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2006/12/31

Drawn Inward/Evan Parker

1693
Drawn Inward/Evan Parker(Ss, Ts, Khene)(ECM 1693)(輸入盤) - Recorded December 1998. Philipp Wachsmann(Vln, Viola, Live Electronics, Sound processing), Burry Guy(B), Paul Lytton(Per, Live Electronics), Lawrence Casserley(Live Electronics, Sound Processing), Walter Prati(Live Electronics, Sound Processing), Marco Vecchi(Live Electronics, Sound Processing) - 1. The Crooner (For Johnny Hartman) 2. Serpent In Sky 3. Travel In The Homeland 4. Spouting Bowl 5. Collect Calls 6. Ala Lotan 7. Reanascreena 8. At Home In The Universe (For Stuart Kauffman) 9. Writing On Ice 10. Phloy In The Frame 11. Drawn Inward

(03/09/02)メンバーのオリジナルか何人かでの共作。やや静かなエネルギーを持ったフリー・インプロヴィゼーションで、時折り盛り上がります。曲によって生音とエレクトロニクスがうまく合わさっていて不思議な雰囲気。旋律と非旋律がせめぎ合い、難解な感じはします。1曲目は(For Johnny Hartman) と書いてあるのですが先鋭的なサウンドとの関連性が不明。2曲目は弦楽器の上を激しく舞い飛ぶサックスの構図。3曲目などはエレクトロニクスが主体になっていて、やはり作曲者によってさまざまなサウンドになっています。5曲目は10分を超えますが、ここでもサックスのフレーズの舞い飛ぶゆったりとした展開の曲。Burry Guy作の7曲目は弦楽器が中心。11曲目のタイトル曲は2曲目と似ている構造の印象。

処女航海/オースティン・ペラルタ

Austinmaiden
最近若い人が多くジャズ界でデビューしているけれど、あまり若すぎると食指が動かず、このアルバムも2月に発売されていて、チェックしていなかったんですね。この次のアルバム「マントラ」が最近発売されて、評判をよぶようになっているので、とりあえず1枚目を聴いてみました。メンバーも、特にビリー・キルソンのドラムスを配したところが良く、オースティン・ペラルタ自身も、ブラインドならば録音時に14歳なんて分からないんじゃないかな。モーダルな手法を得意とするようで、時々フレーズにアウトした音符(モード手法だとこういう言い方はしないかな?)がうまく挟み込まれていて、すでにけっこうな域に達しているのでは、と思いました。12月に出た次作も、どれだけ成長しているか楽しみですね。


処女航海/オースティン・ペラルタ(P)(Eighty-Eight's)
Mayden Voyage/Austin Peralta(P)(Eighty-Eight's) - Recorded September 27, 2005. Ron Carter(B), Billy Kilson(Ds) - 1. Passion Dance 2. The Shadow Of Your Smile 3. Mayden Voyage 4. Green Dolphin Street 5. Spain 6. N.Q.E. (Naquib Qormah Effendi) 7. Someday My Prince Will Come 8. Balaqeeti 9. Naima

オースティン・ペラルタの作曲は2曲(6、8曲目)。何とレコーディング時は14歳。歳にしては堂々とした演奏です。マッコイ・タイナー作をアップテンポのモード全開で料理している1曲目、哀愁があってしっとりとしたスタンダードをややスローに演奏して、後半ベースが目立つ2曲目、オーソドックスと思いきやややアップテンポの場所やドラムソロもあるタイトル曲の3曲目、綾織り系のサウンドに仕立て上げているややトリッキーなフレーズの4曲目、チック・コリアのスペインをアップテンポの8分の6拍子でやってしまう5曲目、モーダルな演奏が縦横無尽なファンクのリズムの6曲目、優しいタッチから「いつか王子様が」がやや盛り上がる7曲目、ファンクビートと4ビートの複合でモーダルな8曲目、ゆったりと静かなバラードの9曲目。(’06年2月22日発売)

2006/12/30

Eternity And A Day/Eleni Karaindrou

1692
Eternity And A Day/Eleni Karaindrou(P)(ECM New Series 1692) - Recorded March and April, 1998. Vangelis Christopoulos(Oboe), Nikos Guinos(Cl), Manthos Halkias(Cl), Spyros Kazianis(Bassoon), Vangelis Skouras(French Horn), Aris Dimitriadis(Mandolin), Iraklis Vavagatsikas(Accordion), La Camerata, Athens - String Orchestra, Loukas Karytinos(Director) - 1. Hearing The Time 2. By The Sea 3. Eternity Theme 4. Parting A 5. Depart And Eternity Theme 6. Borders 7. Wedding Dance 8. To A Dead Friend 9. Eternity Theme Variation 1 10. Depart And Eternity Theme Variation 1 12. Bus - Part 1 13. Depart And Eternity Theme Variation 2 14. Bus - Part 2 15. Trio And Eternity Theme 16. The Poet 17. Depart And Eternity Theme Variation 2 18. Depart

邦題「永遠と一日」(オリジナル・サウンド・トラック)。7曲目のみギリシャのトラディショナルで、あとはオリジナル。哀愁の漂うテーマのメロディが、ソロピアノであったり合奏の形式であったりと、他の曲の間で何度か形を変えては目の前にあらわれてきます。そのメロディは印象的で心に残ります。また、1、6曲目のような持続音で聴かせるような曲も。色合いとしてはやはり濃い青の雰囲気。 渋い映画だろうと予想させるサウンド。(99年4月1日発売)

Mr. Mags/Joe Magnarelli Quintet

1200
Criss Crossレーベル順番聴き10日目。これで今回はひと段落。まあ年末でもあるので、今年はひと段落というべきでしょうか(笑)。あと未聴盤が30枚ありますがちょっとペースを早めてやっていきたいと考えています。ジョー・マグナレリという人、モーダルでマイナーな曲もやりますが、明るい曲に明るいフレーズというイメージがあって、そこが彼の個性かなと思います。やっぱり聴くと分かって、アメリカ人としてはセールスポイントではないでしょうか。7-8曲目がやや異色なサウンドかなとも思えるのですが、ラストの方に加えることでアルバムの全体のバランスが良くなっている感じです。


Mr. Mags/Joe Magnarelli(Tp) Quintet(Criss Cross 1200)(輸入盤) - Recorded June 1, 2000. Jim Snidero(As, Fl), David Hazeltine(P), John Webber(B), Tony Reedus(Ds) - 1. 215 # 1 2. Our Song 3. Passage 4. I Should Care 5. Mean What You Say 6. Oh' Suzanne 7. Blue Opus: The Last Goodbye - Mr. Mags 8. Mississippi Jazz Club

(06/12/24)Joe Magnarelli作は全8曲中5曲(1-2、6-8曲目)。カラッと明るいトランペットや曲などが印象的です。ややアップテンポで都会的ながらも明るめのコード進行で曲を盛り上げていく感じの1曲目、8分の6拍子でやはり温かいメロディやソロで包み込むような2曲目、ジム・スナイデロ作で陽性のバップ色が強いアップテンポの3曲目、ワン・ホーンで朗々と唄い上げていくバラードが心地良い4曲目、サド・ジョーンズ作を柔らかく包み込むようなテーマからミディアムのソロに移る5曲目、ややアップテンポのラテンのリズムでやや哀愁を含んで進行する6曲目、ドラムスのマレットが前面に出るバラードと、タイトル曲のブルースがメドレーで続いていく10分台の7曲目、アップテンポのモーダルな感じで突き進む8曲目。

2006/12/29

千葉県の館山へ行ってきました

今日は風が強かったですが、天気が良かったので、千葉県の館山の、いつもCDを送ってもらっているお店Sound Space STEPに行ってきました。でもまだ高速が向こうまでつながっていなくて、片道100キロのうち50キロは一般道だったですが(笑)。ただ、道が空いていたのと信号もあまりなくスムーズに片道2時間半弱で着きました。

ひとつには今日送ってもらう予定のCDを引き取ることと、時々廃盤が眠っていることがあるので、それを探しに。今日の探求盤は「レインボー・ロータス」(Polydor)、「ジャズ・マスターズに捧ぐ」(Verve)(この2枚はけっこうレアアイテムですね)、それとジョージ・コリガンのヴィデオアーツの輸入盤国内仕様の「アクティヴィズム」など。それと、超個人的な趣味で、フォークソングの紙ジャケ等。「言葉にならない贈り物/堀内孝雄」「葛飾にバッタを見た/なぎらけんいち」。こういう趣味もあり、LPを処分してしまった青春時代の思い出を再び取り戻しているところです(笑)。

あと通常の新譜・再発盤として「Cure Jazz/UA x 菊地成孔」「ムービーズ/フランコ・アンブロゼッティ」(Enja紙ジャケで、ジョン・スコフィールド、ジェリ・アレンなどが参加)

お昼は、何と佐久間さんの「コンコルド」でハンバーグをご馳走になりました。音楽も例の自作真空管アンプで聴かせていただいて、’30年代のジャズをSPで聴いた時はそのリアルさにビックリしましたが、スピーカーは何と、箱に入ってない裸のままの30センチのスピーカーにつないであったです。針圧も25グラムかかっていると言うし、やっぱりここはオーディオの常識が通用しない素晴らしい世界でした。同じシステムで日本の長唄のようなものもかかりましたが、これまたリアル。

やっぱり有名な方だけありますね。コワそうな白髪でひげのおじさんと言うイメージはありますが、STEPの片桐さんとは非常に仲が良いみたいですね。

普段は出不精なので、まあ、たまにはこういう日もあっていいかと思います。

A Long Time Ago/Kenny Wheeler

1691
A Long Time Ago/Kenny Wheeler(Flh)(ECM 1691) - Recorded September 1997 and January 1998. John Taylor(P), John Parricelli(G), Derek Watkins(Tp), John Barclay(Tp), Henry Lowther(Tp), Ian Hamer(Tp), Pete Beachill(Tb), Mark Nightingale(Tb), Sarah Williams(Btb)m Dave Stewart(Btb), Richard Edwards(Tb), Tony Faulkner(Cond) - 1. The Long Time Ago Suite 2. One Plus Three (Version 1) 3. Ballad For A Dead Child 4. Eight Plus Three/Alice My Dear 5. Going For Baroque 6. Gnu Suite 7. One Plus Three (Version 2)

ブラス・アンサンブルを交えた演奏。全曲ケニー・ホイーラー作曲。いわゆるジャズからはちょっと離れた位置にあるかもしれませんが、ブラス・アンサンブルの響きとアレンジが心地よく、なおかつ硬質なサウンド。1曲目は目玉で、何と31分台の大作でドラマチック。後半のピアノとギターがフィーチャーされる部分がけっこうジャジーで楽しい。同じ曲で小品ながらブラスの違った個性で聴かせる2、7曲目。美しいメロディの3曲目。4曲目は前半が淡々と進行し、後半がブラス・アンサンブルでメリハリが効いています。5曲目はその名の通りバロックと現在のブラスの中間か。もうひとつの目玉が6曲目の有名な「ヌー組曲」の再演。こちらの方がカッチリしている印象もありますが、美しいサウンド。(99年9月15日発売)

Workin' Out/John Campbell Trio

1198
Criss Crossレーベル順番聴き9日目。ジョン・キャンベルのこのレーベル唯一のリーダー作。ピアノの粒立ちはいいし、けっこう上手いピアニストだとは思うのですが、上手い以上に個性的な「何か」が求められるのかもしれません。確かにいろいろなジャズメン・オリジナルをそれなりの雰囲気で料理はしているんだけれども、第一印象は器用だな、ということ。アルバムとして聴いていて心地よい、そして時にスリリングな音を聴けるので水準以上だとは思います。ただ、個人的にはそれならばせめて1曲は彼のオリジナルを入れて欲しかったな、と思うわけで。この時代のアルバムには、やっぱりオリジナルかな、と感じます。


Workin' Out/John Campbell(P) Trio(Criss Cross 1198)(輸入盤) - Recorded June 2, 2000. Jay Anderson(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Four In One 2. Sky Dive 3. Duke Ellington's Sound Of Love 4. Steps 5. Maiden Voyage 6. Wonderful 7. Fall 8. Sea Journey 9. I Waited For You

(06/12/24)John Campbellの曲はなく、ジャズメン・オリジナルが多いです。器用なピアニストという印象。セロニアス・モンク作で、うまく彼の特徴をとらえてながら自分の色を出している1曲目、フレディー・ハバード作のやや静かなボッサ風のリズムでリリカルに展開する2曲目、チャールズ・ミンガス作のしっとりとしたバラードの3曲目、チック・コリア作のメカニカルでアップテンポなスリルを持つ4曲目、ハーヴィー・ハンコック作をオーソドックスなアプローチでの5曲目、レッド・ミッチェル作の温かいメロディのワルツで楽しめる6曲目、ウェイン・ショーター作のミステリアスな雰囲気で静かなアプローチをする7曲目、チック・コリア作で哀愁のあるメロディとカチッとした感じの8曲目、ソロ・ピアノでスタンダードを繊細に奏でる9曲目。

2006/12/28

Frifot/Per Gudmundson/Ale Moller/Lena Willemark

1690
Frifot/Per Gudmundson(Vln, Swedish Bagpipes, Vo)/Ale Moller(Mandola, Fl, Hammmered Dulcimer, Folk Harp, Shawn, Vo)/Lena Willemark(Vo, Vln, Fl)(ECM 1690)(輸入盤) - Recorded September 1998. - 1. Abba Fader 2. Stjarnan 3. Tjugmyren 4. Kolarpolskan 5. I Hela Naturen/Mjukfoten 6. Forgaves 7. Kare Sol/Sjungar Lars-polska 8. Hemvandaren 9. Fafanglighet 10. Silder/Bingsjo Stora Langdans 11. Dromsken 12. Skur Leja 13. Metaren 14. Roligs Per-latar 15. Om Stenen/Snygg Olle 16. Morgonlat

(00/03/17)ジャズの要素はなく、北欧のフォークソング(民族音楽)そのもの。 半分以上の曲がトラディショナルをアレンジしたものとなっています。エキゾチックで時々超人的な高音を発するヴォーカル。1曲目の3人でのコーラスも良いけれど、他にヴォーカルとフィドル(ヴァイオリン)やギター(Mandola)の絡み合うのが中心の曲が8曲あります。インストルメンタルもそれなりに味があります。たゆたうような、時に情熱的な北欧サウンドに身をゆだねている、と いった感じの曲が多いです。長調の曲もありますが、全体のイメージとしては北欧を思わせるような深い青から黒にかけての色を連想させます。どんよりしていて時々日がさす、といったところ。異国の地を空想でさまようには良いかもしれません。

Echonomics/Seamus Blake Quartet

1197
Criss Crossレーベル順番聴き8日目。シーマス・ブレイクのサックスはちょっと前から注目していて、なかなか良いとは思うのですが、このアルバムの聴きどころは、4人の演奏の絶妙なコンビネーションではないかな、と思います。1曲目は7拍子と定型的なフレーズが出てきて、それに合わせざるを得ないところはあったにせよ、例えば3曲目など、4人の音やビートがどんどん変化していって、いったいどこへ行ってしまうんだろうというような、スリルを味わうことができます。やっぱりこのメンバーだからでしょうか。あとは8ビート的な曲や、ポップス・ロックの曲も複数あって、その分4ビート的なノリは少なめです。


Echonomics/Seamus Blake(Ts) Quartet(Criss Cross 1197)(輸入盤) - Recorded December 15, 1999. David Kikosuki(P), Ed Howard(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Cirkle K. 2. Why Not 3. Last Minute Club 4. Children And Art 5. Echonomics 6. Rain Your Love Down 7. God Only Knows

(06/12/24)全7曲中Seamus Blake作は3曲(1、3、5曲目)。クァルテットのリーダー作で、バックの人材もスゴい。ややエキゾチックな7拍子のテーマで、その雰囲気と拍子がソロでも持続しつつ盛り上がる1曲目、8ビートのファンク的なミディアムの演奏で、管にエフェクター(?)をかけつつ進行する2曲目、浮遊感を絡めながら自由なビートからアップテンポの4ビートで盛り上がって突き進む感触のある3曲目、しっとりとしたメロディで穏やかに時間が通り過ぎていくようなバラードの4曲目、やはり8ビートでロックのノリにサックスが乗っかってエフェクターがかかるタイトル曲の5曲目、スティーヴィー・ワンダー作をボッサに近いテイストで唄い上げる6曲目、ビーチ・ボーイズの曲をカラッとした明るいバラードで演奏している7曲目。

2006/12/27

Surrogate Cities/Hiner Goebbels

1688
Surrogate Cities/Hiner Goebbels(ECM New Series 1688) - Recorded 1996. Jocelyn B. Smith(Vo), David Moss(Vo), Junge Deutsche Philharmonie, Peter Rundel(Cond), etc. - 1-10. Suite For Sampler Ond Orchestra 11-13. The Horatian - Three Songs 14. D & C (For Orchestra) 15. Surrogate 16. In The Country Of Last Things

出だしの10曲目までが「サンプラーとオーケストラのための組曲」。現代音楽らしい曲想の中で随所にサンプリングを使用。5、8曲目のサンプリングで大友良英のクレジットも。ジョスリン・B・スミスが11-13、16曲目にデヴィッド・モスが15-16曲目に参加していて、前衛的な現代音楽でありながら、そこからもはみ出して行こうとするエネルギーを感じることができます。11-13、15曲目はポップス・ロック系の雰囲気も。(00年9月23日発売)

Power Source/Ryan Kisor Quartet

1196
Criss Crossレーベル順番聴き7日目。なかなかスゴいメンバーでの演奏ですが、ピアノレス・クァルテットということもあり、管楽器のスペースが広くなってかなり自由な演奏が繰り広げられています。時にゆったりと、時にアグレッシヴに吹きまくったりとか。このことが逆に、聴き手の好き嫌いが出てくる要因でもないかな、とは思うのですが。私の場合、こういう演奏でも全然OKで、感触的にはオーネット・コールマンのバンドを洗練して現代的によみがえらせたようなバンドかな、という気もします。管好きには、この2人が揃っていれば買いでしょう、と思うのですが。ただ、ひとクセありますので注意、といったところでしょうか。


Power Source/Ryan Kisor(Tp) Quartet(Criss Cross 1196)(輸入盤) - Recorded June 11, 1999. Chris Potter(Ts), Jamse Genus(B), Gene Jackson(Ds) - 1. Power Source 2. Salome's Dance 3. Duke Ellington's Sound Of Love 4. New Picture 5. Bogie Stop Shuffle 6. Pelog 7. Bird Food

(06/12/24)Ryan Kisorの作曲は1曲目のみ。チャールズ・ミンガス作の3、5曲目、オーネット・コールマン作の7曲目が目をひきます。ピアノレスによる自由なスペースのある豪華なメンバーの演奏。アップテンポでテーマの2管ハーモニーが個性的な、そしてアドリブがけっこう堪能できるタイトル曲の1曲目、8ビート基調で10分を超える、割とアグレッシヴな演奏が聴かれる2曲目、ややスローでメロディアスな雰囲気が前面に出ていてミンガス作としてはきれいな印象のある3曲目、8分の6拍子でややおっとりとしたメロディのやり取りが聴かれる4曲目、アップテンポでちょっと泥臭いような雰囲気の曲がイメージどおりの5曲目、陽気でテンポも自在、ややユーモラスかつハードな6曲目、コールマン作の雰囲気が出ている7曲目。

2006/12/26

ジャズ批評135号(小さいお詫びと訂正)

2ヶ月前に「ジャズ批評134号」で、私の記事に誤植がいっぱいあったこと、書きました(「ジャズ批評の編集部は素人か」参照)。編集部にクレームの電話をした時は、訂正原稿で話の方向がつき、原稿依頼をしてきた花村圭さんにも、「訂正原稿でお願いします」、と言ったにもかかわらず、結果として今号には巻末付近に小さく「お詫びと訂正」だけで済まされてしまいました。 (編集部に電話した時、「訂正原稿にして次号もお送りします。」と言うのを聞いたのに、一方的に反故にされています。当然、今号は送ってきていません。)

だいたい「私の好きな1枚のジャズレコード2006」という特集で、アルバムタイトルを間違えてどうするんですか?それだけの間違いじゃなかったけれども。(「ジャズ批評社へのFAX」参照。)

話が違いますし、前回の致命的とも言える間違いと今回のおざなりの対応もあって、今後の定期購読をも含め、どうするか、もう一度考え直さなければな、と思っています。原稿を寄せる方としては、「冗談じゃない!」という気持ちが強いです。

それでも商業誌かい?と、思いますね。(少なくとも私の原稿のところは)商業誌にあるまじき校正なしが引き起こしたミスなので、これからでも遅くはないので、責任はちゃんと果たしてほしいと思います。

せめて、大きな誤植さえなければ、他の人と同じように、掲載されてうれしい、という状況にもなったのでしょうけれど、運命ってこんなもんですね(笑)。

いちおうここにも自分で作成した「ジャズ批評134号訂正原稿」をリンクしておきます。

(追記)30日になってジャズ批評社から135号(今号)を1冊送ってきました。他の今号に記事が掲載された方たちは25日には手元に届いているので、ここを読まれて、急いで送ったのではないかと思われます。いずれにしても、こちらの条件は訂正原稿なので、うれしくもなんともないし、1冊すでに買ってしまってます(笑)。

Litany To Thunder/Veljo Tormis

1687
Litany To Thunder/Veljo Tormis(ECM New Series 1687) - Recorded August 1998. Tonu Kaljuste(Cond), Estonian Philharmonic Chamber Choir - 1. How Can I Recognize My Home 2. Singing Aboard Ship 2. Curse Upon Iron 4. The Singer's Childhood 5. Songs Of The Ancient Sea 6. The Bishop And The Pagan 7. Litany To Thunder 8. The Lost Geese

邦題「雷鳴への連祷」。エストニア・フィルハーモニック室内合唱団の合唱による、ヴェリヨ・トルミス作品集。エストニアの伝統民族音楽を取り入れたような、哀愁の漂うエキゾチックな作風です。ところにより強い部分も。民族風のサウンドも印象的ですが、ECMらしく異郷の地の青い雰囲気が染み込んできます。曲によって男声、女性、混声、小人数での合唱と、変化に富んでいます。7曲目のタイトル曲は、なるほど、雷鳴。(00年8月23日発売)

Unseen Universe/Conrad Herwig Sextet

1194
Criss Crossレーベル順番聴き6日目。コンラッド・ハーヴィグのトロンボーンのフレーズは時に恐ろしく正確で速いのですが、他のメンバーもゴリゴリと速弾き(速吹き)をやってしまって、ものすごいメンバーが集まったものだなあと思います。昨日紹介した「ワン・フォー・オール」は現代ハードバップという感じのイメージなのに対して、今日のアルバムはもっとモーダル寄りの、スーパーフレーズ炸裂、といった感じで、自分の好みの現代ジャズのスタイルにより近いものを感じます。そういう意味では個人的オススメ盤です。途中スローな曲も当然入ってますけれど、1曲目とラストの曲のインパクトはけっこうありますね。


Unseen Universe/Conrad Herwig(Tb) Sextet(Criss Cross 1194)(輸入盤) - Recorded December 18, 1999. Alex Sipiagin(Tp, Flh), Seamus Blake(Ts, Ss), David Kikoski(P), James Genus(B), Jeff 'Tain' Watts(Ds) - 1. The Tesseract 2. From Another Dimention 3. Unseen Universe 4. Triangle 5. All Is One 6. Rebirth 7. Circumstantially Evident 8. The Magic Door 9. Three Degrees Of Freedom

(06/12/24)全曲Conrad Herwigの作曲で勝負しています。なかなかの精鋭ばかりのメンバー。曲もけっこう迫力。モーダルなアップテンポでこれでもかと全員で押しまくるスリリングな1曲目、ミディアムのボッサで郷愁を感じるようなテーマとソロで進んでいく中間色的な2曲目、ちょっと不安定感を漂わせながら変化をつけて進む、時に勢いもあるモーダルなタイトル曲の3曲目、8分の6拍子でちょっと沈んだ曲調で中盤盛り上がる4曲目、マイナーブルースですがモーダルにフレーズも暴れる5曲目、ピアノとのデュオでしっとりとした哀愁を奏でていくバラードの6曲目、メカニカルにアウトしたフレーズとファンクサウンドがカッコ良い7曲目、ややゆったりとした寒色系のサウンドの8曲目、アップテンポでこれでもかと攻めまくる9曲目。

2006/12/25

Rites/Jan Garbarek

1685
Rites/Jan Garbarek(Ts, Ss, Synth, Samples, Per)(ECM 1685/86) - Recorded March 1988. Rainer Bruninghaus(P), Eberhard Weber(B), Marilyn Mazur(Ds, Per), Jansug Kakhidze(Singer), Bugge Wesseltoft(Accordion, Synth) - 1. Rites 2. Where The Rivers Meet 3. Vast Plain, Clouds 4. So Mild The Wind, So Meek The Water 5. Song, Tread Lightly 6. It's OK To Listen To The Gray Voice 7. Her Wild Ways 8. It's High Time 9. One Ying For Every Yang 10. Pan 11. We Are The Stars 12. The Moon Over Mtatsminda 13. Malinye 14. The White Clown 15. Evenly They Dances 16. Last Rite

邦題「聖なる儀式」。ほとんどの曲がヤン・ガルバレク作曲。歌入りの曲 (11-12曲目)もあり、いろいろなサウンドを取り込んでいて、サウンドカラーも曲によりさまざま。再演曲もあります。民族音楽のエッセンス も少々漂い、なおかつメロディアスで聴きやすいアルバムで、どこを切ってもガルバレク節。タイトル曲の1曲目を含め、8、15-16曲目でBugge Wesseltoftが参加している曲は、シンセサイザーや他のエレクトロニクスのエフェクツを使用していますが、でてくるサウンドは電気的ながら郷愁を誘うような 曲もあります。8、15曲目はややリズミカル。逆にオーソドックス?なワン・ホーン・クァルテットの編成の演奏は3-4、6、9、14曲目ですが、エキゾチックな 哀愁を漂わせた演奏も。7曲目はやや元気な曲調。

The Long Haul/One For All

1193
Criss Crossレーベル順番聴き5日目。ワン・フォー・オールもレーベルを飛び越えて他レーベルでも録音していますが、それだけ人気もあって安定したグループなんでしょうね。聴いていて、ある種都会的なテーマでのハーモニーを持ち、しかもジャズらしくてカッコ良い面が確かにあります。ただ、聴いていてこれがグループの音(方向性)だ、というのも分かるのですが、もう少し広くてもいいのかな、という気もしますけれど。まあ、売れているグループです。今回はベースがピーター・ワシントンではなくてレイ・ドラモンドですがグループ名が存続しています。以前ドラムスのみ違った時はジム・ロトンディのリーダー作だったのですが。そういう細かいコダワリよりも、ジャズを聴いて楽しみましょうか。


The Long Haul/One For All(Criss Cross 1193)(輸入盤) - Recorded May 30, 2000. Eric Alexander(Ts), Jim Rotondi(Tp, Flh), Steve Davis(Tb), David Hazeltine(P), Ray Drummond(B), Joe Farnsworth(Ds) - 1. A Cry For Understanding 2. The Long Haul 3. Echoes In The Night 4. The Poo 5. The Good Life 6. Stash 7. Summer Nights 8. Nothin' To It

(06/12/23)5曲目以外はメンバーの作曲で、特に8曲目はグループ名義。ベースがレイ・ドラモンドに変更だけれどもグループ名は維持。モーダルなルバートではじまり、渋いテーマのハーモニーもカッコ良くせまってくる、これぞこのグループのサウンドといったややアップテンポの12分台の1曲目、ミディアムで少し抑制された洗練された都会的な要素を持つタイトル曲の2曲目、ラテン的なビートのやや中間色的なサウンドでノリのよい3曲目、ちょっと入り組んだテーマを持つややアップテンポの4曲目、ミディアムでややおっとりとした曲調の5曲目、5拍子系の陽気な感じもするリズムが弾む6曲目、ちょっと浮遊感がありながらも力強いファンク系のリズムのある7曲目、アップテンポでの現代ハードバップとでも言うべきな9曲目。

2006/12/24

Criss Cross 1150番-1199番終了

Criss Crossレーベルで「1150番-1199番」のアルバムコメントを半年以上かかって完成させました。

6月に1150番からはじめて、途中ペースが落ちてしまったので、だいぶ長引くかなと思っていたのですが、何とか年内に1199番までを終えることが出来ました。今日はもう1枚、1200番までを聴きました。

次はまだコメントをつけていない1201-1239番までをコメントを付けていく予定です。これから出る新譜以外ではそれでラストになります。終わるのは時期的にはいつになるか未定ですが、少しスピードアップをしたいと思います。次にまたやりたいことがあるので。

とりあえず、メリークリスマス!
(私はこの24日は、夜まで部屋にこもってCD聴きでした(笑)。家族持ちにはヤバかったかな?と思います。)

Epigraphs/Ketil Bjornstad/David Daring

1684
Epigraphs/Ketil Bjornstad(P)/David Daring(Cello)(ECM 1684) - Recorded September 1998. - 1. Epigraph No.1 2. Upland 3. Wakening 4. Epigraph No.2 5. Pavane 6. Fantasia 7. Epigraph No.1, Var.2 8. The Guest 9. After Celan 10. Song For TKJD 11. Silent Dream 12. The Lake 13. Gothic 14. Epigraph No.1, Var.3 15. Le JOur S'endort 16. Factus Est Repente

比較的短い曲が全16曲。ピアノとチェロのデュオで、主にケティル・ビヨルンスタのオリジナルが中心。また、デヴィッド・ダーリングの曲が2曲と、15世紀から17世紀の作曲家の作品も4曲ありますが、クラシック(バロック?)作品との違和感がほとんどなく、うまく溶け込んでいます。オリジナル中心でなければECM New Seriesに入れても良いのではないかと思うクラシックっぽい内容のアルバム。相変わらず色彩感覚は寒色系のダークな色使いですけれど、演奏はナチュラルな感じなので、ピアノとチェロの静かな語りかけに身を沈めて聴くと心地良いかもしれません。ヴァージョンを変えて4回出てくるタイトル曲の「エピグラフ」が印象的ではあります。 ジャズではないけれど、最近のECMのサウンドのような気がします。(00年6月1日発売)

The Gospel Truth/Wycliffe Gordon Sextet

1192
Criss Crossレーベル順番聴き4日目。今日はワイクリフ・ゴードンのレーベル初リーダー作で、この後何枚ものリーダー作を出すようになるので、比較的売れているんじゃないかと思います。ただ、彼はウィントン・マルサリスのグループにいたせいか、モダンジャズ以前の古いスタイルを強調するところがあって、このアルバムでもそのスタイルとゴスペルを強調しています。知っているメロディが何曲もありますね。個人的にはあまり好みではないスタイルですが、古いとは言っても、フレーズ自体は「今」のミュージシャンですから、必ずしも全体が古いわけではないです。こういうジャズを好きな方も世界では多いんでしょうね。


The Gospel Truth/Wycliffe Gordon(Tb, Tuba, Vo) Sextet(Criss Cross 1192)(輸入盤) - Recorded May 31, 2000. Marcus Printup(Tp, Vo), Victor Goines(Ts, Bs, Cl), Eric Reed(P, Vo), Reuben Rogers(B), Winard Harper(Ds), Carrie Smith(Vo), Jurt Stockdale(As), Jennifer Krupa(Tb), Dion Tucker(Tb) - 1. Jesus Loves Me 2. The Deacon's Moan 3. What A Friend We Have In Jesus 4. The Load's Prayer 5. There(s A Tree 6. The Gospel Truth 7. Take My Hand, Precious Load 8. The Hallelujah Scat 9. We Have Come Into This House 10. The Battle Hymn Of The Republic 11. The Mseeage

(06/12/22)Wycliffe Gordonの初リーダー作で、彼の作曲は4曲(2、6、8、11曲目)。ゴスペルやオールド・スタイルのジャズが満載なので、モダン・ジャズを目的で聴いている人には、ちょっと方向性が違うアルバムかも。ウィントン・マルサリスのバンドにいた影響か。でも、個々のフレーズは今風の部分も。思いっきり明るい昔のサウンドのジャズが出てくる1曲目からはじまって、2、5曲目はゴスペルのヴォーカルで、ブルースにも通じるようなサウンド。トラディショナルをはじめ、どこかで聴いたことのある懐かしいメロディの曲も多いので、そういう意味では楽しい。4曲目のようにしっとりとしたバラードも。コッテリとした感じのカップを使ったトロンボーンが活躍するややアップテンポの8曲目、同様なトロンボーンのソロの11曲目。

2006/12/23

ジャズ批評を中古で購入

某所でセールがあって、ジャズ批評の古いバックナンバーを購入できました。

16号 特集: 甦るか、アメリカのジャズ・シーン
22号 特集: ジャズ史を転換したエネルギー
23号 特集: 変遷から分岐へ=何がどう替わってきたか’68-75
27号 特集: 燃え上がるビッグアップル
28号 特集: ジャズをとりまくブラック・アメリカの周辺
29号 特集: クロスオーバー・ミュージック
30号 特集: 私の好きな1枚のジャズレコード
34号 特集: ジャズはいま80年代に向かって
40号 特集: アルト・サックス

昭和57年発行の43号からは続けて購入しているのですが、この中でも16号は昭和48年発行。本当ならば他のバックナンバーも揃えたいところですけれど、まあ、上記のものを比較的安価に買えて、満足しています。

Open Land/John Abercrombie

1683
Open Land/John Abercrombie(G)(ECM 1683) - Recorded September 1998. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds), Mark Feldman(Vln), Kenny Wheeler(Tp, Flh), Joe Lovano(Ts) - 1. Just In Tune 2. Open Land 3. Spring Song 4. Gimme Five 5. Speak Easy 6. Little Booker 7. Free Piece Suit(e) 8. Remember When 9. That's For Sure

洗練された涼しいオルガン・トリオがあるとすれば、おそらくこのメンバーが唯一ではないかと思います。オルガン・トリオの4枚目で曲によりゲストが入れ替わります。相変わらず透明度の高いギター。全体的にメロディアスで案外聴きやすいアルバム。1曲目は哀愁を帯びたメロディとケニーのホーンが印象的。2曲目は密度の高いテーマと自由な アドリブ空間の対比が面白い。ふつふつと情念がよぎってギターとテナーが心に染みる3曲目、5拍子のマイナー調が心地よい4曲目、淡々としつつもメロディが印象に残る5曲目、テーマもソロもメロディアスな6曲目、ヴァイオリンが印象的なフリー・インプロヴィゼーションの7曲目、ホーンによるテーマとソロが哀愁を誘う8曲目。9曲目は肩の力が抜けた明るめの小品。(99年9月15日発売)

In Focus/Michael Karn Quintet

1191
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。このレーベルには何度も登場する人と少ししか登場しない人と分かれるということを以前書きましたけれど、マイケル・カーンもこのレーベルではこのアルバムを含めて2枚しか参加していません。曲自体繊細な響きを持っていて良く練られた感じがして、音はシャープだけれどもフレーズの雰囲気としてはマロい感じもして、好印象は持ちました。ただ、4曲目などはバリバリ吹いている割には、押し出しの点でちょっと弱いかな、という気もします。でも、アルバムとしてはメンバーが強力なのでけっこう良いとは思います。ピーター・バーンスタインのギターがけっこう前面に出ています。


In Focus/Michael Karn(Ts) Quintet(Criss Cross 1191)(輸入盤) - Recorded June 5, 1999. Peter Bernstein(G), David Hazeltine(P), Reuben Rogers(B), Gregory Hutchinson(Ds) - 1. Momentum 2. Grant's Tune 3. D And B 4. Smile 5. One Bedroom Blues 6. A Time For Love 7. The Highest Mountain

(06/12/22)全8曲中3曲がMichael Karnの作曲(1、3、5曲目)。これ以前には双頭アルバムがあり、実質的な初リーダー作。曲の作り方に繊細なところがあるかも。ちょっと浮遊感のある都会的なアプローチで不思議なメロディとソロが展開していき、最後に絡み合う10分台の1曲目、グラント・グリーン作のミディアムでちょっと渋めなサウンドを伴った2曲目、ピアノとのデュオで静かで研ぎ澄まされたバラードが進行していく3曲目、チャーリー・チャップリン作の曲を、テーマは滑らかでソロは急速調、変化に富んだアップテンポで演奏している4曲目、洗練はされているけれどもタイトルどおりの完全なブルースの5曲目、ソフトでスローに包み込むようなバラードの6曲目、ややアップテンポでモーダルさも少しは感じられる7曲目。

2006/12/22

Sonate B-Dur D960 Op. Posth/Franz Schubert

1682
Sonate B-Dur D960 Op. Posth/Franz Schubert(ECM New Series 1682)(輸入盤) - Recorded July 1985. Valery Afanassiev(P) - 1. Molto Moderato 2. Andante Sostenuto 3. Scherzo: Allegro Vivace 4. Con Delicatezza - Trio Allegro, Ma Non Troppo

(04/04/11)New Series 1328, Edition Lockenhaus Vol. 3を品番と装丁を変えての再発。シューベルトは19世紀オーストリアの作曲家。遺作となった3つのピアノソナタのうちのひとつだそうですが、死の影は全然感じられず、むしろ温かみのある明るい世界を見せてくれるようなサウンド。世間では評価が高い曲だけあって、聴きやすく、その音のドラマの中へ入りこんでいくような感じがします。ゆったりふんわりとした感じが心地良いです。


1328
Franz Schubert: Sonate B-Dur D960 Valery Afanassiev/Gidon Kremer/Edition Lockenhaus Vol. 3(ECM New Series 1328) - ECM New Series 1682で再発

Almost Twilight/David Kikoski Trio

1190
Criss Cross順番聴き2日目。今日のアルバムは強力でした。ピアノ・トリオでメンバーもさることながら、そのメンバーで繰り出すフレーズが有機的に絡みつき、全曲オリジナルなのに、どの曲も良くてパンチを浴びせられたような気分。曲の素材も工夫があるので、デヴィッド・キコスキーはやはりタダ者ではないな、と思わせます。8曲目はおそらくテーマだけを決めたフリーでもあると思うのですが、そこを3人で寄ってたかって素晴らしい演奏を聴かせてしまっています。派手か地味か、まあスタンダードがない分地味なのでしょうけれど、演奏自体はどの曲もハッキリと聴き分けられるくらいの印象をもってせまってきます。ただ、全曲オリジナルということで好き嫌いは分かれるかも。


Almost Twilight/David Kikoski(P) Trio(Criss Cross 1190)(輸入盤) - Recorded December 11, 1999. John Patitucci(B), Jeff 'Tain' Watts(Ds) - 1. Waiting For G.M. 2. Rose Part 1 & 2 3. Water 4. Games 5. Almost Twilight 6. Betrayal 7. Blues In The Face 8. Opportunity 9. Immediacy

(06/12/20)全曲David Kikoskiの作曲。メンバーがスゴいです。ラテンノリのベースの上を自由奔放にかけめぐるピアノのフレーズの1曲目、浮遊感がありつつも自由に3人が寄り集まって、美しいフレーズもあるドラマチックな、前半4ビート、後半ボッサ的な12分台の2曲目、複雑で音がつまったテーマから3拍子のラテン系ノリのアドリブに突き進む3曲目、少しエキゾチックなテーマと変化に富んだ自由なソロの4曲目、中間色的な繊細さと美しいメロディもあるタイトル曲の5曲目、変化しつつメカニカルなアプローチが印象的な6曲目、本格的なブルースのフレーズが出てくるミディアムでの7曲目、ちょっと不安感も交えてしっとり感の高いバラードからフリー方面にも行く8曲目、メカニカルかつスピーディーで目まぐるしい9曲目。

2006/12/21

Ignis/Paul Giger

1681
Ignis/Paul Giger(Vln)(ECM New Series 1681) - Recorded June 1998. Marius Ungureanu(Viola), Beat Schneider(Cello), Estonian Philharmonic Chamber Choir, Tonu Kalijuste(Cond) - 1. Organum 2. Karma Shadub 3. Tropus 4. Alleluja 5. O Ignis

弦楽三重奏の演奏と、曲によって合唱団も参加した(2-3、5曲目)アルバム。中世音楽が素材になっていて現代のアレンジを施したものが中心とのことです。サウンドは古くはありませんが、中世の音楽は基本的に宗教音楽なので、特に合唱団が参加した曲は荘厳な感じがします。2曲目は21分台の、持続音から徐々に盛り上がって、その上をさまようヴァイオリンの独奏の曲。27分台の5曲目も、哀愁・荘厳路線です。(00年9月23日発売)

Blue Suite/Gary Smulyan And Brass

1189
Criss Crossレーベル順番聴き再び1日目。今日はジャズでは最強のバリトン・サックスではないかと思われる、ゲイリー・スムリアンのビッグ・バンド作品です。コンボ以外の編成ってこのレーベルにしてはかなり珍しいし、ボブ・ベルデンのアレンジもフレンチ・ホルンやチューバを交えて、いわゆるビッグ・バンド・サウンドと言うよりはちょっとまろやかなところが気に入っています。ただ、ブルースをテーマにしたとは思えるのですが、あまりオーソドックスなブルースっぽくないのですね(笑)。ラストの曲ぐらいかな。だからあまりブルース作品とはとらえずに聴いても気がつかないんじゃないかと思います。基本的にボブ・ベルデンのアレンジは好みなので、このアルバムは良かったと思いました。


Blue Suite/Gary Smulyan(Bs) And Brass(Criss Cross 1189)(輸入盤) - Recorded December 9, 1999. Bob Belden(Arr), Bill Charlap(P), Christian McBride(B), Kenny Wqashington(Ds), Earl Gardner(Tp), Greg Gisbert(Tp), Scott Wendholt(Tp), John Mosca(Tb), Jason Jackson(Tb), Douglas Purviance(Btb), John Clark(French Horn), Fred Griffith(French Horn), Bob Stewart(Tuba) - 1. Interlude Blue Sute: 2. Blues Culture 3. Blues In My Neighborhood 4. Charleston Blue 5. Blues Attitude 6. Blue Speed 7. Blues Gentility 8. Blue Stomp

(06/12/20)1曲目のみオリヴァー・ネルソン作、他は組曲構成でブルースをテーマにしたボブ・ベルデン作。レーベルでは珍しいビッグバンド編成。もちろん、ゲイリー・スムリアンのバリトン・サックスもバリバリ。メロディアスながらアップテンポで分厚いアンサンブルとソロの対比が印象的な1曲目、少しスローでややメロディアスなコードを持っている2曲目、ボッサ的なリズムで淡色的かつソロは熱い気もするその対照が面白い3曲目、スローなテンポでのホーンが包み込むようなバラードの4曲目、モーダルさがなかなかブルースを感じさせる8分の6拍子の5曲目、アップテンポのドラムス、ベースがメインで、管のソロを展開する7曲目、あや織り系のサウンドのバラードの8曲目、最後でやっとブルースらしい曲が出てきた8曲目。

2006/12/20

From The Green Hill/Tomasz Stanko

1680
From The Green Hill/Tomasz Stanko(Tp)(ECM 1680) - Recorded August 1998. John Surman(Bs, Bcl), Dino Saluzzi(Bandoneon), Michelle Mekarski(Vln), Anders Jormin(B), Jon Christensen(Ds) - 1. Domino 2. Litania (Part One) 3. Stone Ridge 4. ...Y Despues De Todo 5. Litania (Part Two) 6. Quintet's Time 7. Pantronic 8. The Lark In The Lark 9. Love Theme From Farewell To Maria 10. ...From The Green Hill 11. Buschka 12. Roberto Zucco 13. Domino's Intro 14. Argentyna

国際的なメンバーの集まりで、しかも個性的な楽器編成なので、その組み合わせが面白い。しかも、東欧、北欧、イギリス、アルゼンチンと、音の色彩感覚豊かな広がりがうれしいアルバムです。ただしそこに広がる光景はやはり寒色系の深く沈んだ渋い世界のような気がしています。前作にもあったクリストフ・コメダの「リタニア」が2テイクと、ジョン・サーマンの曲が3曲。「リタニア」は小品ながら、深みがあります。他はトーマス・スタンコ自身のオリジナル。通常の長さの曲と短い曲が混在し、哀愁系とフリー・インプロヴィゼーション系の曲のイメージが行きつ戻りつしています。 特に哀愁系の曲は、深く心の中に入りこんでくるメロディです。タイトル曲の10曲目は、淡々と内省的な語り合いが続く曲です。(99年11月1日発売)

ユリ・ケイン・アンサンブルPlaysモーツァルト

Urimozart
Winter&Winterレーベルがもう1日続きます。とは言え、このアルバムは国内盤が出たくらいで、落穂拾いではありませんが(笑)。ユリ・ケインがクラシックを自由すぎる(ジャズに引っ張るという意味で)解釈で何枚もアルバムを出していますが、これもなかなか。9曲目の「トルコ行進曲」は、本当にトルコの変拍子の民族音楽風ではじまるし、K545のソロ・ピアノの曲、1、5曲目あたりはまだクラシック色が強いものの、第3楽章の10曲目になると、モロにストライド・ピアノのジャズ風の演奏だったり。通常はテーマのみクラシックでアドリブは4ビートというパターンが多い中、キチッと構築してユーモラスな、時にシリアスな演奏を聴かせるのは見事。


ユリ・ケイン(P)・アンサンブルPlaysモーツァルト(Winter & Winter)
Uri Caine(P) Plays Mozart(Winter&Winter 910130-2 Music Edition) - Recorded June 2006. Joyce Hammann(Vln), Chris Speed(Cl), Ralph Alessi(Tp), Nguyen Le(G), DJ Olive(Turntables), Drew Gress(B), Jim Black(Ds) - 1. Piano Sonata In C Major K545 First Movement 2. Symphnu 40 In G Minor K550 First Movement 3. Symphony 41 In C Major K551 Second Movement 4. Clarinet Quintet In A Major K581 Fourth Movement 5. Piano Sonata In C Major K545 Second Movement 6. Sinfonia Concertante In E Flat Major K364 Third Movement 7. "Batti, Batti, O Bel Masetto" Aria From "Don Giovanni" K527 8. "Bei Mannern, Welche Liebe Fuhlen" Duet And "Der Holle" Rache Kocht In Meinem Herzen" Aria From "Die Zauberflote" K620 9. Turkish Rondo From Piano Sonata In A Major K331 10. Piano Sonata In C Major K545 Third Movement

モーツァルトのジャズ・アレンジでも、ユリ・ケインの手にかかるとクラシックとジャズやアヴァンギャルドの世界を行き来する、独特なサウンドになります。ピアノのソロのクラシックで、ほんの少し違和感のあるサウンドを乗せた、キーワードの1曲目、民族音楽のような混沌とした異世界からモーツァルトを浮かび上がらせるジャズ的な12分台の2曲目、クラシックとジャズを兼ね合わせたようなサウンドの3曲目、クラリネットがホンワカした感じの4曲目、再び主題の第2、3楽章をソロでの5、10曲目、明るめでターンテーブルもフリーもありの6曲目、おっとりとしたサウンド、途中からワルツのジャズピアノやモーダル感の出る7曲目、ロックビートクラシックとでも言うべき8曲目、ホントに「トルコ行進曲」になった民族色の強い9曲目。(06年11月23日発売)

2006/12/19

年末進行(笑)

仕事の方がこの時期ピークを迎えていて、深夜残業とまではいかなくても、けっこう忙しいです。そして、今現在「ジャズCDの個人ページBlog」のストックは明日(20日)分まで。読者の方から以前、ここで愚痴るなとお叱りを受けたこともあって、なるべく書かないようにはしているんですけれど、2年以上続けてきた毎日更新(実際には時間があるときにまとめて書いておいて、時間が来たら毎日自動でアップされる仕組みです)が、途切れるかどうかというところです(笑)。

なぜ毎日更新にこだわっているかというと、このペースで聴いていかなければ、当面聴くものが片付いていかないということ、そして、今のペースですら過去のアルバムのコメント直しもほとんどストップしている状態で、間隔をのばすと前に進んでいかない、ということもあります。

楽しいか苦痛かと聞かれると、やっぱりそれでも楽しいことに変わりはありませんけれど、あまり無理をするのもどうかなあ、と思うようにもなりました。構想的には毎日更新を維持するつもりですが、更新間隔が開いてしまった場合はごめんなさいということで、ここで予防線を張っておきます(笑)。

Messe Noire/Alexei Lubimov

1679
Messe Noire/Alexei Lubimov(P)(ECM New Series 1679)(輸入盤) - Recorded May 1998 and December 2000. - 1-4. Igor Stravinsky: Serenade In A 5-7. Dmitri Shostakovich: Sonata No.2 Op.61 8-10. Sergey Prokofiev: Sonata No.7 Op.83 11. Alexander Scriabin: Sonata No.9 Op.68

(05/08/04)19世紀から、主に20世紀のロシア(ソビエト連邦)の作曲家4人を取り上げたピアノのアルバム。録音してからだいぶ経ってからの発売(’05年)は謎ですが、内容はオーソドックスな部分と、それより多くの現代的な部分を占めながら、難解な曲もあるのにあまりそう聴こえないのがこの(曲)アルバムの特徴かも。ロシアの作曲家を集めてそれらしい曲調。温度感はあまり低くない曲もあります。ただ、良い演奏だと思います。

Requiem For A Dying Planet/Werner Herzog/Ernst Reijseger

Requiem
Winter&Winterレーベル落穂拾い7日目にして最終日。やっぱり今までの7日間、見落としていたアルバムだけのことはありました(笑)。このアルバムも、ジャズというよりは欧州辺境系とアフリカのゴッタ煮的な、そして宗教的意味合いがあるかどうかは分かりませんが、荘厳な感じがするアルバム。ある意味、ECMのステファン・ミカスのコーラス入りのアルバムの部分に似たものを持っています。やっぱり欧州ではこういうサウンドが好まれるのかもしれません。映画音楽とのことで、映画にこういうサウンドが使われるって、どんな映画だろうと想像させることはあります。不思議な味わいを持ったアルバムです。


Requiem For A Dying Planet/Werner Herzog/Ernst Reijseger(Cello, Voice)(Winter&Winter 910127-2 Music Edition)(輸入盤) - Recorded June 12-13, October 10, 2004. Mola Sylla(Vo, M'bira, Xalam), Voches De Sardina: Tenore E Cuncordu De Orosei: Patrizio Mura(Voche), Gianluca Frau(Voche E Cronta), Mario Siotto(Bassu), Piero Pala(Voche E Mesuvoche), Massimo Roych(Voche E Mesuvoche) - 1. Intro Dank Sei Der Gott 2. Dank Sei Der Gott 3. Longing For A Frozen Sky 4. A Una Rosa 5. Libra Me, Domine 6. In Search Of A Hospitable Place 7. Sanctus 8. Bad News From Outer Space 9. Su Bolu 'e s'Astore 10. Mura/Ballu Turturinu 11. Song Of The Desert 12. Kyrie

(06/12/17)Werner Herzog作の2つの映画の、音楽集。映画は「The Wild Blue Yonder」「The White Planet」。一部のトラディショナルやクラシックを除いて作曲がエルンスト・レイスグル、歌詞があるものは作詞がMola Syllaというパターンが多いです。チェロのクラシック的な要素と、アフリカのヴォーカルにサルディナの男声コーラスがかぶさるという、異種混合の民俗音楽的な曲調で、淡々としていながらもけっこう印象は強め。やっぱり西欧の曲調を基調に、アフリカのヴォーカル、曲のよっては民族楽器を入れたところが逆に哀愁というか叙情感を誘っています。流れるようなチェロのアルコ、あるいはピチカートをバックに、ある意味荘厳に、ある意味朗々と歌が展開していくのは、無国籍的ながらも宗教的な要素を感じさせる音楽。

2006/12/18

Tales Of Rohnlief/Joe Maneri/Barre Phillips/Mat Maneri

1678
Tales Of Rohnlief/Joe Maneri(As, Ts, Cl, P, Voice)/Barre Phillips(B)/Mat Maneri(Vln)(ECM 1678) - Recorded June 1998. - 1. Rohnlief 2. A Long Way From Home 3. Sunned 4. When The Ship Went Down 5. The Aftermath 6. Bonewith 7. Flaull Clon Sleare 8. Hold The Tiger 9. Canzone De Peppe 10. The Field 11. Nelgat 12. Elma My Dear 13. Third Hand 14. Pilvetslednah

フリー・ジャズの部類に入るのではないかと思うのですが、マネリ親子は1オクターヴを72音階に分ける「微分音」の奏者だとのことです。アルバム全体にわたってビートを刻む楽器がなく、しかも平均率にどっぷり使っている私にとっては耳慣れない音階でアンサンブルがうねる不思議な流れ。時々ヴォイスが出ますが、これも不思議な音階。爆発する事もあまりなく淡々と、しかもテンポも不明の流れにのって時間が過ぎ去っていきます。ある意味で聴くものに忍耐を強いる儀式となるかも しれません。14曲ありますが、曲ごとに聴くよりは通して聴くアルバムではないかと思います。たまに出てくるピアノが、フリーながらも音階的にホッとします。 ここに加わっているバール・フィリップスも雰囲気を合わせています。(99年9月15日発売)

Continuum/Georg Graewe/Ernst Rejiseger/Gerry Hemingway

Continuum
Winter&Winterレーベル落穂拾い6日目。もうこのあたりのアルバムって今年発売されているんですね。昔のジャズ色の強かったアルバムもあった時代と違い、これもジャズなのだけれども、ある意味ちょっと硬質なフリー・インプロヴィゼーション(ニュアンス的にフリー・ジャズと言ってもいい部分もあります)。楽器編成がチェロを伴ったトリオということで、ECMレーベルをけっこう意識しているんではないかと思うのですが、聴いた限りではECMマジックのような不思議な感覚は少なく、まあ、温度感が低くて空間的な演奏が多いながらも、求心力は強くなく、フツーのフリーかな、という印象。やっぱりこういう世界を表現するのって、難しいのかな、と思います。


Continuum/Georg Graewe(P)/Ernst Rejiseger(Cello)/Gerry Hemingway(Ds, Per, Marimba, Celecta)(Winter&Winter 910118-2 Music Edition)(輸入盤) - Recorded April 5, 2005. - 1. Continuum Phase 1 2. Continuum Phase 2 3. Continuum Phase 3 4. Continuum Phase 4 5. Continuum Phase 5 6. Continuum Phase 6 7. Continuum Phase 7 8. Continuum Phase 8 9. Continuum Phase 9 10. Continuum Phase 10

(06/12/16)全曲3人のフリー・インプロヴィゼーション。だいたいの場面は静かなフリーで温度感は低いけれども、やっぱりトンガっている部分というかむき出しの部分、ある程度賑やかな部分もあるようで、そこがECMとは違う気もしています。でも、実際にブラインドでレーベル当てをしたら分からないだろうなあ、というぐらいには似ています。空間的なやり取りでほぼ全面を埋め尽くし、そこに時々飛び出る各楽器の研ぎ澄まされたフレーズ。10曲には分かれてはいるけれども、各曲として聴くよりは一連の作業を聴いていくという感じ。チェロも本来のアルコの音ではなく、特殊な音を使用することが多いみたいです。その中でピアノは硬質ながらやや落ち着いた音で空間を紡ぎあげて行く感じ、時に速いパッセージが転がります。

2006/12/17

Music For Two Pianos/Mozart/Reger/Busoni

1676
Music For Two Pianos/Mozart/Reger/Busoni(ECM New Series 1676/77) - Recorded November, 1997. Andras Schiff(P), Peter Serkin(P) - 1. Fugue In C Minor For Two Pianos K.426 Allegro Moderato 2-15. Variations And Fugue On A Theme Of Beethoven For Two Pianos Op.86 16-27. Fantasia Contrappuntistica For Two Pianos Busoni-Verzeichnis 256b 28-30. Sonata In D Major For Two Pianos K.448/375a

邦題「2台のピアノのための作品集」。クラシック界の個性的な2人のピアニストが出会った作品とのことですが、残念ながら今の私にはその個性が分かりません。ただ、2台のピアノで広がりのある素晴らしい音世界を繰り広げていることは分かります。モーツァルトは18世紀の、レーガーとブゾーニは19世紀から20世紀にかけての音楽家。大半はフーガの曲とのこと。やっぱりモーツァルトが分かりやすい音世界。(99年8月22日発売)

Las Vegas Rhapsody - The Night They Invented Champagne

Lasvegas
Winter&Winterレーベル落穂拾い5日目。ヴォーカルのTheo Bleckmannと安田芙充央氏のアルバム。、ジャズというとちょっとイージーリスニング的な感じもして、ソフト。ラスベガスのショーをイメージしたものだと思われますが、オーケストラを使っていてけっこうゴージャスな雰囲気をかもし出しています。ピアノでジャズっぽく感じの曲もありますけれど、そのピアノのフレーズはあくまでも明るく、といったところで、いわゆるジャジーとは別物ではないかというサウンドカラー。こういうサウンドも聴きやすくてアリかなとは思うのですが、聴くターゲットを選ぶのにちょっと苦労するのではないか、という感じもします。


Las Vegas Rhapsody - The Night They Invented Champagne(Winter&Winter 910116-2 Music Edition)(輸入盤) - Recorded July 11-14, 2005. Theo Bleckmann(Vo), Fumio Yasuda(Cond, P), Kammerorchester Basel - 1. Las Vegas Rhapsody 2. Out Of My Dreams 3. The Night They Invented Champagne 4. Teacher's Pet 5. True Love 6. You Make Me Feel So Younf 7. Chim Chim Cheree 8. A Gal In Calico 9. You Go To My Head 10. Smoke Gets In Your Eyes 11. We Kiss In A Shadow 12. Button Up Your Overcoat 13. I've Got A Gal In Kalamazoo 14. Luck Be A Lady 15. My Favorite Things 16. Las Vegas Rhapsody - Epilogue

(06/12/16)Theo Bleckmannと安田芙充央氏の曲を最初とラストに配し、スタンダードその他聴きやすいスローからミディアムのヴォーカル曲が多く並んでいます。安田氏はクラシック畑の人と思うのですが、オーケストラを率いて、まさにラスベガスでの大掛かりな音楽ショーを聴かせている雰囲気がなかなかゴージャスでいい感じ。Bleckmannの男性ヴォーカルは高めな音域でけっこう甘い声。むしろこの声だと純ジャズでは印象が薄いのかなと思えますが、オーケストラをバックにソフトに歌っている感じは、なるほど、この特集に向いているのかな、と思います。ピアノもある程度ジャズっぽく弾いている場面もあり、淡いジャズ・ヴォーカルの雰囲気と豪華さを味わいたいのには向いています。イージー・リスニング的と言えなくもない。

2006/12/16

コンサート観てきました

このところ全然行ってなかったのですが、「かわさきXmasジャズコンサート」のチケットをいただいたので、久しぶりに行って楽しめました。(1人ですが。(笑))イメージと違ってけっこう良かったですよ。仕事があったので、その帰りに立ち寄って、開場に間に合いました。

最初は大師高校+αの吹奏楽でしたが、まあまあイケる感じ。ライヴだと高音の自然さとその高音にまつわる各楽器の音(特にピアノ)が家では絶対出せないので、その確認にもなりました。双方向性のコミュニケーションのノリもありますし。

そして、VACILATOのラテンジャズではカミロの「Suite Sandrine Part 1」破天荒ヴァージョンとでも言える演奏もあり、ノリノリでした。岡部洋一(Per)(大学時代、同じサークルにいたことがあることを発見)はけっこう有名ですね。ドラムスは平山恵勇。後半ギラ・ジルカのヴォーカルが加わって、パーカッション合戦になった曲も。井上信平(Fl)、高橋ゲタ夫(B)、深井克則(P)という編成。

最後の金井英人ユニットと前田憲男はユーモアもあり、モーダルやフリー系も出しつつやっぱりタダモノのベテランではないな、という印象。2人とも70歳を超えてます。

ライヴには足を運んでおきたいな、と思うのですが、今日みたいに多少空席があるところで(今日は全席自由でした)、横の席に荷物を置けるくらいがちょうど鑑賞にはいいです。ギュウギュウ詰めのホールの座席が苦手なもので(笑)。

The Melody At Night, With You/Keith Jarrett

1675
The Melody At Night, With You/Keith Jarrett(P)(ECM 1675) - Recorded December 1998. - 1. I Loves You Porgy 2. I Got It Bad And That Ain't Good 3. Don't Ever Leave Me 4. Someone To Watch Over Me 5. My Wild Irish Rose 6. Blame It On My Youth - Meditation 7. Something To Remember You By 8. Be My Love 9. Shenandoah 10. I'm Through With Love

ほとんどスタンダードでかためたピアノのソロアルバム。知っているメロディが多いのでより親しみを感じます。大半の場面では音数が多くなく、力が抜けていてゆったりとたゆたうように流れるピアノ。ジャズと言うよりは、自然発生的なやさしいフレーズが紡ぎ出され、何と穏やかなピアノなんだろう、と聴いていて思います。2曲目などはフレーズが次から次へと繰り出されても、それでも穏やかなバラードの世界。ECMでは珍しく、ほんのりと温かみを感じます。 キース・ジャレットは体調を崩していて、その調子が良くなりかけた時の録音だそうですが、体調不良が逆に良い方に作用したのかどうか。物足りない、と思う方もいるはずですが、私は好きです。キースのこういう世界は、このアルバムだけになるかも しれません。(99年10月14日発売)

Eleventh Hour/Fred Frith

Fredeleven
Winter&Winterレーベル落穂拾い4日目。4日目にしてフレッド・フリスの3日目でもあります。ギタリストの彼ながら、3枚中2枚が現代音楽、1枚がアヴァンギャルドな音楽と、ジャズ度がなくて聴くのにけっこう忍耐を要します(笑)。例えばECMでもギタリストのテリエ・リピダルあたりがこういう現代音楽の作曲もやったりするのだけれど、トンガリ度がこちらの方がハンパではないと言うか何と言うか。ギターらしい音があまり出てこない、という点で、非イディオム的なフリーも目指しつつ、現代音楽中の現代音楽とでも言うべき内容の曲を書いているのは特筆すべきことかも。ただ、いつも聴いていたい音楽でもなさそう。


Eleventh Hour/Fred Frith(G)(Winter&Winter 910103-2 Music Edition)(輸入盤) - Recorded June 2003, March and May 2004. Arditti String Quartet: Irvine Arditti(Vln), Graeme Jennings(Vln), Ralf Ehlers(Viola), Rohan De Saram(Cello), Uwe Dierksen(Tb), William Winant(G) - 1-9. Lekekovice 10-14. Tense Serenity 15-17. Allegory 18. Stick Figures 19. Fell

(06/12/11)CD2枚組。全曲Fred Frithですが、やはり現代音楽として聴く作品。1-9曲目はストリング・クァルテット、10-14曲目はそのうち3人とトロンボーン、15-17、19曲目がストリング・クァルテットと彼のギター、18曲目はギター2人としての取り合わせ。ギターはCD2枚目の方しか出てきませんが、やっぱりアヴァンギャルドな音使いではあるけれど、ギター的なフレーズが出てくるわけでもなし、どちらかというと効果音的な、あるいはストリングスに同化するような使用方法という感じがぴったりときます。効果音的で空間的なギターとはいえ、17分もの間ギター2台で聴かせるアヴァンギャルド系の環境音楽という趣の18曲目は、これはこれで新しい世界を開いたかもしれず。ただ、こういう音楽でCD2枚はちょっときつい。

2006/12/15

Voice In The Night/Charles Lloyd

1674
Voice In The Night/Charles Lloyd(Ts)(ECM 1674) - Recoreded May, 1998. John Abercrombie(G), Dave Holland(B), Billy Higgins(Ds) - 1. Voice In The Night 2. God Give Me Strength 3. Dorotea's Studio 4. Requiem 5. Pocket Full Of Blues 6. Homage 7. Forest Flower: Sunrise/Sunset 8. A Flower Is A Lovesome Thing

メンバーが豪華。前作までの5作品がピアノ(そう言えば5作品ともボボ・ステンソンでした)を交えたクァルテットだったのですが、今回はギターを交えたクァルテットなので硬質感がとれてもっと親しみやすいサウンドに仕上がっていると思います。 8曲中6曲はオリジナル。エルヴィス・コステロとバード・バカラックの共作が入っているあたり今風ですが、曲はなかなか。有名すぎるくらい有名な「フォレスト・フラワー」は、こちらのヴァージョンの方が洗練されているように感じます。6曲目はスリルあり。8ビートの曲もあったり、曲調はさまざまですが、ある意味でECMらしからぬアルバム。比較的聴きやすいということで、オススメ盤。 ただし、チャールス・ロイドは相変わらずマイペースでサックスを奏でています。(99年5月19日発売)

Janna/Ernst Reijseger

Ernstjanna
Winter&Winterレーベル落穂拾い3日目。エルンスト・レイスグルというと、どちらかというとECM向けのような温度感の低いチェリストだったと思うのですが、今回は完全にアフリカの音楽に同化している感じです。ECMでもアフリカの音楽そのままの録音はあるので、あまり珍しくもないのですが。1曲目だけチェロの演奏をバックに語りや歌いが入っていますが、あとはアフリカの楽器にチェロがそれっぽいピチカートで絡むか、弓弾きで絡むかしていて、ジャズ色は全然なく、やっぱりアフリカ音楽のカテゴリーに入ってしまうんだろうなあ、と思わせる内容。ですので、やっぱりこのアルバムもクセは強いですね。聴く人を選ぶと言うのか。


Janna/Ernst Reijseger(Cello, Per)(Winter&Winter 910094-2 Music Edition)(輸入盤) - Recorded November 17 and 18, 2002. Mola Sylla(Vo, M'bira, Kongoma, Xalam, Nose Fl, Bejjen), Serique C.M. Gueye(Soruba, Djembe, Bougarabou, Leget) - 1. Jangelma 2. Baba 3. Sang Xale Man 4. Noon 5. Fier 6. Njaarelu Adiye 7. Doxandeem 8. Sicroula

(06/12/10)作詞作曲にはMola Syllaが多く関わり、トラディショナルもあり。一部Ernst Reijsegerのアレンジも。チェロのリーダー作では珍しく、アフリカ(どこの地方か不明)のメンバー2人との、アフリカンなサウンドで勝負してます。ヴォーカルでも語りの部分も少しあるので、内省的な感じも時々。1曲目はチェロをバックに歌う12分台の曲。ヴォーカルとチェロが不思議とマッチしていて、無国籍的な情緒ある世界を創りだしています。2曲目からは打楽器も出てきて、よりアフリカ的な感じになり、チェロはピチカート奏法で。ミディアムでパーカッシヴなサウンドと一部ラップのような4曲目、ヴォーカルだけで素朴な5曲目、エキゾチックさが満載の6曲目、ゆったり牧歌的で素朴な7曲目、割と明るめな歌でややリズミカルな8曲目。

2006/12/14

Flux/Erkki-Sven Tuur

1673
Flux/Erkki-Sven Tuur(ECM New Series 1673)(輸入盤) - Rcorded July and August 1998. Devid Geringas(Cello), Radio-Symphonieorchester Wien, Dennis Russell Davis(Cond) - 1-2. Symphony No.3 3. Concerto For Violoncello And Orchestra 4. Lighthouse

(04/04/25)20世紀エストニアの現代音楽家の作品集。静かな局面から複雑な様相で浮かび上がってくるドラマははやり現代音楽的ですが、1-2、4曲目あたりはエストニア地域の哀愁も感じさせるような旋律もほんのり感じられます。盛り上がっても硬質なサウンドや、微妙な不安定感、舞っているような各楽器の音に特徴があるような気がします。3曲目のチェロとオーケストラの曲もドラマチックだけれどもやはり硬質な世界が展開。

"Digital Wildlife"/Fred Frith Maybe Monday

Freddigital
Winter&Winterレーベル落穂拾い2日目。やっぱり、と言うか何と言うか、フレッド・フリスはフリーの人だった。それも半端じゃなく(笑)。ライヴなんですけれど、そこでこういう演奏をしてしまう人なんですね。個人的にはこういう演奏も受け入れてしまう方なんですが、やっぱり2度3度かけて聴くかと言うと、う~ん、となってしまうわけですね(笑)。ECMだったらもう少し美的感覚のようなもので温度感を低く仕上げてしまうのでしょうけれど、ここでは生ものをそのままぶちまけてしまうような感触があります。それでもドシャメシャ爆発系ではなくてある程度統制がとれているようなんですが。


"Digital Wildlife"/Fred Frith(G) Maybe Monday(Winter&Winter 910071-2 Music Edition)(輸入盤) - Recorded First Week of May, 2001. Miya Masaoka(Koto, Electronics), Larry Ochs(Ss, Ts), Joan Jeanrenaud(Cello) - 1. Digital Wildlife 2. Image In And Atom 3. The Prisoners' Dilemma 4. Touch I Risk 5. Close To Home

(06/12/10)ライヴの録音。作曲のクレジットがないので、フリー・インプロヴィゼーションと思えますが、かなりアヴァンギャルドな世界が展開しています。エレクトロニクス系かつ、かなりアブナイ系?。持続音が続いたと思ったら平行してリズムが出てきて、フレーズもそれなりに飛び出しながら姿形を変えて進行していく12分台の1曲目、ギターやサックスなどが前面に出ていてフリーの限りをやり尽くすような、ドシャメシャではなくて、エネルギッシュなカチャカチャ系の2曲目、出だしで琴も混ざって空間系の語り合いから、やや盛り上がりのフリーが続く14分台もの3曲目、前半琴を中心に、日本的ではないけれど幽玄な世界と後半のチェロ、サックスなどの絡む4曲目、緩やかで自由な語り合いの後に少々エキゾチックな5曲目。

2006/12/13

今年聴いた’06年ベスト3

あるサイトで、ベスト3企画がありまして、そこに投稿した内容を転載します。

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こんにちは。毎年この時期になってくると、何をベスト3にしようか迷ってしまいます。
ところが、です、選んでみると今年に限っては、上半期でベスト3にしたものと全く同じ、という結果になってしまいました。「メセニー/メルドー」も候補にはなったのですが。以下、相変わらずジャズの王道からは外れています(笑)。


アルティメット・アドベンチャー/チック・コリア(P、Synth)(Stretch)
The Ultimate Adventure/Chick Corea(P, Synth)(Stretch) - Recorded 2005. Steve Gadd(Ds, Palmas), Vinnie Colauta(Ds), Tom Brechtlein(Ds), Airto Moreira(Per, Voice), Rubem Dantas(Per, Palmas), Hossam Ramzy(Per), Hubert Laws(Fl), Jorge Pardo(Fl, Ss, Afl, Palmas), Tim Garland(Ts, Bcl), Frank Gambale(G), Carles Benavent(B, Palmas), Steve Kujala(Fl) - 1-3. Three Ghouls Part 1-3 4. City Of Brass 5. Queen Tedmur 6-7. El Stephen Part 1-2 8. King & Queen 9-11. Moseb The Executioner Part 1-3 12. North Africa 13-14. Flight From Karoof Part 1-2 15. Planes Of Existence Part 1 16-17. Arabian Nights Part 1-2 18. God & Devils 19. Planes Of Existence Part 2 20. Captain Marvel(Bonus Track)

全曲チック・コリアの作曲。アルバム全体が壮大な叙事詩になっているような統一感のあるアルバム。ボーナストラックを除く全19曲(2-3のパートを分けて1曲ずつにしているものも多いです)が一気に彼のエキゾチックな、ある種スパニッシュな、そしてある種中近東的な香りを、強力なリズムと共に通り過ぎていく感じです。特にドラマーやパーカッションが強力で、他の楽器ではフルートが目立ちます。ミュージシャンが曲ごとに替わっているにもかかわらず、アルバムが連続している感じはスゴい。曲ごとにサウンドは少しずつ変えながら組曲のように流れて行き、個々のフレーズは強力でインパクトがあります。残念な事に20曲目のボーナス・トラックはアルバムの雰囲気を変えてしまう明るめのラテン系。なくてもよかったかも。(06年3月29日発売)


サウダージス/トリオ・ビヨンド(ECM)
Saudages/Trio Beyond(ECM 1972/73) - Recorded November 21, 2004. Jack DeJohnette(Ds), Larry Goldings(Org, El-p, Sampler), John Scofield(G) - 1. If 2. As One 3. Allah Be Praised 4. Saudages 5. Pee Wee 6. Spectrum 7. Sven Steps To Heaven 8. I Fall In Love Too Easily 9. Love In Blues 10. Big Nick 11. Emergency

2枚組CDのライヴで、トニー・ウィリアムスへのオマージュとのこと。ラリー・ゴールディングスの作曲でやや叙情的な2曲目、トリオでのインプロヴィゼーションでミディアムの8ビート的なファンクのタイトル曲の4曲目と、渋めのブルースの9曲目の他は、トニー・ウィリアムスの曲(5、11曲目)や、ジャズメン・オリジナルが多く、ECMにしては温度感が高くハードなジャズの曲が多いです。ミュージシャンの露出度も抜群。1、10曲目あたりは4ビートのビンビンくるオルガンジャズを堪能できます。5曲目は静かな、そして盛り上がる場面もあるバラード。6-7曲目もなかなかスピーディーでスリリング。しっとりとした部分もあるスタンダードのバラードの8曲目。トニーのトリビュートに欠かせない11曲目はイェーイといいたくなる選曲。(06年6月7日発売)


インダストリアル・ゼン/ジョン・マクラフリン(G、Prog)(Verve)
Industrial Zen/John McLaughlin(G, Prog)(Verve) - Released 2006. Bill Evans(ss, Ts), Gary Husband(Key, Ds), Hadrian Feraud(B), Mark Mondesir(Ds), Eric Johnson(B), Vinnie Colauta(Ds), Ada Rouvatti(ss, Ts), Dennis Chambers(Ds), Zakir Fussain(Tabla), Tony Grey(B), Matthew Garrison(B), Otmaro Ruiz(Synth), Shankar Mahadevan(Vo) - 1. For Jaco 2. New Blues Old Bruise 3. Wayne's Way 4. Just So Only More So 5. To Bop Or Not To Be 6. Dear Dalai Lama 7. Senor C.S. 8. Mother Nature

全曲ジョン・マクラフリン作曲ないしは共作。曲ごとに豪華な顔ぶれがかわる、上質なハード・フュージョン。しかもタブラやヴォーカルなど、曲によりインドの風味も少し。ハードでスピーディーなノリで、フレットレス・ベースがジャコに捧げられた1曲目、エリック・ジョンソン参加のゆったりしたファンク・ブルースといった感じの前後が静かな2曲目、エキゾチックな浮遊感のあるテーマを持っているエスニ・ファンクの3曲目、素朴にはじまって中盤でゴリゴリ盛り上がっていく4曲目と、同様な展開を見せる12分台もの6曲目、やや憂いのあるファンクのマイケル・ブレッカーに捧げられた5曲目、ファンクの上を哀愁のギターが漂う7曲目、個性的なヴォーカルのある打ち込みが満載の8曲目。デニス・チェンバースは3、5-6曲目に参加。(06年6月7日発売)


次点で、「サンガム/チャールス・ロイド」(ECM)、そして届いたばかりですが、「Brown Street/Joe Zawinul」(Intuition)(輸入盤)になります。

Trio Sonatas/Zelenka

1671
Trio Sonatas/Zelenka(ECM New Series 1671/72) - Recorded June, 1997. Heinz Holliger(Oboe), Maurice Bourgue(Oboe), Thomas Zehetmair(Vln), Klaus Thunemann(Bassoon), Klaus Stoll(B), Jonathan Rubin(Lute), Christiane Jaccottet(Harpsichord) - 1-4. Sonata No.1 In F Major 5-8. Sonata No.2 In G Minor 9-12. Sonata No.3 In B Flat Major 13-16. Sonata No.4 In G Minor 17-19. Sonata No.5 In F Major 20-23. Sonata In G Minor

邦題「6つのトリオ・ソナタ集」。18世紀のチェコの作曲家であるゼレンカの曲で、典型的なバロック音楽というような雰囲気 があります。ECMにしては珍しく正統派で、カチッとまとまりの良いアンサンブル。短調の曲の方が印象に残りましたが、適度に長調、短調と交互にあらわれ、うまくサウンドのバランスがとれていて、聴いていて心地良いです。色彩的にもやや暖かめの色調で優しくせまってきます。 ボヘミアのバッハとも言われているそう。(99年10月22日発売)

Traffic Continues/Ensemble Modern/Fred Frith

Ensemble
Winter&Winterレーベルの落穂拾い1日目。このレーベルはしばらく前までホームページがなく、全貌がなかなか見えてこなかったのと、クラシックやクラブやキャバレーその他の音を録音してきたシリーズなどもあって、興味があるものだけを買うようにしていました。最近オフィシャルのホームページで、もう一度全部見直してみて、ミュージシャンとして興味のあるもの(どちらかというと)ジャズ色のありそうなものを注文して、聴いてみようと思ったのですが、いきなり今日はアヴァンギャルドと現代音楽の折衷音楽という感じ。フレッド・フリスならありそうだなと思いつつも、今回彼のアルバム、3枚も取り寄せてしまっています。他のアルバムはどうなっているか(笑)。


Traffic Continues/Ensemble Modern/Fred Frith(G, Music Director)(Winter&Winter New Edition 910044-2)(輸入盤) - Recorded Decemer 14-17, 1998. Franck Ollu(Cond), Ikue Mori(Drum Machines), Zeena Parkins(Harp, Electric Harp) - Traffic Continues: 1. Inadvertent Introduction 2. First Riddle 3. Traffic 2 4. Third Riddle 5. Lourdement Gai 6. Traffic 3/Traffic 1 7. Freeway/Shadow Of A Tree On Sand 8. Fragile Finale Traffic Continues 2: Gusto: 9. Introduction: Limbo 10. Adage A/At Your Earliest Hesitation 11. Gyrate/Adage B 12. Not If I See You First 13. Any Other World 14. A Good Top Tongue 15. Nose At Nose 16. Will Cast Some Light On 17. Adage D/Neither Fire Nor Place 18. Monkey Lens Dipthong String 19. Howdywhoola 20. No Convenient Time 21. One Never Knows Do One?/Adage Coda/Long Fade

(06/12/10)Fred Frithの作曲によるものですが、アヴァンギャルドの概念もある程度入っているにしても、ジャズというよりは現代音楽の範疇もけっこう強いような音楽です。ジャズ度はないけれども、ある種のフリー・インプロヴィゼーションと記譜された音楽の狭間でうごめく音世界がうまく表現されているような感じです。そう考えると「アンサンブル・モダーン」というオーケストラの先進性が明らかになってきます。ただ、こういう音楽なので、聴きやすいサウンドではないです。現代音楽の合間にフリー・ジャズの面白さが入っているという感じ。Fred Frithのギター度という点では、参加はしているけれども通常の弾き方をほとんどしていないので、期待とはちょっと違う。個性的なサウンドなので聴く人をかなり選ぶだろうなと思います。

2006/12/12

Not Two, Not One/Paul Bley, Gary Peacock, Paul Motian

1670
Not Two, Not One/Paul Bley(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds)(ECM 1670) - Recorded January 1998. - 1, Not Zero: In Three Parts 2. Entelechy 3. Now 4. Fig Foot 5. Vocal Tracked 6. Intente 7. Noosphere 8. Set Up Set 9. Dialogue Amour 10. Don't You Know 11. Not Zero: In One Part

スゴいメンバーが集まっています。全曲彼らの誰か、あるいは連名によるオリジナルですけれど、これを曲と言うべきかフリー・インプロヴィゼーションと言うべきか。 その完成度はかなり高いです。その凄みは1曲目のピアノの出だしから感じる事ができます。ソロの曲からトリオの曲までさまざまですが、深遠な静寂の淵に立たされる時もあれば、美しく流れていったり、また、緊張感のある丁丁発止の激しいやり取りの時もあります。これはもう、彼らならではの世界 かも。相変わらずポール・ブレイのピアノの一音一音が研ぎ澄まされています。4曲目はテーマが曲としてまとまっているので、あらかじめ書かれたものでしょうか。この方面が好きな方にはオススメ盤。ただし 聴く人を選ぶかもしれません。(99年4月1日発売)

2006/12/11

Winter&Winterレーベルの落穂拾い

レーベル別に集めるということをやっています。JMTレーベルからはじまってECMレーベルCriss Crossレーベルときて、Criss Crossがあと40枚聴かなければならないんですが、CDとしては集めてしまっているので、これで落ち着くかな、と思ったら落ち着きませんでした(笑)。

Winter&Winterレーベルが途中までで中途半端な状態で残っていたのですが、これはクラシックや民族音楽、オーディオフィルム系統は集めなくていいだろうと思い、ジャズ系のミュージシャンと思われるものだけで、まだ買っていないものを7枚リストアップ、注文して先日届きました。ここのレーベル、ポール・モチアンやユリ・ケインといった、看板になるアーチストもいますが、今回はフレッド・フリス(G)とかエルンスト・レイスグル(Cello)の作品が多め。聴いたらクラシック、アヴァンギャルド、民族音楽など雑多な音楽が混ざっていて、今日聴いた4枚目まで、いわゆるジャズ色はなし。ジャズファンからしてみれば、ホント、落穂拾いなんですけれど、他にこういうことをやっている人もいないだろうと思い、何とか聴いています(笑)。

何種類かレーベル買いというのをテーマにやっていますが、普通だったらやっぱりミュージシャン買いか、曲買いのほうがアタリになる確率が高いと思います。まあ、ヒネクレたことをやっているおかげで、独自性の高いホームページにはなっていますけれども。

Magnum Ignotum/Giya Kancheli

1669
Magnum Ignotum/Giya Kancheli(ECM New Series 1669) - Recorded December 1997. Mstislav Rostropovich(Cello), Royal Flanders Philharmonic Orchestra, Jansug Kakhidze(Cond) - 1. Simi 2. Magnum Ignotum

1曲目は20世紀グルジアの現代音楽家ギヤ・カンチェーリがチェロのムスティスラフ・ロストロポーヴィチのために作曲した曲だそうで、現代的な響きと荘厳な雰囲気をあわせ持っています。心情に訴えてくる哀愁系の旋律も時々聴くことができます。2曲目のタイトル曲は、オーケストラの演奏に朗読や合唱などのテープをかぶせた、現代音楽としてはちょっと変わったアプローチになっています。ただ、表現としては自然な印象。(00年11月22日発売)

Blues Quarters Vol.1/David Hazeltine Quartet

1188
Criss Crossレーベル順番聴き5日目。とりあえずまたこれで一段落。今日のメンバーはけっこう良かったと思います。いつもならクインテットかトリオで行くような録音の仕方ですが、サックスにエリック・アレキサンダーを加えたクァルテットなので、けっこうお気に入りだし、向かうところ敵なしという感じの顔合わせとサウンド。このレーベル、一定のミュージシャンの顔合わせを変えてローテーションで録音しているんじゃないかと思えるくらいメンバーが固まっている時がありますが、マンネリではなくて良い方へ向かったような今回のアルバムではありました。ところでこのVol.2ってまだ今でも出ていないのだけれども、いったいいつ出るのだろう。


Blues Quarters Vol.1/David Hazeltine(P) Quartet(Criss Cross 1188)(輸入盤) - Recorded December 16, 1998. Eric Alexander(Ts), Dwayne Burno(B), Joe Farnsworth(Ds) - 1. Naccara 2. Milestones 3. A Touch Of Green 4. Spring Is Here 5. Blues Quarters 6. Cry Me A River 7. Cheryl 8. What Are You Doing?

(06/12/03)全8曲中David Hazeltine作は3曲(1、3、5曲目)。なかなかいいメンバーでの録音です。ピアノ度もけっこうあり。目まぐるしい複雑なテーマでアップテンポの都会的なノリの良さを出している1曲目、意表をついてマイルス・デイヴィス作の’47年サヴォイ・ヴァージョンの明るめな2曲目、ややアップテンポだけれどオーソドックスな明るさの4ビートで進む3曲目、ちょっと湿気を含んだゆったりさで進んでいくバラードの4曲目、今っぽいユニゾンのテーマを持つややアップテンポのブルースでタイトル曲の5曲目、意外にノリの良いボッサでスマートに盛り上がっていく6曲目、チャーリー・パーカー作のユニゾンのちょっとユーモラスなテーマでソロは4ビートの7曲目、思いっきりアップテンポでこれでもかとせまっていく8曲目。

2006/12/10

Unarum Fidium/Johann Heinrich Schmelzer/John Holloway

1668
Unarum Fidium/Johann Heinrich Schmelzer/John Holloway(Vln)(ECM New Series 1668)(輸入盤) - Recorded December 1997. - Aloysia Assenbaum(Org), Lars Ulrik Mortensen(Harpsichord, Org) - Antonio Bertali: 1. Chiacona A Violino Solo Johann Heinrich Schmelzer: 2. Sonata Prima 3. Sonata Seconda 4. Sonata Terza 5. Sonata Quarta 6. Sonata Quinta 7. Sonata Sesta Anonymous: 8. Sonata For Scordatura Violin And Basso Continuo

(04/03/10)1曲目のAntonio Bertaliは17世紀イタリアの作曲家で、オルガンをバックにECMにしてはけっこう明るいヴァイオリンの演奏を繰り広げています。このアルバムでメインのJohann Heinrich Schmelzerは17世紀オーストリアの作曲家で、いかにもバロック音楽といった感じの端正な演奏を聴くことができます。やや明るめながら安らぎを感じる演奏。ラストの曲は作者不詳。これまたバロック音楽として印象に残るメロディの演奏。

Siren/Walt Weiskopf Nonet

1187
Criss Crossレーベル順番聴き4日目。比較的大編成のジャズの演奏ってけっこう好きな方で、昔はビッグバンドなんかも集めていた方だし、最近でもマンハッタン・ジャズ・オーケストラなどの木管を生かしたサウンドも好んで聴きます。ここでも、編成からいくとそうソフトな肌触りでもないはずなんですが、厚みがあって柔らかいサウンドが出てくるのが私好み。それでいて、ソロの時はけっこうメカニカルに飛ばしているというか。シンプルな編成を主流とすれば邪道なのかもしれませんが、こういう編成のサウンドもハマるかどうか、一度試してみてはいかがでしょう。ウォルト・ワイスコフの曲やソロもけっこういいと思いますよ。


Siren/Walt Weiskopf(Ts) Nonet(Criss Cross 1187)(輸入盤) - Recorded December 21, 1999. Anders Bostrom(Fl, Afl), Jim Snidero(As, Fl), Scott Robinson(Bs, Bcl), Joe Magnarelli(Tp, Flh), Conrad Herwig(Tb), Joel Weiskopf(P), Doug Weiss(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Glass Eye 2. Siren 3. In A Daze 4. Close Your Eyes 5. Victory March 6. Night In Ferrara 7. Zone 8. Baby Won't You Please Come Home 9. Separation

(06/12/03)Walt Weiskopfの作曲は全9曲中5曲(1-2、6-7、9曲目)。ノネット編成では2作目。さすがホーンに厚みがあります。クラシック系のアンサンブルに自由にソロが展開するような不思議な味わいの小品の1曲目、静かにはじまり木管を生かしたアンサンブルでホーンも聴かせるミディアムで4ビートのタイトル曲の2曲目、ややアップテンポの8分の6拍子で哀愁と勢いのある3曲目、しっとりさとゆったり加減と厚みのあるバラードの4曲目、アップテンポでサックス他がメカニカルに攻めていく5曲目、綾織り系で淡い色調ながらソロは速いワルツの6曲目、ユニゾンの高速フレーズからアップテンポで広がる7曲目、淡くソフトなバラードで小品の8曲目、柔らかくオーソドックス系のミディアムの4ビートでソロがいい9曲目。

2006/12/09

ニフティ大掛かりなメンテ失敗!

5日(火)10時から7日(木)15時までの53時間というかなり長いメンテナンスをニフティが行いました。その間、書き込みが出来ず、トラックバックやコメントの投稿もできなくなるのですが、まあ、これでより快適になるのなら止むを得ないかなと思ってました。しか~し、です。その長時間にわたるメンテナンスが失敗、結局、53時間経って、メンテナンス前の状態に戻したというお粗末さ。ちょうど7日はニフティの株式上場の日でもあったんですね。株価にも影響を与えたことでしょう。

実はメンテナンス中に、ふとここ「インプレッションズ」に書きたいことが出てきたのですが、メンテナンスが終わってから書こう、と思いつつ、時間が経って書く内容を忘れてしまったんですね。だから更新の日がちょっとあいてしまったんですが。書きたいときに書けなければ、ブログの機能としては終わっているな、とも思えました。

ただ、ブログサービスで、どこがものすごく安定していてサービスも良い、という噂は一致していないので、結局はどこも同じかな、と思います。だから移行は考えてませんけど、無料でなくて毎月950円(税別)別に払ってブログを利用しているので、せめてメンテナンスで使用できなかった期間は日割りで割り引くとか、そういうことはできないのかねえ、と思います。これ以上ダメニフティにならないことを祈ってます。

Klavierstucke/A. Schonberg/F. Schubert

1667
Klavierstucke/A. Schonberg/F. Schubert(ECM New Series 1667)(輸入盤) - Recroded July 1998. Thomas Larcher(P) - Arnold Schonberg: 1. Klavierstuck Op.11 Nr.1 Franz Schubert: 2. Klavierstuck Es-Moll D946 Nr. 1 Arnold Schonberg: 3. Klavierstuck Op.11 Nr.2 Franz Schubert: 4. Klavierstuck Es-Dur D946 Nr.2 5. Klavierstuck C-Dur D946 Nr. 3 Arnold Schonberg: 6. Klavierstuck Op.11 Nr.3 7-12. Sechs Kleine Klavierstucke Op.19 Franz Schubert: 13. Allegretto C-Moll D915

(04/04/25)20世紀オーストリアの現代音楽家Arnold Schonbergと、やはり19世紀オーストリアの有名な作曲家シューベルトの演奏を、ここではほぼ交互に混ぜ合わせながらの演奏。現代音楽的な静かな演奏と典型的なクラシックの演奏が順番にあらわれてきますが、ECMらしいアルバムの作り方。Schonbergの方がやや演奏時間は短め。同じオーストリアつながりか、Thomas Larcherのピアノの演奏に引き込まれていく感じがします。

The Olive Tree/Walter Blanding Quintet

1186
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。今日のWalter Blandingはこのレーベルではこの1枚しかリーダー作を残さず、サイド参加作品もなし。通販のサイトで検索しましたがリーダー作は他レーベルでもあまりないようです。ちょっと不遇かもしれませんけれど、フレーズを聴くとウネウネといったりきたりする感じの強いもので、メロディとか、けっこう上手いと思うんだけれども強い印象は残さないところがちょっと弱いのかな、と思ってみたり。悪くはないんだけれど。アメリカではこのぐらいのミュージシャンならけっこういるってことなんでしょうか。もっと個性的だったりアクが強かったりしたら良かったのでは、と思わせる1枚ではありました。


The Olive Tree/Walter Blanding(Ts) Quintet(Criss Cross 1186)(輸入盤) - Recorded December 6, 1999. Ryan Kisor(Tp), Farid Barron(P), Rodney Whitaker(B), Rodney Green(Ds) - 1. Never Too Late 2. My Little Sunflower 3. Worry Later 4. The Olive Tree 5. Jitterbug Waltz 6. The Nearness Of You 7. Charcoal Blues 8. Out Of Nowhere 9. One Day Before Tomorrow

(06/12/03)Walter Blanding作は全9曲中4曲(1-2、4、9曲目)。リンカーン・ジャズ・センター・オーケストラ出身ですが、これがデビュー作でレーベルにはこれのみ参加。元気なアップテンポの曲で、行ったり来たりするようなフレーズのサックスと他のメンバーのスリリングな1曲目、一転スローな牧歌的な感じさえする自由なバラードの2曲目、セロニアス・モンク作をそれっぽく、それでもスマートに演じる3曲目、ミディアムの8ビート的な進行で、ミステリアスな部分もあるタイトル曲の4曲目、ファッツ・ウォーラー作を今っぽく演奏する5曲目、ワンポーンで朗々と吹くバラードの6曲目、ウェイン・ショーター作をウネウネと明るく演奏する7曲目、ほんのり温かいボッサの演奏の8曲目、アップテンポでスピード感とラテンビートの9曲目。

2006/12/08

Tokyo'96/Keith Jarrett Trio

1666
Tokyo'96/Keith Jarrett(P) Trio(ECM 1666) - Recorded March 30, 1996. Gary Peacock(B), Jack DeJohnette(Ds) - 1. It Could Happen To You 2. Never Let Me Go 3. Billie's Bounce 4. Summer Night 5. I'll Remember April 6. Mona Lisa 7. Autumn Leaves 8. Last Night When We Were Young - Caribbean Sky 9. John's Abbey 10. My Funny Valentine - Song

東京のオーチャード・ホールでのライヴ。何と、ビデオアーツから出たレーザーディスク(映像)と同一音源で、曲順もカットされたラストの2曲(11. All The Things You Are 12. Tonk)以外は同じです。ボッサの8曲目と、10曲目の後半にあるインプロヴィゼーション (こういう流れも自然発生的に出てくるので曲として違和感はありません)の他は、スタンダードやジャズメン・オリジナルのオンパレード。再演曲も多いですけれど、やはりライヴならではで、この場所にいたからこそこういう音が発せられたのだ、という気持ち。例えば2、10曲目のしっとり感のバラードも、3、9曲目などのノリの良さもいいですが、いつもはどの曲もピアノソロからはじまるのに5曲目はドラムソロから気持ち良くはじまっているのが珍しいパターン。

Half And Half/Richard Wyands Trio

1185
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。この頃になってくるとベテランはメルヴィン・ラインぐらいの録音しかなくなってくるのですが、久しぶりにリチャード・ワイアンズのレーベル2作目のリーダー作が出ました。サイドでも2作参加していますが、やはりピアノ・トリオが印象に残ります。若手から中堅にかけてのピアニストでテクニシャンはいくらでもいるでしょうけれど、こういった豊穣なフレーズがちりばめられているピアニストはなかなかベテランでないといないでしょうね。現代ジャズからするとちょっとタイムスリップした感じはありますけれど、ある面きらびやかでなめらかなタッチは割と印象に残ります。


Half And Half/Richard Wyands(P) Trio(Criss Cross 1185)(輸入盤) - Recorded December 8, 1999. Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. I'm Old Fashioned 2. Blues For Kosi 3. P.S. I Love You 4. Once I Loved 5. Half And Half 6. Beautiful Friendship 7. Daydream 8. IS That So? 9. Time After Time 10. As Long As I Love

(06/12/02)全10曲中Richard Wyands作は2、5曲目のみ。このメンバーでのレーベル2枚目の録音。いぶし銀もあれば華やかな世界もある、やっぱりベテランのピアニスト。少しきらびやかでメロディアスな安定した演奏を聴かせる1曲目、オリジナルではお決まりのようなややアップテンポのブルースの2曲目、地味ながらじっくりと聴かせるバラードの3曲目、語りかけるような渋めのボッサの4曲目、ややアップテンポで弾むようなタイトル曲の5曲目、ソロ・ピアノでキラキラと変化に富んだ世界を創る6曲目、少しアップテンポで流れるようなメロディのボッサの7曲目、少し軽やかなタッチで聴かせるデューク・ピアソン作の8曲目、ソロ・ピアノで味わいのあるフレーズを紡ぎ出す9曲目、少しアップテンポでノリ良く快活な感じの10曲目。

2006/12/07

Birds And Bells/Bent Sorensen

1665
Birds And Bells/Bent Sorensen(ECM New Series 1665)(輸入盤) - Recorded October 1997. Christian Lindberg(Tb), Oslo Sinfonietta, Cikada Ensemble, Christian Eggen(Cond) - 1-5. The Lady And The Lark 6-8. Birds And Bells 9. The Deserted Churchyards 10. Funeral Procession 11. The Bells Of Vineta 12. The Lady Of Shalott

(04/05/15)Bent Sorensenは20世紀デンマークの現代音楽家。比較的小品の曲が6曲続いていますが、やはり現代音楽の風味をもったやや難解な曲、という感じですが、鳥や動物の鳴き声のようなサウンドがよく出てくることが特徴かも。タイトル曲の6-8曲目も、トロンボーンの奇妙な鳴き声のようなサウンドで、「鳥とベル」というのも何とか納得か。9曲目はベルがキラキラと舞い飛んでます。10曲目は葬送曲らしく、暗めな世界。

Excurisions/Jim Rotondi Sextet

1184
Criss Crossレーベル再び順番聴き1日目。今回このアルバム、ジム・ロトンディのリーダー作になっていますけれど、実際はワン・フォー・オールでアルバムを作ろうとしてドラムスのジョー・ファーンズワースが何らかの事情で来られなくなり、急遽ケニー・ワシントンで録音したのではないか、と思います。それが証拠に、3管アレンジは似ているし、フロント3人の作曲が1曲ずつ。タイトル曲は何と3曲目のスティーヴ・デイヴィス作曲、なんてことになっています。まあ、それでもけっこう今っぽい3管のハーモニーやリズムなんかでけっこう楽しめたりはするのですが。だから気分的には実質ワン・フォー・オールとして楽しみました。


Excurisions/Jim Rotondi(Tp, Flh) Sextet(Criss Cross 1184)(輸入盤) - Recorded December 12, 1998. Eric Alexander(Ts), Steve Davis(Tb), David Hazeltine(P), Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Shortcake 2. Little B's Poem 3. Excursions 4. What Is There To Say 5. Angel Eyes 6. Little Karin 7. Jim's Waltz 8. Fried Pies

(06/12/02)Jim Rotondiの作曲は1曲目のみ。フロント陣の作曲が1曲ずつあってOne For Allのメンバーとドラムスだけ違うので、本当は彼のリーダー作でなかったのかな、とも思います。3管ハーモニーは今風。ややアップテンポでマイナー系のメロディやソロが都会的でカッコ良い1曲目、ボビー・ハッチャーソン作の淡いハーモニーが印象的で、やや盛り上がる8分の6拍子の2曲目、メロディは聴きやすいけどコード進行が複雑そうなボッサ的な3曲目、しっとり系のバラードをゆったりと吹いてみせる4曲目、アップテンポでシャープなアプローチを見せる5曲目、ベニー・ゴルソン作で今の感じのミディアムの6曲目、派手な3管ハーモニーとワルツの対比が面白い7曲目、ウェス・モンゴメリー作のブルースがマイペースな8曲目。

2006/12/06

First Impression/Misha Alperin with John Surman

1664
First Impression/Misha Alperin(P) with John Surman(Ss, Bs)(ECM 1664)(輸入盤) - Recorded December 1997. Arkady Shiikioper(French Horn, Flh). Terje Gewelt(B), Jon Christensen(Ds), Hans-Kristian Kjos Sorensen(Per, Marimba) - 1. Overture 2. First Impression 3. Second Impression 4. Twilight Hour 5. City Dance 6. Movement 7. Third Impression 8. Fourth Impression 9. Fifth Impression

(03/09/02)全曲ミシャ・アルペリンの作曲。比較的オーソドックスな編成ですが、見事な彼ら流のサウンド。1曲目では夢幻の中を漂うような出だしから徐々に彼らならではのメロディが紡ぎ出されていきます。ソロ・ピアノでしっとりとした小品のタイトル曲の2曲目、やや静かながらフリー・インプロヴィゼーションに近い感触の3曲目、薄暮の世界をうまく表現している、ゆったりとした4曲目、アルバムの曲の中では押し出しのはっきりした、硬質ながらもやや外側を向いている5曲目、現代音楽的なリズミカルかつドラマチックな展開とでも言うような6曲目、スペイシーで安らぎと揺らぎのあるソロ・ピアノの7曲目、それぞれの楽器が緊張感を持ちつつ語り合っている8曲目。そして小品の9曲目で静かに幕を閉じます。

New York Revisited/ウラジミール・シャフラノフ・トリオ

Vladimirnyri
ウラジミール・シャフラノフと言えば、澤野工房の看板ピアニストになったような感じがします。以前はお店でこのピアニストのことを聞いても、店員さんが間違えてクラシックのところを探していた、なんていうエピソードをどこかで読んだくらいに無名だったのを、澤野工房が何枚も彼のアルバムを発表して有名にしました。まだアルファベット表記だと読めない人はいらっしゃるでしょうが。思うのは、彼はいつもマイペースの人なんじゃないかなと。けっこういいスタンダードをピアノで弾いているのですが、やっぱり彼中心で、相手は誰かということで動かされる人ではないようですね。この有名なドラムス、ベースでもそうみたいです。良いことなのか、そうでないのか(笑)。ただ、9曲目のクラシックはジョージ・ムラーツのベースで良かったなと思いますが。


New York Revisited/ウラジミール・シャフラノフ(P)・トリオ(澤野工房)
New York Revisited/Vladimir Shafranov(P) Trio(Atelier Sawano AS062) - Recorded April 26, 2006. George Mraz(B), Billy Hart(Ds) - 1. Maybe September 2. My Romance 3. Lotus Blossom 4. Inutil Paisagem 5. Dig 6. Autumn In New York 7. Prelude No.20 8. Birk's Works 9. The Swan

ウラジミール・シャフラノフ作はなく、スタンダード集。メンバーはけっこういいですが、ある意味マイペースな演奏かも。ピアノではじまりややしっとり系のメロディアスなインタープレイを聴くことができる1曲目、いつもの流麗で明るいピアノを聴くことができる2曲目、味わいのあるピアノを聴かせてくれるミディアムの8分の6拍子の3曲目、華やかな感じもあるボッサでメロディアスな4曲目、アップテンポでバップ的なスリルを味わうことができるフレーズの速い5曲目、温かみのあるバラード、後半4ビートで時にキラキラと、時にマイペースで進む6曲目、ショパンの作品をアレンジしてクラシカルに演奏される7曲目、なかなかブルージーなミディアムの8曲目、サン・サーンス作の、ベースのアルコのメロディで優しげな静けさのある9曲目。(06年11月24日発売)

2006/12/05

Points Of View/Dave Holland Quintet

1663
Points Of View/Dave Holland(B) Quintet(ECM 1663) - Recorded September 25/26, 1997. Robin Eubanks(Tb), Steve Wilson(Ss, As), Steve Nelson(Vib), Billy Kilson(Ds) - 1. The Balance 2. Mr. B. 3. Bedouin Trail 4. Metamorphos 5. Ario 6. Herbaceous 7. The Benevolent One 8. Serenade

デイヴ・ホランド作は8曲中5曲で、他はメンバーのオリジナル。ロビン・ユーバンクスが再び戻って来たり、スティーヴ・ネルソン以外はメンバーチェンジしましたが、変拍子の曲もあり、相変わらず。ただ、メンバーのせいか、サウンドはよりオーソドックスに、おとなしくなったような気も。軽やかに流れていくようにみえてリズムにヒトクセある、各パートのソロも心地良い1曲目、レイ・ブラウンに捧げたというオーソドックスなジャズのテーマを持つ10分台の2曲目、トロンボーンの音色とメロディがエキゾチックな3曲目、アンサンブルとリズムの変化が面白い4曲目、淡色系でやや渋めな5曲目、ハービー・ハンコックに捧げたテンポの良い6曲目、しっとり系のバラードの7曲目、ゆったり軽やかで明るめのサウンドの8曲目。

ヘレン・シングス、テディ・スウィングス/ヘレン・メリル

Helensings
ヘレン・メリルの旧作がやっと初CD化されて、聴いてみるとこれはこれでホンワカしていていいなあ、と思います。彼女は’67年より’72年まで日本に住んでいたそうで、その間に7枚の日本盤を制作しています。やはりそれ以前にクリフォード・ブラウンとの有名なアルバムがあったりして、そういうアルバムと比較するのはどうかとも思いますけれど、彼女のヴォーカルのファンになったからには、いちおうどのアルバムも聴いてみたいなと思います。昨日書いたように、まだその目的は果たしていませんけれども。駄盤だろうと何だろうと、追いかけてみて、時系列的な彼女の価値というのが分かるのではないかと思っています。なお、今回はミュージシャンのクレジットが英語表記がなかったので、カタカナで書いておきます。


ヘレン・シングス、テディ・スウィングス/ヘレン・メリル(Vo)(Think!)
Helen Sings, Teddy Swings/Helen Merrill(Vo)(Think!) - Recorded October 12-13, 16-17, 1970. テディ・ウィルソン(P)、1、5、8曲目が稲葉国光(B)と猪俣猛(Ds)、他の曲がラリー・リドレー(B)、レニー・マクブラウン(Ds) - 1. Summertime 2. I Cried For You (Now It's Your Turn To Cry Over Me) 3. Lover Man (Oh Where You Can Be) 4. I Only Have Eyes For You 5. I Cover The Waterfront 6. East Of The Sun (And West Of The Moon) 7. You Better Go Now 8. Pennies From Heaven 9. I Must Have That Man 10. Embraceable You

スタンダード集。やはりテディ・ウィルソンが参加していることで、曲が賑やかになっている感じです。バッキングというよりは、ヘレン・メリルの歌と一緒にフレーズを弾いてしまう感じがあって、ソロもマイペースでピアノを弾き続けているところがあります。当時のピアニストとしてはマイ・ペースのややオールド・スタイルかなとも思えるピアノが味わいがあって、逆にいい感じです。しっとりとした曲もあれば、ややアップテンポでノリの良い明るい曲もあって、このメインの2人の影響でホンワカとした、温度感が高めで味わいのある演奏が聴けるのかな、と思います。淡々とハスキーヴォイスで歌っているように見えて、やっぱりどんな演奏でも対応できるメリルは素晴らしいと思います。このアルバムはけっこう聴きやすい方だと思います。(06年11月23日発売)

2006/12/04

Criss Crossレーベルのメンバーの使いまわし

この土日で、Criss Crossレーベルの次の5枚を聴きました。

Excurisions/Jim Rotondi(Tp, Flh) Sextet(Criss Cross 1184)
Half And Half/Richard Wyands(P) Trio(Criss Cross 1185)
The Olive Tree/Walter Blanding(Ts) Quintet(Criss Cross 1186)
Siren/Walt Weiskopf(Ts) Nonet(Criss Cross 1187)
Blues Quarters Vol.1/David Hazeltine(P) Quartet(Criss Cross 1188)


このレーベル、Criss Cross Jazz Artist Indexを見れば分かるとおり、リーダーや参加メンバーとして1度しか出ない人と何回も登場する人とはっきり分かれます。

例えば、上記5枚だけで、Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds), Eric Alexander(Ts), David Hazeltine(P)は2回ずつ出ています。特にボトムの2人のWashingtonはこのレーベルで参加枚数がかなり多い方なんじゃないかな。逆にWalter Blandingはリーダー作も参加作もこのレーベルではこの1枚だけ。

同じメンバーが何回も見え隠れするけれど、それでも何とか飽きずにこのレーベルを追いかけることが出来るのは、やっぱり一定水準以上のメンバーで構成されているからかな、とも思います。変化はあまり大きくない(例えばECMなどと比べて)とは思うのですが、多くないながらもこのレーベル自体のファンがいるということは、そこなんじゃないかと思います。オランダのレーベルながらアメリカのミュージシャンを多く録音している点も、好みではありますね。

Some Other Season/Philipp Wachsmann/Paul Lytton

1662
Some Other Season/Philipp Wachsmann(Vln, Viola, Live Electronics)/Paul Lytton(Per, Live Electronics)(ECM 1662)(輸入盤) - Recorded October 1997. - 1. The Re(de)fining Of Methods And Means 2. Shuffle 3. Leonardo's Spoon 4. Choisya 5. Shell 6-10. The Lighting Fields 11. Nu Shu 12. Riser 13. The Peacock's Tail 14. Whispering Chambers 15. A La Table 16. The Claw And Spur 17. Glide 18. From The Chalk Cliffs 19. Some Other Season

(03/09/02)全曲共作あるいはどちらかのオリジナル。基本的には弦楽器とパーカッションのデュオの作品なのですが、非旋律的な曲が多いです。曲によってエレクトロニクス(シンセサイザーの一種か)を多用していて、電気的かつ空間的な世界を現出させています。1曲目などはエレクトロニクスが完全に前面に出たゆったりとした作品。2曲目は生音も出てくるのですが、やはり効果音的な使われ方で、ある種のフリー・ジャズの世界。他の曲も聴く者に緊張を強います。4、13、18曲目のPhilipp Wachsmannのソロは素直な楽器の音とメロディ中心で、アルバムの中では珍しい。6-10曲目は短めの組曲ですが、やはりここでもフリー。17曲目はデュオながらやや旋律的か。19曲目のタイトル曲は独特な間があります。

スポージン/ヘレン・メリル・ウィズ・ゲイリー・ピーコック・トリオ

Helenspogin
過去にミュージシャン特集でヘレン・メリルも作ろうとしたことがあったのですが、’93年にCDで発売された’60年代日本録音の「オータム・ラヴ」と「愛の歓び」を買い逃してしまって、集めようとした頃には廃盤。結局特集が作れずじまいでそのファイルもだいぶ昔に削除してしまいました。今回ディスク・ユニオンがこういった方面に力を入れているので、そのうち再発されるかな、とも思うのですが、今回3枚出たうち「シングス・ビートルズ」は’93年にも発売されていて、今日のアルバム含め他の2枚は初CD化だったんですね。割とこれは前衛的な要素も入っているので聴く人を選びますが、当時の日本のジャズの状況を知るにはいい1枚ではないかな、と思います。ゲイリー・ピーコックも参加しているし。


スポージン/ヘレン・メリル(Vo)・ウィズ・ゲイリー・ピーコック(B)・トリオ(Think!)
Sposin'/Helenn Merrill(Vo) with Gary Peacock(B) Trio(Think!) - Recorded October 21 and 25, 1971. Masahiko Sato(P. Key), Motohiko HIno(Ds) - 1. The Thrill Is Gone 2. My Man 3. If You Could See Me Now 4. Sposin' 5. In A Sentimental Mood - Once Upon A Summertime 6. Angel Eyes 7. Until It's Time For You To Go

’70-72年に日本に滞在中のゲイリー・ピーコックを加えて、東京で録音した1枚。スタンダード集ですが、エレキピアノも使用したり、フリーに近い表現もあったりと、前衛的なサウンドもあるアルバム。やや浮遊感のあるゆったりしたバッキングで、おおらかに、そして持ち前のしっとりさ加減を加えてゆっくりと、堂々と歌っていく1曲目、前衛的な、激しいフリーのバックを元に、淡々とマイペースで歌い続けているヴォーカルの2曲目、比較的オーソドックスなバッキングでのバラードの3曲目、アップテンポでこれまた当時としては斬新なアプローチを見せるタイトル曲の4曲目、ベースのアルコのソロではじまり淡々と歌唱が続くバラードの5曲目、意表をついた攻撃的なアップテンポの6曲目、ポップスのノリで幕を閉じる7曲目。(06年11月23日発売)

2006/12/03

Blessed/Joe Maneri And Mat Maneri

1661
Blessed/Joe Maneri(As, Ts, Cl, P)And Mat Maneri(Vln, Viola, etc)(ECM 1661)(輸入盤) - Recorded October 1997. - 1. At The Gate 2. There Are No Doors 3. Sixty-One Joys 4. From Loosened Soil 5. Five Fantasies 6. Never Said A Mumblin' Word 7. Is Nothing Near? 8. Body And Soul 9. Race You Home 10. Gardenias For Gardenis 11. Outside The Whole Thing 12. Blessed

(03/09/29)2人の共作のフリー・インプロヴィゼーションが大半で、それぞれの作品は3作、トラディショナルとスタンダードがそれぞれ1作。音階を細かくした「微分音」の世界はこのデュオのフォーマットではやりやすく、まさに魑魅魍魎の棲む世界のサウンドかも。いわゆる平均律への失調感が漂っていて、これをメロディと言うとおこがましいような気も。こういうアプローチのフリージャズはあまり例がなく、そういう意味では貴重。ただ2曲目のようにピアノが出てくると、フレーズはフリーなのだけれども、何とか調子を取り戻せます。4曲目は11分台の大作ですが、サウンドは他の曲と似ています。6曲目のトラディショナルと8曲目のスタンダード(ソロの演奏)も、12曲目のタイトル曲も我が道を行く路線。聴く人を選びます。

2006/12/02

Milvus/Mats Eden, Jonas Simonson

1660
Milvus/Mats Eden(Vln), Jonas Simonson(Fl, Afl)(ECM 1660)(輸入盤) - Recorded September 1997. Cikada String Quartet: Odd Hannisdal(Vln), Henrik Hannisdal(Vln), Marek Konstantynowicz(Viola), Morten Hannisdal(Cello) - 1. Havang 2. PolskaEfter Artbergs Kalle Karlstrom 3. Stegen Pa Taket - Plska Efter Lejsme Per Larsson 4. Variation 1 5. Septemberljus 6. Den Lyckliga (Beate Virgine) 7. Nordafjalls - Efter Torleiv Bjorgum 8. Vardag 9. Variation 2 10. Backahasten 11. Sjoraets Polska 12. Spillet 13. String Quartet No. 1

(99/12/10)曲はオリジナルもあればトラディショナルもあります。 半数以上がMats Edenのオリジナル。ヴァイオリンとフルートの演奏が中心で、最後の曲(実際は13-15曲目)にストリング・クァルテットが加わります。サウンドは北欧的というのか、もっと幅広い民族音楽的というのか、旋律が明らかに西ヨーロッパ圏とは違う、エキゾチックな場面を見せることが多いです。ジャケットの解説を見ると、西スウェーデンの伝統的なフォーク音楽に親しんで育ったことと関係があるらしいのですが。フルートがまるで尺八のような音を奏でる曲もあったりします。空間を生かしたサウンド。ヴァイオリンの独特な旋律もけっこう耳に残ります。弦楽四重奏団が入っている曲は、よりクラシックに近いような響きがあります。

「ビバ!カルロス」~哀愁のギター・トリビュート

Vivacarlos
このシリーズの最初の頃はオムニバス的に1曲ずつ別のギタリストが弾いているトリビュート集だったので、買おうかどうしようか迷いましたが、買ってみて聴くと、けっこう知らないギタリストがいても、お目当てのギタリスト分だけで買っても、結局通して聴いて損はないアルバムだな、と思いました。分類としてはハード・フュージョンの域にあるのだと思います。今回のアルバムに関してはカルロス・サンタナのトリビュート集なので、ラテン・フュージョンという感じで、ドラムスが今までのヴィニー・カリウタからデイヴ・ウェックルに変更しているのが特色でしょうか。あくまでもギタリストたちがメインでも、音楽としてけっこう楽しめました。


「ビバ!カルロス」~哀愁のギター・トリビュート(Seven Seas)
Viva Carlos! A Supernatural Marathon Celebration(Seven Seas) - Released 2006. Vinnie Moore(G on 1), Jeff Richman(G on 2), Eric Gales(G on 3), Mike Stern(G on 4), Pat Martino(G on 5), Eric Johnson(G on 6), Frank Gambale(G on 7), Robben Ford(G on 8), Albert Lee(G on 9), Coco Montoya(G on 10), Peter Wolf(Key, Org), Dave Weckl(Ds), Abraham Laboriel(B), Luis Conte(Per, Vo) - 1. Se A Cabo 2. Europa (Earths Cry Heavens Smile) 3. Jingo 4. Oye Como Va 5. Flor D'luna (Moonflower) 6. Aqua Marine 7. Samba De Sausalito 8. Blues For Salvador 9. Samba Pa Ti 10. Jungle Strut

ヴィニー・ムーア(G)、ジェフ・リッチマン(G)、エリック・ゲイルズ(G)、マイク・スターン(G)、パット・マルティーノ(G)、エリック・ジョンソン(G)、フランク・ギャンバレ(G)、ロベン・フォード(G)、アルバート・リー(G)、ココ・モントーヤ(G)、デイヴ・ウェックル(Ds)、エイブラハム・ラボリエル(B)、ルイス・コンテ(Per)、ピーター・ウルフ(Key)。このシリーズは何作も続いていますが、ジャズからフュージョン、ロック、ラテン畑のギタリストが集まっています。特にマイク・スターン(4曲目)、パット・マルティーノ(5曲目)、フランク・ギャンバレ(7曲目)あたりが個人的に好きなミュージシャン。今回は今回はカルロス・サンタナ集ということもあって、ややハードなラテン・フュージョン路線。サンタナを意識している人、マイペースの人といろいろ。原曲が一番思い出深いのは2曲目「哀愁のヨーロッパ」。4分の7拍子ラテンで、マイク・スターンにしてはサンタナを意識したサウンドの4曲目、ラテンでもマイ・ペースでピッキングもゆったりのパット・マルティーノの5曲目、フランク・ギャンバレも影響を受けつつ自分を出す7曲目。(06年11月8日発売)

2006/12/01

Das Buch Der Klange/Hans Otte

1659
Das Buch Der Klange/Hans Otte(ECM New Series 1659)(輸入盤) - Recorded September 1997. Herbert Henck(P) - 1-12. Das Buch Der Klange 1-12

(04/03/10)Hans Otteは20世紀ドイツの現代音楽家。邦題にすると「響きの書物」とでもなるのでしょう。メロディはほとんど強調されずに、コードだったり、アルペジオだったり、やや明るめな、時にやや暗い音のかたまりの色彩として、時間軸に沿って表情を変えながら耳の中に入ってくる、というイメージの曲が多いです。静かな部分もフレーズやコードの反復で聞かせている感じ。こういう曲もミニマル・ミュージックと言うのでしょうか。

My Music Is Your Music/クリヤ・マコト・トリオ

Kuriyamusic
クリヤ・マコトの久しぶりの本格的なピアノ・トリオ集。やっぱりジャズだけではなくていろいろな仕事をされてきただけあって、サウンド自体が聴きやすくなっています。ファンの中には昔のゴリゴリと難しいことをやっていた時代を好きな方もいらっしゃるようで、私もそのひとりかも。ただ、今のクリヤ氏も、聴きやすさがありながら、注意深く聴いていると、けっこうトンガッたフレーズがさりげなく内包されているという面もあり、アレンジもけっこう個性的だしと、他のミュージシャンとは一線を画したところがあるので、これからも追いかけていくと思ってます。じっくり聴いても面白いし、選曲やサウンドからはBGMでもじゃまにならないような気がします。


My Music Is Your Music/クリヤ・マコト(P)・トリオ(Jroom)
My Music Is Your Music/Makoto Kuriya(P) Trio(J-room) - Recorded March 27 and 28, 2006. Tetsuya Hayakawa(B), Masahiko Osaka(Ds) - 1. Dolphin Dance 2. Peninsula 3. Summer Knows 4. Love For Sale 5. Never Let Me Go 6. A Night In Tunisia 7. The Voyager 8. Illumination 9. 大きな古時計

クリヤ・マコトの作曲は3曲(2、7-8曲目)。だんだん美しいフレーズが目立つようになってきましたが、けっこう元気の良い曲もあります。原曲よりはやや華麗な感じで進んでいく、やはりハッとするようなメロディが印象的な1曲目、美しいテーマと、ラテンタッチでキメもあってドラムスが元気で突っ走っていく2曲目、ミシェル・ルグラン作をしっとり感の高いボッサで奏でていく3曲目、再びアップテンポの活発なリズムで元気良い曲の4曲目、静かに淡々と語りかけてくるようなバラードの5曲目、テーマのアレンジで意表をついて、そこからアドリブになだれ込む6曲目、ニュー・ミュージックのような美しい旋律のバラードの7曲目、ちょっとソフトでもアップテンポの4ビートの8曲目、おなじみの曲で中間部が8ビートで展開する9曲目。(06年11月29日発売)

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