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2009/05/31

Jungle/小曽根真 featuring No Name Horses

Ozonejungle
No Name Horses名義のアルバムも3枚目になりました。ここで「小曽根真 featuring」となっているのは、彼の名前をつけるとより売れるのか、それともラテンの方に方向を変えたからなのか、理由はよく分かりません。ただ、ラテンとは言っても、織りなすビッグバンドサウンドは明るいイケイケ風よりも、陰影に富んだ内省的なサウンドも目立ちます。ラテン・ジャズの要素も大きいですが、クラシック的な部分も感じます。ビッグバンドはストレートなサウンドよりも、どこか屈折したサウンドの方が好きなので、こういう表現、いいですねえ。もちろんメンバーの演奏の難易度は高そうですが。変化に富んでいるアルバムです。


Jungle/小曽根真(P) featuring No Name Horses(Verve) - Recorded March 2-5, 2009. エリック宮城(Tp、Flh)、木幡光邦(Tp、Flh)、奥村晶(Tp、Flh)、岡崎芳朗(Tp、Flh)、中川英二郎(Tb)、片岡雄三(Tb)、山城純子(Btb)、近藤和彦(As、Fl、Ss、Pcc)、池田篤(As、Fl)、三木敏雄(Ts)、岡崎正典(Ts、Cl)、岩持芳宏(Bs、Cl)、中村健吾(B)、高橋信之介(Ds)、ゲスト:パーネル・サトゥニーノ(Per) - 1. Jungle 2. Coconuts Meeting 3. No Siesta 4. Cave Walk 5. Safari 6. B & B 7. Moon Flower 8. La Verdad Con Los Caballos 9. Oasis

小曽根真作が9曲中6曲(1-4、6、9曲目)で、他の3曲もメンバーの作曲。今回のアルバムは小曽根真の名前が前面に出たラテン・ジャズのアルバム。とはいうものの、特に1曲目は、けっこうアレンジも凝っていて、シリアスな部分も多く感じます。それでいて3曲目など、明るいイケイケのラテンの部分も持ち合わせている曲もあります。それでも複雑なアレンジやキメを随所に感じ、このバンドらしく、一筋縄ではいかないサウンド。しかもかなりダイナミックレンジの広い、ドラマチックな展開です。4曲目は7拍子でほの暗い雰囲気で中盤は4拍子の盛り上がりのある曲。5曲目は6拍子のなぜかアフリカンなサウンド(タイトルは「サファリ」)。しっとり系のバラードと思いきやドラマチックな高まりも見せる7曲目。ラスト9曲目はボッサ。(09年5月20日発売)

2009/05/30

クァルテット・ライヴ/ゲイリー・バートン&パット・メセニー

Garyquartet
いやー、メンバーがスゴいですねえ。ゲイリー・バートンパット・メセニーは何枚もいっしょに録音したアルバムを残しているのですが、今回のアルバムは、過去に演奏した再演曲が多いのが特徴です。そして、肩の力を抜いた感じで、あまりバリバリと演奏するところがないので、気軽に聴けるというメリットもあります。私としては懐かしさもよみがえってきて、しばらく愛聴盤になりそうですね。ボトム(ベース、ドラムス)の2人も実にいい具合に全体のサウンドに溶け込んでいて、ライヴでの音場感といっしょに、ちょっとまろやかな感じもしています。その中でもドラムスはやはり若さがありますね。こういう風に年齢を重ねて行きたいものです。


クァルテット・ライヴ/ゲイリー・バートン(Vib)&パット・メセニー(G)(Concord)
Quartet Live/Gary Burton(Vib), Pat Metheny(G), Steve Swallow(B), Antonio Sanchez(Ds) - Recorded June 10 and 11, 2007. - 1. Sea Journey 2. Olhos De Gato 3. Falling Grace 4. Coral 5. Walter L 6. B And G 7. Missouri Uncompromised 8. Fleurette Africine (Littlte African Flower) 9. Hullo, Bolinas 10. Syndrome 11. Question And Answer

ライヴ演奏。ゲイリー・バートン作が1曲(5曲目)、パット・メセニー作が3曲(6-7、11曲目)。デューク・エリントン作が8曲目にあります。他はスティーヴ・スワロウ、カーラ・ブレイ作などですが、何らかの形で過去に演奏した曲がほとんどで、曲を聴くだけでも懐かしい。メンバーの違いなど、サウンド的には当時と違いがあるにもかかわらず、パットが参加した初期のゲイリー・バートンのバンド(’70年代中期)の静けさも保ちつつ、当時の情景がよみがえってきます。テクニック的には駆使している部分もあるのでしょうが、肩の力を抜いて演奏している雰囲気で、このメンバーにしてはリラックスして聴けるサウンド。そんな中で5、7、10-11曲目のように発散型の曲も混ざっています。大人向けの「今の」ジャズ。11曲目で大団円。(09年5月20日発売)

2009/05/29

日経ベストPCデジタル2009年夏号購入

「日経ベストPCデジタル2009年夏号」が今日(5月29日)発売されたので、購入しました。月刊の時はちょっと発売回数が多いかなあ、と思っていたのですが、年3回刊ぐらいだと、ちょうどパソコンのモデルチェンジの時期に合わせてなので、ちょうど間隔がいいくらいですね。

とは言うものの、パソコンがXP時代以降、自分のところでは長寿命化してきて、このXPデスクトップも、フルに使っていても、もうすぐ6年になります。そろそろハードディスクの寿命も考えなければならない時期だと思っています。せめてWindows7が出てくるのを待って購入、と思うのですが、それまでこのパソコン、大丈夫かどうか気になります。Vistaは仕事のパソコンではBusinessタイプを購入しなければならないので、ちょっと無味乾燥というか、買い替える気はおきないです。

いずれにせよ、このペース(年3回)でパソコンの進化を追っていくには都合がいいので、この雑誌、もうしばらく買うことになりそうです。次号は冬号で10月発売予定とのこと。

2009/05/28

NHK「おはよう日本」の、「まちかど情報室」再放送

NHK「おはよう日本」の、「まちかど情報室」で、私が出演している放送が、再放送されることになりました。もういいや、という方はスルーしてください(笑)。(4月15日-16日に放映されたものと同じです。)

5月29日(金)朝5時半-6時のうち2分間
5月29日(金)朝6時半-7時のうち2分間
6月1日(月)朝4時半-5時のうち2分間

いずれも同じ内容の放送です。

2009/05/27

Ken's Bar 2/平井堅

Hiraikensbar2
人気の平井堅の「Ken's Bar 2」が出ましたが、いろいろな形式で同時発売ですね。私はDVD(まだ観てませんが)付きの紙ジャケット仕様のものを注文してみました。いいです。とにかくいい。普段のアルバムは、私にはちょっと元気すぎて若向けかなあ、と思うのですが、このアルバム、肩の力も抜けているし、50歳近い私にも懐かしい曲が多く、つい聴きほれてしまいました。アコースティックな味付けで、前半はシンプルな編成、後半はやや大きめの編成が多いということで、ドラマチックに曲が進んでいくということもあります。彼が歌う中島みゆきの「わかれうた」、いいですねえ。普段はJ-POPはほとんど聴きませんけど、このアルバムと過去出た「Ken's Bar」はいつまでも聴いていたいアルバムですね。

(追記5/31)DVDの方も観てみました。出来れば初回限定生産のDVD付きを買うのをおススメします。メインのCDが54分に対し、おまけのDVDでは今年(’09年)2月14日のライヴを収録が115分となっていて、1枚もののCDを買うのと値段がさほど違わないし、曲もCDとDVDで違うからです。 DVDもしっとり系の曲が中心ですが、8曲目でウッド・ベースとパーカッションだけをバックに、派手なファンクで歌っているので、へー、こういうのもアリなのだなあ、と思ってしまいました。しゃべりも入っているし、充実したDVDのライヴでした。


Ken's Bar 2/平井堅(Vo)(DefSTAR) - Released 2009. Yasuharu Nakanishi(P), Masato Ishinari(G), Masaru Suzuki(P), Toninho Horta(G), Gil Goldstein(Accordion), Shinny-T(Ds), Frank McComb(Key, Vo), Nirehara Masahiro(B), Hana(Per), Masumae Kusano(Vo), Yoshiyuki Sahashi(Mandolin), Malato(Per), Takuo Yamamoto(Tin Whoistle), Lisa Ono(G, Cho), Yoshihiro Arita(G), Tomokazu Sugimoto(B), Satoshi Ishikawa(Ds), Bob Zung(Ss), Koichi Tsutaya(P), Gen Ittsu Strings(Strings), Akimitsu Homma(P), Hibari Misora(Vo), Masayoshi Furukawa(G), Takahiro Iida(Synth) - [CD]1. Open 2. Even it - Instrumental - 3. New York State Of Mind 4. 僕がどんなに君を好きか、君は知らない 5. Love - Destiny- 6. Desperado 7. Moon River 8. Intermission 9. Because Of You 10. Lately 11. わかれうた 12. Heart Of Mine 13. 白い恋人たち 14. Close 15. Stardust [DVD] 1. My Funny Valentine 2. バレンタイン・キッス 3. Sweet Memories 4. Sweet Pillow 5. Missin' You - It Will Break My Heart - 6. Life Is... 7. 瞳をとじて 8. Strawberry Sex 9. The Flower Is You 10. シルエット・ロマンス 11. She 12. キミはともだち 13. Pop Star 14. Love Love Love 15. Even If

CDを聴いただけのコメントです。前半はピアノのみとかアコースティック・ギターのみとかのシンプルな編成の曲が多く、後半は編成が大きい曲が目立ちます。それでも、アコースティックな演奏なので、あまり派手さはありません。40-50代の人が聴いても懐かしくなるようなポップス、J-POP映画音楽、スタンダードその他の選曲で、完全に大人向けのサウンドとヴォーカルを指向しているような感じ。それでいて若い人にもしっとりと聴けるような。日本語の曲と英語の曲も入り混じっています。曲ごとにアレンジや演奏している人は替わり、7曲目は何とトニーニョ・オルタとギル・ゴールドスタインが参加。1曲目と14曲目にあたる部分は効果音で、オープニングとクロージングを意味します。とすると、時代を超えた美空ひばりとのデュエットはボーナストラックの位置付けか。この曲もいいです。派手ではないのに聴いていてかなり感動してしまいました。(09年5月27日発売)

2009/05/26

ワイド・オープン・スペーセス/マイケル・フォーマネク

Michaelwide
このアルバム、国内盤は’90年に出ていてもう廃盤、通販をチェックしてみても、輸入盤ももうないようなんですが、何と’90年の国内盤を入手しました。ここでのお目当てはグレッグ・オズビー、そしてウェイン・クランツですけど、今聴いてみてもトンガっていてなかなかいいですねえ。オズビーの参加なのでM-BASE色は強いのですが、ライナーには、彼が参加しているだけでマイケル・フォーマネク自身には接点がないのだとか。でも、この2人のフロントに、時にヴァイオリンが参加する曲もあり、ソロ、デュオその他、いろいろな編成での曲も用意されています。エンヤレーベルは廃盤が早いのですが、こういうアルバムもいつでも聴けるようにしてほしいものですね。


ワイド・オープン・スペーセス/マイケル・フォーマネク(B)(Enja)
Wide Open Spaces/Michael Formanek(B)(Enja) - Recorded January 25 and 26, 1990. Wayne Krantz(G), Greg Osby(As, Ss), Jeff Hershfield(Ds), Mark Feldman(Vln) - 1. Edge To edge 2. Yahoo Justice 3. Fantasy Scape 4. Wide Open Spaces 5. The Sage 6. Clock And Dagger 7. Wild Dreams 8. Coffee Time 9. Home, At Home 10. Slothdancing 11. Outerlude 12. Razing Walls 13. Ancestral Voices 14. edge To Edge 15. Open Door

全曲マイケル・フォーマネクの作曲で、初リーダー作。15曲で54分ほどと短めの曲が多いです。なので曲によってメンバーが替わります。グレッグ・オズビーとウェイン・クランツの参加で、メインストリーム・ジャズとは異色な現代ジャズの方向へサウンドを引っ張っています。メカニカルなサウンドが目立ちますがスペイシーなど幅広い。ベースはファンクビートだったりバラードだったりして4ビートは少ないです。解説ではM-BASEとは関係なく、たまたま参加ミュージシャンの個性でそうなっただけのようです。ギターのウェイン・クランツもロックっぽかったり、時に浮遊感のある奏法でなかなかの個性派。曲によってはヴァイオリンが加わって、さらにエキゾチックな世界を現出させています。アップテンポも静かな曲も変幻自在の演奏。

2009/05/25

ピアノ・デュオ(偶語)/佐藤允彦・山下洋輔

Satoyamashita
これも和ものジャズの’70年代前半、フリー・ジャズの全盛期のライヴ録音です。あるようでなかなかなさそうな佐藤允彦と山下洋輔のピアノデュオ。このアルバム、今回(’08年)初CD化だそうでした。しかも紙ジャケ。もう、最初から最後までグガングガン、ギャロンギャロンとフリーのパワーで押しまくる、分かりやすいメロディの片鱗も出てこない、まるでプロレスを真剣になって観戦している気分になるピアノのデュオです。ですので、一般向けではないのですが、こういうジャズを真剣になって聴いていた時代もあったのですね。ちなみに元のLPはコロムビアから発売されていたそうでした。


ピアノ・デュオ(偶語)/佐藤允彦(P)・山下洋輔(P)(Super Fuji Discs) - Recorded December 25, 1973. - 1. Piano Duo Part 1 2. Piano Duo Part 2

ライヴ録音。この2人の顔合わせはけっこう珍しいです。完全なフリージャズの会話というかバトルというか。「偶語」というのは「2人で相対して語る」、という意味らしいです。佐藤允彦が右チャンネルで山下洋輔左チャンネル。パート1とパート2に分かれているのはLP時代のなごりでしょうか。いきなり2人の全開のバトルが展開していて、エキサイティングではあります。パワーの山下と知的な佐藤との戦いという感じですけれども、これも盛り上がってくるとどちらがどちらかというのはどうでもよくなってきて、ただただ圧倒される感じですね。フリー・インプロヴィゼーションではなくてフリー・ジャズだった時代の力を聴け!という感じですか。ともにフリーでは当時から半端ではなかった彼らのこと。息を読みつつドラマチックな展開です。(08年5月2日発売)

2009/05/24

ドラゴン~龍~/日野皓正

Hinodragon
5月のゴールデンウィーク中に中古で拾った作品。この前日野皓正の最新作の「寂光」を聴いたらスゴく良かったので、これも聴いてみようと思った次第です。「寂光」ほどにはフリー化していないけれど、かなり自由な曲も目立っています。普通のジャズファンはあまり聴かないかもしれませんが、私、フリーやそれに近いジャズって好きなんですよね。ここでは4ビートの曲も多いですけれど、一部を除いてけっこうシリアスです。そういう意味ではこれも聴く人を選ぶんではないかな、と思うのですが、何と「スウィング・ジャーナル」誌のゴールド・ディスクになっているんですね。最近はこの賞、聴きやすいジャズが多いだけに、戸惑った方も当時は多かったのでは、と思います。


ドラゴン~龍~/日野皓正(Tp)(Sony)
Dragon/Terumasa Hino(Tp)(Sony) - Recorded February 16-18, 2005. 多田誠司(As、Ss)、李廷植(Ts)、石井彰(P)、金澤英明(B)、井上功一(Ds) - 1. Mongolian Dragon 2. All You Are & More 3. Dream Of Asia 4. Hub's Spring 5. Big Foot 6. Sir Roland Hanna 7. Beam 8. Why Knot 9. Invocation 10. Cubic

全曲日野皓正の作曲。レギュラーのメンバーと、テナー・サックスに韓国のミュージシャン(イ・ジョンシク)を加えて、緊張感のあるジャズを演奏しています。4ビートの曲も多いのですが、曲によっては自由度はかなり高く、モードのさらに発展形というようなサウンド。そういう曲はピアノも加わってはいるけれど、あまりコードで縛るような奏法をみせておらず、形を思い浮かべつつフリーハンドで自由に線を引いていくような、サウンドの自由度があります。とは言いつつも、渋いながらもやはりジャズと思わせるようなサウンドの曲も少なくなく、ベテランの率いるジャズとはこうだ、と見せている感じ。サウンドカラーは少しずつ異なりながら、シリアスさが前面に出てます。そんな中、8曲目はバップ色の強い明るいアップテンポの曲です。(05年5月18日発売)

2009/05/22

フローティング・ワールド・ライヴ/ソフト・マシーン

Softfloat
アラン・ホールズワース参加アルバムで、プレミアがつかない入手可能なものはこれで一段落。「バンドルズ/ソフト・マシーン」や「テンペスト/テンペスト」あたりは現在入手困難でプレミアがついているのですが、またの機会の再発を待つことにします。他にも欲しいものが多いので、新品価格以上の値段を出してまで買おうとも思わないです。「バンドルズ」がなくても、このアルバムで曲目がダブっているものが多いとのことで、しかもライヴなのでバリバリギターを弾きまくる場面もあり、このアルバムを聴いて代わりに満足感を得られるような気がしています。しかし、スゴい音源が最近まで眠っていたものですね。


フローティング・ワールド・ライヴ/ソフト・マシーン(Strange Days Records)
Floating World Live/Soft Machine(Strange Days Records) - Recorded January 29, 1975. Roy Babbington(B), Allan Holdsworth(G, Vln), Karl Jenkins(Oboe, Sax, Key), John Marshall(Ds), Mike Rattedge(Key) - 1. The Floating World 2. Bundles 3. Land Of The Bag Snake 4. Ealing Comedy 5. The Man Who Waved At Trains 6. Peff 7. North Point 8. Hazard Profile (Part One) 9. J.S.M. 10. Riff III 11. Song Of Aelous 12. Endgame 13. Penny Hitch (Coda)

アラン・ホールズワースのギターの出番はきっちりと聴こえて、しかも74分ものライヴなので、かなりギターを堪能することができます。彼の出ている場面は目立ちまくりで、ここまで聴かせてくれたら言うことなし、という感じです。ソフト・マシーンの歴史的な位置付けとしては分かりませんが、彼の参加によって、かなりグループのサウンドが変わったのでは、と想像することは容易ですね。彼の参加したオリジナル・アルバム「収束(バンドルズ)」の曲がかなり入っていることも、そのライヴ演奏版としても聴けるのがうれしいところ。また、ライヴならではの、曲名はあるけれどソロの曲も、インプロヴィゼーションを感じる点で良いです。アランのヴァイオリンが5曲目で聴けます。8曲目のギター・ソロの部分でフェード・アウトが残念かも。(06年3月22日発売)

2009/05/21

BBC Radio 1971-1974/Soft Machine

Softbbc
アラン・ホールズワースの参加作を3月に買っていて、やっと聴けました。このアルバムは放送音源で、いわゆるオリジナルアルバムではないですけど、そのかわり’71-74年の演奏をメンバーやサウンドの変遷をたどって聴くことができます。プログレッシヴ・ロックのジャンルに入るのかなあ。初期の頃は混沌としたリズムのジャズとロックの間のサウンドで、イギリスのロックの歴史には詳しくないんでよく分かりませんが、そこからだんだんロックとしてグループサウンドが発展していく様子が分かります。アランのためだけに買うのは出番の曲数が少ないので、少々もったいないような気もしますが、勢いにまかせて速弾きをしている(と感じました)頃の彼も、また魅力的ではありますね。


BBC Radio 1971-1974/Soft Machine(Hux Records)(輸入盤) - (アラン・ホールズワースの参加セッション:CD2の3-5曲目)Recorded June 10, 1974. Roy Babbington(B), Allan Holdsworth(G), Karl Jenkins(Oboe, Sax, Key), John Marshall(Ds), Mike Rattedge(Key) - [CD1] 1. As If 2. Drop 3. Welcome To Frillscille 4. Fanfare/All White/MC/Drop 5. Stanley Stamp's Gibbon Album 6. Hazard Profile(Part 1) [CD2] 1. Sinepost 2. Down The Road 3. North Point 4. The Man Who Waved At Trains 5. Hazard Profile(Parts 1-4)

(09/05/18)’71年から’74年までのソフト・マシーンの演奏の変遷をたどれるCD2枚組。最初の頃はリズムも混沌としているジャズとロックの間をいくようなサウンド(マイルス・バンドを意識している?)から、だんだんリズムがはっきりしてきてロック色が強くなっていきます。変拍子の曲もだんだん目立ってきます。アラン・ホールズワースが参加しているのはCD2の3-5曲目ですが、特に5曲目が16分あるので割と露出度は高いです。3曲目はコンピュータミュージックのようなサウンドで出番は目立たないようですが、4曲目はギターのソロを弾く場面があります。5曲目は4つのパートに分かれるプログレッシヴ・ロック的な展開。ギターのソロもけっこう出番があって、やはり彼ならではのフレーズをバリバリと弾きまくっています。

2009/05/20

Think/Paolo Fresu & Uri Caine

Paolothink
この2人の演奏はこれで2枚目になります。なぜこの2人が、とも思うのですが、ユリ・ケインは何でもできるタイプのピアニストなので、自然に2人の演奏がマッチしている感じですね。15曲で全70分というのは少々長いかなとも思いますが、うまく曲ごとに趣向を変えて、通して聴いても割と引き込まれるような感じです。最初は温度感が低い曲中心と思っていたのですけれども、温かい曲も半分ぐらいあって、聴いているそばからアルバムコメントをずっと書き直しの連続でした。最初だけ聴くのと通して聴くのとでも印象が違いますね。まあ、基本がボトムのないデュオで時々ストリング・クァルテットが入る編成なので、好みは分かれるかも知れませんが。


Think/Paolo Fresu(Tp, Flh) & Uri Caine(P, Key)(Blue Note)(輸入盤) - Recorded October 10-12, 2008. Alborada String Quartet: Anton Berovski(Vln), Sonia Peana(Vln), Nico Ciricugno(Viola), Piero Salvatori(Cello) - 1. Darn That Dream 2. Blood Money 3. Medley: The Way Forward - Metamorfosi 4. The Dragon 5. Doxy 6. In Memoriam 7. Duru Duru Durula 8. Lascia Ch'io Pianga 9. Think 10. Medley: Non Ti Scordar Di Me - Centochiodi 11. Claws 12. Roberto Strepitoso 13. Ossi 14. Tema Celeste 15. Cowboys And Indians

(09/05/17)2人での2枚目。スタンダードやジャズメン・オリジナル(1、5曲目)を入れるも、2人のそれぞれの作曲が中心。9曲目のタイトル曲は弦楽四重奏団を含めたフリー・インプロヴィゼーションです。曲によってはデュオに弦楽四重奏団が加わって、哀愁度が強い感じになります。ピアノはバリバリと弾く場面があっても割とクラシック的。でも、時にジャジーなデュオで展開していく場面も(1、4-5曲目)。ポップ的なビートの8、11-12、15曲目とか。そしてパオロ・フレスのトランペットもジャジーというよりはけっこう哀愁度が高めで、感触的には曲によりストリング・クァルテットも入るとクラシック寄りのサウンドに近いのかなと思わせます。盛り上がりもあったり、温かいメロディアスなサウンドの曲もあったり変化に富んだ15曲。

2009/05/19

Secrets/Mark Feldman/Uri Caine/Greg Cohen/Joey Baron

Urisecret
Tzadikレーベルでのユダヤ音楽をジャズで演奏するアルバム。このレーベルユダヤ音楽の関連しているのもしていないものもありますが、すでに400枚以上アルバムをリリースしているんですね、しかも日本人のアルバムも多いこと。今日のアルバムはユダヤ音楽のトラディショナル集ですが、ジャズ方面で名前の知れわたった4人のメンバーが演奏しているので、やはり演奏としてはなかなかのものがあります。でも、サウンドに漂っている強い民族音楽の哀愁が好みかどうかによって、好き嫌いは出てくるんじゃないかな、とは思いますけど。なかなか興味深い演奏ではあるのですが。


Secrets/Mark Feldman(Vln)/Uri Caine(P)/Greg Cohen(B)/Joey Baron(Ds)(Tzadik)(輸入盤) - Recorded January 2008. - 1. Lubavitcher Nigun 2. Avinu Malkenu 3. Chabad Nigun 4. Z'chor Dovon 5. Satmar Rikud 6. Bobover Nigun 7. Kel Adon 8. Z'chor Hashem 9. Moditzer Nigun

(09/05/17)全曲ユダヤ関係のトラディショナル。編成からして、ジャズ的にドライヴすることもあれば、ユダヤ音楽の哀愁の強いメロディアスな感触もある、不思議な肌触りの音楽。ピアノ・トリオにヴァイオリンが加わっていて、余計に民族音楽的な要素を加えています。1、5曲目はアップテンポの4ビートで純ジャスの要素が強いですが、それでもユダヤ音楽が見え隠れしています。7曲目はフリー・ジャズ風の出だしかと思えば、哀愁バラードへの展開です。強力なメンバーではあるけれど、各曲のタイトルからしても、CDジャケットからしても、やはりユダヤ音楽+ジャズで聴く人の耳に届いてきます。ゆったりとしてエキゾチックな曲も、かの地に想いをはせるようなサウンドでせまってきます。でもやはり聴く人を選んでしまう音楽かも。

2009/05/18

Under The Water/藤井郷子&Myra Melford

Fujiiunder
限定500枚の発売でシリアルナンバー入り。これは31番でした。今まで藤井郷子さんは50枚以上もCDを出しているそうで、現在(’09年5月時点)でも一部を除いて入手可能だそうです。これだけCDを出したジャズのミュージシャンも珍しいし、それがフリー・ジャズ中心のミュージシャンということも特筆に価します。私も、もれがなければいちおうコンプリートのCDコレクターのはずなんですが、次から次へとCDが出るので、もしかするとモレがあるかもしれません。今回のアルバムはピアノ2台でのアルバムで、聴いてきた中でもやっぱり硬派な部類に属するのでは、と思います。でも個人的にはこういうサウンド、大好きなんですよね。


Under The Water/藤井郷子(P)&Myra Melford(P)(Libra)
Under The Water/Satoko Fujii(P) and Myra Melford(P)(Libra) - Recorded September 14, 2007. - 1. Yadokari 2. Trace A River 3. The Migration Of Fish 4. Be Melting Snow 5. Utsubo

メイベック・スタジオでの録音。藤井郷子のソロが2曲目、Myra Melfordのソロが4曲目で、1、3、5曲目は2人での演奏です。ピアノの鍵盤を叩く音以外を使ったり、非イディオム系の展開を聴かせる部分もありますが、時にフリーに、時にメロディアスに、時に荘厳にピアノが響いたり、時に静寂に近い空間が訪れたりと、その見せる表情は変化に富んでいます。でも全体的に、ハードなフリーに属する部分に立ち位置があるかな、とも思います。今回500枚限定発売だったのは、ライセンスの問題だったのか、内容によったものなのか分かりません。でもやはりあるのは名スタジオに響くさまざまなピアノのサウンドとフレーズ、非フレーズの応酬と、2人のレスポンス。藤井にとってはいつもの世界の範囲ですが、やはり硬派なフリー。(09年4月25日発売)

2009/05/17

ナチュラル・イリュージョンズ/ボビー・ハッチャーソン

Bobbynatural
ブルーノートレーベルのCD、過去に全部出すと予告があったことがありましたけど、結局1500番台からはじまって、4100番台まで出したところで息切れをしたみたいで、4200番台以降、今日紹介するような、いわゆる「ニューノート」と呼ばれるような時代のものは、まだ虫食い状態なのでは、と思います。このボビー・ハッチャーソンのアルバムも「初CD化」だそうですし。まあ、今まで出さなかった理由も聴いていると分からないわけでもないですが。いわゆるブルーノートを皆さんがイメージしているようなサウンドとは遠いからではないかと思っています。今のセールスに結びつかなそうなブルーノートのアルバムはこの時期、多そうですけれども。


ナチュラル・イリュージョンズ/ボビー・ハッチャーソン(Vib)(Blue Note)
Natural Illusions/Bobby Hutcherson(VIb)(Blue Note) - Recorded March 2 and 3, 1972. - Hank Jones(P), Gene Bianco(Harp), Gene Bertoncini(G), Ron Carter(B), George Duvivier(B), Jack DeJohnette(Ds), Seymour Barab(Cello), Daniel Trimbori(Fl), Romeo Penque(Fl), Hubert Laws(Fl), Philip Bodner(Fl), George Marge(Oboe), John Leone(Bassoon), Irving Spice(Vln), Aaron Rosand(Vln), Julien Barber(Viola), Seymour Bernman(Viola), Wade Marcus(Arr) - 1. When You're Near 2. The Thrill Is Gone 3. Sophisticated Lady 4. Rain Every Thursday 5. The Folks Who Live On The Hill 6. Lush Life 7. Shirl

ボビー・ハッチャーソン作は1曲目のみで、スタンダードが中心。初CD化で、ブルーノートのこの時期になるとこれまで意外にCD化されていないものもあったりします。ストリングスなどをバックに、この当時のCTIのような、イージーリスニング・ジャズ的な演奏を繰り広げています。しっとりくる曲もあれば、ジャズロック的に盛り上がる曲もありますが、やはりこの時代になってくると元あったブルーノートのレーベルイメージとはかけ離れたものになっていきます。音楽としてはなかなか興味深く、ヴァイブラホンがメロディやアドリブを歌い上げていきます。まあ、ウェス・モンゴメリーの後期的なサウンドをややしっとり系にした感じとでも言えばいいのでしょうか。ウェイド・マーカスのアレンジがなかなか良く、音楽的には割とイケると思います。(09年4月22日発売)

2009/05/16

コンプリート・レコーディングス/トニー・ベネット&ビル・エヴァンス

Tonybillcomp
昔はビル・エヴァンスのCDの追っかけをやってましたけど、最近は1-2曲のボーナストラックの追加では買うことをやめてました。でも、このアルバムのように、オリジナルアルバム2枚をCD1枚目に、別テイクをCD2枚目に、まるまる収録しているとなると、今でもつい食指が動いてしまいます。私はヴォーカルものは少ないし、ましてや男性ヴォーカルとなると数えるほどしか持ってませんけど、ここでのビル・エヴァンスの歌伴、いいですねえ。別テイクの方には、ややヴォーカルが歌いにくそうな伴奏をつけているものもありますが、それでもボツにするほどのことではないな、と思いました。なかなか味わいがあります。


コンプリート・レコーディングス/トニー・ベネット(Vo)&ビル・エヴァンス(P)(Fantasy)
The Complete Recordings/Bennett(Vo)/Bill Evans(P)(Fantasy) - [CD1] The Tony Bennett/Bill Evans Album: Recorded June 10-13, 1975. - 1. My Foolish Heart 2. The Touch Of Your Lips 3. Some Other Time 4. When In Rome 5. We'll Be Together Again 6. Young And Foolish 7. Waltz For Debby 8. But Beautiful 9. Days Of Wine And Roses Together Again/Tony Bennett & Bill Evans: September 27-30, 1976 - 10. The Bad And The beautiful 11. Lucky To Be Me 12. Make Someone Happy 13. You're Nearer 14. A Child Is Born 15. The Two Lonely People 16. You Don't Know What Love Is 17. Maybe September 18. Lonely Girl 19. You Must Believe In Spring Together Again: [Bonus Track]: 20. Who Can I Turn To? 21. Dream Dancing [CD2](Alternate Takes)The Tony Bennett/Bill Evans Album: 1. Young And Foolish 2. The Touch Of Your Lips 3. Some Other Time 4. When In Rome 5. Waltz For Debby Together Again: 6. The Bad And The beautiful 7. The Bad And The beautiful 8. Make Someone Happy 9. You're Nearer 10. A Child Is Born 11. A Child Is Born 12. The Two Lonely People 13. You Don't Know What Love Is 14. You Don't Know What Love Is 15. Maybe September 16. Maybe September 17. Lonely Girl 19. You Must Believe In Spring 20. Who Can I Turn To?

CD2枚組。元のアルバムは「トニー・ベネット&ビル・エヴァンス」(’75年)と「トゥゲザー・アゲイン」(’76年)で、それにボーナス・トラックを加えてCD1枚目に、そして両者のセッションの別テイクをCD2枚目に丸々加えて、別テイクの分量がかなり多い、コンプリート・レコーディングとなりました。別テイクとは言っても、失敗したとかそういうことではなく、これが表に出るテイクでもおかしくないものばかり、やや、ピアノの歌伴が、歌いにくそうに弾いているものも見受けられましたけど、世間ではそう珍しくはないことで、やはりビル・エヴァンスの歌伴はかなりいいなあ、ということを改めて思い知らされました。別テイクだけ別のCDに入っているので、オリジナルの演奏を求めて1枚だけ聴く方法もあり、親切だし、お買い得感も強いです。(09年4月22日発売)

2009/05/13

チェイシング・シャドウズ/トニー・グレイ

Tonychasing
上原ひろみのバンドで弾いているベーシストのアルバム。ちょっと遅れましたけど購入してみました。しかも3月上旬に購入しておいて、やっと聴けました(笑)。ベーシストがリーダー作を作る場合、俺が俺がと前に出てくるタイプと、トータルサウンドを重視するタイプといますが、トニー・グレイは完全に前者のタイプですね。実は2週間ほど前に疲れきってこのアルバムを聴いたら、あまりにも音数が多くて、これは気力のあるときに聴かねば、と思いましたよ。とはいうものの全部イケイケになっているわけではなくて、静かな場面もあれば盛り上がる場面もあるということなんですけど。いずれにしても音数は多い人です。インパクトは強かったですね。


チェイシング・シャドウズ/トニー・グレイ(B、Key)(Isol Discus Organization)
Chasing Shadows/Tony Grey(B, Key)(Isol Discus Organization) - Released 2007. Hiromi Uehara(P), Oli Rockberger(P, Key, Voice), Elliot Mason(Btp, Tb), Gregoire Maret(Harmonica), Chris Dave(Ds), Martin Varihora(Ds), Dan Brantigan(Tp), Tim Miller(G), Ronald Bruner Jr.(Ds), Lionel Loueke(G), John Shannon(G), Bob Reynolds(Ss, Ts) - 1. Chasing Shadows 2. Walking In Walking Out 3. Guiding Light 4. No Mans Land 5. Don't Look For Me 6. Peace Of Mind 7. Dark Within 8. One Of Those Lives 9. Where Does It End

5、7曲目以外は全曲トニー・グレイの作曲で、5、7曲目はオリ・ロックバーガーとの共作。エレクトリックの多弦ベースを低音域から高音域まで駆使してギターのようにも弾いたりする超絶技巧の若手ベーシストで、速弾きはかなり目立ちます。上原ひろみ・バンドでもおなじみですが、メカニカルだったり変拍子だったり、メロディアスだったり、意外にストレートな曲もあったり、いずれにしてもベースがけっこう前面に出てくるサウンド。ベースの多重録音もしていて、音数の多さに、気合の入っている時に聴かないと疲れる気もします。けっこう濃いサウンドとでもいうのか。でも、この音使いやバンド(メンバーは入れ替わりますが)サウンドは、ハードコア・フュージョン好きにはけっこういいかもしれないです。上原ひろみは7曲目に参加。(08年4月23日発売)

2009/05/12

テル・ミー・ア・ベッド・タイム・ストーリー/マーク・イーガン

Marktellme
バタバタしていて3月上旬に届いていたアルバムをやっとアップすることができます。マーク・イーガンが関係していたので購入したのですが、ある人からはジャケ買いか?と聞かれてしまいました(笑)。有名な曲ばかりで、しかもフュージョンタッチでの演奏なので、カチッとした感じもあって、好ましく聴けました。まあ、これは人選によるものが大きいと思いますが、フュージョンばかりではなくて、バラードや渋めな曲、ジャジーなものも入っていて、やっぱりこれはエレクトリック・ベースの幅広い表現力によるものが大きいのではないかなあ、なんて思っています。遅れて購入した国内盤です。


テル・ミー・ア・ベッド・タイム・ストーリー/マーク・イーガン(B)(Isol Discus Organization)
Tell Me A Bedtime Story/The Big Apple Super Session Vol.1 Hosted By Mark Egan(B)(Isol Discus Organization) - Recorded on December 15, 2005 and April 18, 2006. Eriko Akiya(P, Key), Lew Soloff(Tp on 1-2, 4-6, 8), Joel Rosenblatt(Ds on 1-2, 4-6, 8), Lionel Loueke(G on 3, 7, 9), Danny Gotlieb(Ds on 3, 7, 9) - 1. A Night In Tunisia 2. Movin' Wes 3. Blue In Green 4. Blue Bossa 5. In A Sentimental Mood 6. La Fiesta 7. How Insensitive 8. Tu Tu 9. Tell Me A Bedtime Story

ジャズメン・オリジナルやボサノバ系の曲を、割とシンプルな編成で、基本的にフュージョンのリズムで演奏。メンバーがメンバーなので、けっこうエキサイティングでもあり、楽しんで聴けるファンクという感じのサウンド。バラードや渋めの曲もあります。ルー・ソロフ参加のクァルテットが’05年の録音で、こちらは聴いてスッキリする比較的ストレートな表現。リオーネル・ルエケ参加のクァルテットが’06年の演奏で、こちらの曲の方が静かでジャジーな雰囲気です。マーク・イーガンの変幻自在なエレクトリック・ベースが全体のサウンドのキモかも。また、全面参加しているエリコ・アキヤという人は日本人ですが、なかなか堂々とした弾きっぷりで、このスゴいメンバーの中でも対等にやり合っています。いろいろな曲があって印象的です。(07年9月19日発売)

2009/05/11

デマ/筒井康隆原作/市原宏祐原案/佐藤允彦作編曲

Tsutsuidema
筒井康隆関連のCDは今日でひと区切りです。文筆家でこれだけCDを残しているというのも、珍しいケースではないでしょうか。今日の「デマ」は小説のナレーションが入っているわけではなくて、そのイメージを音楽にしたもので、エレクトリックとアコースティックとうまくミキシングされて、最後にはひとつのデマが戦争にいたる情景を、うまく音楽であらわしていると思います。今まで聴いた中では、唯一音楽だけで構成されているアルバム(オリジナル・サウンド・トラックを除く)ですね。いい時期に珍しいアルバムをそろえられたと思います。今ならどれも入手が容易ですしね。ジャズ(ファンク)としてとらえるならば、このアルバムだと思います。でもシリアスでハードです。


デマ/筒井康隆原作/市原宏祐原案/佐藤允彦作編曲(Super Fuji Discs) - ’73年録音(CBSソニー原盤) グループ1:市原宏祐オールスターズ(市原宏祐(Fl、Afl、Ss、As、Ts、Bs)、直居隆雄(G)、石川晶(Ds)、寺川正興(B)、市川秀男(P))、グループ2:佐藤允彦とがらん堂(佐藤允彦(P、Synth)、翠川敬基(B)、田中保積(Ds、Per)) - 1.「デマ」プロローグ 2.「デマ」情報1から情報21まで 3.「デマ」情報22から情報49まで 4.「デマ」エピローグ

筒井康隆作の小説「デマ」を、ナレーションを入れずに、2つのグループでの音楽化。何と2つのグループを別個に録音して、それをミキシングしていくという手段がとられたらしいです。小説が直接語られているわけではないので、ある意味小説に対するイメージ的なジャズですが、グループ1のエレクトリック・バンドとグループ2のアコースティック・バンドがうまくミックスされて、同時代以前のエレクトリック・マイルスやウェザー・リポートなどの音楽を連想、あるいはフリー・ジャズの緊張感をはらんだサウンドが続いていきます。静かな場面からノリの良いファンクの場面まで、印象はさまざまですけど、日本の’73年当時でこういう先鋭的なバンドサウンドを出していたミュージシャンがいたとは驚きです。当時の音楽として楽しめます。(07年4月6日発売)

2009/05/10

家/筒井康隆/山下洋輔

Tsutsuiie
筒井康隆関連のアルバムの紹介は今日で4日目ですけど、手持ちではあと1枚あります。今日のCDも山下洋輔がらみなので、いちおうはジャズに分類。でも壮大な映画音楽が時おりあらわれるナレーションと交互に、あるいはバックに流れていく、という感じで、ジャズを期待すると肩透かしをくうかもしれません。でも、短編小説1編で、これだけのミュージシャンを集めて、こういうようなアルバムを作れた時代だったのだなあ、と改めて思います。それだけ筒井康隆人気もスゴいもの(今でもそうですが)だったのだなあ、と。このあたりのアルバム、よくぞ再発してくれました、という感じで、今後再発の可能性はきわめて低いと思います。ジャズかどうかという内容はともかく、気になった人は、今がチャンスかもしれません。


家/筒井康隆(ナレーション、他)/山下洋輔(P、他)(Super Fuji Disks) - Recorded Julu 28, 1975 - January 24, 1976. 伊勢昌之(G、他)、坂田明(As)、向井滋春(Tb)、高橋知己(Ts)、近藤俊則(Tp)、国吉征行(Fl)、望月英明(B)、大貫妙子(Vo)、寺尾次郎(B、Per、Cho)、村松邦男(G、Cho)、山川恵子(Harp)、柏原卓(P、Org、Per、Cho)、北沢康隆(Per、Cho)、黒川博(Per、Cho)、生田朗(Per、Cho)、鈴木利恵(Cho)、中沢まゆみ(Cho)、山田真理(レコーディング・コンパニオン)、宮坂剛(効果音)、タモリ(ナレーション他)、ストリングス - 1.海 2.月 3.嵐 4.家

筒井康隆の小説「家」に基づいて音楽化。4曲中、2曲目のみ伊勢昌之作、他は山下洋輔作。ナレーションよりは音楽がメインの感じで、静かな場面からドラマチックに盛り上がっていくところなど、なかなか音楽としても聴かせます。プログレッシヴ・ロックとの接点も少しあるような感じ。かなりの大編成で、大貫妙子や若き日のタモリの名前も見かけます。「家」という小説自体、シュールでミステリアスな部分を多く抱合しているので、その雰囲気に合わせたサウンドのようです。そしてほんの少しあらわれるフリージャズの展開。それにしても、壮大で、大作です。オーケストラとジャズの楽器で進んでいくような部分もあったり、いきなりナレーションや歌の登場になったりと、通常のジャズを期待するとだいぶ違う雰囲気にはなっています。(08年8月22日発売)

2009/05/09

筒井康隆文明

Tsutsuibunmei
筒井康隆関連の音源があと何枚かあるので、まとめて紹介していきましょう。2曲目の朗読も、朗読ではあるけれど面白く、笑いの場面には、観客の笑いも入っていたりします。レアでもあるし、このアルバムを買う人もあまり多くないとは思うし、山下洋輔トリオファンにも難物なアルバムではあろうかとは思いますけど、こういう珍しいアルバム、好きなんだなあ。これを機会に入手しないと、次はいつ入手できるか、と思い、つい購入してしまいました。1曲目はなかなかドラマチックで、笑いの意味でもけっこう面白いです。もちろんフリージャズも聴ける場面もあります。う~ん、何と言ったらいいか。まあ、爆笑どころはいっぱいです。


筒井康隆文明(Super Fuji Discs) - ’78年発売。筒井康隆(作、朗読)、代志住正(朗読)、山下洋輔(P、Org、他)、坂田明(As、声、他)、小山勝太(Ds)、ラリー寿永(Per)、角張幸子(Vo)、特別出演:かんべむさし、堀晃、筒井倶楽部有志 - 1.バブリング創世記(「熊の木音頭」入り) 2.朗読「寝る方法」

1曲目がバブリング創世記(「熊の木音頭」入り)、2曲目(2作目)が朗読の「寝る方法」と、筒井康隆の小説がメインでアレンジが加わっているのですが、山下洋輔トリオが参加していて、何と初CD化なので、彼らのファンにはレアなアルバムが再発されたものだと思います。2つで42分ほどの長さ。特に1曲目は、やっぱり冗談音楽の類かな。コアなフリージャズとしても一部聴けるけど、朗読や歌(しかもこれは「熊の木音頭」で、素人っぽくて冗談度も高い)には、笑ってしまいます。バブリング創世記は時間的に全部の朗読ではないようです。そして、けっこうアレンジに緩急がついていて、飽きさせない展開と酔っ払いのような歌や叫び。いやー、シュールです。後半の朗読は、筒井康隆のみでの朗読ですが、声がいいですねえ。(08年7月4日発売)

2009/05/08

ジャズ大名サウンド図鑑

Tsutsuijazzdai
映画「ジャズ大名」のオリジナル・サウンド・トラックということで、気になって注文してしまいました。でも前半の5曲だけがオリジナル・サウンド・トラックで、後半の5曲は、昨日紹介した「The Inner Space Of Yasutaka Tsutsui/筒井康隆」の一部が抜けているもので、すでに’02年に発売されていました。ちょっとガクッとしなかったでもないけれど、昨日のアルバムはオリジナル・フォーマットなだけに貴重です。追っかけようとすると、必ず出くわす問題ですね。まあ、ふだんのモダンジャズよりは、もっと和洋折衷でいろんな楽器、楽器でないものも使って、上手くジャズの混沌としたものから音楽になっていく部分が感じられて面白いです。


ジャズ大名サウンド図鑑(徳間ジャパン) - Recorded Febryary 20 and 21, 1985 on 6-10, Febaryary 8, 10 and 19 on 1-5. 1-5曲目: 中村誠一(Cl)、村田浩(Cornet)、松本治(Tb)、つのだひろ(Ds)、仙波清彦(和太鼓、小鼓、大鼓、盥、ギロ、団扇太鼓)、福原徹彦(篠笛、能管)、内藤洋子(琴)、山村美子(琵琶)、藤尾よしこ(三味線)、藤陵”チャメルリスト”雅裕(Ss、チャルメラ、団扇太鼓、算盤、鍋、釜、洗濯板)、林栄一(As、団扇太鼓、算盤、鍋、釜、洗濯板)、佐藤達哉(Ts)、石兼武美(Bs、鍋、釜、洗濯板)、山下洋輔(P)、杉本喜代志(G)、米木康志(B)、阿部寛(バンジョー)、荻野晋(Tuba)、佐藤一憲(ギロ、算盤、柝、団扇太鼓)、5-10曲目:山下洋輔(P)、杉本喜代志(G)、吉野弘志(B)、村上”ポンタ”秀一(Ds)、中村誠一(Ts、Cl)、池田篤(As)、佐々木史郎(Tp)、向井滋春(Tb)、仙波清彦(和太鼓)、藤尾よし子(三味線)、内藤洋子(琴)、岡本新(Tp)、横山正治(Tb)、田崎哲(As) - 「ジャズ大名」オリジナル・サウンドトラック:1.ジャズ大名~シェラ・マドレの山中 2.ジャズ大名~香港行きグスタフォ・カンパ号 3.ジャズ大名~お稽古 4.ジャズ大名~地下・もぐり酒場 5.大名行進曲   筒井康隆プレイズサイド:6.Smoke Rings 7.I Surrender Dear 8.Everyone Says I Love You 9.活動写真 10.ジャズ大名

昨日紹介した「The Inner Space Of Yasutaka Tsutsui/筒井康隆」から朗読「昔は良かったなあ」を外したのが後半、そして前半がジャズ大名のオリジナル・サウンド・トラックになっています。後半は昨日紹介したので置いておいて、前半の映画は、アメリカ発のジャズが、ふとしたことでアメリカ黒人がアフリカに帰ろうとしたところが江戸時代の日本に来てしまって、なぜかジャズが日本で和洋折衷の状況で再現されていくという、観ていても面白い展開の映画。そのサウンドトラックも、和洋折衷で各方面から有名な人も参加して、いろいろなスタイルのジャズに仕上がっています。ただ、これは音楽の部分があまり長くないので、実際に映画を見たほうが面白いかもしれないなあ、とも思います。後半の6-10曲目の部分は、昨日のオリジナルフォーマットのCDと比べ、大部分既発売だったのねと思いましたけど、これはこれでアリかな、とも思わせます。(02年12月21日発売)

2009/05/07

The Inner Space Of Yasutaka Tsutsui/筒井康隆

Tsutsuiinner
昔、私も新潮社の「筒井康隆全集」全24巻を買ったクチで、付録の生原稿を印刷したものと、このLPを入手してました。でもLPプレイヤーがなかったので、つい中古屋さんに売ってしまったんですよね。その時の売値をはっきり覚えていて、1,500円でした。でも、売った後に後悔しましたよ。もう一生お目にかかることがないだろうなあ、と思っていたら、今年の3月にCDで再発されていたんですね。いやLP時代も非売品だったから、再発はおかしいか。またこの音源を聴くことができて幸せに思います。今見てみるとメンバーもスゴいではありませんか。ちょっとマニアックな話だけれども、自分にとっては思い入れの深いアイテムだったということで、紹介させていただきました。


The Inner Space Of Yasutaka Tsutsui/筒井康隆(Cl、Narration)(Super Fuji Disks) - Recorded February 20 and 21, 1985. 山下洋輔(P)、杉本喜代志(G)、吉野弘志(B)、村上”ポンタ”秀一(Ds)、中村誠一(Ts、Cl)、池田篤(As)、佐々木史郎(Tp)、向井滋春(Tb)、仙波清彦(和太鼓)、藤尾よし子(三味線)、内藤洋子(琴)、岡本新(Tp)、横山正治(Tb)、田崎哲(As) - 1.活動写真 2.I Surrender Dear 3.Everyone Says I Love You 4.ジャズ大名 5.昔はよかったなあ-朗読- 6.Smoke Rings

’80年代に新潮社の「筒井康隆全集」全24巻が出た時に付録としてLPで登場したもので、非売品。私もこれを持っていましたが、つい処分してしまいました。それがここに復刻されたという、非常に貴重なCD。1、4曲目が筒井康隆の作曲で、全員(と思われる)の合奏、2-3、6曲目が筒井康隆のクラリネットをフィーチャーした演奏、5曲目が筒井の朗読と演奏。メンバーもそうそうたるもので、けっこういい演奏が繰り広げられています。それぞれのメンバーの個性も重視した演奏になっています。4曲目は和楽器も登場。ただ、筒井のスタイルはクラリネットということもあり、ちょっとオールドジャズを想像させるサウンドになっています。まあ、非常に珍しいアルバムということで、それだけでも話題になるのではないかと思います。(09年3月20日発売)

2009/05/06

Face To Face - Edition De Luxe/Manhattan Jazz Quintet

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Mjqfacede
一昨日、たまたま某中古CD屋に久しぶりに行き、その中で見つけた1枚。最初の3曲入りのミニ・アルバム(写真左)は持っていたけれど、それに3曲追加したフル・アルバム(写真右)は、そのうち買おうと思っているうちに入手できなくなり、発売枚数も少ないと思われるため、あきらめていたものです。何年もしてから偶然に出会うアルバムって、たまにですけどあります。お店の方も売れないと思っていたのか、盤質Bで525円でした。これまたラッキー。まあ、’90年ごろの発売なので、音の音圧は低めですけど、耳補正で何とか聴いてしまうっていうのも、ジャズですね(笑)。非常にラッキーな出来事ではありました。


Face To Face/Manhattan Jazz Quintet(Paddle Wheel) - Recorded March 27, 1989. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts), David Matthews(P), John Patitucci(B), Dave Weckl(Ds) - 1. Face To Face 2. Take Five 3. Work Song

同タイトルのCDを合同企画で4社同時にさまざまなミュージシャンが出したミニアルバム(他は、MALTA、リニー・ロスネス、YMO(ヤングメン&オールズ)。このキャンペーンは「日米医学会の交流をさらに活発化させるためにアメリカに医療センターを設立しよう」というもの。1曲目のタイトル曲はMALTAが作曲して、それをそれぞれがアレンジしたもの。元はフュージョンの曲ですが、ここではMJQらしくメロディアスかつシャープなテーマと、陽性のアドリブでけっこうノリの良い4ビートに仕上がっています。5拍子とユニゾンのテーマ、そしてアドリヴが渋くて心地よい2曲目、原曲よりもアップテンポで、カッコよく展開していくファンキーな3曲目。後に、3曲のライヴを加えてフル・アルバムとして再発されました(エディション・デラックス)。

Face To Face - Edition De Luxe/Manhattan Jazz Quintet(Paddle Wheel) - Recorded March 27, 1989 on 1-3, May 15, 1988 on 4-6. Lew Soloff(Tp), George Young(Ts, Ss), David Matthews(P), John Patitucci(B), Dave Weckl(Ds) - 1. Face To Face 2. Take Five 3. Work Song 4. Summertime 5. Moanin' 6. Rosario

(注)フルアルバムは「フェイゥ・トゥ・フェイス~エディション・デラックス」というタイトル。’88年5月15日の六本木ピットインのライヴで、4-6曲目に3曲が追加されました。どれも再演曲ですが、この3曲で40分もあり、4、6曲目は初演と比べてリズムのメンバーがまた違うので新鮮な演奏。けっこう静かな場面にもなったりして、時間も4曲目が15分、5曲目が17分と、時間に余裕を持ったやりとりがまたなかなか面白いですね。そして特に6曲目は長いドラム・ソロがスティーヴ・ガッドからデイヴ・ウェックルにかわって、曲の感じもだいぶ違う感じになっていて、こういうところもまた楽しい。

2009/05/05

ジャズ&スタンダード/美空ひばり

Misorajazzsta
今日届いたCDは’90年発売なので、もう入手困難かと思っていましたけど、通販で在庫ありになっていました。ベストアルバムですが、美空ひばりのジャズの歌唱をもう少し追いかけてみたくて、何曲かの聴いていない曲のために注文してしまいました。録音された時代を考えると、やはり日本ジャズとしては画期的なことだと思います。日本語の歌詞があったとしても、それはジャズや歌唱の本質にはあまり影響のないことだと思ってます。やはり彼女はジャズは専門ではなかったのに、天才であり、偉大だったんですね。ただ、今入手できるアルバムも限られているため、ここでひと区切りとします。

ジャズ&スタンダード/美空ひばり(Vo)(コロムビア) - おそらくジャズのベストアルバムで録音は昭和20年代から’64-65年にかけて - 1.虹の彼方に 2.ラブ・レター 3.上海 4.恋人よ我れに帰れ 5.アイ・ラブ・パリ 6.ばら色の人生 7.セ・マニフィック 8.クライ・ミー・ア・リヴァー 9.スターダスト 10.アゲイン 11.ダニー・ボーイ 12.愛さないなら棄てて 13.ブルーベリー・ヒル 14.A列車で行こう 15.愛のタンゴ 16.慕情

昭和20年代の音源も入っているということで、オリジナルアルバムではなく、いわるゆベストアルバムだな、と予想してましたけど、出典は元は「ひばりジャズを歌う」(’65年発売)が4、9、16曲目と「ひばりとシャープ」(’64年発売)が1-2、5、7-8、11、13曲目でした。 残りの3、6、10、12、14-15曲目がモノラル音源と書いてあるところをみると、これらはそれ以前の昭和20年代の音源ではないかと思っています。それらをまだ聴いていなくて、今回聴きたかったのですね。ネットで調べてみるとひばり16歳(ということは’53年頃?)の頃の音源もあるのだとか。 バックバンドの人がミスると、誰がどこを間違えたか言い当てたり、耳がとにかく良かったそうです。英語も分からないのに耳でイントネーションも覚えたとか、そういう逸話がゴロゴロあるようで、とにかくスゴい人だったみたいです。14曲目の「A列車で行こう」のスキャットはもう見事なものです。(’90年発売)

2009/05/04

デライツ・オブ・シーズンズ~ライヴ・アット・ザ・ミューザ/シーン・オブ・ジャズ

Scenedelight
このシーン・オブ・ジャズのシリーズ、トリオのメンバーが好きなメンバーなので四季の4枚は買っていました。ところがその後に出たこの1枚だけ、チェックがもれていたようで、昨年買い逃していました。結論から言ってしまうと5枚のうちどれか1枚、となると、いかにもジャズらしさの緊張感と自由さ、そして時にはしっとり感があり、それが突出しているのがこのアルバムということが言えると思います。それだけインパクトは大きかったですね。まあ、これだけのメンバーですからね、おなじみの曲をライヴの場では普通に料理するはずがないです。最後の3曲はヴォーカル参加ですが、これもスリリングなサポートで面白かったですね。


デライツ・オブ・シーズンズ~ライヴ・アット・ザ・ミューザ/シーン・オブ・ジャズ(Roving Spirits)
Delights Of Seasons - Live At Mu-Za/Scene Of Jazz(Roving Spirits) - Recorded July 14 and 15, 2008. 石井彰(P)、安ヵ川大樹(B)、大坂昌彦(Ds)フィーチャリング:たなかりか(Vo on 8-10) - 1. The Days Of Wine And Roses 2. Little Sunflower 3. A Nightingale Sang In Berkley Square 4. Skylark 5. Lazy Bird 6. Windmills Of Your Mind 7. Gone With The Wind 8. Fly Me To The Moon 9. Old Devil Moon 10. Bye Bye Blackbird

おなじみの3人のメンバーでの演奏に、曲によってはヴォーカリストが登場(8-10曲目)します。四季の4枚のアルバムが以前出た時は、はじめにコンセプトありきだったようで、ちょっとおとなしめかな、とも思ったのですが、今回はライヴでの演奏で、かなり過激な演奏もあったり、自由に演奏が繰り広げられています。やはりスタンダードやジャズメン・オリジナルの演奏には変わりはないですけれど。今まではテーマが決まっていたのですが、今回はけっこうやりたいように演奏している感じもして、やはりライヴということでその場の雰囲気を盛り上げているんだなということが分かります。このメンバーの5枚のアルバムの中ではいちばん冒険的でスリリング。しっとり系の曲もあって、いいですね。6曲目は哀愁とフリーの間をいく解体も。(08年11月19日発売)

2009/05/03

モア・トゥ・セイ/テリ・リン・キャリントン

Terrimore
あらかじめ雑誌の広告などで分かっていたけれども、ほぼスムーズジャズのアルバムでした。12曲目を除き、耳どおりが良いというか、BGMにも最適、なんてキャッチフレーズで通してしまおうかな、なんて考えたくらい。曲ごとに参加するミュージシャンはいろいろでリストアップするだけでかなりの人数でホネが折れました(笑)。ジョージ・デューク、エヴァレット・ハープ、カーク・ウェイラムなんておなじみの名前に混ざって、あのデヴィッド・フュージンスキーの名前も入っていましたし、今は何をやっているのかな、と思っていたガブリエル・グッドマンの名前も見つけて、懐かしいなあ、と思っていた次第です。


モア・トゥ・セイ/テリ・リン・キャリントン(Ds)(Videoarts)
More To Say.../Terri Lyne Carrington(Ds)(Videoarts) - Released 2009. George Duke(P, Key), Dwight Sills(G), Evertte Harp(As, Ts), A. Ray Fuller(G), Greg Phillinganes(Key), Freddie Washington(B), Lawrence Fields(Key, Prog), Munyungo Jackson(Per), Niki Haris(Vo), TLC(Ds, Vo. Key, Prog), Kirk Whalum(Ss, Ts), David Diuczynski(G), Chris Walker(Vo), Maestro1ton(MC, Prog, Vo), Robert Irving 3rd(Key, P), Kudisan Kai(Vo), Randy Runyon(G), Christian McBride(B), Richard Patterson(B), Gregoire Malet(Harmonica), Voro Garica(Tp), Les McCann(Vo), Anthony Wilson(G), Tim Miller(G), Cedric Hanriot(Key), Randy Runyon(G), Patrice Rushen(P, Key), Jimmy Haslip(B), Jetro Da Silva(Key), Eugie Castrillo(Per), Darian Renelinez-Carrington(Vo), Walter Beasley(As), Chuck Loab(G), Maeve Gilchrist(Harp), Tim Miller(G), Lenny Stallworth(B), Hogyu Hwang(B), Lori Perry(Vo), Alain Mallet(Key), Sonny Carrington(Ts), Walter Smith(Ts), Ambrose Akinmusire(Tp), Godwin Louis(Fl, Ss), Nancy Wilson(Vo), Mitchell Foreman(Arr, Key), Matthew Garrison(B, Vo), Danilo Perez(P), Julian Lage(G), Gabrielle Goodman(Vo), Joe Galeota(Per), Mohamed Kalifa Kamara(Per), Dan Pugach(Per), B Wiz and DJ Kou from Agari Crew(Vo) - 1. More To Say 2. Favorite Lullaby 3. Everyday 4. Oh. Freedom! 5. Sharewood Forest 6. Hold Me Again 7. Dorian's Playground 8. Mesmerized 9. Ket It Be 10. Papa-San 11. Imagine Days 12. No Not One (For Helen) 13. Real Life

テリ・リン・キャリントン作または共作は13曲中10曲(2、8-9曲目を除く)で、ほぼ完全にスムース・ジャズのアルバム。ヴォーカルの入っている曲も多めです。曲ごとにいろいろなミュージシャンが参加していて、非常に豪華で聴きやすいです。でも今までバリバリのジャズ(ファンク)・ドラマーだった彼女が、本職のドラマーの仕事は無理をせず、12曲目で多少目立つぐらい。曲を聴きやすくしたのはどういう心境の変化か、戸惑うジャズファンも多いのでは。これが「フォープレイ」みたいに、もうスムース・ジャズをやりますよ、って感じの人だったらいいのですが。でも、聴いている分にはけっこういいスムーズ・ジャズではあります。8曲目はラムゼイ・ルイスの、9曲目はビートルズの曲(リハーモナイズが面白い)も取り上げています。(09年4月22日発売)

2009/05/02

インスピレーション&パワー/V.A.

Inspi
’03年に紙ジャケで出た時に買っておけば3,150円ですんだのに、今は入手困難で、新品に1万5千円近い値段をつけているところもありました。状態はちょっと悪いけど何とか送料込み3,640円(それでも当時の新品より高いですね)を中古で入手、聴くことができました。このところ和もののフリーをけっこう買い込んでいる私には貴重ですが、どうでもいい人にはどうでもいいアルバムかもしれない。4曲目はヴォイスというかしゃべりも入っていたり、延々ゆっくりとドレミファソラシド、ドシラソファミレド、なんてやっている部分もあったり。6曲目の「集団投射」はノイズミュージックで、これに約10分間、耐えられるか。メチャメチャシリアスなフリーだったり、やはり出演者を見ると分かるように、かなりヴァリエーションに富んだフリージャズです。


インスピレーション&パワー/V.A.(P.J.L.) - Recorded June 30 - July 12, 1973. - 1.生還/宮間利之とニュー・ハード・オーケストラ、2.イングランド・フィッシュ/吉沢元治(B)ベースソロ、3.オクトーバー・リヴォリューション/沖至(Tp)クインテット:高木元輝(Ss)、徳広晃志(B)、中村達也(Per)、ジョー・水木(Per)、4.イントロダクション~Cde F/ナウ・ミュージック・アンサンブル:藤川義明(As)、片山広明(As)、吉田正(Tp)、角張和敏(Tp)、翠川敬基(B)、田中保積(Ds)、5.レミニス/富樫雅彦(Per)&佐藤允彦(P)、6.集団投射/ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アーツ:高柳昌行(G)、井野信義(Cello)、山崎弘(Per)、ジョー・水木(Per)、7.フェイズ13/がらん堂:佐藤允彦(P、Synth)、翠川敬基(B、Cello)、田中保積(Per)、8.クレイ/山下洋輔(P)トリオ:坂田明(As)、森山威男(Ds)


’73年録音のライヴのオムニバス盤。6月30日から7月12日までのアートシアター新宿文化会館でのライヴからの収録。収録は、宮間利之とニュー・ハード・オーケストラ、吉沢元治ベースソロ、沖至クインテット、ナウ・ミュージック・アンサンブル、富樫雅彦(Per)&佐藤允彦(P)、ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アーツ、がらん堂、山下洋輔(P)トリオと、CD2枚組で、当時のそうそうたる顔ぶれが並んでいます。やはり全体的にフリーではありますが、割と静かな場面、ドラマチックにいく場面、非イディオム系の場面、パワーあふれる場面、冗談っぽい場面と、さまざななフリー・ジャズが収録されています。確かにこういう日本のフリー・ジャズのオムニバス・アルバムはこの時期ならでは、という感じがします。聴く人を選ぶと思います。(03年10月22日発売)

2009/05/01

ひばり世界をうたう/美空ひばり

Misorasekai
美空ひばりの’08年8月に出た紙ジャケ3枚のうち、このアルバムだけはジャズ色はないのですが、’50年代の洋楽ジャズヴォーカルはポップスとの境目がなかったように、こういうものもその一連のサウンドとして楽しむことはできますね。それにしても、日本語で歌うとはいえ、何でも歌えてしまうんですね。やはり天才と言われるゆえんでもあります。まあ、歌とかアレンジには時代を感じさせたりもしますが、改めて彼女の偉大さが分かった3枚でもありました。それにしてもここで取り上げている民謡の国々の個性的なこと。有名な曲、知らなかった曲など、さまざまです。今日はジャズには関係ありませんでしたが、こういう日もあるということで。


ひばり世界をうたう/美空ひばり(Vo)(コロムビア) - ’64年発売。原信夫(Cond)とシャープス・アンド・フラッツ、ゴールデン・ストリングス - 1.帰れソレントへ 2.カタリ・カタリ 3.トラジ 4.サンバ・ギタ 5.ともしび 6.旅愁 7.シェリト・リンド 8.禁じられた遊び 9.アヴェ・マリア 10.ブンガワン・ソロ 11.ロック・ローモンド 12.アロハ・オエ

ジャズではなくて、世界の民謡を12曲歌う企画。イタリア民謡が2曲、韓国民謡、フィリピン民謡、ロシア民謡、アメリカ民謡、メキシコ民謡、スペイン民謡、ジャワ民謡、スコットランド民謡、ハワイ民謡とシューベルト作の「アヴェ・マリア」という構成。40分ぐらい。ただ、ここでもシャープス・アンド・フラッツが演奏をしていて、コロムビアのハウスバンド的なところがあったのだな、と思わせます。雰囲気は美空ひばりの歌唱を中心に、それに寄り添うようなビッグ・バンドやストリングスの演奏が盛り立てるという、曲によっては当時の歌謡曲的なアレンジもあったりと、時代を感じさせる演奏です。ただ、意外な地域の曲も取り上げていて、それが皆ひばり流になってしまっているところが面白い。彼女の幅広く奥深い歌唱をここでも味わえます。(08年8月20日発売)

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