ECMレーベルのアルバムが5枚たまってしまいました。もうすぐ発売予定のものがさらに2枚あるので、何だか連続聴きになってしまいそうです。今回のルイ・スクラヴィスのアルバム、ECMにありがちな静寂度は低く、けっこう元気で独特なサウンドのファンクという感じで、昔だったらJMTレーベルあたりから出た方が良かったかな、というサウンドを持っています。もっとも、マンフレート・アイヒャーもスティーヴ・レイクも、「ECMサウンドなるものは存在しない」と明言しているので、何でもアリなのかな、と思うのですが。ある種メランコリックな部分もありますが、メカニカルなサウンド、けっこう好きです。


Lost On The Way/Louis Sclavis(Cl, Bcl, Ss)(ECM 2098)(輸入盤) - Recorded September 2008. Matthieu Metzger(Ss, As), Maxime Delpierre(G), Olivier Lete(B), Francois Merville(Ds) - 1. De Charybde En Scylla 2. Le Premiere Ile 3. Lost On The Way 4. Bain D'or 5. Le Sommeil Des Sirenes 6. L'heure Des Songes 7. Aboard Ulysses's Boat 8. Les Doutes Du Syclope 9. Un Vent Noir 10. The Last Island 11. Des Bruits A Tisser 12. L'aabsence

(09/06/20)全曲ルイ・スクラヴィスの作曲ないしは共作。フランスらしいエキゾチックなメロディ、あるいはメカニカルな進行も引きずりながら、エレキ・ベースだし変拍子の曲もあって、M-BASEに近い(実際は無関係なんですが)ようなサウンド。静かな曲もありますが、ECMらしからぬ盛り上がりのある曲も多いのですが、ルイ・スクラヴィス自身が録音のプロデューサーになっているので、それも納得。2人の管楽器がなかなか押し出しの強いフレーズを聴かせてくれます。ピアノレスなので、より自由に動いていく感じです。ほとんど管楽器、時にギターがフレーズを提示しながらファンク的に盛り上がっている曲が目立ち、なかなか面白い。4曲目など民族音楽的な要素も入っているように感じます。彼ららしい空間的なサウンドの場面も。

2009/06/19

新世紀~アウト・オブ・トラック/ジョバンニ・ミラバッシ・トリオ

Giovanniout
ジョバンニ・ミラバッシもとうとう澤野工房から移籍かあ、と思って、発売後しばらく買わなかったのですが、やはり内容が気になり、5月に購入。メンバーは同じだし、いちおうジェローム・ペイヨとミラバッシ自身のプロデュース。スタンダードやジャズメン・オリジナル、映画音楽の割合がけっこう増えたな、という感じです。以前は彼のオリジナルが中心だったのですけれどもね。でも、繊細な彼の演奏も好きですけど、こんかい快活な演奏も増えて、幅に広がりを見せたのもいいところかもしれない。個性というところは薄まったかなとも思いますが。11曲目のソロ・ピアノが何とも言えず、良いんですよね。次回作がどうなるか、気になります。


新世紀~アウト・オブ・トラック/ジョバンニ・ミラバッシ(P)・トリオ(Videoarts)
Out Of Track/Giovanni Mirabassi(P)(Videoarts) - Recorded Mat 18 and 19, and July 27, 2008. Gianluca Renzi(B), Leon Parker(Ds) - 1. Dear Old Stockholm 2. Pieraninzi 3. Vuelvo Al Sur 4. Alone Together 5. Le Chant Des Partisans 6. Just One Of Those Things 7. Zoom 8. Impressions 9. Souvenirs Souvenirs 10. Hire's The Intro 11. Hire's To You 12. Convite Para A Vida

レオン・パーカー(Ds)、ジャンルカ・レンジ(B)とのトリオ。澤野工房からの移籍第1弾。前作と同じメンバーだけどジョバンニ・ミラバッシ作は少なくなり、4曲(2、7、9-10曲目)、映画音楽、スタンダード、ジャズメン・オリジナルなどが多めになっています。とは言うものの、叙情的で耽美的なピアノはここでも健在で、これでもか、というくらい美しいフレーズもあります。それと同時に、外に向けてある程度ガンガンくるような演奏もあって、1曲目の途中部分あたりに、もうその傾向が。2曲目のオリジナルもラテンビートで快活に。また、6、8-9曲目のようにけっこう元気で速いパッセージの曲もあり、これが以前とは傾向が変わった点かなと思います。プロデュース的には澤野(あるいはSketch)時代の方が好きだけど、繊細なだけでなく快活な演奏もできるという点でなかなかいいですね。(08年12月3日発売)

2009/06/18

イン・ザ・スピリット・オブ・ジョビン/ブライアン・ブロンバーグ

Brianjobim
ブライアン・ブロンバーグのリーダー作でキングの低音シリーズはこれで全部聴いたことになります。低音シリーズ以前に、キングよりフュージョン作「ジョー・クール」が出ていますが、まだ注文中。今日のアルバムは、サウンドはいいのだけれど、多重録音で引っかかった人もいるのでは。でも、ギターの音色のピッコロ・ベースも、多めのオリジナルもなかなかいい雰囲気だし、個人的には気に入っている1枚。ただ、この後、リリースの間隔が最新作まで2年になってしまうんですよね。彼はやっぱりダントツの職人芸の世界かな。テクは最高、でもそのテクほどには一流と思われていないところが少々残念かも。最新作まで聴いたことだし、次はどういうアルバムを聴かせてくれるか、興味はあります。でも3千円は高いですよ、キングさん。


イン・ザ・スピリット・オブ・ジョビン/ブライアン・ブロンバーグ(B、P、etc)(Seven Seas)
In The Spirit Of Jobim/Brian Bromberg(B, P, etc)(Seven Seas) - Released 2007. Tony Guererro(Flh on 5), Gary Meek(Fl, Ts on 2, 4-5, 8-9, 12), Otmaro Ruiz(P on 2, 4-11), Mitch Forman(P on 3, 12), Corey Allen(P、Fills on 2, 5, 12), Ramon Stagnaro(G on 2, 5-7, 9-11), Oscar Castro Neves(G on 3, 8, 12), Joel Taylor(Ds on 3-4, 6, 10, 12), Airto(Vo on 6、Per), Alex Acuna(Per、Ds), The Rising Sun Orchestra Strings Section(on 2-6, 8-12)。

アントニオ・カルロス・ジョビン集ですがブライアン・ブロンバーグの曲も6曲(3-4、8-11曲目)入っています。曲によっては多重録音でギターに相当するメロディをピッコロ・ベースで弾いていて、なかなかの味付け。リズム・ギターでは本職のギタリストも加わっています。ピッコロ・ベースというよりは音色的にはギターですね。そう思って聴けば結構自然で味わいのあるボッサになっています。それにしても、ここでもピッコロ・ベースとは思えない速弾きフレーズがあちこちに転がっていますが。そして、ボトムはウッド・ベースで統一。いつもよりは控え目ですが、こちらの方も出るべき時は出てきます。オリジナルも、彼のペースの曲もあったりしますが、全体的な流れはいい感じです。アイアートは6曲目でヴォーカルを担当しています。(07年5月9日発売)

2009/06/17

ダウンライト・アップライト/ブライアン・ブロンバーグ

Briandown
アコースティックでファンク・ビートの曲をやってしまおうという企画、今ではそんなに珍しくはないかもしれませんが、ピアノもアコースティックで全曲演奏してしまうところがなかなか面白く、企画としては面白いんじゃないかな、と思います。でも世間には4ビート命、のジャズファンが多いわけで、ある程度間口が広い人でないと、何だこれは、の世界にもなるかもしれないですね。昔そういえば「ガッド・ギャング」というグループがありましたが、当時そのサウンドを聴いた感覚に近いような気もします。あの時もベースはエディ・ゴメスだったし。個人的にはファンキー&ファンクは大好き人間なので、このアルバムも気に入りましたけど。ボトムのフレーズで忙しいので、俺が俺が的な要素は少なめかも。


ダウンライト・アップライト/ブライアン・ブロンバーグ(B)(Seven Seas)
Downlight Uplight/Brian Bromberg(B)(Seven Seas) - Recorded November 2005. George Duke(P on 1, 6, 9), Jeff Lorber(P on 2-5, 7-8, 10), Vinnie Colaiuta(Ds), Gary Meek(Ts on 1, 4-5, 9-10), Boney James(Ts on 2, 7), Kirk Wharum(Ts on 3, 6, 8), Gannin Arnold(G on 1, 5, 8), Lee Rutenour(G on 5)。

ブライアン・ブロンバーグ作か共作は全10曲中5曲(4、7-10曲目)あり、企画もののアルバムとしては珍しい。ウッド・ベースとアコースティック・ピアノを使用してのファンキー&ファンク・ミュージック特集。非4ビートでせまっています。ハービー・ハンコック作が2曲(1、6曲目)、そして「マーシー、マーシー、マーシー」(3曲目)があるのもうれしいところ。メンバーは曲によって替わるけれど、ギターが1、5曲目に加わる他はサックスとピアノを加えたクァルテット編成。ボニー・ジェームスとカーク・ウェイラムは元はスムース・ジャズ系でも、雰囲気を出しています。最近ではそれほど珍しくないけど、ウッド・ベースでもファンクはなかなか似合っています。ただ、ボトムのフレーズが多めになるため、ベースのソロは少なめにはなっています。(06年3月24日発売)

2009/06/16

ウッド2/ブライアン・ブロンバーグ

Brianwood2
’01年発売の「ウッド」に続いて、ブライアン・ブロンバーグ名義のピアノ・トリオ2作目。やっぱりこの編成が聴いていていちばん落ち着くなあ、と思います。ここでもベースは俺が俺が、のタイプで、ベース・ソロの曲も4曲(うち1曲はオーヴァーダブあり)入っています。でも、いいと思うんですけれども、演奏がいいわけだし。テクニックだけでジャズを味わうわけではないところが難しいところですが、歌心もあると思うんだけれどもなあ。最近はベーシストのリーダー作でも、トータルサウンド重視のベースが引っ込んだ演奏が目立っているので、こういうアルバムの方が、かえって爽快な気もします。この路線であと1枚は聴いてみたいなあ。


ウッド2/ブライアン・ブロンバーグ(B、Whistle on 7)(Seven Seas)
Wood2/Brian Bromberg(B, Whistle on 7)(Seven Seas) - Recorded Fall(Autumn) 2004. Randy Waldman(P), Vinnie Colaiuta(Ds) - 1. Caravan 2. Bolivia 3. Blue Bossa 4. Witch Hunt 5. I'll Remember April 6. Carry On Wayward Son 7. Four Brothers 8. Butterfly 9. Shining Star 10. Pensativa 11. Let 'Em In

ランディ・ウォルドマン(P)、ヴィニー・カリウタ(Ds)。「ウッド」シリーズの2作目で、有名なジャズメン・オリジナルやスタンダードが中心。ロックの曲も。ウッド・ベースだけを使用し、11曲中ソロの曲が3曲(3、6、11曲目)、ベースの多重録音の曲も9曲目に。1曲目もこの曲にしては比較的落ち着いて演奏していると思いきや、オカズの入れ方、ソロなど大排気量の余裕で実力を見せてくれます。トリオが変幻自在に動いていくところも聴きどころ。特にベース・ソロの場面は音程、フレーズなど、テクニックは文句なし。とくにオーバーダブをしていない曲は超人的でもあります。反面、きれいに表現してしまうので、アクの強さが薄いところが印象付けが薄いのか。7曲目ではブロンバーグの口笛を聴くことができます。知名度は今ひとつだけどピアニストのランディ・ウォルマンもなかなかです。(05年6月22日発売)

2009/06/15

アコースティック・プロジェクト/ブライアン・ブロンバーグ

Brianacoustic
ブライアン・ブロンバーグの低音シリーズにしては珍しく、’91年録音のもののリミックス&リマスターで再発売となっています。なので企画色が薄く、あまり知らない曲で、しかも4ビートジャズが中心。それでも音に手を加えた効果か、かなり迫力のある演奏を聴くことができます。それまで彼はウッド・ベースだけのリーダー作を作っていなくて、フュージョン側のエレキ・ベースのミュージシャンという認識だったらしいですね。これを聴く限り、ウッド・ベース専門のミュージシャンを食ってしまうほど、スゴい演奏を聴くことができます。バカテクだし、安定しています。でも、仮にリミックス前の演奏を聴いてみたとすると、当時はあまりベースも目立たなかったのかなあ、なんて想像しています。

アコースティック・プロジェクト/ブライアン・ブロンバーグ(B)(Seven Seas)
The Acoustic Project - It's About Time/Brian Bromberg(B)(Seven Seas) - Recorded 1991. Freddie Fubbard(Tp, Flh on 1, 6, 9), Ernie Watts(Sax on 2, 4-5, 7, 9), Mike Garson(P on 1-3, 6, 8-9), Mitchell Forman(P on 4-5), David Bromberg(Ds on 1-6, 8-9), Doug Webb(Sax on 1, 8), Marc Hugenberger(P on 7), Joel Taylor(Ds on 7), Scott Breadman(Per on 7) - 1. Dear John 2. Echoes 3. One For The Woofer 4. Waltz FOr Daphne 5. Yes Or No 6. If I Should Lose You 7. The Gnocchi (Ne-o-ki) Man 8. From Dust To Dessert 9. Buddha Belly

’91年録音の初のアコースティックのリーダー作をリマスターしたアルバム。レーベルのポリシーどおりベースが前に出て、音が生々しい。ブライアン・ブロンバーグ作はラストの9曲目で、他は参加メンバーのオリジナルやジャズメン・オリジナルなど。メンバーが曲によって入れ替わり、ピアノ・トリオは3曲目のみで、あとはクァルテットかクインテットの編成。フレディ・ハバードやアーニー・ワッツが数曲に参加しているのがうれしい。ブライアンのベースでオーソドックスなジャズを聴けるというのも、なかなか。有名な曲が少なくて、彼らの演奏本来の部分を抜き出して聴いている雰囲気。それでも6曲目は有名なスタンダードで、7曲目は軽いフュージョンタッチ、8曲目はファンク的。渋好みでありつつ押し出しも強いというようなサウンド。(04年5月26日発売)

2009/06/14

ベース・アクワーズ/ブライアン・ブロンバーグ

Brianbassac
いちおうキングの低音シリーズでの発売ですが、このアルバム、フュージョンというよりはロックですね。まあ、多重録音でギターのパートもピッコロベースで演奏していて、こんなに速いフレーズをベースの形をしたギターのようなもの(?)で弾けるのかよ、っていうくらいバカテクです。音もエレキギターそのもの。でも、元気があってテンポが似ている曲が多いので、普段、ジャズを聴いている人には曲の違いが分からなかったり、そもそも聴きたくもないサウンドの音楽CDを買っちゃったな、という方、少なからずいらっしゃったのでは。私はこういうロック・サウンドも割と好きなので、抵抗なく聴けたクチですが。でも、何度も聴き直すか、というと、う~ん、となってしまいます。それと、ジャズ/フュージョンをこえてしまい、幅が広すぎて逆効果かな、と思えなくもないです。


ベース・アクワーズ/ブライアン・ブロンバーグ(B)(Seven Seas)
Bass Ackwards/Brian Bromberg(B)(Seven Seas) - Recorded October 2003 - March 2004. Joel Taylor(Ds), Dan Segal(Key, Org on 3, 5) - 1. Through The Window 2. The Dungeon 3. Good Morning 4. Trade Show 5. Carlos 6. Top Down 7. Fooled Ya! 8. The Message Within 9. Flight Of The Phoenix

全曲ブライアン・ブロンバーグの作曲。こちらはエレクトリック・ベースでフュージョンやロックのサウンドの音楽を演奏しているけれど、キモは多重録音を駆使して、ドラムスと3、5曲目のキーボード以外は全部ベースで弾いているということです。もちろんギターと思われる音も、ピッコロ・ベースという音域の高いベースで、もうギンギンのエレキ・ギターという感じ。ベースでこんなに速いフレーズが弾けていいものか、と思います。曲も元気なロックという感じのものもありけっこうパワフルです。でも、やっぱりロック、と言いきってしまった方がいいかなあ。なのでジャズファンからすると、あまり興味のないサウンドかもしれませんが。ベース・ソロのように聴こえる部分もあって、あまり単調にならないように、工夫は凝らされています。(04年5月26日発売)

2009/06/13

ポートレイト・オブ・ジャコ/ブライアン・ブロンバーグ

Brianjako
ジャコ・パストリアスの曲を演奏したら、どう考えてもジャコの曲になるのはあたりまえで、ジャコは天才。ただそれを、ジャコが弾かなかったウッド・ベースやピッコロ・ベース(ギターのように聴こえてます)を交え、新たなアレンジであえて録音してしまうブライアン・ブロンバーグも職人芸の域に達していると思います。アレンジやベースのそれぞれのフレーズを聴いてるとたいしたものです。亜流と片付けるのは簡単だけど、いやはや、スゴいことをやってますよ。昔、熱狂的なビートルズ・ファンの友人がいて、フュージョンアレンジなど、ビートルズのオリジナル以外は一切受け付けなかった人がいたけど、それも人生だし、とやかく言う筋合いはないんですけども。原典をひもとけ、もいいんですけどね。まあ、「トリビュート」ではなくて「ポートレイト」なのがこのアルバムの性格をあらわしていると思います。


ポートレイト・オブ・ジャコ/ブライアン・ブロンバーグ(B、etc)(Seven Seas)
Portrait OF Jako/Brian Bromberg(B)(Seven Seas) - Recorded 2001 - 2002. Tom Zink(P, Key, Prog, etc), Alex Acuna(Per), Joel Taylor(Ds), Dave Kochanski(Key, Prog), D*Loc(Ds), Gannon Arnord(G), Jeff Lorber(Key, Prog), Gregg Mathison(Org), Gary Grant(Tp), Jerry Hey(Tp), Dan Higgins(Sax), Larry Williams(Sax), Andy Martin(Tb), Bob Mintzer(Sax), Chris Wabich(Steel Ds), Bill Champlain(Vo), Bobby Kimball(Vo), Eric Marienthal(Sax) - 1. Portrait Of Tracy 2. Continuum 3. Teen Town [Bass Version] 4. A Remark You Made 5. Three View Of A Secret 6. Tears 7. Slang 8. Come On, Come Over 9. The Chicken 10. Teen Town [Piccolo Bass Version]

ブライアン・ブロンバーグ作は6曲目のみで、他はジャコ・パストリアス作かゆかりの曲、ジョー・ザヴィヌルの曲など、タイトルどおりにジャコ関係の曲が満載です。いく分コマーシャルには流れているようですが、1曲目の「トレイシーの肖像」をウッド・ベースでトライしたり、エレクトリック、アコースティック、高音も出るベースなど、多重録音もあってさまざまなベースを駆使したサウンド。ジャコはある意味神格化されているので、こういう風にアレンジされて怒る人もいるかもしれないなあと思うのですが、スタンダードになるためには避けて通れない道でもあります。かなりの種類のベースで作り上げている高度なサウンドを楽しむという方法も、ひとつの楽しみ方かも。ウッドの割合も多めなので、リスペクトしつつ、オリジナリティがある感じ。(02年4月24日発売)

2009/06/12

ウッド/ブライアン・ブロンバーグ

Brianwood
つい先日、ブライアン・ブロンバーグの新作をここで紹介しましたけど、自分は手放しに感動しましたが、複数のまわりの評価があまり高くないことに気がつきました。彼がスタジオ・ミュージシャン出身で何でも器用にこなしてしまうことも原因かと思いますが。でもそのレベルは今日聴いたキングからの低音シリーズ初作品でも、おっそろしく高いんですよね。まあ、マイケル・ブレッカーも似たような境遇だったと思いますが、器用すぎて評価されないのかどうか。本当はECMの連続聴きに入ろうと思ったのですけど、この機会にブライアン・ブロンバーグ、まとめて聴きたいと思ってます。ちなみに私はメロディもそうですが、サウンドのテクニカルやメカニカルな部分にも興味を持つタイプです。


ウッド/ブライアン・ブロンバーグ(B)(Seven Seas)
Wood/Brian Bromberg(B)(Seven Seas) - Recorded December 14-17, 2000. Randy Waldman(P), David Bromberg(Ds) - 1. The Sage Of Harrison Crabfeathers 2. Dolphin Dance 3. Come Together 4. Goodbye (For My Father) 5. Speak Low 6. Freedom Jazz Dance 7. I Love You 8. Straight No Chaser 9. All Blues 10. The Days Of Wines And Roses 11. Star Spangled Banner

ブライアン・ブロンバーグの作曲は4曲目のみで、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル、ロック、果てはラスト11曲目で「星条旗よ永遠なれ」まで演奏しています。ウッド・ベースがとにかく出まくり。いわゆるリード・ベースの場面も。ベース・ソロの曲も4曲(3、6、9、11曲目)。ピアノとのデュオが2曲(4、10曲目)。キングの低音シリーズ(確か彼はこのアルバムがこのシリーズはじめて)だけあって、バッキングにまわった時もヴォリュームは大きめ。ウッド・ベースを弾いた時もスゴ腕でバカテク、しかもバックでの演奏の時も、音の使い方が的確で、大排気量の車に乗ったときのように安心して聴けます。ここでのウッドのソロがかなりインパクトありで、音もリアルだし、弦が指板に触れるバチッという音もけっこうリアルですね。(01年4月25日発売)

2009/06/10

スカイラインクロスオーバーが出るけれど

先日、日産プリンスのディーラーの方が7月に出るという「スカイラインクロスオーバー」のリーフレットを持ってきました。今日も車の雑誌に数ページ出ていたので読みました。正直、興味ありました。でも、昨年後半から不景気になり、エコカーに対する優遇税制も4月からはじまって、車に対する価値観が変わりつつある中、自分にはこの車、ちょっとムリなんじゃないかなあ、なんて思いはじめています。

何よりも、一番安い車で本体価格420万(もちろん、税金等は別)なんてお金、この時代に出ようがないし、この不安定な時代に割賦で、なんてことはあまり現実性がないですよね。

以前は大排気量の車にあこがれていたけど、エコカー全盛の時代になりつつあるのに3.7リットルエンジンの燃費と毎年かかる自動車税のことを考えると、そこまで車の維持費は出ないです。高速道路を時速100キロで走ってるだけなら、もっと小さいエンジンで十分。

そして、SUVであって、ステーションワゴンではなかったということ。売れないとはいえ、自分はステーションワゴンは好きなので。ステージアはなくなってしまった。となると、次はスバルのレガシィか、ホンダのアコードツアラーしかないかな。

スカイラインクロスオーバー、果たして発売数ヶ月でどれぐらい売れるものなんでしょうか。人ごとながら心配です。

2009/06/09

ハンズ/ブライアン・ブロンバーグ

Brianhands
サックスの全くのソロのアルバムは2枚聴いたことがある(ソニー・ロリンズ、スティーヴ・コールマン)けれども、アコースティック・ベースのソロのアルバムって、私ははじめてなんじゃないだろうか。何たって、音を押さえるのに一苦労、音程を合わせるのは言わずもがな、体力勝負だけど、それだけではセンスが追いついていかない、と、まともに弾けるようになるだけでも大変な楽器です。それ1本で勝負をかけて、しかも時に速いフレーズで歌わせてしまうなんてことまで、楽々とやっています。素晴らしいベーシストの仕事です。音的にもリアル。でも、このアルバムはベースに特に興味のある人向けかも、とは思いますが。


ハンズ/ブライアン・ブロンバーグ(B)(Seven Seas)
Hands/Brian Bromberg(B)(Seven Seas) - Recorded July 2008. - 1. Stella By Starlight 2. Cute 3. Solar 4. Beatles Medley: Day Tripper - Yesterday - Eleanor Rigby 5. Manha De Carnival 6. In A Sentimental Mood 7. King Of Pain 8. Teen Town 9. Susumu's Blues 10. Use Me 11. Black Dog 12. What Are You Doing The Rest Of Your Life 13. Yeah

何とアコースティック・ベースのソロだけでのアルバム。ブライアン・ブロンバーグ作は9曲目のブルースだけですが、他はスタンダード、ジャズメン・オリジナル、ビートルズやレッド・ツェッペリンその他のロック、ボッサなどいろいろな曲を13曲も演奏しています。かなりいい楽器らしく(18世紀のイタリア作)、録音技術の関係もあるかもしれませんが、ベースの音が充実していて、バチッという弦を弾く時に叩く音や、時にベースのボディを叩いてリズムを出している場面など、ウッド・ベースに関するリアリティ満載のアルバムです。その上にテクニックやフレーズの確かさがあって、ベースファンにはたまらない1枚になっています。音に関しても、メリハリもあり、それに相反するようなふくよかな響きも持っていて、飽きさせず聴かせてます。(4月22日発売)

2009/06/08

Alfred Zimmerlin/Euridice/Chamber Music

2045
Alfred Zimmerlin/Euridice/Chamber Music(ECM New Series 2045)(輸入盤) - Recorded August 2006 and October 2007. Carmina Quartett: Matthias Enderle(Vln), Susanne Frank(Vln), Wendy Champney(Viola), Stephan Goerner(Cello) AEquatuor: Sylvia Nopper(Soprano), Matthias Arter(Oboe), Tobias Moster(Cello), Ingrid Karlen(P) Aria Quartett: Thomas Furi(Vln), Adelina Oprean(Vln), Ettore Causa(Viola), Conradin Brotbek(Cello) - 1. 2.Streichquartett 2-9. Euridice Singt 10. 1.Streichquartett

(09/06/07)Alfred Zimmerlinはスイスの現代音楽家。今回収録の作品は全部21世紀に入ってから作曲されたもの。3つの曲に分かれて、それぞれ演奏するグループが違います。ストリングクァルテットの1つめ、3つめのグループは、やはり現代音楽的にそれなりに無調で、難解な感じです。2つめの2-9曲目は歌手も入っているけれど、やはり全体的に現代音楽のサウンドでそこにヴォーカルが絡んでいる感じ。変わった編成の4人。

Sight/Adam Rogers

1313
Criss Crossレーベル聴き4日目で一段落。今回は少々発売予定日から遅れましたけれど、4枚とも割とすんなり入ってくれたので、ありがたいです。今回の4枚、どれも現代ジャズのサウンドながらそれぞれ特徴があって、聴く人の好みによって違うでしょうけれど、私はこのアダム・ロジャースのアルバムが、ギターのメカニカルなサウンドをこれでもか、と聴かせる場面が多いので、いちばん好みではありました。でも、どれがいいかは、今回は意見が分かれる傾向があるかもしれません。でも、1曲目のラストに多重録音でかぶせたピアノ、必要なかったんじゃないかなあ、なんてことを思ってますけど。


Sight/Adam Rogers(G, P on 1)(Criss Cross 1313)(輸入盤) - Recorded December 19, 2008. John Patitucci(B), Clarence Penn(Ds) - 1. Sight 2. I Hear A Rhapsody 3. Kaleidoscope 4. Yesterdays 5. Memory's Translucence 6. Let's Cool One 7. Hourglass 8. The Moontrane 9. Beautiful Love 10. Dexterity

(09/06/07)アダム・ロジャース作は1、3、5、7曲目の4曲。他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。ギター・トリオ(1曲目のラストは多重録音でピアノあり)で、現代的なフレーズをこれでもかと繰り出してくるので、けっこうスリリングです。スタンダードなど和やかな場面は温かみのある演奏もあります。時にそれでも、ひねくれたフレーズがだんだん中心になるところは彼らしい。6、9曲目はそれでも穏当か。彼の速いパッセージは非常に魅力的で、3人ともアップテンポの曲では空間を生かすよりは、空間を埋め尽くす方に全力を注いでいる感じ。オリジナルな曲は無機的な雰囲気の曲が多いです。4曲目はオーソドックスなようでテーマ部のテンポが一部速くなったり遅くなったりの、絶妙な呼吸。静かな5曲目もメカニカルです。

2009/06/07

Alba/ペリーヌ・マンスゥイ・トリオ

Perrinealba
Criss Crossレーベルのアルバムがあと1枚届かないので、先に澤野工房のアルバム新譜を聴いてしまいました。ペリーヌ・マンスゥイのアルバムとしては、このレーベルで2枚目、と言いつつ、もうだいぶ前なので、彼女の名前を忘れてしまった澤野ファンもいるかもしれないです。女性的でしかもヨーロッパ的なピアノを弾く人ですけど、11曲目のレニー・トリスターノ作の曲のように、ちょっとトリッキーなサウンドを聴かせる場面もあったりします。ただ甘いわけではない、というところで自分的には好みのピアニストではあるのですが。澤野工房としてはちょっと面白いアルバムが発売されました。


Alba/ペリーヌ・マンスゥイ(P)・トリオ(澤野工房)
Alba/Perrine Mansuy(P) Trio(Atelier Sawamp AS087) - Recorded April 9-11, 2006. Eric Surmenian(B), Joe Quitzke(Ds) - 1. Alba On Saturday Afternoon In 1963 3. Valse A 2 Temps 4. Secrets De Famille 5. Major 6. Both Sides, Now 7. Murmures 8. Sarangi Song 9. Epopee Folk 10. Mandragore Et Noyau De Peche 11. Lennie's Pennies 12. Tangotino

2(リッキー・リー・ジョーンズ作)、5(カーラ・ブレイ作)-6(ジョニ・ミッチェル作)、11(レニー・トリスターノ作)曲目を除き、ペリーヌ・マンスゥイの作曲。奏法や作曲、そして他人の曲など、女性的な要素が強い感じのアルバム。曲も、淡さ、浮遊感、はっきりとした感じを薄めるようなリハーモナイズ、そして、しっとりとしたほんのり系の哀愁を感じる曲が多いなど、ヨーロッパ系のピアニストに多いタイプ。ベーシストも4ビートを刻まずに、ピアノやドラムストインタープレイを繰り広げながら進んでいきます。ポップスの演奏でも、なぜかろ過されて牧歌的な曲に仕上がってしまいます。反面、明るいところは明るく、フリー的な部分や変拍子の曲など、意欲的なところもあります。8曲目はクレジットにはないけどサランギという民族楽器。(09年5月29日発売)

Heinz Holliger/Romancendres/Clara Schumann

2055
久しぶりにECMレーベル関係のCDが入ってきたと思ったら、今月下旬にかけて、これから9枚ぐらいアップするのが出てきそうで、大変です。いや~、現代音楽ですねえ。ハインツ・ホリガーのアルバムには、10分ほどクララ・シューマンの19世紀の曲が入っていますが、過去、バッハと現代音楽を組み合わせたり、ということは多かったですね。現代音楽といえば12音階とか無調とかが特徴ですが、これもそんな感じです。私は専門的なことは分かりませんけど、難解な現代ジャズと共通点があるような気がしてます。


Heinz Holliger/Romancendres/Clara Schumann(ECM New Series 2055)(輸入盤) - Recorded July 2007 and February 2008. Christoph Richter(Cello), Denes Varjon(P), SWR Vokalensemble Stuttgurt, Radio-Sinfonierorchester Stuttgart Des SWR, Heinz Holiger(Cond) - Clara Schumann:1-3. Drei Rmanzen Op.22 Heinz Holiger: 4-9. Romancendres 10-13. Gesange Der Fruhe

(09/06/07)Clara Schumannは19世紀ドイツの作曲家で、ロベルト・シューマンの奥さん。Heinz Holligerはスイス生まれの現代音楽家、指揮者です。前半は、シューマン、ホリガーの曲をピアノとチェロとのデュエットでの演奏、後半はオーケストラと合唱隊を使った大編成による現代音楽(荘厳、重厚)。10分ほどの分かりやすいシューマンの曲と、50分あまりの現代音楽のホリガーの曲を小編成と大編成で聴ける、変化に富んだアルバム。

2009/06/06

Reverence/Kendrick Scott

1316
Criss Crossレーベル新譜聴き3日目。今日のアルバムは元気度が高く、現代ジャズの王道路線を行きながらも、ドラムスのリーダー作のせいか、ドラムスがプッシュしている場面が目立っています。しかもコメントでは表記しなかったけど、ジミー・ヒース、デューク・ピアソン、ケニー・ドーハムのジャズメン・オリジナルもあって、けっこう楽しめるジャズメン・オリジナル集になりました。内省的な方向も現代ジャズの特性ですが、それも併せ持ちながら元気な曲を多めに聴けると、聴く方も楽しめます。各メンバーの特性も理解したうえの、選曲の妙というか、そういうものを感じました。なかなかいいですね。


Reverence/Kendrick Scott(Ds)(Criss Cross 1316)(輸入盤) - Recorded December 12, 2008. Walter Smith(Ts), Mike Moreno(G), Gerald Clayton(P), Derrick Hodge(B) - 1. Ana Maria 2. Ginegerbread Boy 3. You Know I Care 4. Metamorphosis 5. No You, No Me 6. Speak Like A Child 7. Short Story 8. Lonely Woman

(09/06/06)ケンドリック・スコット作はドラムスがメインの5曲目のみで、他は新旧ジャズメン・オリジナル集。ドラムスがプッシュして、他のメンバーが自由に、ある面では抑えにまわっていい感じのサウンド。ウェイン・ショーター作のミステリアスな雰囲気と勢い、内省的な面を併せ持つ1曲目、かなり自由度が高いやりとりになって中盤アップテンポの4ビートになる2曲目、浮遊感のあるしっとり系のバラードの3曲目、ピーター・バーンスタイン作の、ややアップテンポで都会的かつ現代的な4曲目、ハービー・ハンコック作の情緒的な曲をどんどんドシャメシャに盛り上がっていこうとする6曲目、各楽器が絡み合ってファンク的に激しく、時にやや静かに展開する7曲目、オーネット・コールマン有名作を陰影に富んだ演奏をする8曲目。

2009/06/05

Form/Danny Grissett

1315
Criss Crossレーベル新譜聴き2日目。まだ今回4枚発売中2枚しか聴いていませんけど、全編にわたって爆発するようなアルバムってまだ出会ってません。このアルバムもややバラードというか内省的というか、そういうサウンドの部分も目立っているような気がします。たぶん、これが現代ジャズの方向性なんでしょうけれども。もちろん7曲目のように変拍子でありながら、かなり突っ走っている曲はありますが。アルバムとしての流れという点ではなかなか面白いとは思いますけれど、どうなんでしょう。ただ、それぞれのソロもいいし、3管のハーモニーで印象的な部分も多く、アレンジャーとしてはいいんですよね。

(追記)その後また聴いてみましたが、バラードの曲は内省的というよりは、温度感の高めな穏やかな静けさ、という感じのサウンドでした。


Form/Danny Grissett(P)(Criss Cross 1315)(輸入盤) - Recorded December 13, 2008. Ambrose Akinmusire(Tp), Steve Davis(Tb), Seamus Blake(Ts), Vicente Archer(B), Kendrick Scott(Ds) - 1. King Cobra 2. Heard's Word 3. Without You 4. Let's Face The Music And Dance 5. Distant 6. Ugly Beauty 7. Are We There Yet?

(09/06/05)ダニー・グリセット作は4曲(2-3、5、7曲目)で、他にスタンダードやジャズメン・オリジナル。曲により3管編成のカラフルなハーモニーが魅力的。ハービー・ハンコック作の、出だしの印象的なホーン・アンサンブルと、スペイシーで自由度のあるアドリブの部分が対照的な1曲目、テーマがソフト、リズムのキメが多いと思うとアドリブでは渋い、ややアップテンポの2曲目、テンポ感がゆるく流れるように進行していき、多少盛り上がりもあるバラードの3曲目、端正にスタートしたと思ったらけっこう暴れまわっているスタンダードの4曲目、トロンボーンの淡いテーマではじまるしっとりとしたバラードの5曲目、セロニアス・モンク作をピアノ・トリオで、滑らかなワルツの6曲目、アップテンポかつ変拍子で威勢よく突っ走る7曲目。

2009/06/04

Of Song/Marcus Strickland

1314
Criss Crossレーベル新譜の4枚のうち3枚が到着したので、聴いていきたいと思います。本来ならば5月中旬から下旬の発売のはずだったんですが、ここ数回は遅れ気味。しかもいつも1枚は届いてもいないのに入手困難になってしまい、入手先を変えたり、高くても在庫のあるところから買ったりしています。今日のアルバムは、ガンガンアップテンポで攻める曲はなくて、盛り上がりで高揚感を見せる場面はあっても、基本的にはバラード中心でモーダルな感じもあり、というところでしょうか。ガンガン行くより繊細な表現の方が難しそうだとは思っていても、彼のリーダー作だと、もっと発散しても、とも思います。こういう路線も好きではありますが。


Of Song/Marcus Strickland(Ts, Ss)(Criss Cross 1314)(輸入盤) - Recorded December 18, 2008. Brandee Younger(Harp on 2), David Briant(P), Ben Williams(B), E.J. Strickland(Ds) - 1. Ne Me Quitte Pas 2. Djorolen 3. What's New 4. Is This LOve? 5. Pinocchio 6. It's A Man's Man's World 7. The Party's Over 8. Shadowlands 9. A Memory's Town

(09/06/04)マーカス・ストリックランド作は9曲目のみ。スタンダード、ジャズメン・オリジナルからソウル、レゲエ、アフロポップ(ボブ・マーリー、ジェームス・ブラウン、ブルース・ホーンズビー作他)などさまざまなジャンルの音楽を演奏しています。全曲バラードとまではいかなくて、モーダルになったり、中途で盛り上がる曲もありますが、割とゆったりした曲が多いのも特徴です。メロディアスな曲が多くて、2曲目だけはハープも参加していて、慈しむようにサックスでメロディを吹いています。3曲目のスタンダードも、独自のちょっとひねくれた解釈だけれどもバラードとしてまとまっています。5曲目は静かで緊張感のある空間が現出しています。でもやっぱりスタンスとしては現代のニューヨークのジャズの一面をとらえているサウンド。

2009/06/03

スピリチュアル・ネイチャー/富樫雅彦

Togashispirit
このアルバム、もう何度もCDで出ていて、SHM-CDではなくて、もっと安価なCDでも入手可能だったのですが、せっかくだからと今回注文してみました。SHM-CDでもこれは2,500円。2,800円かそれ以上のものは、ジャズファンからはそっぽを向かれているんじゃないかと思ってます。私もあえて買いませんし。しかし、このアルバム、クレジットから翠川敬基さんと池田芳夫さんがすっぽり抜けてますね。ライナーにもCDジャケの裏面にも書いてあるのに。ユニバーサルは何をやっているんでしょうね。まあ、そういうところはともかく、日本のフリージャズの歴史に残るようなアルバムを聴けて、満足ですけど。


スピリチュアル・ネイチャー/富樫雅彦(Per、Celesta)(East Wind) -Recorded April 9 and 29, 1975. 渡辺貞夫(Fl、Sn、As)、鈴木重雄(Fl、Ss)、中川昌三(Fl、Bfl)、佐藤允彦(P、Marimba、Glockenspiel)、翠川敬基(Cello、B)、池田芳夫(B)、中山正治(Per)、豊住芳三郎(Per)、田中昇(Per) - 1. The Beginning 2. Moving 3. On The Footpath 4. Spiritual Nature 5. Epilogue

全曲富樫雅彦の作曲。1-4曲目がライヴ録音で、5曲目の小品がスタジオ録音。2、4曲目が長い曲なので、このあたりがクライマックス。フリーでも日本的情緒が強く感じられ、パーカッショニストが多く参加しているのが特徴。日本のフリージャズとしては歴史に残るアルバムかも。ドラマチックで、自由な中に自然に発生した調和のようなものを感じることができます。2曲目は出だしとラストがやや定型的なベースのフレーズで自由に動き回るような各楽器、そしてホーンは漂うような動きを見せて、そしてそのままフリーに突入。3曲目もベースのフレーズにのせてパーカッションが活躍しています。22分にもなるタイトル曲は、日本的なメロディからどんどん盛り上がり、ベースがミニマル的に同じ繰り返し、各楽器が順番に活躍します。(09年5月27日発売)

2009/06/01

銀界/山本邦山+菊地雅章

Yamamotoginkai
日本のジャズは海外の亜流という説も、いちがいには否定できない面もあるけれど、日本独自のジャズで名作を生み出していたことも確かで、この「銀界」などは、日本で録音されたジャズのアルバムの中でもかなり名作になるのではないかと思います。尺八が主役で、日本の旋律を奏でているのですが、ピアノトリオのバッキングの妙というか、全てがここにあるサウンドの物語を語っているように感じます。こういうジャズが’70年に録音されたということ自体、日本のジャズを誇っていいんじゃないかと思っています。そして、参加しているゲイリー・ピーコックの日本的なこと。彼以上に日本を理解している外国のミュージシャンも少ないでしょう。


銀界/山本邦山(尺八)+菊地雅章(P)(Universal)
銀界(Silver World)/Hozan Yamamoto(Shakuhachi)(Universal) - Recorded October 15 and 20, 1970. Masabumi Kikuchi(P), Gary Peacock(B), Hiroshi Murakami(Ds) - 1. 序(Prologue) 2. 銀界(Silver World) 3. 竜安寺の石庭(Stone Garden Of Ryoan Temple) 4. 驟雨(A Heavy Shower) 5. 沢之瀬(Sawanose) 6. 終(Epilogue)

全曲菊地雅章の作曲。これぞ純日本的なジャズといっても過言ではなく、尺八がメインの日本のジャズとして歴史に残るアルバム。参加している来日中のゲイリー・ピーコックが、日本的な侘び寂びの感覚を持っているような気がします。尺八のたゆたうようなゆったりしたメロディで、邦楽かと思わせるような純日本的なサウンドを聴かせつつ、リズムセクションがたまに8ビートや4ビートになって活発に盛り上がる場面があったり、バックがフリー的な展開をするところもあったり、類似するサウンドがないくらいの個性的なアルバムに仕上がっています。尺八はあくまでも尺八としての使命を全うするかのように、邦楽を奏でているのと同じようなメロディ、間、空間を奏でています。4ビートの部分(4曲目)はモロにジャズの展開です。(09年5月27日発売)

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