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2007/06/30

Round About Weill/Gianluigi Trovesi, Gianni Coscia

1907
ECMレーベルでこの春から新譜が目白押しになっているようですが、とりあえずは1枚入手しましたので紹介します。ただ、このアルバムをジャズとして紹介するのには少々抵抗があって、アルト・クラリネットとアコーディオンのデュオ、しかもクルト・ワイルの曲を中心に演奏していて、ジャズ色がほとんどないかわりにフレンチ色的なものが非常に濃い、という内容なのです。まあ、インプロヴィゼーション的な部分はある程度多いのでしょうけれど。ただワイルの作品が多く入っているので、メロディアスで印象に残るメロディは多いです。やっぱりこのアルバムを買うのはいわゆるECMファンではないかな、と思ってみたり。


Round About Weill/Gianluigi Trovesi(Piccolo, Acl), Gianni Coscia(Accordion)(ECM 1907)(輸入盤) - Recorded July 2004. - 1. Dov'e La Citta? 2. Ach, Bedenken Sie, Herr Jack O'Brien 3. Tango Ballade 4. Improvvisamente 5. Divagazioni Su "Youkali" 6. Mahagonny, Scene 6 7. Ein Taifun!...Tifone? No, Pioggerella! 8. Lieben 9. Boxen 10. Round About Weill 1/Denn Wie Man Sich Bettet, So Liegt Man 11. Mahagonny, Scene 13 12. Essen 13. Round About Weill 2 14. Tief In Alaskas Schneeweissen Waldern 15. Ach, Bedenken Sie, Herr Jack O'Brien, Var. 16. Mahagonny, Scene 4 17. Aber Dieses Ganze Mahagony 18. Alabama Song 19. Mahagonny, Scene 6, Var. 20. Alabama Song, Var. 21-22. Interludio "Ma Che Modi Sono...?: Cumparsita Maggiorata/Tristezze Di Fra'Martino 23. Denn Wie Man Sich Bettet, So Liegt Man, Var.

(05/03/30)このメンバーでECM2枚目のアルバム。ドイツ生まれで30代の時にフランスに移住したクルト・ワイルの作品と、それにアレンジを大きく加えた曲、全くのオリジナルが入り乱れて、クラリネットとアコーディオンのデュオの不思議なフレンチ感覚を持ったアルバム。比較的短めの曲が23曲詰まっています。その分各場面によるメロディを聴かせようという趣向かも。いわゆるジャズからはかなり離れてはいるけれども、ECM的な静かな背景に浮かび上がってくるデュオのメロディはなかなかにセンチメンタルで郷愁を誘うような演奏。同じ曲のものもあってVar.とついているのはその変奏曲(テイク違い)ということでしょう。4曲目のようにフリー・インプロヴィゼーション度が少し強い曲も混ざっていますが、ほとんどが穏やか。

エンチャントメント(魔法)/チック・コリア&ベラ・フレック

Enchant
チック・コリアの新作が出ましたが、今回はバンジョーとのデュオ。バンジョーというと、デキシーランド・ジャズとかブルー・グラスでのイメージしかありませんでしたが、ここではそんな感じはしなくて、チック・コリアのペースにハマって、どちらかというとクラシカルな雰囲気さえ持っているようなコラボレーションでした。もちろん、こういう奏法はけっこう超絶技巧に入るのでしょうが、そういうスリルよりも、カチッとキマっていて、そのデュオとしてのまとまりに驚かされます。逆に、デュオでの勝負なので、好き嫌いは出てくるかもしれませんが。でも、なかなか面白いアルバムだと思いました。コリアらしいアルバム。


エンチャントメント(魔法)/チック・コリア(P)&ベラ・フレック(Banjo)(Concord)
The Enchantment/Chick Corea(P) and Bela Fleck(Banjo) - Recorded December 2006. - 1. Senorita 2. Spectacle 3. Joban Dna Nopia 4. Mountain 5. Children's Song #6 6. A Strange Romance 7. Menagerie 8. Waltse For Abby 9. Brazil 10. The Enchantment 11. Sunset Road Bonus Track: 12. Skit

チック・コリア作が5曲、ベラ・フレック作が6曲、ラテンの名曲が1曲(9曲目)。日本盤にはボーナストラックが1曲(12曲目)。カチッとしていて、フレーズもメロディアスで速く、バンジョーの通常の奏法の概念を超えた弾き方。1曲目は適度にスパニッシュな味付けの曲に合わせて、ペキペキとバンジョーを弾いていっていて、譜面化されている部分も多いのでは。どの曲もバンジョーにとって難曲か。音符が詰まっているので、楽器から来る空白感というのは薄いです。2人のコラボレーションも見事で、クリアな超絶フレーズを見せつけています。曲によって変化に富んでいますが、それでも2人の演奏に聴きほれてしまう、という感じが強いです。カッチリした組み合わせなので、ちょっと変わったクラシックを聴いている雰囲気もあり。(07年6月13日発売)

2007/06/29

アンプ ヤマハDSP AX2700の不具合(ソフトのヴァージョン・アップ)

5月に購入したアンプ、ヤマハDSP AX2700のファームウェアに不具合があることが分かり、ホームページに掲載されています。

AVアンプ DSP-AX1700、DSP-AX2700 ソフトウェアアップデート開始のお知らせとお願い

窓口にお問い合わせください。との記述があったので、さっそく電話しました。すると受付の人が言うには、特殊な状況で発生するバグなので、その機能を使うときでも修理依頼はいいのではないか、とか、宅急便で送ってくれとか、何だか修理に消極的なことを言い出したので、こっちも少しキレまして、できるだけ早く無償修理に来るように、と要請しました。来週直しに来るようです。長年ヤマハ製品を使用していましたけれど、メーカーとしての態度を少々疑問に思いましたね。これがソフトウェアの会社ならば、全数ダウンロードでのヴァージョン・アップですよね。

確かに下記のように、特殊な状況で発生するバグなんですけれどもね。

「HDMIのDSD出力対応ユニバーサルプレーヤーとHDMI接続し、5.1チャンネルのSACDソースをかけた場合(注)、サブウーファーから音が出なくなる不具合が発生します。
(注)SACDに記録されているDSD方式のデジタル信号をHDMI経由で直接出力できるユニバーサルプレーヤーのみの現象です。」

ダウンロードで解決するような設計にしてなかったのはメーカーの責任で、通常使用でバグが発生しなくても、免債事項にはならないですよね。ですので上記アンプを持っている人は、全員発売1年以内の保証期間内なのだし、できるだけ早く無償修理に来ていただきましょう。

Compass/Susanne Abbuehl

1906
ちょっと内容を勘違いしていて、民族音楽バリバリの歌手だったと思ったら、前作「April/Susanne Abbuehl(Vo)」(ECM 1766)でも、静かな、しかも編成も今回のアルバムと似たり寄ったりのアルバムでした。ヴォーカルアルバムはECMではあまり多くないのですが、このアルバムに関してはECMの静かな部分がそのまま出ています。静かでいながら起伏があまりないので、そこが好悪の分かれるところかもしれません。オリジナルが大半を占めますが、フォークソングや他の人の作曲も適度にあります。ただ、彼女の、というかECMのマイペースさで、やっぱり録音されています。


Compass/Susanne Abbuehl(Voice)(ECM 1906)(輸入盤) - Recorded 2003 and 2004. Wolfert Brederode(P), Christof May(Cl, Bcl), Lucas Niggli(Ds, Per), Michel Portal(Cl) - 1. Bathyal 2. Black Is The Color... 3. Where Flamingos Fly 4. Lo Flolaire 5. Sea, Sea! 6. Don't Set Sail 7. The Twilight Turns From Amethist 8. Primrose 9. Bright Cap And Streamers 10. A Call For All Demons 11. Children's Song No.1 12. In The Dark Pine-wood

(06/08/08)2、4曲目がフォーク・ソング、3曲目がスタンダード、10曲目がサン・ラ作、11曲目がチック・コリア作で、他はSusanne Abbuehl作。前作とほぼ同様にピアノ、ドラムス、(バス)クラリネットがバックなので、やはり静けさが漂うECMらしいサウンドのヴォーカル・アルバムに仕上がっています。淡々と進行していきますが、他の人の作曲かオリジナルかにこだわらず彼女らしい個性的なアプローチで、森の中をさまよっている感じがあります。ミシェル・ポルタルは2、4曲目に参加。トラディショナルの2、4曲目も2人のクラリネットの幻想の味わいがまた、深い感じ。ただ、盛り上がる場面がなく、静かに進行しているところが好みの分かれるところかも。10、11曲目が意外な選曲ですが雰囲気的には合っている感じです。

クロース・トゥ・バカラック/平賀マリカwithマンハッタン・ジャズ・クインテット

Maricamjq
以前チャリートのヴォーカルでマンハッタン・ジャズ・オーケストラが歌伴をしたことがあったけれど、今度はマンハッタン・ジャズ・クインテットの歌伴です。ピアノ・トリオやワン・ホーン・クァルテットの歌伴は割と聴いたことがあるけれど、クインテットだとどうなるのか興味がありました。けっこう書き込まれたアレンジで、歌のバックでホーンが2人で自己主張していますね。ホーンが2人だと、アドリヴで歌に勝手にカウンターパートをつけるということが出来ないので、ちょっと大変なんじゃないかと思います。バート・バカラックの曲も見事にジャズ・アレンジになったし、普段はヴォーカルものをあまり聴かないですが、このアルバムは気に入りました。


クロース・トゥ・バカラック/平賀マリカ(Vo)withマンハッタン・ジャズ・クインテット(P.J.L.)
Close To Bacharach/Marica Hiraga(Vo) with Manhattan Jazz Quintet(P.J.L.) - Recorded 16-19, 2006 and February 17-18, 2007. David Matthews(P), Lew Soloff(Tp), Andy Snitzer(Ts), Charnett Moffett(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Raindrops Keep Fallin' On My Mind 2. Do You Know The Way To San Jose 3. Alfie 4. The Lok Of Love 5. What The World Needs Now Is Love 6. (They Long To Be) Close To You 7. Wives And Lovers 8. A House Is Not A Home 9. Arthur's Theme (Beat That You Can Do) 10. God Give Me Strength 11. I'll Never Fall In Lave Again 12. This Guy's In Love With You 13. That's What Friends Are For

平賀マリカのヴォーカル曲のアルバム。全曲バート・バカラック集で、やはり全曲デヴィッド・マシューズのオリジナル。作曲者はスタンダードというよりポップスの人だと思うのですが、見事なクインテットアレンジで、ジャズ・フィーリングがたっぷりだし、メロディアスで印象の強い曲が続くので、歌自体も楽しい。平賀マリカもヴォーカルの押し出しが強く、バンドとマッチしていて堂々とした歌いっぷりも、やはり見事。マンハッタン・ジャズ・クインテットがアルバムで歌伴をやるのも初めてなので、どんなアレンジ、ソロになるかも興味深いですが、歌を前面に出して生かしつつホーンの2人もハーモニーやソロで自己主張しています。アレンジが緻密なのが印象に残ります。タイトル曲の6曲目は、たぶん一度聴いたら忘れられないメロディ。(07年6月20日発売)

2007/06/28

Tigran Mansurian/String Quartets/Rosamunde Quartett

1905
Tigran Mansurian/String Quartets/Rosamunde Quartett(ECM New Series 1905)(輸入盤) - Recorded May 2004. Rosamunde Quartett: Andreas Rainer(Vln), Simon Foerham(Vln), Helmut Nicolai(Viola), Anja Lechner(Cello) - 1-3. String Quartet No.1 4-6. String Quartet No.2 7. Testament

(05/10/04)Tigran Mansurianはアルメニアの現代音楽家。1-3、4-6曲目は’83-84年に作曲されたもので、やはりレーベルカラーか深く沈んだ青系統の感触を呼び覚ますストリング・クァルテット。素直な音使いではないのでしょうが、綾織りの織物のような感触で心の中に入り込んでくる感じです。そして時に起伏のある展開。7曲目は’04年の作品で、何とマンフレート・アイヒャーに捧げられたもの。ちょっと哀愁があって穏やか。

ジャズ回帰/矢野沙織BEST

Saoribest
矢野沙織のベストが出てしまいました。売れるとどうしてこうベストの出るのが早いんだろうと思うのですが、年齢的にも今が旬のようなので、DVDで5曲つけて、新曲も1曲つけて、というのは分からないでもありません。若い才能をつぶさないように気をつけていただければ、なんですけれども。デビューアルバムから今までの軌跡が1枚で分かるお徳用アルバムですが、彼女のオリジナルを多めに配した点で彼女の自主性も重んじているのではないかと推測されるし、やっぱりデヴューした頃からそれなりに上手いなあ、と思うアルバムでした。あとは1曲の新曲とDVDのために買うかどうかですよね。私は買ってしまいましたが(笑)。


ジャズ回帰/矢野沙織(As)BEST(Savoy)
Best/Saori Yano(As)(Savoy) - (7曲目のみ)Released March 30, 2007. Koji Goto(P), Iwao Masuhara(B), Nobuyuki Komatsu(Ds) - (CD) 1. Donna Lee 2. 砂とスカート 3. Crazy He Calls Me 4. Rizilla 5. In A Sentimental Mood 6. Manteca 7. I & I 8. Greenism 9. My Ideal 10. How To Make A Pearl 11. Lover Man 12. Tico Tico 13. Open Mind

CDは全13曲とオマケDVDが1枚ついていて、そちらには5曲収録。例によって早いベストだけれどもCMがらみの新曲が1曲(7曲目)が入っています。ファースト・アルバムから5、10曲目、セカンドから2、4、11、13曲目、サードから1、3、12曲目、ライヴを1枚置いておいて、5枚目から6、8、9曲目。CDの13曲中、5曲を彼女のオリジナルで固めているところがこだわりか。まだベストを出すには早すぎるような気もするけれど、それはさておき。7曲目はコマーシャル用に作られた曲ということですが、ややアップテンポのけっこう硬派な曲に仕上がっています。この曲を聴くだけでもけっこう今の彼女の進化を納得する部分は多いかも。テーマもソロも割と渋いです。DVDの方はPVが3曲、メイキングMovieが2曲という構成。(07年6月20日発売)

2007/06/27

ヒーコラと更新その他あれこれ

ブログはどこかしら毎日更新(休日に溜め込んでおいて、時間が来たら自動的に出せるという便利な機能を使ってます)と、リンクはしませんけれど、仕事のホームページの日記も、平日は毎日更新なんて事をやってます。私のことをご存知の方がいらっしゃったら、ああ、またかと思うかもしれませんが。別に更新頻度にこだわっているわけではなかったのに、何か更新しなきゃ、という本末転倒状態の部分もあったりします。良くない良くない。

仕事のホームページの日記は、形態としてはブログの方が向いているんですが、更新頻度が上がると、検索エンジンの検索順位か上がる(かどうか確証はありませんけど)と思うので、守秘義務もあるため、当たりさわりのないことをあえて平日毎日ホームページ上で書いています。アクセスは10-30人/日ぐらいでしょうか。

よく時間があるねえ、とも言われますね。でも、そろそろ息切れ気味かな(笑)。

「クロース・トゥ・バカラック/平賀マリカwithマンハッタン・ジャズ・クインテット」(P.J.L.)が20日に出たので、何回も聴いてます。MJQとしての歌伴がはじめてのアルバムで、デヴィッド・マシューズ氏のアレンジが見事。ワン・ホーンならばアドリブでカウンター・メロディをやっていればいいのでしょうが、2ホーンだと緻密なアレンジが要求されます。こういうところって、好きですね。ヴォーカルの押し出しも強いし、ポップスの曲のジャズ・アレンジだし。

「ジャズ批評」誌も買わなくなって3冊目。特に不便も感じず。むしろ素人の投稿雑誌のようになってしまったので、離れて正解かな、とも。実は原田元編集長が辞めた後にも「和ジャズ」特集みたいな骨のある特集もあったのですが、今号特集の「ジャズ超入門」って何? こういうものをこの雑誌に求めていたわけでは、ありません。いったい、どうしちゃったんだろう。

今日は思いついたままに書いてみました。

Goodbye/Bobo Stenson/Anders Jormin/Paul Motian

1904
ECMレーベルというと、ほとんど4ビートジャズをやらないレーベルで有名ですが、ここでもビート感が出てくるような曲は少ないです。しかもリズムがあっても4ビートにはならない。それに対して、美旋律という言葉でとらえると、けっこうこのアルバムの美旋律度は高いです。冷たい感触だし、ビート感もないということで、一般のジャズファンに受け入れられるかどうかは疑問ですけれど、いわゆるECMファンにはけっこうウケるんではないかと思います。このアルバムも美旋律度が高いのは前半で、10曲目から13曲目までは小品が固まっていて、美旋律度もあるけれどミステリアスな感じが強く、最後の14曲目だけはオーネット・コールマンの曲を、自分を曲げずにやや受け入れている、という感じです。それでもECMの中ではおとなしい方なので、世間ではどう評価されるか、楽しみです。


Goodbye/Bobo Stenson(P)/Anders Jormin(B)/Paul Motian(Ds)(ECM 1904) - Recorded April 2004. - 1. Send In The Clowns 2. Rowan 3. Alfonsina 4. There Comes A Time 5. Song About Earth 6. Seli 7. Goodbye 8. Music For A While 9. Allegretto Rubato 10. Jack Of Clubs 11. Sudan 12. Queer Street 13. Triple Play 14. Race Face

全14曲中ボボ・ステンソンの作曲は12曲目のみで、他のメンバーの曲が6曲あり。ジャズメン・オリジナルや他の作曲家の曲も多め。氷の中でひたすらに美しい演奏が続くような感じで、それは1曲目から実感できます。そして、ビート感も薄く、なだらかに流れていくような感触。好みは分かれるでしょうが、こういう耽美的な世界がまだあったかという感じ。3曲目のようにメロディと哀愁がはっきりしている曲も。何とトニー・ウィリアムス作のやはり美しさが光ってやや盛り上がる4曲目、ドラマを見ているような6曲目、しっとり感がけっこうあるスタンダードのバラードで、タイトル曲の7曲目、クラシックが原曲でも他と違和感のない8曲目、ミステリアスな響きを持つ10-13曲目、オーネット・コールマン作のジャズしている14曲目。(05年9月14日発売)

ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガードVol.1/ポール・モチアン Trio 2000 +Two

Paulvilaage
Winter&Winterレーベルのポール・モチアンの新譜が出ました。最近はECMでも出しているので、このあたりの契約関係がどうなっているのか気になるところですが、たくさん出してくれるのはうれしいところ。今回のトリオはグレッグ・オズビーと菊地雅章の両氏を加えて、クインテットで演奏しているけれども、カチッとした4ビートではなくて、言わばちょっと間違うとフリーになりそうな、自由なビートとテンポの中の演奏が大半。そして内省的な音使いの部分が多いので、ちょっと聴く人を選ぶかな、と思い、メンバーで買った人は、喜ぶか残念がるか微妙なところ。こういうジャズも慣れるとけっこう面白いんですけれどもね。


ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガードVol.1/ポール・モチアン(Ds) Trio 2000 +Two(Winter & Winter)
Live At The Village Vanguard Vol.1/Paul Motian(Ds) Trio 2000 + Two(Winter & Winter) - Recorded December 8-10, 2006. Chris Potter(Ts), Larry Grenadier(B), + Greg Osby(As), Masabumi Kikuchi(P) - 1. Standard Time 2. If You Could See Me Now 3. Olivia's Dream 4. Morrock 5. Last Call

全5曲中、2曲目以外がポール・モチアン作曲。このメンバーならではのフリー指向のやや内側を向いている演奏、そしてライヴでの長尺な演奏を聴くことができます。「スタンダード・タイム」というタイトルながら、フリーのようなテンポでリズム的にも演奏的にもやや内省的に進んでいく、4ビートの部分もある13分台の1曲目、ギリギリの少ない音数で攻めていく研ぎ澄まされた出だしから少しずつ盛り上がるスタンダードの2曲目、やはり個々になだれ込むようなテンポで、各者ゴツゴツいいながら前進していく雰囲気の自由な3曲目、静かですかやはり自由な間隔で個々に寄り添い進んでいく雰囲気の4曲目、どことなくアメリカのフォークソング風を解体、再構築して自由度の高いジャズに仕立て上げた、4ビート進行もある5曲目。(07年5月25日発売)

2007/06/26

Sumiglia/Savina Yannatou & Primavera En Salonico

1903
ECMレーベルやEnjaレーベルのアルバムの中には、どう聴いてみてもワールド色が強くてジャズ色がないアルバムというのが混ざっています。今日紹介するのもそのひとつ。Savina YannatouはECMでは2枚目の作品にはなりますが、ギリシャ音楽のその方面にはかなりの有名なヴォーカリストらしいです。ジャズファンからすればちょっとひんしゅくになりますけれど、私のホームページはECMレーベルのファンというのもある程度いらっしゃるようなので、あえて紹介してしまいますが。西欧の中心からすれば辺境ヨーロッパ音楽ということになるのでしょうか、その地域によるエキゾチックさがなかなか。また、トラディショナルそのものではなくて、やっぱり彼女たちの音楽として取り込んだサウンドなのだろうという予想ができます。


Sumiglia/Savina Yannatou(Vo) & Primavera En Salonico(ECM 1903)(輸入盤) - Recorded May 2004. Kostas Vomvolos(Accordion, Qanun, Kalimba), Yannis Alexandris(Tamboura, Oud, G), Kyriakos Gouventas(Vln, Viola), Harris Lambrakis(Nay), Michalis Siganidis(B), Kostas Theodorou(Per) - 1. Evga Mana Mou 2. Muineira 3. Yanno Yannovitse 4. Porondos Viz Partjan 5. Sedi Yanna 6. Orrio Tto Fengo 7. Ta Chervona Ta Kalinonka 8. Terra Ca Nun Senti 9. Sumiglia 10. Sta Kala Lu Serenu 11. Ganchum Em Yar Ari 12. Tulbah 13. Smarte Moj 14. Ela Ipne Ke Pare To

(05/03/09)全14曲で、ヨーロッパ周辺のトラディショナル曲集。ギリシャ、スペイン、モルダヴィア、ブルガリア、イタリア、ウクライナ、シシリー、コルシカ、アルメニア、パレスチナ、アルバニア。楽器編成と歌の場所からも分かるようにエキゾチックなワールド色が満載。高めの声ながらエキゾチックな雰囲気を持つギリシャのSavina Yannantouの歌唱はジャズではないですが、主に非西欧圏(西欧圏周辺)の世界の広がりを感じることができます。時に静かに歌いかけてきて、時に打楽器と共に賑やかに進行していきます。ヴァイオリンの音階が移るときのすべり具合もかの地のワールドっぽさ。5曲目は東欧風陽気な気分、8曲目は哀愁のワルツ、9曲目はじっくりと歌いこまれるこれまた哀愁のタイトル曲。語りかけてくる14曲目。

2007/06/25

I Have The Room Above Her/Paul Motian

1902
ポール・モチアンのECMからの20年ぶりのリーダー作ということですが、ビル・フリゼールやジョー・ロヴァーノとのトリオのアルバムは、ベーシストなど、他のミュージシャンが加わったりしていたり、一部参加のアルバムまで含めると、下記のようにけっこうあります。

Psalm/Paul Motian(Ds)(ECM) - Recorded December 1981
It Should've Happened A Long Time Ago/Paul Motian(Ds)(ECM) - Recorded July 1984
Monk In Motian/Paul motian(Ds)(Bamboo) - Recorded March 1988
Paul Motian On Broadway Vol.1(Ds)(Bamboo) - Recorded November 11 and 12, 1988
Paul Motian On Broadway Vol.2(Ds)(Bamboo) - Recorded September 1989
Bill Evans/Paul Motian(Ds)(Bamboo) - Recorded May 1990
Paul Motian In Tokyo(Ds)(Bamboo) - Recorded March 28 and 29, 1991
Paul Motian On Broadway Vol.3(Ds)(Bamboo) - Recorded August 1991
Trioism/Paul Motian(Ds)(Bamboo)- Recorded June 1993
The Paul Motian Trio At The Village Vanguard(Ds)(Bamboo) - Recorded June 1995
Sound Of Love/The Paul Motian Trio(Ds)(Winter&Winter) - Recorded June 7-10, 1995

もう、メンバーそれぞれが有名になりすぎて、ここ10年このバンドのアルバムがなかったので、久しぶりのプレゼントになりました。このとらえどころのないフワフワ感とスペイシーなサウンドが良いという人もいれば、嫌いという人もいるかもしれませんが。


I Have The Room Above Her/Paul Motian(Ds)(ECM 1902) - Recorded April 2004. Bill Frisell(G), Joe Lovano(Ts) - 1. Osmosis Part 3 2. Sketches 3. Odd Man Out 4. Shadows 5. I Have The Room Above Her 6. Osmosis Part 1 7. Dance 8. Harmony 9. The Riot Act 10. The Bag Man 11. Dreamland

全11曲中2曲を除きポール・モチアンの作曲。このメンバーでは何枚も録音していますが、ベースレスのトリオで、不思議なフワフワした音空間を紡ぎ出してくれます。自由なフォーマットでありながら、ゆったりとしてメロディが漂っていく感じ。1曲目にしてもきれいなテーマのメロディはあるにしても、絡みあいながら牧歌的にゆっくりと進んでいきます。その後もメロディと漂い感がこのグループならではの曲が続きます。4、9曲目はややフリー気味ですが、それでもおっとりとメロディが出てきます。スタンダードでタイトル曲の5曲目はしっとりと優しい。アルバムには珍しく、オーネット的なテーマで過激なフリーの7曲目、ドラムスが鼓舞しながらも哀愁が流れていく8曲目、セロニアス・モンク作でもオリジナルのような12曲目。(05年2月23日発売)

2007/06/24

A Year From Easter/Christian Wallumrod Ensemble

1901
今日のアルバムは、このミュージシャンでははじめて国内盤になったと記憶していますが、よくぞ国内盤にしてくれました、というくらいにマニアックかもしれません。というのもやはりジャズ的な内容というよりは、ジャズ、北欧音楽、ワールド・ミュージック、クラシックその他様々な要因が入りつつ、ECMのバイアスがかなり強くかかったアルバムだからです。彼の作品はECMで3枚目なのですが、ヨーロッパではこういう需要もあるんでしょうね。だからECMの音楽が特に好き、という人でなければ、ジャズとしてこのアルバムを買うのはかなりの冒険になるのでは。それだけ聴く人を選ぶことになりそう。ただ、この異国情緒とゆったり感がいいんだよね、とも思いますが。


A Year From Easter/Christian Wallumrod Ensemble(P, Harmonium, Toy P)(ECM 1901) - Recorded September 2004. Nils Okland(Vln, Harganger Fiddle, Viola D'amore), Arve Henriksen(Tp), Per Oddvar Johanses(Ds) - 1. Arch Song 2. Eliasong 3. Stompin' At Gagarin 4. Wedding Postponed 5. Psalm 6. Unisono 7. Lichtblick 8. Horseshoe Waltz 9. A Year From Easter 10. Japanese Choral 11. Sketch 12. Eliasong 2 13. Neunacht 14. Two Years From Easter

全14曲中11曲がクリスティアン・ヴァルムルーの作曲。楽器のせいか作曲のせいか不思議なエキゾチックさを持ったサウンド。淡々とした異国情緒も交えた繰り返しの多い演奏を繰り広げる1、8曲目、ゆったりと異国情緒を奏でる2、12曲目、ピアノが軽く哀愁を奏でていく3曲目、ゆっくり歩いたり立ち止まりかけたりする4曲目、トラディショナルでバロック的な色合いのピアノでの5曲目、スペイシーにメロディを綴る6曲目、唯一持続音が中心のフリー・インプロヴィゼーションの7曲目、ヴァイオリンの持続音の後にピアノの語りかけも加わるタイトル曲の9曲目、あまり日本的な感じはしない10曲目、オクランド作曲のソロによる空間的な小品の11曲目、しっとりとしたメロディで語る13曲目、分厚いゆったり系の14曲目。(05年5月21日発売)

2007/06/23

記憶が飛びました

昨夜は急に予定が入って、昔のバンド(ジャズではない)仲間の飲み会がありました。バンドのメンバーの飲み会といっても、音楽を一緒にやっていたのは20年も前のこと、音楽談義はほとんどなく、世間話ばかりですが。昨日はピッチが上がっていて、2軒目のカラオケのお店で記憶がない部分があって、何と私が同じ曲を2回歌ったそうで(笑)。けっこう酔いました。

それでも渋谷から自分の家までしっかり帰れて、その部分は覚えているんですよ。今まで、帰らなければならない状況で、前後不覚に陥るということはほとんどなくって、これだけは助かっています。まあ、音楽談義はまたそのうちということで。

このメンバーだと、昔の活動をやっていた時代でも、皆が曲を持ち寄って、コーラスアレンジ以外は、それぞれが勝手に合わせて演奏を組み上げて行ってしまったので、相性が良かったというか、楽だったというか。アレンジや方向性などでカンカンガクガク、ということはほとんどなかったですね。


(追記)最初ケンケンガクガクと書きましたがご指摘を受けて正しくはケンケンゴウゴウ、カンカンガクガク、文脈からは後者の間違いだということです。

Solo In Mondsee/Paul Bley

1786
ECMレーベル新譜聴き。とは言うものの、このアルバムは’01年の録音で、レコード番号ももう2000番を超えたというのに、1700番台になっています。一度お蔵入りになったのを、再び発売するようになったのか、あらかじめ延期が決められていたのか分かりません。まだこのあたりで、レコード番号が空いているのがいくつかあるので、将来的にも出される可能性はありますね。このアルバム、ちょっとECMらしくないというか、饒舌な部分が多いような気がしています。それでも、演奏は「ポール・ブレイ」のピアノ・ソロそのものですけれども。好き嫌いはある程度はでてくるかもしれません。でも、やっぱり彼の演奏は一味違いますね。


Solo In Mondsee/Paul Bley(P)(ECM 1786)(輸入盤) - Recorded April 2001. - 1-10. 1-10

(07/06/18)彼のこのレーベルならではの音数の少なさや硬質な響きは少し影をひそめ、音数の少ない部分もありながら饒舌な部分も目立ちます。ある程度変化にも富んでいます。よりメロディアスに、まるで既成の曲を演奏しているかのような聴きやすいサウンドの場面は前半に多いです。もちろんフリーのアプローチもありますけれど。それほど過激でないですが、時に緊張感をもたらすような、現代音楽的なフレーズも。タイトルからして完全にフリー・インプロヴィゼーションのようですが、少しは聴きやすいアルバムに仕上がっているとは思います。逆にここがプロデュースとの相性の関係で、録音から発売まで長くかかってしまったのかもしれませんが。即興の部分は彼ならではで、ポール・ブレイはやっぱりポール・ブレイです。

2007/06/22

The Out-Of-Towners/Keith Jarrett, Gary Peacock, Jack DeJohnette

1900
キース・ジャレットがスタンダーズ名義で最初にアルバムを出したのが’83年。それから20年以上にわたってたくさんのこのトリオのアルバムが出ています。途中で「スタンダーズ」から、3人の名前の併記に変わったり、フリーも大胆に取り入れるようなアルバムもできたり、ミキシングが直接音を多めに取り入れるように音質に変化がみられたりしました。あえて各アルバムに優劣をつけようと思えばできるんでしょうけれど、クオリティの高い作品を送り出し続けていることは間違いありません。

今回のアルバムはなぜか発売3年前のライヴの登場なのですが、そのクオリティは、やはり高いです。19分もの演奏のオリジナル曲をタイトルに持っていったところも、彼らのこだわりが感じられます。キース・ジャレットの場合バップがどうのこうの言うよりも、メロディが自然にほとばしってくる感じなので、そこが自然に心に入り込んでくる要因なのかな、とも思います。このアルバム、売れているようです。


The Out-Of-Towners/Keith Jarrett(P), Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds)(ECM 1900) - Recorded July 28, 2001. - 1. Intro - I Can't Believe That You're In Love With Me 2. You've Changed 3. I Love You 4. The Out-Of -Towners 5. Five Brothers 6. It's All In The Game

ミュンヘンでのライヴ。今回はスタンダードが多めのアルバム。12分台の1曲目の出だしはピアノ・ソロで美しい「イントロ」からややアップテンポのスタンダードの本編に入っていきます。スタンダードの演奏をしているのに アドリブのメロディの流麗さと奔放さは、やはり彼らならではのものです。包み込むようなメロディで優しくせまってきて、聴く人に安心感を与えるようなサウンドの2曲目、これまた有名な「アイ・ラヴ・ユー」をアップテンポで華麗に進行していく3曲目。そして19分ものオリジナルのタイトル曲の4曲目は、そのまとまりと、自然体のブルースの気軽さ、後半のコード1発が良い感じです。軽めでメロディアスに進行していく、ウキウキするような5曲目、なんとピアノ・ソロでの曲で、しっとりとした美しいメロディの6曲目。(04年8月25日発売)

On The Verge/Adonis Rose

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Criss Crossレーベル新譜聴き4日目で、これでひと区切り。今回は4枚の発売だったけれど、リーダーが今ひとつ地味な印象もありましたがどれもサイドに参加のミュージシャンが目立っていて引き立ててくれて、結果としてどのアルバムも良い印象を持ちました。ここのアドニス・ローズはレーベル3枚目ですが、いつもニコラス・ペイトンが参加しているのがミソ。でも、今回はあまり目立っていなかったかなあと思います。ソロはそれぞれ並列しているようで、なおかつ個性的、という感じではありました。ドラマーとしては主人公で叩いている曲もあれば、トータルとして曲を表現しているものもあって、バランスは取れているような気がします。


On The Verge/Adonis Rose(Ds)(Criss Cross 1294)(輸入盤) - Recorded October 29, 2003. Nicholas Payton(Tp), Tim Warfield(Ts, Ss), Warren Wplf(Vib), Aaron Goldberg(P), Reuben Rogers(B) - 1. Robin In Pink 1 2. Liyah's Blues 3. Lies In Beauty 4. Shed 5. Gingerbread Boy 6. Robin In Pink 2 7. On The Verge 8. Shades Of Light

(07/06/17)Adonis Rose作は4曲(1-2、6-7曲目)で、メンバーの曲も2曲(3-4曲目)。メンバーも個性的な人選なので、ソロもそれぞれ個性的です。彼自身の作曲のテイク違いの1、6曲目では、ややモーダルで気だるそうな感じの曲がミディアムのテンポといい、浮遊感といい、都会的ながらもゆったりした雰囲気で聴かせます。と思うと、やや複雑なテーマかつ元気なアップテンポのブルースで力強い曲の2曲目、しっとりと切なく聴かせてくれるバラードの3曲目、マイナー哀愁調の味を持つ5拍子の4曲目、急速調でスリリングなテーマと、落ち着いたり速かったりとテンポが変わるソロの部分を持つ5曲目、驀進するような勢いのある、後半ドラムソロも満載のタイトル曲の7曲目、ボッサ調のミディアムでメロディアスな8曲目。

2007/06/21

Silent Songs/Valentin Silvestrov

1898
ECM New Seriesは’04年11月は3枚出ました。内容は1枚がバロック音楽、1枚がチェロをバックにしたナレーション、そしてもう1枚(2枚組)はピアノとバリトンの歌唱のデュオです。バロック音楽の方は聴きやすくていいにしても、ナレーションの方は、他のECM New Seriesにも何枚かあったものの、話している言語が分からない私にはなんのこっちゃと思う現代音楽。そして、2枚組のアルバムも、静かにゆったりと延々2時間流れていくので、普段ジャズばかり聴いている私には少々物足りなかったかな、と思います。


Silent Songs/Valentin Silvestrov(P)(ECM New Series 1898/99)(輸入盤) - Recorded 1986. Sergey Yakovenko(Baritone), Llya Scheps(P) - Silent Songs: 1-5. 1. Five Songs After Poems By Yevgeny Baratynsky, John Keats, Alexander Pushkin And Taras Shevchenko 6-16. 2. Eleven Songs After Poems By Alexander Pushkin, Osip Mandelstam, Mikhail Lermontov, Fyodor Tyutchev, Percy Bysshe Shelley And Sergey Yesenin 17-19. 3. Three Songs After Poems By Mikhail Lermontov 20-24. 4. Five Songs After Poems By Alexander Pushkin, Fyodor Tyutchev, Osip Mandelstam, And Vasily Zhukovsky 25-28. Four Songs After Osip Mandelstam

(04/11/22)Valentin Silvestrovは20世紀ウクライナのキエフ出身の現代音楽家。ここではバリトンとピアノのデュオでの演奏。1-24曲目までの「Silent Songs(A Cycle In Four Parts)」と25-28曲目の「Four Songs After Osip Mandelstam」に分かれています。詩に歌をつけた演奏で、穏やかではあるけれど、くぐもったような、静かでゆったりした展開。後者はシルヴェストロフ自身がピアノを弾いていて、より音の大小がはっきりしています。

Devoted To You/Joel Weiskopf

1293
Criss Crossレーベル新譜聴き3日目。今日はジョエル・ワイスコフのピアノ・トリオ作ですが、ベースが有名なジョン・パティトゥッチ、ドラムスも、たぶん将来有名になるであろうエリック・ハーランドとあれば聴き逃すわけにはいきません。特にハーランドのドラムスはプッシュしまくり叩きまくり、そしてベースも饒舌ですから、もうピアノトリオのバランスもなんのその、それでも良いメンバーなので聴けてしまうという、不思議なアルバムです。オリジナルが多いですが、さらりとしているメロディに絡む濃密なベースとドラムスという構図が随所に出てきます。こういうバランス、他ではあまりないだけに、けっこう魅力的だと、個人的には思います。


Devoted To You/Joel Weiskopf(P)(Criss Cross 1293)(輸入盤) - Recorded November 30, 2005. John Patitucci(B), Eric Harland(Ds) - 1. Beauty For Ashes 2. Devoted To You 3. Giving Thanks 4. November 5. St. Denio 6. The Strongest Love 7. You Must Believe In Spring 8. Wondrous Love 9. A Mighty Fortress 10. One Bright Morning

(07/06/17)Joel Weiskopf作は全10曲中6曲(1-4、6、10曲目)。強力なピアノ・トリオで、ベースもドラムスもスゴ腕なので前面に出てきます。しっとりとしたメロディから4分の7拍子のサンバになって盛り上がる11分台の1曲目、セカンドライン的なブルースとある、明るいタイトル曲の2曲目、ミディアムでメロディが美しく、それでもボトムがあおる3曲目、秋の香りを漂わせる、ちょっと淡いサウンドの4曲目、トラディショナルの明るいけどフレーズが速く、盛り上がる5曲目、ルバートではじまり絡みながら自由に進む6曲目、ミシェル・ルグラン作を雰囲気を持ちつつジャズにする7曲目、トラディショナルで叙情的なバラードの8曲目、16世紀の曲を明るいラテンのリズムで料理する9曲目、ソロピアノで静かに幕を閉じていく10曲目。

2007/06/20

Life/Stephan Micus

1897
ECMレーベルのCDを買っていると、時々とんでもないアルバムに出会うことがあります。このアルバムなどはその一例で、ステファン・ミカスが1人でヴォイス、楽器を多重録音して、ある意味で無国籍的なサウンド(今回の場合は外部から見た日本的なサウンドと言うべきか)を創り出しています。いわゆる普通の意味でのジャズ色は一切なし。かなりマニアックなので、こういう環境音楽ファンか、ECMレーベルをひたすら追いかけている人か、あるいはステファン・ミカスのファン(少ないだろうなあ)以外は手を出さないんじゃないか、という、かなり聴く人を選ぶアルバム。しかし、ヒーリング効果はけっこう高いですけれど。


Life/Stephan Micus(Voice, All Instruments)(ECM 1897)(輸入盤) - Recorded 2001 - 2004. Instruments: Bagana, Tibetan Chimes, Kyeezee, Sho, Maung, Tin Whistle, Bavarian Zithers, Thai Singing Bowls, Dilruba, Nay, Tibetan Cymbals, Dondon, Bowed, Bagana, Balinese And Burmese Gongs - 1. Narration One And The Master's Question 2. The Temple 3. Narration Two 4. The Monk's Answer 5. Narration Three 6. The Master's Anger 7. Naration Four 8. The Monk's Question 9. The Sky 10. The Master's Answer

(04/11/13)全曲Stephan Micusの作曲。ジャケットには雪の道を歩いている日本の僧侶。1曲目は東洋的な無国籍的なサウンドではあるけれども、ゆったりと歌うヴォイスは日本語の歌詞です(ジャケットの中に日本語で詩があります)。日本語に聴こえないところも多いのですが、平家物語のような節回しでゆっくり歌うからかも。その後も日本語の歌詞は出てくる部分と、純粋なヴォイスの部分と。2曲目、9曲目はヴォイスなしの日本的なサウンド。日本から見れば異国のサウンドだと思いますが、欧米からすれば日本的に聴こえるようなサウンドと情緒があるかもしれません。何重にも重ねられた彼のヴォイスは、その叙情感と異国の香りを届けてくれます。日本の仏教的な雰囲気もある、不思議なワールド・ミュージックの世界。 (05年1月21日発売)

Prints/Alex Sipiagin

1292
Criss Crossレーベル新譜聴き2日目。アレックス・シピアギン(以前はシピアジンと書いていたこともありましたが。)の作品は、やっぱり一筋縄ではいかないというか、前からオリジナルは多かったですけれども、エレキピアノまで使用して、彼独特の音世界を表現しています。気になったのが拍子だけれども、変拍子を使っている場面が多いにしろ、何拍子かまで厳密に追いきれず、だからアントニオ・サンチェスやスコット・コリーなどの変拍子に強いミュージシャンを起用しているのかな、と思いました。メンバーも良いですね。ソロも聴きごたえがありますけど、入り組んだアンサンブルもやっぱり彼独特で印象が強いです。


Prints/Alex Sipiagin(Tp, Flh)(Criss Cross 1292)(輸入盤) - Recorded October 12, 2006. Chris Potter(Ts), David Kikoski(P), Scott Colley(B), Antonio Sanchez(Ds), Monday Michiru(Fl on 3) - 1. Path 2. Bumpy Road 3. Prints 4. Mood 3 5. Epistorophy 6. Orbit 7. For You

(07/06/17)全7曲中Alex Sipiaginの作曲は5曲(1-4、7曲目)。エレキピアノの使用(1-2、4曲目)もあって、けっこうそれ風なサウンド。メンバーからしても、今風の都会的な、時に発散しつつも思索的なジャズ。変拍子で綾織り系のアンサンブルとリズムで迷路にさまよいこむ不思議な浮遊感覚を味わいながら盛り上がっていく12分台の1曲目、これまたアンサンブルが入り組んでいて変幻自在に変化する2曲目、迷彩色のようにハーモニーが入り込んでいくような、やはり浮遊感のあるタイトル曲の3曲目、またの入り組み感は彼の特徴かと思える4曲目、セロニアス・モンク作を変拍子を絡めて変化していく5曲目、リリカルなビル・エヴァンス作も雰囲気が彼ら流になる6曲目、ソロピアノではじまり内省的な世界のある7曲目。

2007/06/19

始めまして/初めまして(?)

今まで私は「初めまして」の方が正しいと思っていたのですが、辞書を引いてみると(新明解国語辞典/三省堂、昭和49年発行の第2版)、用例としては「始めまして」の方が近いことになっています。新しい辞書だとどうかなあ。今のBBSなどを見ていると、混在していますね。ただ、私は語感からひらがなの「はじめまして」を使うことが多いです。これなら間違いはないし、柔らかい感じがしますもんね。

(追記)最近の辞書では「はじめ‐まし‐て【初めまして/始めまして】 」とどちらを使っても良いようですね。

あと、使い方は正しいのですが「凄く有難い」という語句の、語感、どうでしょう。個人的に「凄い」は「凄惨」を連想してしまいますし、「有難い」は古語でも似た意味を持つこともありましたが、自分では「すごくありがたい」と書きたいところです。自分のアルバムコメントではもっと柔らかくするために「すごい」をさらに「スゴい」と表現することが多いですけど。

何だかんだ書いてしまいましたが、自分が言葉に気を使って書いているかというと、そうでもなかったりします。ただ、ワープロの漢字変換が便利だからといって、何でもかんでも漢字にしてしまう、というのではなくて、語感もある程度考えながら書いている、かもしれません。ワープロだと、ふだんは書けない「魑魅魍魎」というような字まで、簡単に出てしまいますね(笑)。なお、今日の文は他人を批判しているわけではないので、誤解のないように。

Neighbourhood/Manu Katche

1896
ECMから意外なミュージシャンがリーダー作を出しました。ヤン・ガルバレクとの共演歴があるとは言え、ロックのミュージシャンとの交流がずっと多かったはず。ある意味、ドラマーにとってしんどいECMレーベルからの発売。でも、比較的静かな曲が多いのですが、全曲マヌ・カッチェの作曲で、作曲者としてのオレを見てくれ、ということなのでしょうか。控えめながらドラムスも非凡な感じはします。ただ、参加メンバーはすごいけれど、クインテットでの演奏は半分もなく、2管のうちどちらかが参加している曲が目立ちます。まあ、2管でバリバリと演奏するようなタイプの曲ではないので、これはこれで自然な参加形態だとは思いますが。


Neighbourhood/Manu Katche(Ds, Per)(ECM 1896) - Recorded March and November 2004. Tomasz Stanko(Tp), Jan Garbarek(Sax), Marcin Wasilewski(P), Slawomir Kurkiewicz(B) - 1. November 99 2. Number One 3. Lullaby 4. Good Influence 5. February Sun 6. No Rush 7. Lovely Walk 8. Take Off And Land 9. Miles Away 10. Rose

全曲マヌ・カッチェの作曲。ECMらしく平坦なファンクといった感じの曲が続きますが、ドラムスの非凡さがうかがえます。スゴいメンバー。一発モノでピアノの哀愁漂うメロディと淡々としたリズムが印象的な1曲目、ややアップテンポでやはりマイナー系のサックスの存在感がある2曲目、やや静かになりコードのある進行でトランペットが語りかける3曲目、2管でゆったりしつつ叙情的でリズムも感じる4曲目、曇天の中に太陽が遠く垣間見えるようなバラードの5曲目、8分の7拍子が基調のややアップテンポな6曲目、2管でややスリリングでドラマチックな展開を見せる7曲目、16ビートでけっこうファンクしている8曲目、ゆったりめの8分の6拍子でトランペットがアグレッシヴな9曲目、印象的なはっきりしたメロディの10曲目。(05年10月19日発売)

Love Dance/Victor Goines

1291
Criss Crossレーベル新譜聴き1日目。ヴィクター・ゴーインズはモダン以前の古き良き時代の、歌心満載のテナーやクラリネットの奏者とばかり思っていましたが、ここでの5曲目のように、サックスのサウンドは違うにしろ、往年のジョン・コルトレーンのバックのサウンドのようなモーダルな中を泳いで見せたり、8曲目のように現代ジャズそのものを聴かせてくれたりもしています。基本はメロディアスな聴きやすいサウンドなのですが、それだけではなく、万能なんだな、ということを改めて示した1枚ではありました。考えてみれば、他のメンバーも、なかなかいいメンバーが揃っています。変化に富んでいるアルバムです。


Love Dance/Victor Goines(Ts, Ss, Cl)(Criss Cross 1291)(輸入盤) - Recorded January 7, 2007. Peter Martin(P), Reuben Rogers(B), Greg Hutchinson(Ds) - 1. Wonderful, Wonderful 2. Love Dance 3. New Arrival 4. Cootie 5. Sunrise 6. Confirmation 7. Midnight 8. Out The Box 9. Home

(07/06/17)Victor Goines作は全9曲中5曲(4-5、7-9曲目)。少しホンワカとしたホーンで、クラリネットなどはモダン以前の香りもあったりしていて楽しい。反面5、8曲目のようなモーダルな曲も。まず手始めにアップテンポでいきつつも明るく聴きやすいサウンドでせまる1曲目、クラリネットで柔らかくしっとりと奏でるバラードのタイトル曲の2曲目、やはり明るいワルツで流れるように進んでいく3曲目、クラリネットの甘く軽快なメロディが印象的なミディアムの4曲目、モーダルで少し混沌とするゆったりめの6拍子の展開の5曲目、チャーリー・パーカー作を軽快に演奏する6曲目、しっとりと都会の静かな夜を連想させるバラードの7曲目、スピーディーで現代的なアプローチをする8曲目、心持ちブルースに近いような明るい9曲目。

2007/06/18

Tigran Mansurian/Ars Poetica

1895
Tigran Mansurian/Ars Poetica(ECM New Series 1895)(輸入盤) - Recorded Jun 6, 2003. Armenian Chamber Choir, Robert Mlkeyan(Cond) - Ars Poetica Part 1. 1-3 Three Night Songs - Night - Insomnia - Anxiery Part 2. 4-6. Three Portraits Of Woman - Your Enamel Profile - The Rainbow - Manon Lescaut Part 3. 7-9 Three Autumn Songs - The Wind - Japanese Tankas - Song Of Autumu Part 4. And Silence Decsends

(06/08/12)Tigran Mansurianは20世紀アルメニアの現代音楽家。これはライヴ録音で、Yeghishe Charentsの詩に基づいた曲とのこと。ア・カペラが静かな場面から徐々に浮かび上がってくる、宗教音楽のようでいて冷たさと鋭さのあるコーラスが、何とも言えない民族的な血を感じます。8曲目は日本の短歌にインスパイア(?)された曲とのこと。荘厳な教会音楽として見てもいいのかどうか、まさに紙一重のところにあるサウンド。

4/Fourplay

Fourplay4
ボブ・ジェームス(フォープレイ)の旧譜コメント手直し聴き10日目。これでリーダー作に関しては全部終わりました。ここでフォープレイのギタリストがチェンジしていますけれど、ラリー・カールトンも方向性が少し違うとはいえ、リー・リトナーから交替しても全然遜色のないギタリストです。もう、今までの時間で考えると、ラリー・カールトンの在籍の方が長くなってしまいましたね。個人的には彼のほうが好きなタイプ。でも、やっぱりスムースジャズってコメントが難しいです。ある程度冒険的なフレーズやサウンドはあるにしても、基本的には聴きやすいサウンドを目指しているので。でも、このグループのサウンドは上質で、どのアルバムをとってもハズレがないことだけは確かですね。


4/Fourplay(Warner Bros) - Released 1998. Bob James(Key), Nathan East(B, Vo), Larry Carlton(G), Hervey Mason(Ds), Kevyn Lettau(Vo), El DeBarge(Vo), Kenneth "Babyface" Edmonds(Vo), etc. - 1. Still The One 2. Little Foxes 3. Sexual Healing 4. Charmed I'm Sure 5. Someone To Love 6. Rio Rush 7. Piece Of My Heart 8. Slow Slide 9. Vest Pocket 10. Swamp Jazz 11. Out Of Body

ギターがリー・リトナーからラリー・カールトンに交替して、ところどころ泣きを見せるブルージーなギター・サウンドはより好みに。ただし、サウンド全体は以前のアルバムから基本的には同じ路線が続いている気も(アコースティックやエレ・アコのギターの使用も)。3曲目以外は各メンバーの作曲ないしは共作で、11曲目はボーナストラック。やはり大御所が余裕をもって演奏する、聴きやすいスムース・ジャズというのが前面に出ているのはいつもと同じ。この時代、打ち込みではないサウンドでじっくり聴かせてくれる、そしてBGMでもジャマにならない、時々冒険のあるサウンドがいい感じ。3曲目はマーヴィン・ゲイ作で黒っぽいヴォーカル・サウンドがいい雰囲気。ヴォーカルというかコーラスも何曲かで入って大人の雰囲気です。

2007/06/17

Shade Of Jade/Marc Johnson

1894
マーク・ジョンソンのECMからの18年ぶりのアルバムとのこと。メンバーもスゴく、よくこれだけ集めたなあと感心します。珍しくニューヨーク録音で、しかもマンフレート・アイヒャーとイリアーヌ・イライアスの共同プロデュース。彼女の曲もかなりあるので、むしろ彼女のアルバムと言っても通りそうな雰囲気です。ECMにしては、5、8曲目など4ビートやR&B調の曲が入っているのも非常に珍しいことです。そんなわけで、いろいろな雰囲気の曲が入っていますが、個々の曲はけっこう良いし、このメンバーならば私は文句は出ません(笑)。CDジャケットの渋さ加減は、タイトル曲はじめ静かな曲を表している感じがしていて、全体ではないとは思いますが。


Shade Of Jade/Marc Johnson(B)(ECM 1894) - Recorded January and February 2004. Joe Lovano(Ts), John Scofield(G), Eliane Elias(P), Joey Baron(Ds), Alain Mallet(Org on 8, 10) - 1. Ton Sur Ton 2. Apareceu 3. Shades Of Jade 4. In 30 Hours 5. Blue Nefertiti 6. Snow 7. Since You Asked 8. Raise 9. All Yours 10. Don't Ask Of Me (Intz Mi Khntrir)

マーク・ジョンソン作または共作が全10曲中5作。イリアーヌ・イライアスの曲も多い。スゴいメンバーの集まりで、余裕の演奏。気ままにゆったりとしながらフレーズに緊張感を持たせるミディアムの4ビートの1曲目、バラードでサックスのフワフワ感が印象的な2曲目、薄暮の蒼い世界を思わせるような静かなタイトル曲の3曲目、ノンビートに近い感じでゆったり流れていく4曲目、「ネフェルティティ」のメロディが一部出てくる珍しい4ビートでの5曲目、ピアノトリオでのしっとりモードでのバラードの6、9曲目、ベース・ソロ(?)で勝負する7曲目、ワルツのオルガン入りでファンキーな8曲目、哀愁度の高いメロディをアルコで弾いている10曲目。2、4、6、9曲目のイリアーヌ作と7、10曲目にジョン・スコフィールドは参加せず。(05年10月19日発売)

Playin' Hooky/Bob James

Bobplayin
ボブ・ジェームス旧譜コメント手直し聴き9日目。ボブ・ジェームスは’88年から’97年あたりまでの作品を今回聴き直してきたわけだけれども、このあたりって買ってはいるけれどもあまり聴いてなかった時期で、新たな発見もあったし、打ち込みの作品も多かったです。やっぱり以前CTIとCBSソニーから出ていた12枚目のリーダー作(’84年)あたりまでが自分の感受性とマッチする作品が多かったのかな、とも思わせます。ですので印象的には今回のアルバムもあまり強くはなかったですが、ただ、このあたりの音楽ってBGM的に聴いてもいいし、ジャマにならないので。そういう面ではなかなか売れてはいたのでは、と思わせる面もありますね。


Playin' Hooky/Bob James(Key)(Warner Bros.) - Released 1997. Steve Gadd(Ds), James Genus(B), Fareed Haque(G), Dave Samuels(Vib), Cyro Baptista(Per), Emedin Rivera(Per), Lenny Castro(Per), Boney James(Ts), Chris Walker(B), Chuck Loab(G), Nathan East(B), Nick Moroch(G), Billy Kilson(Ds), Hilary James(Vo), Rick Braun(Tp, Flh), etc. - 1. Playing With Fire 2. Mind games 3. The River Returns 4. Organza 5. Hook, Line & Sinker 6. Glass Hearts 7. Night Sky 8. Do It Again 9. Love Is Where 10. Are You Ready

10曲中7曲がボブ・ジェームス作または共作。どの曲もメロディアスですが、打ち込みのサウンドも多そう。聴きやすいけれど、冒険的なピアノソロも一部にあり、アレンジも面白い。ショパンのエチュードがベースになっていて変幻自在の展開をする1曲目、ホーンを生かした打ち込み系のスムースジャズの2曲目、やや静かで浮遊感もある懐かしいメロディの3曲目、ややしっとりめで淡々とメロディを綴るこうはんゆったりファンクの4曲目、これまたホーンが生きるフュージョンの5曲目、映画音楽を聴いているような雰囲気の6曲目、やや落ち着いたメロディでゆるいファンクの7曲目、打ち込みでヴォーカル入りのガーシュイン作の8曲目、やや中間色的ながらゴキゲンなノリのある9曲目、静かなバラードで少し盛り上がる10曲目。

2007/06/16

Stephen Stubbs/Teatro Lirico

1893
このレーベル、今はオーソドックスなクラシックも目立ってきましたけれど、元は現代音楽と古楽が多かったんですね。そして今日のは古楽になっています。この古楽、けっこう聴きやすいしヒーリングの音楽にもなりそうなので、ちょっと売れそうな感じではありますね。


Stephen Stubbs(Baroque G, Chitarrone)/Teatro Lirico(ECM New Series 1893)(輸入盤) - Recorded February 2004. Milos Valent(Vln, Viola), Maxine Eilander(Spanish and Italian Harps), Erin Headley(Viola Da Gamba, Lirone) - Arcangelo Corelli 1. Sonata "Follia" Op.5, No. 12: Adagio 2. Inprovisation 1 Giulio Caccini: 3. Amarilli, Mia Bella Maurizio Cazzati: 4. Baletto Quarto: Adaggio 5. Folia Variations 6. Improvisation 2 Carlo Farina: 7. Sonata Seconda Detta La Desperata Giovanni Battista Granata: 8. Sonata Di Chittarra, E Violino, Con Il Suo Basso Continuo Arcangelo Corelli: 9 Sonata Op.5 No.10: Serabanda Giovanni Paolo Foscarini: 10. Aria Della Fulia Variata (Con Parti Variate) 11. Suite Stephan Stubbs: 12. Arpeggiata A Mio Modo

(06/03/18)17世紀のイタリアやスロヴァキアの5人の作曲家による曲と、インプロヴィゼーション、そして12曲目にStephen Stubbsの曲。古楽器も使用していて、雰囲気が出ています。あまり有名でない曲がおさめられているそうですが、当時のちょっと哀愁を帯びた分かりやすい曲が多いのが特徴。インプロヴィゼーションもジャズ的なそれではなく、ちゃんと古楽的な曲になっています。バロック・ギターの現代曲の12曲目も違和感なし。 (06年8月23日発売)

The Best Of Fourplay

Fourbest
ボブ・ジェームス(フォープレイ)旧譜コメント手直し8日目。といってもこれはベスト盤。3枚程度アルバムを出した後に、新曲やリミックスを加えてベスト盤を出すというのは大手レコード会社の悪いクセだと思っていますが、こういうのを買ってしまうところをみると、やっぱりそのレコード会社の戦略にまんまと引っ掛かっているわけで(笑)。ただ、スムースジャズなので、こういうアルバムをドライブの時などにかけていると、けっこうゴキゲンだったりします。今までのアルバムの中でも印象の強い曲が集まっているから当然といえば当然でしょう。でも、心理的には何となく納得がいかないのも事実なんですが(笑)。


The Best Of Fourplay(Warner Bros) - Released 1997. Bob James(Key), Lee Ritenour(G), Nathan East(B, Vo), Harvey Mason(Ds), Take6(Vo), El DeBarge(Vo), Chaka Khan(Vo), Phil Collins(Vo) - 1. Max-O-Man 2. 101 Eastbound 3. Higher Ground 4. 4 Play and Pleasure 5. Chant 6. After The Dance 7. Bali Run 8. Play Lady Play 9. Between The Sheets 10. Amoroso 11. Any Time Of Day 12. Why Can't It Wait Till Morning

グループのアルバムを3枚出したところでのベスト盤。新曲2曲(3-4曲目)とリミックスが1曲(12曲目)あって、そのためにわざわざ買いました。今までもどれもベスト盤 クオリティだと思ったのですが、やっぱり大手レコード会社の販売戦略ではありますね。ただし、通してBGM的に聴くと、ベストとか、そういうことはあまり気にならずに、楽しんで聴くことができます。スティーヴィー・ワンダー作をテイク6をゲストに大人の都会的でややスローな、そしてコーラスが豊かな曲に仕上げているところがさすがな3曲目、リー・リトナー作の起伏のあるミディアム・ファンクで彼らのエッセンスを詰め込んだようなサウンドの4曲目、フィル・コリンズの曲で彼自身が歌っているバラードをリミックスしつつ、ごく自然に聴かせてしまっている12曲目。

2007/06/15

The Ground/Tord Gustavsen Trio

1892
ECMのアルバムというのはある意味とっつきにくいものが多いのですが、このアルバムに関しては、全体的にゆっくりなペースながらも、分かりやすい美旋律ですごくひきつけられるものがありました。何とこのアルバム、ノルウェーのポップチャート(ジャズチャートではなく)の上位の方まで行ったそうです。もちろん、そこにあるのはオースドックスな4ビートではなくて、ECMらしい流れるようなビートだったりするのですが、やはり北欧のピアニスト、エルゲ・リエンを想像させるものの、もっと分かりやすいピアニストではないかな、と思います。これなら真っ当なピアノ・トリオ・ファンにもオススメできるかな、と思って、今繰り返し聴いています。


The Ground/Tord Gustavsen(P) Trio(ECM 1892) - Recorded January 2004. Harald Johnsen(B), Jarle Vespestad(Ds) - 1. Tears Transforming 2. Being There 3. Twins 4. Curtains Aside 5. Colours Of Mercy 6. Sentiment 7. Kneeling Down 8. Reach Out And Touch It 9. Edges Of Happiness 10. Interlude 11. Token Of Tango 12. The Ground

全曲トルド・グスタフセンの作曲。北欧のピアノ・トリオらしい演奏ですが、ゆっくりで分かりやすいしっとりとした美旋律で、多くの人に好まれそう。心に入る優しいメロディでせまってくる1曲目から、そのサウンドの虜に。ゆったりと地についたテンポで哀愁を心に染み込ませる2曲目、流れていく短調の調べが印象的な3曲目、エキゾチックな表情を見せて冷たいままに情熱を見せる4曲目、やや明るめの表情をしたバラードの5曲目、語りかけから中盤徐々に盛り上がる6曲目、寒色系の中にほのかな橙色が見えるような7曲目、切なさで語りかけてくる8曲目、スローだけれどもブルースも少々感じる9曲目、ソロピアノでの小品の10曲目、スローなタンゴと言えなくもない11曲目、やや明るく包み込むようなタイトル曲の12曲目。(05年2月23日発売)

Straight Up/Bob James Trio

Bobstraight
ボブ・ジェームス旧譜コメント手直し7日目。このアルバムが出たとき、ついに彼もピアノ・トリオでジャズを演奏か、と感慨深いものがあったのですが、いざ聴いてみると、4ビートとか、いわゆるジャズっぽい場面は希薄で、ビートも、ファンクビートだったりさまざまでした。ちょっと期待とは違っていましたけれど、元々はピアノ・トリオでフリージャズや実験音楽の領域まで演奏していた彼のこと、メンバーもスゴいし、これはこれで彼のジャズ・ピアニストとしての側面も聴くことができ、けっこう満足でした。今になってみると4ビートでないピアノ・トリオってゴロゴロありますしね。今聴き返してみて、より味わいが分かったアルバムでした。


Straight Up/Bob James(P) Trio(Warner Bros) - Recoarded December 20 and 21, 1995. Brian Blade(Ds), Christian McBride(B) - 1. Night Crawler 2. Ambrosia 3. James 4. The Jody Grind 5. Lost April 6. Three Mice Blind 7. Hockney 8. Shooting Stars 9. Quiet Now

ピアノ・トリオですが、演奏はいつものボブ・ジェームスという、ちょっと掟破りなアルバム。オリジナル中心(9曲中5曲)で、パット・メセニー (3曲目で原曲の雰囲気が出ている)、ホレス・シルバー(4曲目でけっこうファンキー)、デニー・ザイトリン(9曲目)の曲を1曲ずつ選んだあたりはさすが。トリオながら一部4ビートを混ぜつつ彼らしいキメとファンクのある1曲目、浮遊感とリリカルさ、細かいリズムで進行していく2曲目、スタンダード(かな?)をゆったりしっとりと奏で上げていく5曲目、ちょっと綾織り系のハーモニーを見せつつ明るめと思ったらメカニカルに盛り上がる6曲目、8ビート系でややエキゾチックなテーマとメロディアスな部分が同居する7曲目、ややモーダルで8分の6拍子と4分の4拍子の複合で攻めている8曲目。

2007/06/14

Trio/Marcin Wasilewski/Slawomir Kurkiewicz/Michael Miskiewicz

1891
最近ECMのジャズでは若手の録音が少ないという意見もあります。このトリオ(通称「シンプル・アコースティック・トリオ」)は他レーベルで6枚ぐらいアルバムを出していて、ECMのトーマス・スタンコのバックもやったことがありますけれど、まだ20代という若さだそうです。聴いていて、やっぱりヨーロッパ特有の流れるようなノリと静けさがあり、フレーズが伸び縮みして聴こえるのは、ある種キース・ジャレットの影響などもあるのかな、と思ってもみたり。ただ、研ぎ澄まされた過激さというか、爆発しなくてもシリアスな部分があるのは、やっぱりECMらしい録音のサウンドなのではないのかな、と思います。雰囲気でけっこう買う人が多そうなアルバムです。


Trio/Marcin Wasilewski(P)/Slawomir Kurkiewicz(B)/Michael Miskiewicz(Ds)(ECM 1891) - Recorded March 2004. - 1. Trio Conversation (Introduction) 2. Hyperballad 3. Roxana's Song 4. K.T.C. 5. Plaza Real 6. Shine 7. Green Sky 8. Sister's Song 9. Drum Kick 10. Free-bop 11. Free Combinations For Three Instruments 12. Entropy 13. Trio Conversation (The End)

通称「シンプル・アコースティック・トリオ」。マルチン・ボシレフスキの作曲(共作含む)が4曲、3人のフリー・インプロヴィゼーションが5曲(1、9、11-13曲目)。温度感が低いながらフリーの曲でも緊張感やアグレッシヴさがあまりなく、落ち着いて聴ける演奏。ただし4ビートではなくどの曲も流れるような印象で、硬質な美しさをたたえています。2曲目がビョークの曲で、やや盛り上がってポップス的な色合いもあるかなあという感じ。4、6、8曲目あたりは多少元気でビート感も(4ビートではなく)あります。そしてウェイン・ショーター作も彼ら流のサウンドになってしまっている5曲目、トーマス・スタンコ作の静かで自由な7曲目。10曲目はやっぱりバップを意識しているのかどうか、ちょっと過激か。他のフリーの曲も完成度高し。(05年5月25日発売)

Elixir/Fourplay

Fourelixir
ボブ・ジェームス旧譜コメント手直し6日目で、フォープレイは3回目。このグループ、それぞれがリーダーになれる大物4人が集まっただけあって、どの曲も上質なメロディとサウンドに包まれています。しかしスムースジャズっていうのはコメントを書きづらい部分が多いのも事実で、本音から言えば、どこかで試聴して、良かったら買ってみて下さい、というのが一番良いのかもなあ、とも思えます。字にすると似たような表現が続いてしまうし。いっぺんに何枚も聴くと、もっと混乱してしまいますが、BGM的に聴いていると、けっこうこういうサウンドってイケますね。まあ、それでも何とかコメントをつけているわけですが(笑)。


Elixir/Fourplay(Warner Bros) - Released 1995. Bob James(Key), Lee Ritenour(G), Nathan East(B, Vo), Harvey Mason(Ds)、Phil Collins(Vo), Patti Austin(Vo), Peabo Bryson(Vo) - 1. Elixir 2. Dream Come True 3. Play Lady Play 4. Why Can't It Wait Till Morning 5. Magic Carpet Ride 6. Whisper In My Ear 7. Fannie Mae 8. The Closer I Get To You 9. East 2 West 10. Licorice 11. In My Corner 12. Any Time Of Day

第3弾も、グッと大人っぽいサウンドでカッコ良くせまってきます。2曲(4、8曲目)以外はメンバーの作曲ないしは共作。スムースジャズですが、70分にわたり極上のサウンドを聴かせてくれます。12曲目はボーナス・トラック。タイトル曲の1曲目は4人全員の作曲で、それにしてはけっこうまとまってメロディアスです。その後も適度にファンクでメロディアスな曲が続いて、割とゴージャスなイメージ。ヴォーカル曲や、コーラスが入っている曲も数曲あります。「ウェスト・チェスター・レディー」のサンプリングも入るゴキゲンな3曲目、フィル・コリンズのヴォーカルが上質なバラードになる4曲目、一部4ビートの部分がある5曲目、男女のデュオ・ヴォーカルが大人の味を醸し出す8曲目、ファンクでも変化も起伏もメロディもある10曲目。

2007/06/13

ブログ内ランキング再び

先日ブログ内の「人気記事ランキング」や「検索フレーズランキング」がニフティのココログで付けられるようになったのでつけてみたのですが、1つのブログを除き、毎日更新の結果が反映されない事態になっていました。それでは使い物にならないので、いったん削除していましたが、最近、再び付けてみてトライしていたら、今度はちゃんと動くようになっていました。良かった。それぞれのブログの、右下か左下に取り付けてあります。

各ブログ共に、データの反映期間は過去7日間として、記事やフレーズの入れ替わりをある程度意識した設定にしています。そのほかに「前日1日間」「1ヶ月間」「4ヶ月間」の設定も出来るようですが、過去7日間ぐらいのデータを反映させると、安定しつつ適度に入れ替わりがあって良いんじゃないかな、と思いました。

それにしても、最初の数週間、結果が動かない(データが反映されない)ブログもあったのはどういうわけなんでしょうね。まあ、参考になるのかならないのか分かりませんが、利用してみてください。

Violinkonzert/Heinz Holliger

1890
Violinkonzert/Heinz Holliger(Cond)(ECM New Series 1890)(輸入盤) - Recorded September and December 2002. Thomas Zehetmair(Vln), SWR Sinfonieorchester - 1. Eugene Ysaye: Sonate Op.27, Nr 3 "Ballade" Heinz Holliger: Violinkonzert 2. Deuil 3. Obsession 4. Ombres 5. Epilog

(04/08/08)1曲目のEugene Ysayeは19-20世紀のベルギーの作曲家・ヴァイオリニスト。この曲のみヴァイオリンのソロですが、哀愁があってなかなか味わいがあります。2曲目以降は 20世紀スイスの現代音楽家Heinz Holligerの作品。やはりオーケストラをバックにといっても、無機的なメロディやサウンドの印象。いかにも現代音楽的な展開をしています。色合いとしてはやはり寒色系の中を動いていくヴァイオリンとオーケストラ。

Restless/Bob James

Bobrest
ボブ・ジェームス旧譜コメント手直しの1日置いて5日目。一時期打ち込みが多かったのが、いったん減って、再び増えた時代のアルバム。世間一般がそういう時期でしたので、止むを得ないかとも思います。ただ、やるのはいいのだけれど、やっぱり人力のサウンドの間で目立たないようにやってほしいな、というのが年代から来る私の感想でもあります。ただ、ベースに関しては、ベーシストが参加している曲が多いので、そういう意味では自然なのですが。ただ、後半は静かな曲が多く、打ち込み中心とは言え、けっこう自然に聴けてしまうのは、彼の作曲や演奏の才能ではないかとも思いますが、このアルバムはセルフ・プロデュースではないんですよね。


Restless/Bob James(Key)(Warner Bros) - Released 1994. Dean Brown(G), Nathan East(B), Ila Schloss(Speaker), Nick Moroch(G), Michael Brecker(Ts, Ss, EWI), Luther Vandross(Vo), Lisa Fisher(Vo), Hilary James(Vo), Fonzi Thornton(Vo), Tawatha Agee(Vo), Andy Snitzer(As), Fareed Haque(G), Pino Palladino(B), Ron Carter(B), Jeff Minoroff(G), Harver Mason(Ds), Steve Ferrone(Ds) - 1. Lotus Leaves 2. Under Me 3. Restless 4. Kissing Cross 5. Storm Warning 6. Animal Dreams 7. Back To Bali 8. Into The Light 9. Serenissima 10. Awaken Us To The Blue

ボブ・ジェームス作は全10曲中6曲(1、3、7-10曲目)で、ヴォーカル曲は2、5曲目、打ち込みの曲が多く、そのトラックに各ミュージシャンのソロなどがのるパターンの曲が 目立ちます。やっぱりどこを切ってもボブ・ジェームス 。ドラムスが入るのは8、10曲目のみ。ただしベースは参加の曲は多いです。打ち込みファンクの上をピアノが泳ぐ1曲目、アップテンポでヴォーカルがノリの良い2曲目。その後もテンポやサウンドが変わりながら、ファンク調の曲があります。4曲目はしっとりしたアコースティック・ギター&ペース参加のバラード。前半は静かに展開する6曲目、エスニック的な静けさのある7曲目、ジャズ的なアプローチの8曲目、静かに進んでいく哀愁バラードの9曲目。マイケル・ブレッカーは2、6-8曲目に参加。

2007/06/12

Veracini Sonatas/John Holloway/Jaap Ter Linden/Lars Ulrik Mortensen

1889
Francesco Maria Verachiniの作品はバロック音楽なので聴きやすいです。やっぱり私はジャズ側の人間なので、クラシック関係(即興でない音楽)は、分かりやすいものの方にベクトルがどうしても行ってしまうのは止むを得ないことなのかも。

Veracini Sonatas/John Holloway(Vln)/Jaap Ter Linden(Cello)/Lars Ulrik Mortensen(Harpsichord)(ECM New Series 1889)(輸入盤) - Recorded September 2003. - Francesco Maria Verachini: 1-5. Sonata No.1 In G Minor 6-9. Sonata No.5 In C Major 10-14. Sonata No.1 In D Major 15-19. Sonata No.6 In A Major

(05/04/19)Francesco Maria Verachiniは18世紀イタリアのヴァイオリン奏者兼作曲家。ここではチェロとハープシコードとのトリオの演奏で、バロック時代の安定した、それていて分かりやすい哀愁も漂っているメロディアスな演奏を聴くことができます。明るい場面、影のある場面と進行に応じてあらわれてきて、まさにバロック時代のイタリアの光と影なのかな、とも思います。お茶でも飲みながらじっくり聴くにも良し、小音量でBGMにも良し。

Moe's Town/Uncle Moe's Space Ranch

Moestown
5年前にファーストアルバムを出したのと同じメンバーでの2作目。1作目のときも「強烈なハードファンク」というような書き方でしたけれど、今回も確かに強烈、むしろロックの方に立ち位置を持ってきた方が良いんじゃないかと思えるくらいにハード。ロック畑と思われるギター2人の作曲が多いので、彼ら中心なのですが、私はこういう音楽はボトム(ベースとドラムス)中心に聴く傾向があり、これだけのテクニシャン2人を揃えたロックはまず聴けないなあ、と思います。ただし、相当に気力が充実していないと、68分間強力なサウンドが続きますので、負けてしまいますね(笑)。非常にお腹いっぱい度の高いアルバム。バラードを入れるなり、もう少し緩急をつけても良かったかな。まあ、そこがこのアルバムのネライなのでしょうが。ギターは好みとはちょっとズレます。


Moe's Town/Uncle Moe's Space Ranch(Tone Center)(輸入盤) - Released 2007. Brett Garsed(G), T.J. Helmerich(G), Dennis Chambers(Ds), Scott Kinsey(Key), Gary Willis(B), Ric Fierabracci(B on 6 and 8), Virgil Donati(Ds on 9), Djemel Chergui(Electronica, Vo on 8) - 1. Valentimes Day 2. Moe's Town 3. Ella's Hotel 4. Audio Rhumba 5. Dads Speakers 6. Inspired Weak 7. Snout! 8. Path To Aesthesis 9. Nitro Squirrel (Multipule Moe)

(07/06/09)ギター勢が(おそらく)ロック、他がハード・フュージョン畑という、ハードなバンドの2作目。出てくる音も半分が機関銃かというロック・サウンド。作曲はギターの2人が中心で、時にキーボードが共作。タイトにキマっているリズムと豪快に攻めてきて変幻自在な1曲目、重量級のミディアムのアプローチでけっこう盛り上がっていく2曲目、アップテンポでこれでもかと破壊的に突き進む場面もある3曲目、リズムが自在に変化して重量感もその都度変わっていく4曲目、やはりドコドコいうリズムに押されて突き進む5曲目、ややファンクタッチと思ったら盛り上がってしまう6曲目、ヘヴィーなロックのようなリズムで豪快な7曲目、これでもやや少しおとなしめなエスニック調の8曲目、ドラム・ソロ中心でヘヴィーな展開の9曲目。

2007/06/11

Chants, Hymns And Dances/Gurjieff/Vassilis Tsabropoulos/Anja Lecher

1888
Vassilis Tsabropoulos(読み方が難しいのですが、ヴァシリス・ツァブロポーロスかな)はギリシャのピアニスト。ジャズ(と言ってもECM流のジャズですが)とクラシックの両刀使いです。たまたまクラシックのECM New Seriesのアルバムを聴いたのでアップしました。それにしても、知っている方がどれだけいらっしゃるか、ちょっと不安なマイナーな世界(笑)。


Chants, Hymns And Dances/Gurjieff/Vassilis Tsabropoulos(P)/Anja Lecher(Cello)(ECM New Series 1888)(輸入盤) - Recorded December 2003. - Georges Ivanovitch Gurgjieff: 1. Chant From A Holy Book 2. Bayaty 3. Prayer 4. Duduki 5. Interlude 1 Vassilis Tsabropoulos: 6-8. Trois Morceaux Apres Des Hymnes Byzantins 9. Dance 10. Chant Georges Ivanovitch Gurgjieff: 11. Interlude 2 12. Assyrian Women Mourners 13. Armenian Song 14. No.11 15. Woman's Prayer 16. Chant From A Holy Book, Var.1

(04/11/03)グルジェフは20世紀前半のロシアの神秘思想家、作曲家で、このアルバムでは ギリシャのピアニストVassilis Tsabropoulos本人の作品を中間に挟んでの演奏。TsabropoulosはECMのジャズの方でも録音があります。インプロヴィゼーションでの演奏もあるかもしれないけれど、統一感はあって、やや今風か。グルジェフの曲の方は神秘的で宗教的(敬虔)なクラシックという基調です。ある種のヒーリング的な雰囲気もあります。 (04年12月29日発売)

Between The Sheets/Fourplay

Fourbetween
ボブ・ジェームス旧譜コメント手直し聴き4日目。そしてフォープレイの2枚目。通して聴くと、やっぱりこういう音楽はコメントしづらいなあ、と思うのですが、聴いているうちにはそのメロディや音質の良さ、聴きやすいサウンドでホレボレしてしまう自分もいます。前作も含め、リー・リトナーはアコースティック(エレ・アコかもしれません)のギターを多用していて、そこが一段ソフトに聴こえる部分なのかなあとも思います。個々の曲が良いことは間違いないのですが。やっぱりスムース・ジャズはコメントするのが難しいです(笑)。でも、このアルバム、なかなか良いことは間違いないのですが。


Between The Sheets/Fourplay(Warner Bros) - Released 1993. Bob James(Key), Lee Ritenour(G), Nathan East(B, Vo), Harvey Mason(Ds), Chaka Khan(Vo) - 1. Chant 2. Monterey 3. Between The Sheets 4. Li'l Darlin' 5. Flying East 6. Once In The A.M. 7. Gulliver 8. Amoroso 9. A Summer Child 10. Anthem 11. Song For Somalia 12. Tokyo Rain

3、4曲目以外はメンバーそれぞれの作曲。特に1曲目から4曲目あたりの流れは絶妙。なぜか音が良く、車で聴いてもBGMにしてもいい、不思議なグループ。当然じっくり聴いても可。演奏時間も70分ほどと長め。いい音で、しかもポップなコーラス入りの曲を聴かせてくれる1曲目、メロウなサウンドとヴォーカルがなかなか味のあるバラードのタイトル曲の3曲目、しっとりとしたスタンダードでゆったりと曲が流れていく4曲目。その後も緩急いろいろな曲が、ある面では印象的なメロディやサウンド、ある面では聴きやすく、またある面ではひとひねりあって進んでいきます。ロマンチックなサウンドでファンクの味も持つ6曲目、日本的なメロディをなぜか感じる7曲目、しっとりと流れるバラードの11曲目。12曲目はボーナストラック。

2007/06/10

アルバムコメントの手直し

このところ、新譜をあまり買い込んでいないので、昔にやったアルバムコメントの手直しに精を出しています。例えば、今日やったアルバムコメントの手直し。


Elixir/Fourplay(Warner Bros) - Released 1995. Bob James(Key), Lee Ritenour(G), Nathan East(B, Vo), Harvey Mason(Ds)、Phil Collins(Vo), Patti Austin(Vo), Peabo Bryson(Vo) - 1. Elixir 2. Dream Come True 3. Play Lady Play 4. Why Can't It Wait Till Morning 5. Magic Carpet Ride 6. Whisper In My Ear 7. Fannie Mae 8. The Closer I Get To You 9. East 2 West 10. Licorice 11. In My Corner 12. Any Time Of Day

(手直し前)
フォープレイ第3弾も、ぐっと大人っぽいサウンドでカッコ良くせまってきます。全然シリアスでなくどちらかというといわゆるスムースジャズでしょうけれど、そういうサウンドについても肯定的であります。つべこべ言わずに(私がうまく書けないからですが)聴きましょう。

(手直し後)
第3弾も、グッと大人っぽいサウンドでカッコ良くせまってきます。2曲(4、8曲目)以外はメンバーの作曲ないしは共作。スムースジャズですが、70分にわたり極上のサウンドを聴かせてくれます。12曲目はボーナス・トラック。タイトル曲の1曲目は4人全員の作曲で、それにしてはけっこうまとまってメロディアスです。その後も適度にファンクでメロディアスな曲が続いて、割とゴージャスなイメージ。ヴォーカル曲や、コーラスが入っている曲も数曲あります。「ウェスト・チェスター・レディー」のサンプリングも入るゴキゲンな3曲目、フィル・コリンズのヴォーカルが上質なバラードになる4曲目、一部4ビートの部分がある5曲目、男女のデュオ・ヴォーカルが大人の味を醸し出す8曲目、ファンクでも変化も起伏もメロディもある10曲目。


最初にコメントを書いたのはたぶん’98年頃だったと思いますが、当時のホームページの進化度、充実度からすれば、これでも十分だったんですね(笑)。今日、手直ししてみても、書くのがいちばん苦手なスムースジャズなので、良くなったかと言えば???かもしれないのですが。スムースジャズはメロディやサウンド重視なので、コメントを工夫するよりも現物を試聴する方が早いんですね。まあ、こうやって、少しずつ内容を変えていっているわけです。

Diverted Travels/Jon Balke & Magnetic North Orchestra

1886
今日紹介するアルバムも(’04年10月現在)9月初旬に入手しておきながら、アップがなかなかできずにいたものです。これでやっと9月購入分は全部アップできることになりました。今日現在未聴CDは17枚(今月と先月は買いすぎました(笑))ありますが、昔のアルバムを聴き直すのならばいざ知らず、初対面のアルバムを毎日アップしていくのはけっこうしんどいので、もしかすると、更新間隔がのびるか、ホームページでの過去のコメントの掲載でお茶をにごすことがありそうです。


Diverted Travels/Jon Balke(P) & Magnetic North Orchestra(ECM 1886)(輸入盤) - Recorded September and November 2003. Per Jorgensen(Tp, Vo), Fredrik Lundin(Bfl, Sax), Bjarte Eike(Vln), Peter Spissky(Vln), Thomas Pitt(B-Vln), Helge Andreas Norbakken(Per), Ingar Zach(Per) - 1. Machinery 2. Nutating 3. Sink 4. Columns 5. Deep 6. In Patches 7. Ondular 8. Downslope 9. Rivers 10. Climb 11. Inside 12. And On 13. The Drive 14. Falling

(04/10/16)13曲目を除いてJon Balkeの作曲。やや変則小編成で、全51分に14曲も。邦題にすると「気晴らしの旅行」になるのか、曲によっていろいろに変化します。ピアノが淡々と語りかける1曲目、パーカッションとピアノを中心にテンポ良く応酬する2曲目、シンセサイザーで静かな小品の3曲目、民族的なヴォーカルが印象的な4曲目、管楽器の語り合う5曲目、リズミックかつスリリングでファンクジャズ的な6曲目、ピアノを中心に淡々とした7曲目、淡々と流れていく8曲目、ミュートトランペットがリズムに合わせて踊るような9曲目、速いパッセージが続き後半ゆったりとする10、12曲目、トランペットの断片的な叫びの小品の11曲目、持続音が続き、静かな世界の13曲目、クラシックのような淡い世界が展開する14曲目。

Fourplay

Fourplay
ボブ・ジェームス旧譜コメント手直し聴き3日目。このアルバムはボブ・ジェームスというよりは「フォープレイ」というグループのアルバムなのですが、自分のカテゴリーとしてはやっぱりボブ・ジェームスのアルバムという位置付けです。このアルバムがでた時はこのメンバーでのスーパー・グループなので狂喜しましたし、サウンドもメロディも良く、当時としては珍しく何度も聴いていた記憶があります。BGMにもいいんですね。ただ、今になってアルバムコメントを書け、ということになると、いわゆるスムース・ジャズではあるので、書きにくい、ということもあります。やはりどのアルバムを聴いても、「スムース」に流れていってしまう面もあるので(笑)。


Fourplay(Warner Bros) - Released 1991. Bob James(Key), Lee Ritenour(G), Nathan East(B, Back Vo), Harvey Mason(Ds), El DeBarge(Vo), El DeBarge(Back Vo), Darell DeBarge(Back Vo), Patti LaBelle(Back Vo) - 1. Bali Run 2. 101 Eastbound 3. Fourplay 4. Moonjogger 5. Max-O-Man 6. After The Dance 7. Quadrille 8. Midnight Stroll 9. October Morning 10. Wish You Were Here 11. Rain Forest

一流のミュージシャン4人で組んだグループのファーストアルバム。6曲目がマーヴィン・ゲイの曲以外はメンバーそれぞれの作曲ないしは共作。おそらく打ち込みはなし。聴きごたえもありますが、音も良い点や、曲も良く、ドライブなどのBGMにもなります。とにかく4人の力量が圧倒的なので、聴きやすく、退屈させないという点でも群を抜いています。ボブ・ジェームスの時々個性的なフレーズにも注目。あまり派手でもなく、メロディアスでしかもかなりノリの良さがでている1曲目、ややゆったりめのタイトル曲はリー・リトナーの作曲なので、当時は彼の力が強かったと思わせる3曲目、唯一のヴォーカル曲で、コーラスもキマって黒っぽいながらも洗練された6曲目、ちょっとマニアックな音使いもある7曲目。とにかくバランスのある音。

2007/06/09

The Weeping Meadow/Eleni Karaindrou

1885
The Weeping Meadow/Eleni Karaindrou(P)(ECM New Series 1885)(輸入盤) - Recorded June 2003. Maria Bildea(Harp), Renato Ripo(Cello), Konstantinos Raptis(Accordion), Socratis Sinopoulos(Constantinople Lyra), Vangelis Skouras(French Horn), Sergiu Nastasa(Vln), Angelos Repapis(B), Hellenic Vocal Ensemble, Antonis Kontogeorgiou(Director), La Camerata, Athens(String Orchestra) - 1. The Weeping Meadow 2. Theme Of Uprooting 1 3. Waiting 1 4. Memories 5. The Tree 6. Young Man's Theme 1 7. The Weeping Meadow 2 8. Theme Of Uprooting 2 9. Waiting 2 10. The Of The Uprooting 11. Preyer 12. The Tree 13. On The Road 14. Young Man's Theme 15. Theme Of Uprooting 3 16. The Weeping Meadow

(04/03/10)ギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスの作品「泣いている牧草地(開墾地)」とでも訳すのか、かなりシリアスな作品のようで、哀しげなテーマが形を変えて何度も演奏されます。オーケストラだったり、アコーディオンだったり、合唱だったり。やはり東方ヨーロッパの、その短調のメロディが深く心に突き刺さってきます。その重さ、深さは、嘆き、苦しみから祈りにまで達するような、音世界。それが、ずっと、最初から最後まで。 (05年3月23日発売)

Grand Piano Canyon/Bob James

Bobgrand
ボブ・ジェームスの旧譜手直し聴き2日目。昔のオーケストレーションの時代を経て、比較的小編成で原色に近いサウンドをイメージしていた時代から比べると、やや中間色的かなと思える時代ですが、このアルバムでは、グループ「フォープレイ」の萌芽が見られます。3曲で、ほぼこの4人編成での演奏。これがきっかけでグループを結成するようになったんじゃないかな、確か。メジャーからアルバムを出し続けるということは、売れ続けることが使命なので、やっぱり曲もある程度売れセン狙いではありますが、マニアックなアレンジやフレーズも随所に見られます。マイケル・ブレッカーが6曲目でソロを吹いているのも懐かしいところ。


Grand Piano Canyon/Bob James(P)(Warner Bros) - Released 1990. Dean Brown(G), Nathan East(B), Havey Mason(Ds), Jon Faddis(Tp), Randy Brecker(Tp on 1 and 6), Chris Hunter(As), Andy Snitzer(Ts), Roger Rosenberg(Bs), Jim Pugh(Tb), Lee Litenour(G), Leonard "Doc" Gibbs(Per), Kirk Whalum(Ss, Ts), Eric Gale(G), Gary King(B), Paulihno Da Costa(Per), Abraham Laboriel(B), Michael Brecker(Ts on 6), Max Risenhoover(Ds) - 1. Bare Bones 2. Restoration 3. Wing For Sarah 4. Svengali 5. Worlds Apart 6. "...Stop That!" 7. Xraxse 8. Just Listen 9. Far From Turtle

ボッサの8曲目(リー・リトナー作)以外はボブ・ジェームスの作曲ないしは共作。アコースティック・ピアノが前面に出て、打ち込みが引っ込んだアルバム。ピアノのフレーズに注目すると、アグレッシヴなところが少し見え隠れします。2、3、8曲目はのちの”フォープレイ”プラス・アルファの編成で興味深いです。演奏的にもそれを連想するようなサウンド。ブラスが豊穣でピアノ・ファンクとも言うべき1曲目、サラ・ヴォーンに捧げた曲でしっとりとした哀愁から長調もある印象的な3曲目、エキゾチックなメロディのファンクで進んでいく4曲目、シンセサイザーとピアノを効果的に使うファンクの5曲目、4ビート的な部分もある、変幻自在でゴキゲンな6曲目、やや静かなファンクというべき7曲目、打ち込みもある静かなバラードの9曲目。

2007/06/08

Nicolas Gombert/Missa Media Vita In Morte Sumus/The Hilliard Ensemble

1884
このレーベル、今はオーソドックスなクラシックも目立ってきましたけれど、元は現代音楽と古楽が多かったんですね。そして今日のは古楽になっています。この古楽、けっこう聴きやすいしヒーリングの音楽にもなりそうなので、ちょっと売れそうな感じではありますね。


Nicolas Gombert/Missa Media Vita In Morte Sumus/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1884)(輸入盤) - Rocorded May 2002. The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), Steven Harrold(Tenor), Andreas Hirtreiter(Tenor), Gordon James(Baritone), Robert Macdonald(Bass) - 1. Media Vita In Morte Sumus 2. Kyrie (From Missa Media Vita) 3. Gloria (From Missa Media Vita) 4. Salve Regina 5. Anima Mea Liquefacta Est 6. Credo (Fromm Missa Media Vita) 7. O Crux, Splendidior 8. Sancutus (From Missa Media Vita) 9. Quam Pulchra Es 10. Agnus Dei (From Missa Media Vita) 11. Musae Lovis

(06/03/18)Nicolas Gombertは16世紀フランスの宗教音楽家。彼の発表作は非常に少ないとのこと。ここでは4声から6声までの曲を計11曲演奏しています。やはり教会での録音とあって、荘厳なサウンドでゆったりと、響きも豊かに伝わってきます。淡々としている感じですが、ポリフォニーも心地良く、当時としてはやや複雑なハーモニーなのかなとも思えます。憂いを帯びている気もしますが落ち着いたペースの演奏で、ヒーリングにも。 (06年5月24日発売)

Ivory Coast/Bob James

Bobivory
ボブ・ジェームスの旧譜のコメント手直し1日目。これ以前の作品は、だいぶ前に手直しをしてしまっているので、ここから10年間、’98年ごろまでのリーダー作を、フォープレイを含めて10作、休み休み手直しをしていこうかな、と思っています。彼の音楽は私の原点とも言えますが、この頃のアルバムはあまり何回も聴いた記憶がないので、やはり彼の初期(CTI時代の4枚)の影響がでかいです。ただ、ここでも彼は聴きやすいサウンドを持ってきながらも、ピアノのフレーズだけを聴いているとけっこうアヴァンギャルドで冒険的な音使いの場面も目立ちます。地味な曲が多いように思いますが、割と好きな曲が並んでいるアルバム。タイトルはアフリカの国の名前なんでしょうか。


Ivory Coast/Bob James(Key)(Warner Bros) - Released 1988. Alexander Zonjic(Fl), Buddy Williams(Ds), Dean Brown(G), Gary King(B), Kirk Whalum(Sax), Omar Hakim(Ds), Doc Powell(G), Doc Gibbs(Per), Max Risenhoover(Ds) - 1. Ashanti 2. Rosalie 3. Yogi's Dream 4. Adult Situations 5. Orpheus 6. Moodstar

自己プロデュース作品で、メロディもサウンドも自然なアルバム。2曲目以外は彼のオリジナル。当然打ち込みはありますが、必要以上に意識させません。どの曲も派手な印象はないけど水準以上かも。いかにもボブ・ジェームス作らしい、メロディとファンク色が同居していて、彼の作品の懐かしい色合いもあったりする1曲目、メロディアスなサックスと浮遊感のあるピアノが聴けるミディアムの、メロディが美しい2曲目、亡くなったドラマー、ヨギ・ホートンに捧げるしっとりとした哀しみのある、リズムがタイトな部分もある3曲目、3拍子でのややゆったりファンクで大人の味を出している4曲目、マイナー調のクラシックのような出だしからその発展系のサウンドで盛り上がる5曲目、ゆったりとやや穏やかな世界が展開している6曲目。

2007/06/07

自分の音楽の原点はボブ・ジェームス

生まれてから、アニメソングや歌謡曲、演歌など、その時々で影響を受けた曲というのは多いですけれど、今につながる、ジャズ・フュージョン(当時はクロスオーヴァー)の原点は、中学校2年の時にFMラジオで聴き、その後友人のアルバム(LP)で聴いた「ボブ・ジェームス2」でした。このアルバムの曲はカセットテープに録音して、何度も聴いたものでした。今はレーベルが変わってしまっているけれど、当時のCTIから発売された初期のクロスオーヴァー4枚はかなり聴きました。

今でもリーダー作を追いかけていますけれど、その後もアルバムの購入は続けていたとは言え、あまり聴いていたという記憶はありません。ですので、初期でかなり影響は受けたけれど、その後は...、というパターンだったのかもしれません。でも、彼のキーボードやピアノ、曲作りやサウンドなどは頭になぜか入ってしまっています。

聴きやすいサウンドを作っている割には、ピアノのフレーズがアヴァンギャルドだったりトリッキーだったりすることもあり、それも自分にとっては魅力になっています。

社会人になってから4ビートジャズを聴きはじめ、そちらにドップリとつかることになるわけですが、それでも、今、影響を受けたジャズ(フュージョン)ミュージシャンを1人だけあげろ、となると、この歳になっても、まだボブ・ジェームスをあげる自分がいます。それだけ多感な時期、中学時代の音楽に飢えていた自分を満たした影響が大きかったのでしょうね。

Franz Schubert/String Quartet G Major Orchestrated By Victor Kissine/Gidon Kremer/Krementara Baltica

1883
ECMレーベルは’05年の8月から10月にかけてトータルで10数枚立て続けにアルバムをリリースしていて、当時アップアップ状態。そのうちクラシック/現代音楽のNew Seriesも、まだ入手していないものを含めて6枚ありました。やっぱりNew Seriesの方は、コメントもクラシック初心者の域を出ていませんが、このレーベルはジャズとクラシックがボーダーレスにつながっているので、やっぱり聴いていく必要があると思います。今回聴いた2枚のうち、1枚はシューベルトだったのでホッとしていますが、クァルテット作品を現代になってオーケストレーションしたものだとのこと。さて、その歴史的意義は?分からないのですが、自然にひとつの作品として聴けました。


Franz Schubert/String Quartet G Major Orchestrated By Victor Kissine/Gidon Kremer(Vln)/Krementara Baltica(ECM New Series 1883)(輸入盤) - Recorded July 2003. Andrejs Gojikovs(Vln), Daniil Grishin(Viola), Kristine Blaumane(Cello), and Orchestra(Krementara Baltica) - String Quartet G Major Op. Posth. 161, D 887: 1. Allegro Molto Moderato 2. Andante Un Poco Moto 3. Scherzo. Allegro Vivace - Trio. Allegretto 4. Allegro Assai

(05/10/04)シューベルトは19世紀ドイツの作曲家。ヴァイオリンのギドン・クレーメルは現代音楽が得意だったのかと思いきや、こういうクラシック曲も演奏するんですね。ストリング・クァルテット用の曲を現代においてVictor Kissineがオーケストレーションをした、という風に読めます。解説には「新たな魅力を引き出した」、とありますが、私には落ち着いた正統派なクラシック曲に聴こえます。こういう作業自体、画期的なことなのかも。 (05年9月21日発売)

2007/06/06

There Is Still Time/Frances-Marie Uitti/Paul Grifiths

1882
ECM New Seriesは’04年11月は3枚出ました。内容は1枚がバロック音楽、1枚がチェロをバックにしたナレーション、そしてもう1枚(2枚組)はピアノとバリトンの歌唱のデュオです。バロック音楽の方は聴きやすくていいにしても、ナレーションの方は、他のECM New Seriesにも何枚かあったものの、話している言語が分からない私にはなんのこっちゃと思う現代音楽。そして、2枚組のアルバムも、静かにゆったりと延々2時間流れていくので、普段ジャズばかり聴いている私には少々物足りなかったかな、と思います。


There Is Still Time/Frances-Marie Uitti(Cello)/Paul Grifiths(Speaker)(ECM New Series 1882)(輸入盤) - Recorded August 2003. - 1. I Cannot Remember 2. Think Of That Day 3. How I Wish 4. Without Words 1 5. Call From The Cold 6. Touching 7. There It Was 8. The Bells 9. Some Where 10. Without Words 2 11. For You 12. I Did Look 13. Without Words 3 14. My One Fear 15. Without Words 4 16. The Door 17. When This Is Over

(04/11/21)音楽というよりは揺らいでいるような幽玄な、あるいは前衛的なチェロの独奏をバックに、これまたヴォイスというよりは詩の朗読をしているアルバム。4曲のWithout Wordsは、文字通り言葉のない世界。ECMらしい奇妙で独創的なアルバムがまたひとつ誕生。不安感をあおっているような、哀しげなチェロの音色が、変幻自在なナレーションと合わさって、ある種独特の現代音楽的な雰囲気をアルバム全体に漂わせています。

2007/06/05

In Praise Of Dreams/Jan Garbarek

1880
私はジャズは新しいものを中心にいろいろなものを聴きますが、そのひとつの柱としてECMレーベルがあります。

「これってジャズ?」
「違うべ」
「あぁっ、ジャズだ!」(映画「スウィングガールズ」を観た人にしかわからないネタ(笑))

今日紹介するCDのように、ジャズの対極に位置するようなマニアックなアルバムがたくさん出ていて、それが30年以上も続いているという、経済常識からするととんでもないレーベルなのですが、なぜか私は好きです。4ビートなんて一切なくても、このヤン・ガルバレクの世界を私はジャズとしてとらえているのかもしれません。このサックスのメロディが耳につくと離れません。


In Praise Of Dreams/Jan Garbarek(Ts, Ss, Synth, Sampler, Per)(ECM 1880) - Recorded 2003. Kim Kashkashian(Viola), Manu Katche(Ds) - 1. As Seen From Above 2. In Praise Of Dreams 3. One Goes There Alone 4. Knot Of Place And Time 5. If You Go Far Enough 6. Scene From Afar 7. Cloud Of Unknowing 8. Without Visible Sign 9. Iceburn 10. Conversation With A Stone 11. A Tale Begun

全曲ヤン・ガルバレクの作曲。彼の多重録音もあるトラックを中心にして、ヴィオラとドラムスが加わっています。ただ、メインはサキソフォン。それこそ彼自身の世界としか言いようのないサウンドを展開していて、クラシック畑のキム・カシュカシアンも参加することで、民俗音楽的、温度感の低い異種格闘技戦あるいは3者の融合の世界を垣間見せてくれます。曲によってはメロディの強度が高めだったり、エスニックな雰囲気や映画音楽を聴いているような雰囲気。ドラムスが派手にではなく、スパイス的に打ち込まれ、そのサポートもなかなか。ジャズとは遠い世界ながらも、タイトルからもサウンドからも幻想的な異国情緒の世界が味わえるところが面白い。6曲目はベース(シンセ)も入って、哀愁度満点の曲。7曲目もなかなか。(04年9月22日発売)

2007/06/04

Which Way Is East/Charles Lloyd/Billy Higgins

1878
ECMというのは不思議なレーベルで、キース・ジャレットのスタンダーズなどの少数の例外を除けば、スタンダードはほとんど取り上げず、4ビートもご法度なのか、ほとんどありません。しかも静けさ、耽美、フリーなどの局面を強く持っていて、かなり自由度が高い、というか、マニアックです。ECMレーベルのほとんどを聴いてみて、よく30年間倒産せずにやってきたなあ、とも思えます。

このアルバムはチャールズ・ロイドの自宅での録音とのこと。2人でいろいろな楽器を使い、時にはヴォーカル(ヴォイス)まで出てきて、プライベートな録音と言ってもいいくらいです。ある意味勝手気ままに演奏した録音(その完成度は高いとは思いますが)をCD2枚組で発表してしまうところもECMらしいと言えるでしょう。内容とその演奏時間の長さゆえに、やはり聴く人を選ぶアルバムかも。


Which Way Is East/Charles Lloyd(Ts, As, B, Fl, P, Taragato, Oboe, Per, Maracas, Voice)/Billy Higgins(Ds, G, Guimbri, Syrian 'One String', Senegalese, Guinean and In dian Hand Drums, Juno's Wood Box, Per, Voice)(ECM 1878/79) - Recorded January 2001. - What Is Man: 1. The Forest 2. Neing And Becoming 3. Civilization 4. Sea Of Tranquility Divans: 5. Prayer, Sancutuary 6. Supreme Love Dance 7. A Wild And Holy Band Salaam: 8. Oh, Karim 9. Akhi 10. Ya, Karim 11. Tagi All This Is That: 12. Hanuman's Dance 13. Sky Valley 14. Blues Tinge 15. Atman Alone Abides Desire: 16. Wild Orchids Bloom 17. Advaita 18. Chomolungma Devotion: 19. Sally Sunflower Whitecloud 20. My Lord, My Lord 21. Windy Mountain 22. Through Fields And Underground Light Of Love: 23. Mi Corazon 24. Beloved, Chimes At Midnight 25. Take A Chance Surrender: 26. Perfume Of The Desert 27. Benares 28. Amor 29. Forever Dance 30. Bis

ビリー・ヒギンズが亡くなる4ヶ月前の録音で、さまざまな楽器を使用したデュオまたはソロでの録音。CD2枚組で何と2時間半。曲を組曲として大きくとらえれば8曲ですが、細かく数えると30曲にも。1、8、10、20、23、25、28、30曲目などのようにヴォイスの曲もあったりして、民俗音楽的、あるいはフリージャズ的な要素の曲も多く、ややドロくさい場面もあって、聴く人をある程度選ぶのではないかと思います。3、12、16、18、21、24曲目のようなややハードなサックスとドラムスのやり取りが彼ららしいとも思いますが、ECM流ならば同じ楽器構成の5曲目か。4、13、22曲目のソロ・ピアノはしっとり感が漂います。ヴォーカルだけでなく、ギターやGuimbriも味があります。温度感も低くなく、最近のECMとしては異色かも。(04年4月28日発売)

2007/06/03

リンク先のチェック

ホームページなどで、リンク集その他のリンク先のチェックを、数ヶ月おきにやっています。ホームページ作成ソフトで、リンク先をチェックする機能があるので、それをつかうといっぱいあるリンクの中、デッドリンクがすぐに分かるので便利です。

また、定期的に「リンク集」のチェックも手動でやっていて、たいてい、ホームページ(ブログ)のアドレス移転とか、やめてしまったなど、1-2件はあるものです。デッドリンクがどれだけあるかでホームページ(ブログ)の鮮度や手入れ度が違うと思うのですが、中には、更新停止したまま何年間、というホームページ(ブログ)があります。

そういうホームページ(ブログ)の扱い方が難しく、基本的には相互リンクしているため、またいつそこが活動を復活するかもしれない、ということがあって、なかなかリンク集から削除、ということができないんですね。あくまでも閉鎖してしまった、とかそういう理由がないと。

5年ほど前に、私のホームページがプロバイダー移転をしたときに、アドレス移転の連絡をして、こちらへのリンクが1年半以上経っても変わっていなかったところは、管理していないとみなして削除した経験はありますが、相手の気持ちを考えると通常はなかなか出来ないですね(笑)。

Prezens/David Torn

1877
ECMらしからぬ世界が展開されていると思ったら、デヴィッド・トーン自身がプロデューサーでした。時にけっこう激しいドラムスや、ギター。ティム・バーンの非メロディ的なサックスと、これにエレクトロニクスが混ざっての不思議な音世界が展開されています。ただ、全体の色調に統一感がとれている点、激しい部分があるにしても計算された冷静な音の作りになっている点からも、異色だけれどもECMから出される必然性はあったのかもしれません。ロック的なフリーが好きな人ってどれだけいるのか分かりませんが、聴く人を選ぶけれどそれなりに面白いアルバムではあります。やっぱり通して聴くアルバムかな。ジャズ的な要素はインプロヴィゼーションという点のみか。


Prezens/David Torn(G, Live-Sampling, Manipulation)(ECM 1877)(輸入盤) - Recorded March 2005. Tim Berne(As), Craig Taborn(Key, Org, Synth, Bent Circuits), Tom Rainy(Ds), Matt Chamberlain(Ds on 10) - 1. AK 2. Rest & Unrest 3. Structural Functions Of Prezens 4. Bulbs 5. Them Buried Standing 6. Sink 7. Neck-Deep In The Harrow... 8. Ever More Other 9. Ring For Endless Travel 10. Miss Olace, The Mist... 11. Transmit Regardress

(07/05/15)曲は1人から4人までの、参加者によるフリー・インプロヴィゼーション(構築サウンド?)。エレクトロニクスとフリーと、そしてロック色の強いミステリアスな曲っぽいインプロヴィゼーション。David Tornの一人だけのクレジットは2、5、8-9曲目で、おそらく多重録音だと思うのですが、不思議な味わい。他の曲で、まれにドラムスを中心に爆発して、いわゆるECMの静かなサウンドとはかけ離れたところも多いため、聴くのに注意が必要かもしれません。10曲目は美旋律の出だしで美しいのですが、これもサンプリングなどの手法で出来上がったものでしょう。異色だけれともアルバム全体に不思議な統一感があって、その統一感こそがECMらしいと言えば、らしいです。Tim Berneの参加で、JMTのサウンドも思い出します。

Pure Affection/Uri Caine/Gust Tsilis

Pureaffect
ユリ・ケインも参加しているデュオの新作が出ました。出たのはいいんですけれど、細かいクレジットが書いておらず、曲がオリジナルかどうかも(たぶんオリジナルですが)分からないのには困ったものです。編成はピアノとヴァイブラホン(マリンバ)という、ある意味難しい編成。2人ともうまいとは思うのですが、ユリ・ケインのいつもの自由奔放な突き抜けたピアノの場面があまりなかったのが少々残念かな。バランスを考えての演奏だとは思いますが。他でもこのAlessa RecordsのCDを持っていたですが、やはりGust Tsilisのクレジットがありました。彼の方には何か、このレーベル、特別な意味があるのかな、と思ってみたり。


Pure Affection/Uri Caine(P)/Gust Tsilis(Vib, Marimba)(Alessa Records)(輸入盤) - Released 2007. - 1. Jennifer's Secrets 2. Uncle Nick 3. As I Awaken 4. Ghosts Have 5. Black Liquid 6. Her Face 7. Lady Of Silence 8. A Choice Of Days 9. The Best Dog 10. No Brother Was I 11. Dreammaker 12. Traces 13. A Breabie That Never Stops Beating 14. Child's Play

(07/06/02)細かい録音年月、発売年、そして曲目の作曲者などが記載されていなくて、ちょっと不親切なのだけれど、感触としてはどちらかの作曲、あるいは両者のインプロヴィゼーションがほとんどを占めるのではないかと思われます。ピアノとヴァイブラホン(あるいはマリンバ)というぶつかり合う楽器のデュオで、両者の技巧がいいせいか、うまくデュオとして機能しています。ECMのチック・コリアとゲイリー・バートンのデュオほどには温度感が低くないです。バリバリと弾いていく曲もありますけれど、ほどよい静けさも持っている曲も少なくないです。曲ごとの変化もある程度あって、激しさ、スピードが曲ごとに変わりつつも、全14曲を通して聴いていくと流れていく感じ。ボッサ的な曲もあれば、変形ブルースのような9曲目もあり。

2007/06/02

Evening Falls/Jacob Young

1876
ECMからリーダー作が出ていて、レーベルカラーと合うのか、不思議な感じがしました。やや温度感は低い感じがするものの、穏やかなマイペースのギターで音をつむぎだしています。北欧のギタリストでも、こんな感じの人がいるのだな、と実感。


Evening Falls/Jacob Young(G)(ECM 1876) - Recorded December 2002. Mathias Eick(Tp), Vidar Johansen(Bcl, Ts), Mats Eiletsen(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Blue 2. Evening Air 3. Minor Peace 4. Looking For Jon 5. Sky 6. Presence Of Descant 7. Formerly 8. The Promise 9. Falling

(04/03/23)6曲目がヨン・クリステンセンとの合作の他は全てヤコブ・ヤングのオリジナル。他レーベルではもっと温かみのあるサウンドだったですが、ECMでは温度感がやや低いです。ただし、ギターはあくまでも穏やかに展開していきます。寒色系だけれどもどこか懐かしさを漂わせている1曲目、アンサンブルで静かに包み込んでギターやトランペットが唄う2曲目、哀愁が漂って静かにささやきかけてくる3曲目、ワルツで不思議なメロディのミステリアスな4曲目、北欧のうっすらとした空を思い浮かべるような5曲目、メロディアスでややエキゾチックな雰囲気もある6曲目、トランペットとギターのメロディが語りかけてくる7曲目、テンポのゆるめな優しいバラードの8曲目、静かで温度感もほんの少し高めのタイトル曲の9曲目。 (04年10月21日発売)

One Hopeful Day/Mark Soskin

Markone
マーク・ソスキンのリーダー作だと、ソニー・ロリンズのサイドでやっていた人というイメージがあるのであまり食指がのびないのですが、このアルバムのサイドの参加メンバーが、なかなかスゴい顔ぶれということで、あとはあまりよく検討もしないで買ってしまいました。でも、このメンバーなら買って正解だったと思いますね。明るい面よりもモーダルだったりメカニカルだったり、もちろんオーソドックスに奏でる場面も少しありますけど、参加メンバーの指向性に引っ張られている感じがします。都会的でいいんじゃないの、と思います。オリジナルとスタンダードやジャズメン・オリジナルの配分もいい感じ。もう少しオリジナルが多くても良かったかな、とも思いますが。


One Hopeful Day/Mark Soskin(P)(Kind Of Blue)(輸入盤) - Recorded December 13 and 14, 2006. Chris Potter(Sax), John Patitucci(B), Bill Stewart(Ds), John Abercrombie(G on 5 and 8) - 1. On The Street Where You Live 2. Bemsha Swing 3. Innderspace 4. One Holeful Day 5. Step LIvely 6. It's Easy To Remember 7. End Of A Love Affair 8. Strive 9. Pensativa

(07/06/01)マーク・ソスキンの作曲は4-5、8曲目で、他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。ソニー・ロリンズのサイドマンの時と違い、メンバーがメンバーなので、都会的でモーダルな面も持ち合わせています。ストレートにメロディを楽しめるアップテンポで歌い上げる1曲目、セロニアス・モンクの曲をリズムとモーダルさで料理していく2曲目、チック・コリア作らしいシャープな切れ味が特徴のアップテンポの3曲目、優しい温度感の低いメロディのタイトル曲の4曲目、ギターを交えて浮遊感のあるハードな展開の5曲目、スタンダードながら憂いと勢いが同居する6曲目、テーマはそれっぽいけれど、もっと元気な要素のある7曲目、フワフワと浮遊感とモーダルさを感じる8曲目、ソロピアノでカチッとメロディアスに奏でる9曲目。

2007/06/01

J.S. Bach/Motetten/The Hilliard Ensemble

1875
バッハの合唱作品は、ヒーリングの要素が強いかもしれません。このバッハ作品の輸入盤(初版?)、クレジットを間違えていて、紙カバーにシールを貼って修正してます。完璧主義のECMにしては珍しい失態。


J.S. Bach/Motetten/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1875)(輸入盤) - Recorded November 2003. Joanne Lunn(Soprano), Rebecca Outram(Soprano), David James(Countertenor), David Gould(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor, Org), Steven Harrold(Tenor), Gordon Jones(Baritone), Robert Macdonald(Bass) - 1-3. Singet Dem Herrn Ein Neues Lied BWV225 4-6. Der Geist Hilft Unser Schwachheit Auf BWV226 7-17. Jesu, Meine Freude BWV227 18-20. Furchte Dich Nicht, Ich Bin Bei Dir BWV228 21-24. Komm, Jesu, Komm BWV 229 25-27. Lobet Den Herrn, Alle Heiden BWV230 28-29. Ich Lasse Dich Nicht, Du Segnest Mich Denn BWV Anh. 159

(07/05/05)有名なバッハですが、その曲を歌唱で、荘厳な雰囲気に包まれての教会録音。ヒリヤード・アンサンブルにしては女声が2人混ざっていて、総勢8人になっているところがポイントで、歌唱に華やかさと厚みが増している感じです。題とか歌詞(ドイツ語です)を眺めてみると、やはり宗教音楽ということになるのでしょうか。バッハならではの、安定した美しいメロディやカウンターメロディ、ハーモニーなどに包まれて、心地よい音楽。 (07年5月23日発売)

Fantasm/Stephan Oliva, Bruno Chevillon, Paul Motian

Fantasm
久しぶりの中古CD買いをしました。ゴールデン・ウィーク中に場所は国立のディスク・ユニオン。欲しいものは他にもあったのですが、とりあえずこの1点を購入。メンバーがメンバーなのでけっこうフリー寄りだろうとは思っていましたけれど、やっぱり(笑)。でも、こういう硬質なフリー・インプロヴィゼーションと提示されたテーマがさりげなくあって、というバランスのアルバムは好きです。ラストの曲はどこかで聴いているなあ、と思ったら、ECMにポール・モチアンのアルバムでこれがタイトル曲になっているのがあるなあ、と気付きました。この曲も好きです。でも、一般的にはフリー寄りなので、聴く人を選ぶだろうなあ、とは思いますが。


Fantasm/Stephan Oliva(P), Bruno Chevillon(B), Paul Motian(Ds)(BMG France)(輸入盤) - Recorded October 18 and 19, 1999. - 1. Interieur Jour 2. Five Miles To Wrentham 3. Dance 4. Sables 5. Fantasm 6. Blue Midnight 7. Fiasco 8. Impromede 9. Etude 10. <> 11. Folk Song For Rogie 12. It Should Have Happened A Long Time Ago

(07/05/31)3人のインプロヴィゼーションが1曲目、ポール・モチアン以外の2人の作曲(演奏は3人で)が10曲目。それと4、8曲目がステファン・オリヴァ作以外はモチアン作なので、彼が中心か。でも、全編にわたって温度感の低い硬質なフリー・インプロヴィゼーションが繰り広げられているような雰囲気のサウンドが続いていきます。ECM風でややハードにしたような雰囲気が、緊張感を漂わせていきます。1曲目はともかく、その後もテーマが軽く提示されているような、されていないような、バラバラに進行するところもあるけれど、それでいてまとまるところはまとまる、不思議なサウンド。フリーのように聴こえながら、求心力はあるので、やはりこのメンバーだからかな、と思わせるものはあります。たまに、しっとりと来る場面も。

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