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2006/11/30

Lassus/Orlando Di Lasso

1658
Lassus/Orlando Di Lasso(ECM New Series 1658) - Recorded November 1993. The Hilliard Ensemble: David James(Coutertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), John Potter(Tenor), Gordon Jones(Baritone) - Missa Pro Defunctis 1. Responsorium: Memento Mei Deus 2. Introitus 3. Kyrie 4. Graduale 5. Offertorium 6. Sanctus & Benedictus 7. Agnus Dei 8. Communio 9. Antiphona: In Paradisum Prophetiae Sibyllarum 10. Carmina Chromatico 11. Sibylla Persica 12. Sibylla Libyca 13. Sibylla Delphica 14. Sibylla Cimmeria 15. Sibylla Samia 16. Sibylla Cumana 17. Sibylla Hellespontiaca 18. Sibylla Phrytia 19. Sibylla Europaea 20. Sibylla Tiburtina 21. Sibylla Erythraea 22. Sibylla Agrippa

(02/08/03)邦題「死者のためのミサ曲/巫女の予言」。16世紀のイタリアの作曲家オルディランド・ディ・ラッソの曲を2曲、取り上げています。1曲目(1-9)がミサ曲で、ヒリヤード・アンサンブルの深遠な合唱を聴くことができますが、穏やかではあるものの、死者のためにあるのにその色調は意外に明るめです。2曲目(10-22)はゆったりとしていて、流れていくような感じながらも、色彩感豊かなハーモニー です。

ワルツ・フォー・デビー~ビル・エヴァンスに捧ぐ/ニーニョ・ホセレ

Ninopaz
今月の国内盤CDが到着したので、早速聴いています。ニーニョ・ホセレというのははじめて聞く名前のミュージシャンですが、「スウィング・ジャーナル」が発売されて、サイドメンに魅力的なミュージシャンが多かったので注文してみました。半分は当たりで半分ははずれだったと言えるでしょうか。当たりは、ギターでビル・エヴァンスの静かな場面でのニュアンスがけっこう出ていて、それとフラメンコ感覚が微妙に混ざり合ったサウンドだったこと。はずれは、ゲストのミュージシャンの参加曲数がおおむね少なく、特にドラムスは活躍する場がなかったことかな。ソロ・ギター、あるいはそれに近い編成の曲はいいな、と思いましたけれども。あと、誰がどの曲に参加しているかとか、参加ミュージシャンの楽器が書いてないところもあって、クレジット的には少々不満が残りました。


ワルツ・フォー・デビー~ビル・エヴァンスに捧ぐ/ニーニョ・ホセレ(G)(Calle54 Records)
Paz/Nino Josele(G)(Calle54 Records) - Released 2006. Estrella Morente(Vo), Freddie Cole(Vo), Marc Johnson(B), Horacio "El Negro" Hernandez(Ds), Joe Lovano(Ts), Tom Harrell(Tp), Jerry Gonzalez(Tp), Javier Colina - 1. Peace Piece 2. Waltz For Debby 3. The Peacocks 4. I Do It For Your Love 5. My Foolish Heart 6. The Dolphin 7. Hullo Bolinas 8. Minha 9. Never Let Me Go 10. Turn Out The Stars 11. When I Fall In Love

邦題「ワルツ・フォー・デビー」。ビル・エヴァンスの愛想曲を中心に、特に静かな場面でそのニュアンスを残しつつ、フラメンコのソフトな香りも入れて創られたアルバム。ヴォーカルの曲も4、8曲目にありますが、しっとりとした中にも適度な情熱を帯びたヴォーカルを聴くことができます。ギターを中心に、曲によっては他の楽器やヴォーカルも引き立たせつつ、やはり静かで穏やかなエヴァンスの世界とフラメンコの世界を行きつ戻りつしているような世界が展開されます。ギターでここまで表現できれば立派なものだと思いますし、本物に近い感覚を味あわせてくれますが、動的なエヴァンスのサウンドはここには登場しないので、ちょっと物足りないな、と思う人もいるかも。意外にBGM的世界にも近いのかもしれないなと思いました。(06年11月22日発売)

2006/11/29

「~愛を~Ai Wo/Aika」をジャズ聴きが聴いて

Aikaaiwo
当初「ジャズCDの個人ページBlog」の方に掲載しようと思ったのですが、曲調が半分J-POP、半分洋楽ポップスの感じがあるので、こちらの方に掲載する((注)現在は統合)ことにしました。バックミュージシャンでデヴィッド・ギルモアや上原ひろみ(P)のベースとドラムス担当の2人が割と多くの曲に参加しているのですが、やっぱりヴォーカルに合わせたバッキングに徹していて、そこのところはジャズ・フュージョン方面から聴いていて、ちょっと欲求不満が残りました。それなりにおいしいフレーズもあるんですけれども。ポップスとしてのアルバムの印象としてはまあまあかな、という感じで、妹の平原綾香の強烈なオーラをどう超えるかが、今後期待されるところではありますね。


~愛を~Ai Wo/Aika(Vo)(Eau)
Ai Wo/Aika(Vo)(Eau) - Released 2006. Oli Rockberger(P), David Gilmore(G), Tony Grey(B), Martin Valihora(Ds), EJ LABB(Rap), Andreas Farmakalidis(B, Prog), Alex Knutsen(G) - 1. 愛の庭 2. 愛を 3. Orange Moon 4. Will Time Heal My Sorrow 5. You're Gone 6. Like We Used To 7. Imagine 8. Memories 9. Quiet 10. Slow Burn 11. Found The Love Of Life 12. Yakitori 13. Time's A Healer 14. Belief

J-POPですが、平原綾香のお姉さんということと、バックミュージシャンに興味があって購入。作詞か作曲にAikaが関わっているのは全14曲中8曲。日本語の歌詞と英語の歌詞が混在しています。確かにデヴィッド・ギルモアや上原ひろみの2リズム(ベース、ドラムス)の参加(1、3、6-11、13曲目など)はいいのですが、ジャジーではなくフォーキーな感じで、あまりミュージシャンが目立っていないのはやっぱりポップスの宿命。こういう世界もノラ・ジョーンズあたりに続くような世界なので嫌いではないのですが、ジャズとして語るにはどうかな、という感じがあります。どうせなら全曲英語で勝負した方が分かりやすかったかも。4曲目など、一部ジャズ畑系かなと思える間奏も。6曲目は軽いファンク。7曲目には「イマジン」が。(06年11月8日発売)

Juni/Peter Erskine

1657
Juni/Peter Erskine(Ds)(ECM 1657) - Recorded July 1997. Palle Danielsson(B), John Taylor(Ds) - 1. Prelude No.2 2. Windfall 3. For Jan 4. The Ant & The Elk 5. Siri 6. Fable 7. Twelve 8. Namasti

このメンバーによる4枚目のアルバム。グループとしてのまとまりが冴えています。ピーター・アースキンの曲は2曲(4、7曲目)のみ。 1-2、6曲目がジョン・テイラー作なので、彼もグループでは重要な位置付けです。1曲目は温度感が低く、フリー・インプロヴィゼーションに近い雰囲気で緊張感を伴います。哀愁を帯びているピアノがメロディアスでいい感じの2曲目、ケニー・ホイーラー作の美しいワルツの3曲目、かなり自由度の高い、内側を向いた演奏が聴ける4曲目、ややしっとりとしたサウンドでたゆたっている5曲目、やや緊張した趣で繊細なやり取りが表現されている6曲目、静かな場面から盛り上がる途中で4ビートがはさみこまれている7曲目、耽美的なインタープレイが聴ける8曲目。(99年4月1日発売)

2006/11/28

Lament/Giya Kancheli

1656
Lament/Giya Kancheli(ECM New Series 1656) - Recorded March, 1998. Gidon Kremer(Vln), Maacha Deubner(Soprano), Tbilisi Symphony Orchestra, Jansug Kakhidze(Cond) - 1. Lament Music Of Mourning In Memory Of Luigi Nono For Violin, Soprano And Orchestra

邦題「ラメント<<哀歌>>」。ギヤ・カンチェーリはグルジアの20世紀現代音楽家。深くて荘厳な現代音楽という雰囲気を持った、しかし哀愁漂うメロディも感じられるところもある、42分の曲が1曲。ヴァイオリンとソプラノの歌がソリストで、ハンス・ザールの詩の「詩節」を使用。静かな場面に時々盛り上がる場面がはさみ込まれていて、その色合いはやはり哀しみに包まれている深い寒色系の色という感じがしています。(99年11月22日発売)

2006/11/27

軽度難聴

何度か書いたことだと思うけれど、子供(小学生)の頃から聴力検査が引っかかり、1000Hz、4000Hz、左右とも全部ダメ。周りの子供たちが難なくこなしているのを見て、何だかショックだった記憶があります。小学生時代に耳鼻科に毎日のように通って、鼻から耳に空気を通す治療なんかもやりましたが、結局多少良くなったかな、というところ(完治していないし、そもそも完治しない)で通うのをやめてしまいました。

検査をすると、はっきりとは記憶にないのですが、低い周波数はそれほどでもなく、割と高い周波数(8000Hzかな?)に行くほど感度が悪くなり、昔検査した時の記憶では+35dbぐらいの耳の感度だったのですね。ネットで調べてみたら、それでも軽度難聴という程度だそうです。正常な人は0dbが聞こえるのかな?確か。

あるサイトで、正弦波のいろいろな周波数を聞けるところがありました。何とか8000Hzまでは聞こえるものの、やっぱり低い音に比べて聞こえが良くないです。(聞こえるか聞こえないかぐらい)

私の聴いている音楽にも影響はしていると思うのですけれど、勇気付けられたのは、耳の全く聞こえない方が、「スウィング・ガールズ」のDVDを観て映画評をしていたブログがあったんですね。(今検索にひっかかってきません。残念。)音楽を聴けなくても生き生きとしたレビューが展開されていて、やっぱり絶対的な耳(聴力)の良し悪しではないな、と感じました。

音楽を聴いていても、聴感上の問題はともかく、主旋律しか追えないか、サウンドを複合的に追えるか、リズムをどこまで直感的に分かるかなど、聴力以外の聴き分ける力ってけっこう重要だな、と思いました。楽器をやっていた15年間が貴重な体験です。反面、シンバルやハイハットは自分は聴こえが違うだろうなあ、と思いつつ。ただ、他の人に比べて歳とともに耳の悪くなるのは早いのかな、という気がしていて、今とにかくジャズを聴いておかないと、という気にさせるのかもしれませんね。

Kanon Pokajanen/Arvo Part

1654
Kanon Pokajanen/Arvo Part(ECM New Series 1654/55) - Recorded June 1997. Tonu Kaljuste(Cond), Estonian Philharmonic Chamber Choir - 1. Ode 1 2. Ode 3 3. Ode 4 4. Ode 5 5. Ode 6 6. Kondakion 7. Ikos 8. Ode 7 9. Ode 8 10. Ode 9 11. Prayer After The Canon

(02/08/03)現代作曲家アルヴォ・ペルトの新作(録音当時)で、エストニア・フィルハーモニー室内合唱団による演奏。カノンという宗教的な題材により作曲されたとのこと。教会での録音なので、荘厳、深遠で敬虔なサウンドとともにその心地良い残響音を感じることができます。やはり寒色系ながら、そのサウンドの陰影や色彩感が、ある時はゆったりと、ある時は瞬時に、心に届いてくるようです。 難解な印象はありません。

2006/11/26

In Paradium, Music For Victoria And Palestrina/The Hilliard Ensemble

1653
In Paradium, Music For Victoria And Palestrina/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1653) - David James(Vo), Rogers Covey-Crump)Vo), John Potter(Vo), Gordon Jones(Vo) - 1. Taedet Animam Mean 2. Introitus 3. Kyrie 4. Domine Quando Veneris 5. Graduale 6. Libera Me Domine 7. Tractus 8. Ad Dominum Cum Tribularer Clamavi 9. Sequentia 10. Offertorium 11. Peccantem Me Quotidie 12. Sanctus - Benedictus 13. Heu Mihi Domine 14. Agnus Dei 15. Communio 16. Libera Me Domine

邦題「イン・パラディスム(楽園へ)」。17世紀のフランスでのレクイエムの聖歌と、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリアとジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナのポリフォニー(複合旋律)とのこと。静寂の中から浮かび上がってくる歌が、聴いていると落ち着いてきて、心が洗われているようです。コーラスの響きと哀愁がいい。 宗教的な歌なので、 敬虔な気持ちになると同時に、BGMとしてもいいのではないかと思います。(00年7月26日発売)

2006/11/25

Die Kunst Der Fuge/Johann Sebastian Bach

1652
Die Kunst Der Fuge/Johann Sebastian Bach(ECM New Series 1652) - Recoreded May 1997. Keller Quartett: Andras Keller(Vln), Janos Pilz(Vln), Zoltan Gal(Viola), Otto Kertesz(Cello) - 1. Contrapunctus 1 2. Contrapunctus 2 3. Contrapunctus 3 4. Contrapunctus 4 5. Contrapunctus 5 6. Contrapunctus 4 A 6 In Stylo Franchese 7. Contrapunctus 7 A 4 Per Augmentationem Et Diminutionem 8. Contrapunctus 8 A 3 9. Contrapunctus 9 A 4 Alla Duodecima 10. Contrapunctus 10 A 4 Alla Decima 11. Contrapunctus 11 A 4 12. Contrapunctus 12 A 4 13. Contrapunctus Inversus 12 A 4 14. Contrapunctus 13 A 3 15. Contrapunctus Inversus 13 A 3 16. Canon Per Augmentationem In Contrario Motu 17. Canon Alla Ottava 18. Canon Alla Decima Contrapunto Alla Quinta 19. Canon Alla Duodecima Contrapunto Alla Quinta 20. Contrapunctus 14

(02/08/03)邦題「フーガの技法 BWV1080」。ケラー弦楽四重奏団によるバッハの作品。普通はこの曲はオルガンの演奏なのだそうですが、ここではストリング・クァルテットでの演奏を行なっています。沈んだ、そして落ち着いた色調でせまってきますが、バッハの曲はどこを切ってもバッハのようで、彼のメロディ、対位法、ハーモニーなどが心地良く心に響いてきます。 アレンジは変わったとしても、とりあえずは安心して聴けます。

2006/11/24

Nine To Get Ready/Roscoe Mitchell

1651
Nine To Get Ready/Roscoe Mitchell(Ss, Ts, Fl, Vo)(ECM 1651) - Recorded May 1997. Hugh Ragin(Tp), George Lewis(Tb), Matthew Shipp(P), Craig Taborn(P), Jaribu Shahid(B, Vo), William Parker(B), Tani Tabbal(Ds, Jimbe, Vo), Gerbel Cleaver(Ds) - 1. Leola 2. Dream And Response 3. For Lester B 4. Jamaican Farewell 5. Hop Hip Bir Rip 6. Nine To Get Ready 7. Bessie Harris 8. Fallen Heroes 9. Move Toward The Light 10. Big Red Peaches

全曲ロスコー・ミッチェルの作曲。9人編成ですが3管です。2ピアノ、2ベース、2ドラムスの変則的な編成 になっていて、そこがサウンドの特徴になっています。そしてメンバーの組み合わせに意外性を感じます。混沌としたあるいはアグレッシヴな部分もあれば、牧歌的な部分、まとまっていて美しさやノリを感じさせる曲もあったりします。 1曲目はその混沌としながらも哀愁を感じさせるホーンのメロディが心にしみてきます。2、8-9曲目はフリー度の高い曲。ゆったりしたアンサンブルの美しい3-4曲目、ホーンのスゴいソロにあふれるエネルギーを感じる5曲目、やはりパワーのあるフリーなタイトル曲の6曲目、アンサンブルと緊張感のあるソロの対比が際立つ7曲目、ヴォーカル入りでノリの良いファンクのような10曲目。(99年4月1日発売)

A Ballad For Many/Bang On A Can & Don Byron

Donbangon
ドン・バイロンが作曲しているアルバムということで飛びついたのですが、演奏の方は全20曲(!)中3曲しかなく、おまけに同じクラリネットでのミュージシャンもいて、どうなのかなあ、と思ってしまったアルバム。今日はコメントがずいぶん散漫になってしまいましたが、曲も現代音楽のような記譜された部分とフリー・インプロヴィゼーションが重なっているような、まあ、ヨーロッパのジャズには一部こういうサウンドのジャズがあるのだけれど、通常のジャズファンには受け入れられにくいのかな、と思ってしまいました。何かの舞台に合わせての演奏だったら、現代っぽくて合うかもしれないなあ、と思いつつ。


A Ballad For Many/Bang On A Can & Don Byron(Cl on 10, 12, 19)(Cantaloupe)(輸入盤) - Recorded December 16-17, 2004 and January 18, 2006. Bang On A Can All-Stars: Robert Black(B), David Cossin(Ds, Per), Lisa Moore(P), Mark Stewart(G), Wendy Sutter(Cello), Evan Ziporyn(Cl) - 1-6. Eugene 7. Fyodorovich 8. Blinky Blanky Blokoe 9. Spin 10. Basquiat Music From The Red-Tailed Angels: 11. Integrity 12. Silver Wings 13. Despite A Barrage 14. Explanation 15. 450 Tuskegee Airman 16. You Can Fly 17. Finally in 1941 18. Fortunately 19 Credits 20. Show Him Some Lub

(06/11/19)作曲は全曲ドン・バイロンで、ジャズではなくて構築された現代音楽に、楽器編成がフリー・インプロヴィゼーション向きの部分も重ね合わせて曲が成り立っている感じ。ドン・バイロンの演奏者としての参加も10、12、19曲目の3曲のみと、露出度は非常に少ないです。1-6曲目と、11-19曲目は組曲になっているけれども、現代音楽的なインプロヴィゼーションと記譜された音楽の合わさったものが20曲、表情を少しずつ変えながら続いているという印象。これはこれで音楽としては面白いなと思う反面、いわゆるジャズ度はなく、硬い表情が続くので、聴く人をかなり選ぶのではないのかな、と思います。作曲方面でのドン・バイロンの才能ですが、少し前衛的なサウンドとも言えます。数少ない彼の追っかけ組用か。

2006/11/23

Seleted Signs, 1/An Anthology

1650
Seleted Signs, 1/An Anthology(ECM 1650) - 1. Svantetic/Thomaz Stanco(Tp) 2. Gorrion/Dino Saluzzi(Bandoneon) 3. Morning/Misha Alperin(P) 4. Tale Of Saverio/Ralph Towner(G) 5. Hyperborean/Patch Of Light/Arild Andersen(B) 6. Morning Heavy Song/Thomaz Stanco(Tp) 7. Creature Talk/Marilyn Mazur(Per) 8. Desolation Sound/Charles Lloyd(Ts) 9. Motherless Child/Joe Maneri(Ts) 10. Past Parent/Kenny Wheeler(Flh) 11. Siegfried And Roy/Michael Cain 12. Free Above Sea/Jack DeJohnette(Ds) 13. Sleep Safe And Warm/Tomaz Stanco(Tp) 14. Nothing Ever Was, Anyway/Marilyn Crispel(P)

’87年に、「ECM Spectrum Vol.1」というサンプラーが出ましたが、この「セレクテッド・サインズ1」はナンバーがついています。このアンソロジーを聴いていると、最近ECMのサウンドが変わった気も します。やはりここに登場するのは有名なミューシャンが多いですが、Joe ManeriやMarilyn Crispelがいたり、あるいは有名すぎるくらい有名なキース・ジャレットが登場していなかったりと、ECMならではのこだわりが垣間見えます。曲目に関しても、売れセンのものを持ってきていないあたりがECMらしいです。ちなみに紹介されている曲のレコード番号は、1636, 1616, 1596, 1611, 1631, 1603, 1559, 1635, 1617, 1607, 1622, 1637, 1626/27と、発売が’97年の春先から秋にかけてのものに集中しています。

Things/Paolo Fresu/Uri Caine

Thingspaolo
ユリ・ケインというピアニストがいるのですが、日本では無名な方だと思います。ジャズもやれば、フリー、アヴァンギャルド、クラシック、エレキ・ピアノでも何でもこなしてしまうので、逆に器用すぎてオススメのこの1枚がなかなか決まらない人でもあります。このアルバム、メインはPaolo Fresuの方だと思うのですが、ケインがどのような方位を持ったピアニストか、そしてそのテクニックは、と彼を知るにはちょうど良い、ジャズやフリーその他いろいろな内容が詰まっています。トランペットとピアノとのデュオという変則編成ではありますが、なかなか面白かったアルバムではありました。


Things/Paolo Fresu(Tp, Flh)/Uri Caine(P, Key)(Blue Note)(輸入盤) - Recorded May 18 and 19, 2005. - 1. Dear Old Stockholm 2. Everything Happens To Me 3. Frammento Del Temperamento Discribile 4. Fishermen, Strawberries And Devil Crab 5. Frammento Impavido 6. Cheek To Cheek 7. Si Dolle E Li Tormento 8. Frammento Di Re Fosco 9. I Loves You Porgy 10. Cheney's Dick 11. Frammento Del Coraggioso 12. Sonia Said 13. Fellini 14. Solar 15. Frammento Con Lapilli 16. Varca Lucente 17. Frammento Aviario 18. E Se Domani

(06/11/19)2人の小品フリー・インプロヴィゼーション(やや静か系のサウンド)が6曲(Frammentoではじまるタイトルの曲)、Paolo Fresu作は13曲目、Uri Caine作は10、12曲目。2分以内の短い曲がインプロヴィゼーション含め7曲ありますが、全18曲というのは多いです。トランペットの哀愁を聴くべきアルバムかなと思いますが、変幻自在のユリ・ケインもなかなかのサポートぶり。ピアノの才気を発散させている感じ。特に、スタンダード系統の味わいは、オーソドックスなジャズのデュオですが、これらの曲はアップテンポでもバラードでもタダ者ではない雰囲気があります。ただジャジーなだけではなく、クラシカルに表現もできる人。エレキ・ピアノになったり、ホーンにエフェクトがかかる場面も。10、14曲目はブチ切れ系か。

2006/11/22

The School Of Understanding/Michael Mantler

1648
The School Of Understanding/Michael Mantler(Tp, Cond)(ECM 1648/49)(輸入盤) - Recorded August - December 1996. Jack Bruce(Vo), Per Jorgensen(Vo), Mona Larsen(Vo), Susi Hyldgaard(Vo), Karen Mantler(Vo), John Greaves(Vo), Don Preston(Vo), Robert Wyatt(Vo), Roger Jannotta(Cl, Bcl, Fl, Oboe), Bjarne Roupe(G), MarianneSorensen(Vln), Mette Brandt(Vln), Mette Winther(Viola), Helle Sorensen(Cello), Tineke Noordhoek(Vib), Kim Kristensen(P, Synth), Don Preston(Synth Ds), The Danish Radio Concert Orchestra Strings - 1. Prelude 2. Introductions 3. First Lesson 4. News 5. Love Begins 6. War 7. Pause 8. Understanding 9. Health And Poverty 10. Love Continues 11. Platitudes 12. Intolerance 13. Love Ends 14. What's Lest To Say 15. What Is The Word

(01/03/07)タイトルの下にSort-Of-An-Opera(オペラのようなもの)と書いてあります。1曲目が厳かなインストルメンタル。2曲目からは延々とヴォーカルの掛け合いが続きます。クラシックのオペラとは違いますが、そう言えば雰囲気はロック・オペラに近いかなあという気も何となく します。歌詞はCDに書いてあり、けっこうなヴォリューム。ときどきコーラスも加わって、難易度は高そう。ジャック・ブルースの名前もあって、えっ?あのジャック・ブルース?(かどうかわかりませんが)と 思いました。なるほど。曲はいわゆるECMっぽいものが中心ですがある程度ビートの効いた(8曲目)ものも。ただ、色彩感覚的には全体を通して寒色系の深い色合いで、単調と言えば単調かも。聴く人を選ぶアルバムだとは思いますが。

Line By Line/John Patitucci

Johnlineby
国内盤で発売予定がありながら、直前になって延期(当初時期未定で、最近19年1月に決まったようです)になってしまったアルバム。国内盤にはボーナス・トラックがつく予定だったみたいですが。輸入盤に購入を切り替えるも、輸入盤のほうも何度か延期になりました。ジョン・パティトゥッチの作品は、何作か前から弦楽四重奏を入れてみたり、内省的な曲が多かったりしましたが、その傾向はこのアルバムでも強いです。このジャズのクァルテットだったら、とんでもなくブチ切れた演奏で皆を圧倒することも出来るのになあ、と思いつつ、ギタートリオですが、せめてその傾向のあるモンク作の9曲目で満足しようかと。ただ、内省的な演奏って私は嫌いではないですけれど。


Line By Line/John Patitucci(B)(Concord)(輸入盤) - Released 2006. Adam Rogers(G), Brian Blade(Ds), Chris Potter(Ts), Richard Wood(Vln), Elizabeth Lim-Dutton(Vln), Lawrence Dutton(Viola), Sachi Patitucci(Cello), Jeremy MacCoy(B) - 1. The Root 2. Agitato 3. Circular 4. Folkore 5. Dry September 6. Nana 7. Theme And Variations For 6-String Bass And Strings 8. Line By Line 9. Evidence 10. Jesus Is On The Mainline 11. Incarnation 12. Soaring 13. Tone Poem 14. Up With The Lark

(06/11/19)全14曲中9曲(1-4、7-8、11-13曲目)がJohn Patitucciの作曲。弦楽四重奏の入っているのは7、11-12曲目で、彼特有のフュージョンやジャズに仕上がっている曲と、ベースのソロによる曲、クラシックの影響のある曲に分かれています。それにしてもジャズのメンバー(なかなかスゴいです)で演奏している曲も、音はバシバシ出ていても何となく内省的な部分もあるのは、やっぱり彼の性格かも。控えめな印象。アダム・ロジャースとクリス・ポッターの参加で、ややメカニカルに振れている感じも。4曲目はのんびりと明るいワルツ。構築されたようなアコースティックの世界がある5-6曲目、浮遊感の漂うジャズのやや地味なタイトル曲の8曲目、セロニアス・モンク作をトリオでファンクで繰り広げている9曲目。

2006/11/21

新しいスカイライン(買えないけど)

昨日(11月20日)、銀座の日産ショールーム前を通ったら、新しいスカイラインが展示されていました。ちょうど発表日だったみたいです。けっこうカッコいいなあ。家に帰ったら、日産プリンスから封筒が来ていて、やっぱりスカイラインの案内。実は私、元はスカイライン党で、子供時代は家にカローラがあったのだけど、自分が免許を取った時にC210スカイライン(「ジャパン」と呼ばれてました)を父親が買って、その8年後かな、今度はR32スカイライン(小さくて丸っこかったやつ)のGTターボを、自分で買ってます。その後、平成8年にステージアが発表されるとステージア党に移行しましたが。

今は昨年購入したステージアに満足しているけれど、新型スカイラインもなかなかいいですね。ただ、価格帯が上がってしまっておいそれとは買えなくなってしまってますね(笑)。でも、スポーティー指向が一段と強まって、カッコいいです。ステージアの次期モデルがなくなりそうなので、すぐではないですけど、再びスカイライン党に戻ろうかな、と考えてみたり。希望ですが、ステージアでVQ35HRエンジンを積んだのが出てきたら、無理してでも欲しいなあと思うも、スカイラインの案内状にも、日産プリンスのラインナップが写真入りで掲載されているのですがステージアはなし。やっぱり生産打ち切り予定なのかな、と頭をよぎります。

去年ステージアを買ったときも、何年も貯金したり準備をして、やっとこさっとこ買えた状態です。なので、実際にはすぐには車を買うなんて事は出来ないのだけれど、あれこれ考えてみるのも楽しいですね(笑)。でも、最近はミニバンばかりが売れて、セダンも、スポーツカーも(トヨタのMR-Sも生産打ち切りの予定だそうです)、ステーションワゴンも、冬の時代のようです。

Poros/Dominique Pifarely/Francois Couturier

1647
今日のアルバムも、ECMを象徴しているようなアルバムで、ルイ・スクラヴィスと一緒に活躍しているミュージシャンなんですが、フランス人で、しかもピアノとヴァイオリン、という組み合わせで、ジャズとクラシック/現代音楽とがまさにボーダーレスなんですね。インプロヴィゼーションではあっても、ジャズ色はきわめて薄いです。


Poros/Dominique Pifarely(Vln)/Francois Couturier(P)(ECM 1647) - Recorded April 1997. - 1. Trois Images 2. Poros 3. Labyrintus 4. La Nuit Ravie 5. Retours 6. Warm Canto 7. Vertigo 8. Images 4, 2, 3 9. Gala

2人のフリー・インプロヴィゼーションが2曲(1、8曲目)、Dominique Pifarely作が3曲(2、4-5曲目)、Francois Couturier作が3曲(3、7、9曲目)。ヴァイオリンとピアノのデュオで、表現はかなりクラシック(現代音楽)寄り。空間を生かす音数の少ないインプロヴィゼーションの1曲目、現代音楽を聴いているような複雑な演奏の、語り合うような12分台のタイトル曲の2曲目、ミステリアスな響きを持つ無機的なフレーズが続く3曲目、やや憂いを帯びた内省的な4曲目、緊張感のある速いパッセージの5曲目、マル・ウォルドロン 作曲でも個性的な穏やかな演奏の6曲目、メランコリックと無機質が同居する7曲目、インプロヴィゼーションでも他の曲と違和感のない8曲目、水滴の落ちるようなフレンチサウンドが印象に残る9曲目。

Structures/John Abercrombie/Eddie Gomez with Gene Jackson

Structure
ジャズのサウンドというと、ジャズらしく生々しく聴こえるように、ミキシングやマスタリングの過程でいろいろ加工されているのが本当のようです。チェスキー・レコードは、ワン・ポイント・マイクで自然な残響を取り入れながら加工を出来るだけしないで録音する方針らしく、ジャズがこんなにナチュラルな音だったっけ、と思うような、それでいて音が良く録れています。ジョン・アバークロンビーエディ・ゴメス参加のトリオだもの、購入しないわけには行かないですよね。ただ、ちょっと自然すぎておとなしく、物足りなさも少々残ります。でも、音はいいです。当初値段が高すぎて(CD/SACDハイブリッド盤)手が出なかったのですが、通販でいつの間にか値段が安くなってました。


Structures/John Abercrombie(G)/Eddie Gomez(B) with Gene Jackson(Ds)(Chesky Records)(輸入盤) - Recorded March 6 and 7, 2006. - 1. Jazz Folk 2. The Touch Of Your Lips 3. Moon And Sand 4. Walter Pigeon 5. Everything I Love 6. Embraceable You 7. 3 For Three 8. Turn Out The Stars 9. Missing You 10. How Deep Is The Ocean

(06/11/19)John Abercrombie作が2曲(1、7曲目)、Eddie Gomez作が2曲(4、9曲目)。ジャズ特有の加工した音ではなく、ナチュラルな録音が定評のレーベル。その分アクは少ないかも。タイトルどおりフォーク調の4ビートではないジャズが繰り広げられている1曲目、ボトムがあおる感じがあるも、明るいスタンダードの2曲目、哀愁漂うメロディが印象的なちょっと暗い色調の3曲目、しっとりと語り合いながら進む4曲目、4ビートもあるけれど小刻みにフレーズを交える5曲目、ベース・ソロではじまり軽く絡みつくように進む6曲目、内側を向き合ったやりとりの7曲目、ビル・エヴァンスで有名な曲を淡々と弾いていく8曲目、ベースのアルコでしっとり静かにはじまる9曲目、スタンダードらしいメロディアスなややノリのある10曲目。

2006/11/20

Trauerfarbenes Land/Giya Kancheli

1646
Trauerfarbenes Land/Giya Kancheli(ECM New Series 1646)(輸入盤) - Recorded March and August 1997. Radio Symphonieorchester Wien, Dennis Russel Davies(Cond) - 1. ... A La Duduki 2. Trauerfarbenes Land

(03/07/13)ギヤ・カンチェーリは20世紀のグルジアの作曲家。オーケストラでの演奏ですが、やはり旧ソ連の地域の音楽性が、民俗音楽的でないにも関わらず、何となく見え隠れするような寒色系の重い雰囲気が漂ってきます。静かな部分と盛り上がった時の大きなサウンドの部分とが両極端で、ドラマチックというよりはコントラストで耳に入ってくる印象。 その演奏は、やや難解かもしれませんが、かなり個性的ではあります。

Unified Presence/David Gilmore

Davidunified
デヴィッド・ギルモア(と言ってもピンク・フロイドのではない)の最新作。以前はM-BASE一派としても一緒に行動していただけに、今回も変拍子の曲がやたら多いです。変拍子でもシンプルなもの、ややこしいものいろいろありますが、さすがこういうスゴいメンバーが集まっているだけあって、難なくこなしていく感じ。他ではあまり聴かないようなサウンドなので、私的にはけっこう好きなアルバムとなりました。リズムは平穏ですがメカニカルなアップテンポでせまる10曲目がインパクト、特にありました。変拍子の際立っている他の曲も印象は強いですが。なぜか11曲目のみ、オーソドックスなボッサでヴォーカル入り。他の曲と曲調が全然違うので、この曲は、何で入っているのか、はて。


Unified Presence/David Gilmore(G)(RKM Music)(輸入盤) - Recorded May 29 and 30, 2004. Christian McBride(B), Jeff "Tain" Watts(Ds), Ravi Coltrane(Ts, Ss), Claudia Acuna(Vo on 11) - 1. Vertical Path 2. Protean Way 3. Douala 4. Snake Theory 5. Goga Jam 6. Law Of Balance 7. Window To The Soul 8. Hankiskas 9. Unified Presence 10. 11th Hour Blues 11. Beijo Partino(Broken Kiss)

(06/11/18)11曲目のみヴォーカル入りのトニーニョ・オルタ作で他はDavid Gilmore作。参加メンバーもスゴいけれど、変拍子バシバシの曲が多いです。8分の9拍子を中心に拍子が変わる(と思われる)軽いファンクタッチで4ビート(?)もある1曲目、淡色系の波に漂っていく不思議な拍子の2曲目、サンバのような3拍子系のアコースティックな3曲目、複合変拍子と思われるファンクの4曲目、5拍子系の小品の5曲目、浮遊感とノリのエレキベースで攻める6曲目、アコースティック・ギターでしっとりと奏でるバラードの7曲目、目まぐるしいアップテンポのサウンドで変幻自在のジャジーな8曲目、動くリズムの上をたゆたうギターというようなサウンドの9曲目、メカニカルでアップテンポのブルース(と言えるかどうか)の10曲目。

2006/11/19

大学受験の頃とその後

私が大学受験をしたのは、国公立で共通一次試験が始まったばかりで、受ける場合は5教科7科目を受験しなければなりませんでした。私立大学は今のセンター試験は関係なかったので、英国社(私の場合は世界史)だけで受けられました。

高校1-2年と、割と進学校だったのにバンドばかりやっていて成績もパッとせずだったのですが、他の人が国立に向けた勉強をする中、数少ない私立専願組だったんですね。2年も終わりになってやっと受験勉強を意識しました。高校3年の選択科目も必要最小限だったので、授業時間も少なく、3科目だけにけっこう時間をとれました。幸い、現代国語だけは出来が良く、勉強しなくても成績が良かったので、その分さらに時間が取れ、世界史は山川の用語集1冊丸暗記なんてこともやったと思います。

国語と世界史に関しては、模擬テストで何度か全国の成績優秀者に名前が載ったことがあります。現役で希望の私立W大学に合格(第1志望の学部には落ちましたが)。高校2年の終わりの模擬テストではとんでもないひどい成績だったのが、目標を絞れば何とかなるんだ、ということが分かりました。めでたしめでたし。んなーわけない(笑)。

大学を卒業して、社会に出て営業職についたのですが、学歴なんて全く意味なし、でした。売った方が勝つんです。クビと紙一重の状態だったこともありました。国語が得意だった割にはビジネス文書になじめず、特技も全然役に立たず。本当に厳しかったのはやっぱり社会に出てからでしたね。

ただ、ここ10年ほどは本を読む量がガクッと減っているけれど、けっこうそれまで本を読んでいた方なので、今、役に立っている面があるかもしれません。このブログとか、アルバムコメントとか。まあ、平凡な文章ではありますけど、書くことがあるときは割とサラサラかけてしまうほうです。今日もここを書くのは10分ほど。迷いはありません。

Ceremony/Maya Homburger/Barry Guy

1643
Ceremony/Maya Homburger(Baroque Vln)/Barry Guy(B)(ECM New Series 1643)(輸入盤) - Recorded April and July, 1997. - Heinrich Ignaz Franz Biber: 1. Annunciation Barry Guy: 2. Celebration 3. Immeasurable Sky 4. Ceremony 5. Still 6. Breathing Earth

(04/03/26)1曲目のHeinrich Ignaz Franz Biberは17世紀頃の作曲家で、3分弱の小品。中心はBarry Guyの作品。2、4曲目がヴァイオリン、5曲目がベース(ジャズ的?)、3、6曲目がデュオでの演奏。こちらの方でもバロック・ヴァイオリンを使用していますが、内容は現代的で内省的な感じがします。難解さや叙情性をも内包。Barry Guyはジャズベーシストでもあるのですが、現代音楽の表現ながらピチカート奏法もあるのが印象的。

Ha!/Oz Noy

Oznoyha
Oz Noyというギタリストの2枚目のアルバム。と言いつつ、リーダー作はまだこの2枚しか出ていないようなんですが。でも、インパクトはありましたねえ。フュージョンというよりはファンク・ロック寄りの音を出すギタリストです。前作のライヴでは色濃かったチープな感じはなくなって、安定したサウンドを繰り出しています。まあ、どちらがいいかは好みの問題でもあるんでしょうけれど。7曲目のみにマイク・スターンが参加。この人の音は聴けば分かりますよね(笑)。今回のOz Noyの評判を聞いて買ってみて、私的には正解でした。また追っかけするギタリストが増えてしまって、うれしいやら財布が困ったやら(笑)。


Ha!/Oz Noy(G)(Magnatude)(輸入盤) - Recorded July 23, 30 and 31, August 1, 2004. Anton Fig(Ds), Keith Carlock(Ds), Will Lee(B, Vox), James Ginus(B), George Whitty(Org, Key, Whilitzer), Shai Bahar(Synth), Mike Stern(G) - 1. Chillin' 2. Sit Tight 3. Haa! 4. Say What?! 5. What Love Is 6. Hay You 7. Downside Up 8. Blue Monk 9. Hit Me 10. I Cant Make You Love Me

(06/11/18)8曲目の他はOz Noyのオリジナル。前作のようなチープな感じはなくなりましたが、ギター度は高いです。2ベース、2ドラムスで明るいファンクを奏でる1曲目、シンプルなクァルテットでストレートなサウンドで演じる2曲目、ややスローでヘヴィーなファンクを体感できる3曲目、スピード感があってノレる4曲目、彼にしては珍しくしっとり系のバラードの5曲目、ギターも周囲もストレートもあればヒネクレもあるサウンドの6曲目、この曲のみマイク・スターンが参加して、テクニカルな鋭いファンクや変幻自在な4ビートがうなる7曲目、ギター・トリオでセロニアス・モンクの曲をそれらしくゆったりとロックで演奏する8曲目、ロック系のハネる8ビート系16ビート(?)がノリの良い9曲目、静かで牧歌的なバラードが展開する10曲目。

2006/11/18

A Retrospective/OM

1642
これはちょっと特殊です。過去の’75-80年にかけてECMの傍系レーベルJAPOに録音された4枚のアルバムからのセレクトだからです。しかも、今になって1600番台という古いレコード番号が付いているところを見ると、出す予定だったものが長い間保留になっていた、ということも考えられます。なかなかのミステリーで面白い位置づけですね。ただ、このアルバムを聴いていると、4枚の過去のアルバムを全部聴きたいという欲求にはならず、このアルバム1枚でお腹いっぱい(何と80分超の収録)になる感じではあります。変化に乏しいとも言えるし、統一感が取れているとも言えますね。


A Retrospective/OM(ECM 1642)(輸入盤) - Recorded 1975-80. Urs Leimgruber(Ss, Ts, Fl, Per), Christy Doran(G, G Synth), Bobby Burri(B), Fredy Studer(Ds, Gongs, Per), Dom Um Romao(Per, Berimbau), Erdman Birke(Accordion) - 1. Holly 2. Lips 3. Rautionaha 4. Dumini 5. Dreaming For The People 6. Cerberus' Dance 7. Asumusa 8. At My Ease 9. Earworms 10. Eigentlich Wollte Johann Aud Dem Mond Den Andern Jazz Kennenlernen

(06/08/05)メンバーのインプロヴィゼーションが6、10曲目で、他はメンバーの作曲。過去のJAPO 60012、60016、60022、60032の4枚からのセレクトでの再発。ジャズロック的でもあり、エスニックな要素やフリーの要素が適度に合わさってます。ジャズロック的な進行のイメージが強い1曲目、フルートとエスニックが合わさったちょっとフワフワした2曲目、ややアップテンポで適度な各パートの応酬が聴かれる13分台の3曲目、牧歌的でゆったりから徐々にビートが効く4曲目、ギターのアップテンポのフレーズが鋭い5曲目、やっぱりフリー・インプロヴィゼーションらしさが出る6、10曲目、静かで冷たい展開のある7曲目、都会的なラテンビートとその後の比較的自由な展開の8曲目、ギターやサックスの浮遊感が心地良い9曲目。

(注)その後60032「Cerberus」からは全曲収録されていて、他のアルバムからはセレクトで収録されている事が判明しました。

Oz Live/Oz Noy

Ozlive
私はあまり寄り道しないで、お目当てのミュージシャンやレーベルだけ購入しているのですが、このアルバムはよそでも良いという人が多く、購入してみました。私もハード・フュージョン(ファンク)系統のギタリストには目がない方で、聴いてみたら相性バッチリ。ギタートリオで全編通していて、サウンドもちょっとチープな感じですけれど、けっこういい感じ。今回は曲も11曲と多く、曲ごとのコメントも、似た印象の曲が多かったのでほとんどやっていませんが、通しで聴くと、なるほど、なかなかやるな、とニマッとする感じですね。こっち方面が好きな人はけっこうハマるのでは、と思いました。ちなみにOz Noy(イスラエル人のギタリストだそうです)の初リーダー作とのこと。


Oz Live/Oz Noy(G)(Magnatude)(輸入盤) - Recorded May 12 and 19, June 23 and 30, 2002. Keith Carlock(Ds), James Genus(B), Reggie Washington(B), Anton Fig(Ds), James Genus(B), Will Lee(B) - 1. Damn, This Groove! 2. Get Down 3. Two Centers 4. Just Groove Me 5. In The Jungle 6. Misterioso 7. Steroids 8. Natural Flow 9. I Don't Know Why 10. Half Romantic 11. Cissy Strut

(06/11/15)ライヴ。6、11曲目を除きOz Noyの作曲。時々ベースとドラムスのメンバーが入れ替わるけれど、ギタートリオのハードなファンクアルバムということでは一貫性があります。ちょっとチープかなと思われる演奏やサウンドもどうしてなかなか面白い。今まで無名だった(かもしれない)割にはあちらこちらで絶賛されているのもうなずけます。既成のギタリストの名前を挙げるまでもなく、この時点で彼の独自性があります。比較的どの曲も印象的には似ているのだけれど、ロックっぽさを前面に出しつつもギター度や時にぶち切れ度がある程度高いので、それはそれで満足。3、8、10曲目は他の曲よりはスローだったりして、多少緩急をつけてます。6曲目はやや静かなセロニアス・モンク作。ギターキッズの掘り出し物。

2006/11/17

Thimar/Anouar Brahem, John Surman, Dave Holland

1641
アヌアル・ブラヒムのアルバムはECMで何枚も出ているけれど、組み合わせという点ではちょっと変わったアルバムです。イギリス勢のジョン・サーマンとデイヴ・ホランドを従えて、しかもエスニックな音でせまってくるという、完全に彼のペースでサウンドが出来上がってしまっています。イスラム世界のリズムはけっこう変拍子も多く入ってきて、今回はそこまで細かくは聴いていませんが、ホランドの変拍子得意なベースが役に立っているのでは、と思わせます。これもジャズのカテゴリーに入れるかどうか迷った作品ですけれど、インプロヴィゼーション主体には違いないと思うので、あえて入れています。


Thimar/Anouar Brahem(Oud), John Surman(Ss, Bcl), Dave Holland(B)(ECM 1641) - Recorded March 13-15, 1997. - 1. Badhra 2. Kashf 3. Houdouth 4. Talwin 5. Waqt 6. Uns 7. Al Hizam Al Dhahbi 8. Qurb 9. Mazad 10. Kernow 11. Hulmu Rabia

9-10曲目以外はアヌアル・ブラヒムの作曲。おなじみの2人が加わり、西洋音楽とエスニック(中近東音楽)の中間的世界をかもし出しています。曲調は似ているかも。エキゾチックなしっとりさを持つ哀愁の1曲目、フレンチ的な感傷もあるような2曲目、やや陰りのあるメロディが印象のある3曲目、テーマでユニゾンの個性的なメロディラインを聴かせる4曲目、サックスのみでのその地方的なメロディの5曲目、深い哀しみもある、タンゴと共通点のあるような6曲目、ちょっとアップテンポでエキゾチックな7曲目、ベースとウードの哀愁を感じる8曲目、デイヴ・ホランド作の西洋の明るさが見える9曲目、ジョン・サーマン作の異国情緒も垣間見えるゆったりした10曲目、ラストを飾るにふさわしいゆったりと落ち着いた11曲目。

Modinha/Marc Copland

Marcmoddin
私の好きなピアニスト、マーク・コープランドの新譜が出ました。いちおうサプタイトルで「New York Trio Recordings Vol.1」となっているので、これから何らかの形でシリーズになるんでしょうね。うれしいですね。そして、ゲイリー・ピーコックとビル・スチュワートとのトリオだから、よけいにたまりません。メンバーからすると悪かろうはずはない、と予測をつけます。いつものコープランドに比べてハードかなとも思えるのですが、ちょっとどんよりした繊細な寒色系のハーモニーやメロディのタッチなどを楽しめる部分も多いです。個性的なピアニストではあるけれど、それがこのメンバーで演奏しているのだから、大げさかもしれませんが、生きてて良かったと思える部分ではありますね(笑)。


Modinha/Marc Copland(P)(Pirouet)(輸入盤) - Recorded March 11 and 12, 2006. Gary Peacock(B), Bill Stewart(Ds) - 1. Half A Finger Snap 2. Modinha 3. Flat Out 4. Rain 5. Slap Happy 6. Sweet Peach Tree 7. Aglasia 8. Yesterdays 9. Taking A Chance On Love

(06/11/12)3人のフリー・インプロヴィゼーションが3曲(3、5、7曲目)とMarc Copland作が2曲(4、6曲目)。なかなかスゴいトリオ。弾むようなテーマのリズムのゲイリー・ピーコック作をソロでは4ビートで自由にピアノも飛翔する感じのある1曲目、アントニオ・カルロス・ジョビン作を曇天の寒色系で淡く表現する2曲目、鋭く切れ込むやり取りが聴けますが、既成曲の4ビートのようにも感じる3曲目、題名どおり雨天系のサウンドで3人がやや静かに自由に展開する4曲目、スリリングなやり取りが聴ける小品のフリーの5曲目、簡単なモチーフでモーダルなアップテンポの6曲目、冷ややかな緊張感があって徐々に盛り上がる7曲目、水墨画のような味わいもあるスタンダードの8曲目、繊細でしっとり感の強いバラードの9曲目。

2006/11/16

La Scala/Keith Jarrett

1640
ECMレーベルのキース・ジャレットのアルバムの手直しも完了なのですが、まだImpulseレーベルより前の彼のアルバムが11枚ほど残っています。これもそのうち時間を見つけてやらなければ、と思います。ソロのアルバムって比較するのが難しいのですけれど、このアルバム、最初の30分間はゆったりめで、長調になったり短調になったりしながら続きます。そんなわけで、聴いているうちに、個人的には眠ってしまったというのが特徴と言えば特徴。そして2曲目の前半とラストの過激で速いフレーズのアプローチ。そういう意味ではけっこう目立つアルバムかな、と思いました。


La Scala/Keith Jarrett(P)(ECM 1640) - Recorded February 13, 1995. - 1. La Scala, Part 1 2. La Scala, Part 2 3. Over The Rainbow

ピアノ・ソロのライヴ。1曲目は45分もの長尺。出だしからしっとりと、一定のテンポの自然発生的な流れでピアノを弾いているので、頭が休まります。長調中心から短調中心に徐々に色を微妙に変えていき、その後は一定のリズムでエキゾチックな進行。32分あたりでちょっとテンポ的に立ち止まって思索、その後流れるようなメロディで発展して、ラストはフォーク的。2曲目冒頭の過激なフリーのインプロヴィゼーションで目が覚めてしまいます。この曲も27分。だんだんと収斂していき、メロディ的な速いフレーズで起伏があります。そして中盤からあとはゆったりした曲調に。最後は再び過激な音で。3曲目でこの時期のソロのライヴアルバムでは珍しく、スタンダードが1曲。優しくゆったりと包み込むような温かみのある音。

Classmasters/Melvin Rhyne Quartet

1183
Criss Crossレーベル順番聴き5日目。いったんここで区切り、またよそに行くことにします。ここでのクァルテットはメルヴィン・ラインのサイドではおなじみの人たちなので、かなりコンビネーションがいいみたいですね。良い意味で大いなるマンネリとでも言いましょうか。それでも今回はブルース曲が少なかったのと、ジャズメン・オリジナルとスタンダードが多かったことで、確かに聴きやすくなっています。サックスやギターが、勝手知ったる他人の家ではないですが、絶妙のタイミングでいいソロを聴かせてくれます。この時期になってくるとこのレーベル、ベテランをあまり出さなくなっているので、そういう意味でも貴重かも。


Classmasters/Melvin Rhyne(Org) Quartet(Criss Cross 1183)(輸入盤) - Recorded December 19, 1999. Eric Alexander(Ts), Peter Bernstein(G), Kenny Washington(Ds), Daniel G. Sadownick(Per on 1, 3, 9) - 1. Rhyne, Rhythm And Song 2. Watch What Happens 3. What Are You Doing The Rest Of Your Life 4. Stanley's Shuffle 5. Don't Explain 6. Well You Needn't 7. Oriental Flower 8. Search For Peace 9. Like Sonny 10. What Is This Thing Called Love

(06/11/11)おなじみのメンバーの顔ぞろえ。渋いです。Melvin Rhyneの作曲は例によって1曲目のみ。ただし、今回はブルースではなくて、浮遊感のある8ビートのパーカッションが効いているメロディアスな曲。他はスタンダードやジャズメン・オリジナル。2-3曲目はミシェル・ ルグランの曲が続いてホンワカの曲と8ビートの渋めの曲。本領発揮のブルース進行の4曲目、ほの暗い哀愁を漂わせているバラードの5曲目、セロニアス・モンク作を途中サックスとドラムスの対決の場面を交えてバリバリ演奏する6曲目。マッコイ・タイナー作の曲が続き、16部音符を時に多用するもののマイペースのオルガンの7曲目、バラードの8曲目。ジョン・コルトレーン作のラテンタッチの9曲目、アップテンポで意表をついた展開の10曲目。

2006/11/15

Proverbs And Songs/John Surman

1639
今日もジャズかクラシックか迷うジャンル分けであります。ジョン・サーマンの作曲だし、サックスやバス・クラリネットは彼のいつものフレーズなのでジャズなのですが、題材は聖書からの合唱、パイプ・オルガンを使って、教会で荘厳に演奏しているあたりはクラシックなんですね。いちおうNew Seriesからの発売ではないので、彼の多重録音で発表しているアルバムと何となく近いな、という気がしたので、「いちおうは」ジャズのカテゴリーに分けさせてもらいました。こういう両者をまたがるアルバムって、このレーベルでは少なくなく、カテゴリー分けに困ることが時々あります。


Proverbs And Songs/John Surman(Bs, Ss, Bcl)(ECM 1639) - Recorded June 1, 1996. John Taylor(Org), Salisbury Festival Chorus, Howard Moody(Cond), John Curry(solo Speaker) - 1. Prelude 2. The Songs 3. The Kings 4. Wisdom 5. Job 6. No Twilight 7. Pride 8. The Proverbs 9. Abraham Arise!

全曲ジョン・サーマンの作曲。宗教的な題材を教会でライヴ録音しました。言わば教会音楽という事になってしまうのでしょうか。オルガンはパイプ・オルガン。クラシックとの折衷の領域のサウンドで、組曲として続いています。オルガンの持続音の上をアドリブでバリトン・サックスが舞う1曲目、コーラスが各パートで交互に歌う部分が多く、後に合奏が出てくる荘厳な雰囲気の2曲目、8分の6拍子でノリの良い合唱と合奏、後半なだらかな3曲目、威厳のあるコーラスとそれに合わせる合奏の4曲目、サックスと入り交じる鋭い合唱の5曲目、印象に残るゆったりとメロディアスな6曲目、輪唱的な効果のある合唱とサックスから荘厳風に至る7曲目、スピーキングのある現代音楽的な8曲目、やはり荘厳な合唱と哀愁の合奏の9曲目。

Introducing Jimmy Greene/Jimmy Greene Sextet

1181
Criss Crossレーベル順番聴き4日目。ジミー・グリーンのCriss Crossレーベルデビュー作でもあり、初リーダー作。私はこの後に出てくるサイド参加作やリーダー作を先に聴いてしまっているものが多かったので、ここではじめてのデビューだとは思いませんでした。最近多いやや高音を中心に音を組み立てる系ですけれど、割とオーソドックスで安心して聴けるサックスだと思いました。サイドのミュージシャンもベテランで固めたりして、ピアノでは通好みのピアニスト、Aaron Goldbergがこのアルバムだけに参加しているのも特徴かも。周りで援護射撃をしている感じもありますが、すでにサックスも安定した印象がありますね。


Introducing Jimmy Greene/Jimmy Greene(Ts) Sextet(Criss Cross 1181)(輸入盤) - Recorded October 10, 1997. John Swana(Tp, Flh), Steve Davis(Tb), Aaron Goldberg(P), Darrell Hall(B), Eric McPherson(Ds) - 1. No Doubt 2. Con Alma 3. Spring Can Really Hang You Up The Most 4. Nelba's Struggle 5. Re-Affirmation 6. I Love You 7. My Flower 8. Fly Little Bird Fly

(06/11/11)Jimmy Greene作は全8曲中4曲(1、4-5、7曲目)。割とオーソドックスなタイプのテナー・サックスだと思いますが、印象的。けっこうハードバップしているサウンドのミディアムの1曲目、ややアップテンポの8分の6拍子で、テーマのホーンアレンジも魅力的な2曲目、ワン・ホーンでしっとりとテナーを奏でていくスタンダードのバラードの3曲目、アップテンポでスピード感あふれるテナーその他の楽器のソロが聴ける4曲目、ミディアムで、変則リズム(4拍子ですが)も時に使って、メロディアスの温かめのサウンドで進んでいく5曲目、綾織系の微妙なホーンアレンジがいい、ペースの割にはソロが鋭い6曲目、8分の6拍子でゆったりとしたメロディの7曲目、ドナルド・バード作をバリバリとアップテンポで演奏する8曲目。

2006/11/14

Kultrum/Dino Saluzzi, Rosamunde Quartett

1638
Kultrum/Dino Saluzzi(Bandoneon), Rosamunde Quartett(Andreas Reiner(Vln), Simon Fordham(Vln), Helmut Nicolai(Viola), Anja Lechner(Cello))(ECM New Series 1638) - Recorded March, 1998. - 1. Cruz Del Sur 2. Salon De Tango 3. Milonga De Los Morenos 4. ...Y Solos - Bajo Una Luna Amarillia - Discuten Sobre El Pasado. 5. Miserere 6. El Apriete 7. ...Y Se Encamino Hacia El Destierro. 8. Recitativo Final.

邦題は「サロン・デ・タンゴ」。バンドネオンと弦楽四重奏団の組み合わせでの演奏。タンゴというよりはクラシックの室内学風(現代音楽風?)の高尚なサウンドなのですが、そこはかとない南米の香りもしています。そして、バンドネオンとストリングスの組み合わせも、意外に両者のサウンドが溶け込んでいます。淡色系の複雑な味わいの中から、時々サッとバンドネオンの哀愁が浮かび上がる構図が、やはりディノ・サルーシの演奏。(99年4月22日発売)

Point Of Arrival/Ryan Kisor Quartet

1180
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。ライアン・カイザーの’98年の録音ですが、リンカーン・センター・ジャズ・オーケストラの在籍は’94年からだし、当時でも実力派。それが証拠に、今作も前作も、基本的にはワン・ホーン・クァルテットでの演奏になっています。聴いていて確かに上手いです。ただ、CDの英文ライナーなどを読んでいると、過去の先人のどの演奏のアレンジにインスパイアされて、というような表現が出てくるので、やっぱりいくら上手くても過去が下敷きになっているんだなあ、と、ちょっと寂しい気持ち。これはこのレーベルの他のミュージシャンにも言えることですけど。アルバム自体良いのだし、もっとオレがオレが、という部分もあってもいいんじゃないかなあ、と思います。


Point Of Arrival/Ryan Kisor(Tp) Quartet(Criss Cross 1180)(輸入盤) - Recorded December 21, 1998. Justin Kisor(Tp on 8), Peter Zak(P), John Webber(B), Willie Jones 3rd(Ds) - 1. Point Of Arrival 2. Smoke Signal 3. Better Late Than Never 4. For All We Know 5. Jessica's Theme 6. The Lonely Hour 7. The Best Thing For You Is Me 8. Sir Lancelot 9. The End Of A Love Affair

(06/11/11)Ryan Kisor作は1曲目のみで、メンバーの作曲が多い。8曲目のみ同じ楽器で彼の弟も参加。ちょっと浮遊感のあるテーマの、ミディアムの8分の6拍子でトランペットを自在に操っている1曲目、テーマがけっこう現代的だけれど、ソロになるとブルース進行になっていく2曲目、かなりのアップテンポでソロもバリバリと進んでいく勢いのある3曲目、温かくてメロディに味わいがあるミディアムのスタンダードの4曲目、淡い感じのメロディがワルツのリズムに乗って、盛り上がりもある5曲目、オリジナルながら印象的なバラードの6曲目、速いテンポで吹いているスタンダードの7曲目、テーマが5拍子でソロはシンプルな4拍子の、2トランペットの8曲目、メロディアスながらスピーディーに進んでいくスタンダードの9曲目。

2006/11/13

Oneness/Jack DeJohnette

1637
Oneness/Jack DeJohnette(Ds, Per)(ECM 1637) - Recorded January 1997. Jerome Harris(G, B), Don Alias(Per), Michael Cain(P) - 1. Welcome Blessing 2. Free Above Sea 3. Priestesses Of The Mist 4. Jack In 5. From The Heart/C.M.A.

5曲中3曲(うち1曲がインプロヴィゼーションとのメドレー)がジャック・ディジョネットのオリジナルで、他の2曲(半)は参加者のインプロヴィゼーション。通常のジャズの域からは大きくはずれていて、どの楽器もパーカッシヴなサウンド。空間的に広く、その緊張感は高 めです。1曲目はドン・アライアスとのパーカッションでのデュオの小品。2曲目は4人でのフリーだけれども、その研ぎ澄まされた冷たいサウンドが見事で、特にピアノの存在が大きい。3、4曲目は再演曲。神秘性もあって、静かに語りかけてくる15分台のバラードの3曲目、以前のヴァージョンと全然違ったアプローチの、ポップさが消えた12分台の4曲目、アフリカンにゆったりはじまり、4ビートもあったりやや自由な方向へも行く、メドレーで27分台の5曲目。

Watch What You're Doing/Herlin Riley Quintet

1179
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。ハーリン・ライリーの42歳にして初のリーダー作だそうです。曲をほとんど自分で作ってしまっているので、ドラマーにしてはなかなかセンスあるなあと思うのですが、良くも悪くもウィントン・マルサリスのサウンドの影響がけっこうあります。これは共演者のせいでもあると言えそうですが、どちらかというと時代の先を行くというよりは懐古的に聴こえるサウンド。個々の演奏を聴いていると決して古くないだけに、ちょっと不思議な気持ちになりますね。自分自身で好みかというと、ちょっと、うーんとなってしまいます。ただ、飽きさせない工夫をしたサウンドではあります。


Watch What You're Doing/Herlin Riley(Ds) Quintet(Criss Cross 1179)(輸入盤) - Recorded June 10, 1999. Ryan Kisor(Tp on 2, 4), Wycliffe Gordon(Tb), Victor Goins(Ts, Ss, Bs, Cl), Farid Barron(P), Rodney Whitaker(B) - 1. Watch What You're Doing 2. New York Walk 3. John Lewis 4. Soscalalah Blues 5. Sunshine In My Pocket 6. Coodie Coo 7. Warm All Over 8. Myrosa's Mirage 9. Blood Groove

(06/11/05)3曲目(Rodney Whitaker作)を除き、Herlin Rileyの作曲。やはりウィントン・マルサリスの系列を感じさせるようなドラムスと曲調が、ある意味個性的かも。渋めのマイナー調でややアップテンポ、ドラムスがやや目立つような懐かしめの1曲目、アップテンポで切れ込むようなホーンのソロが心地良い2曲目、出だしはベースのアルコで静かなバラードが展開する3曲目、比較的オーソドックスなブルースの4曲目、カップをつけたトロンボーンのミディアムスローでちょっと時代を感じる5曲目、8分の7拍子でアップテンポの、少しコミカルな雰囲気の6曲目、郷愁を感じるメロディでエキゾチックにせまる7曲目、5拍子系が基調(6拍子もあり)の渋いミディアムの8曲目、ベースとドラムスが目立ってアフリカンな感じも出す9曲目。

2006/11/12

Litania - Music Of Krzysztof Komeda/Thomas Stanko Septet

1636
今日はトーマス・スタンコによる、同じポーランド出身の映画音楽家、クリストフ・コメダの作品集です。自作で勝負しないのも珍しいですけれど、哀愁、バラードというECM定番のサウンドの他に、時によってECMをはみ出しているんじゃないかと思われるモーダルな演奏の場面もあります。ベテランになってくると、ある程度好きなことができるのでしょうか。ただ、特にトランペットの音は鋭く、冷たいので、案外ブラインドで分かるのではないかと思います。このレーベル、彼といい、ケニー・ホイーラーといい、温度感の低いトランペッターが目立ちます。そういうミュージシャンが集まってくるのでしょうけれど。


Litania - Music Of Krzysztof Komeda/Thomas Stanko Septet(Tp)(ECM 1636) - Recorded February 1997. Bernt Rosengren(Ts), Joakim Milder(Ts, Ss), Bobo Stenson(P), Palle Danielsson(B), Jon Christensen(Ds), Terje Rypdal(G) - 1. Svantetic 2. Sleep Safe And Warm(Version 1) 3. Night-time, Daytime Requiem 4. Ballada 5. Litania 6. Sleep Safe And Warm(Version 2) 7. Repetition 8. Ballad For Bernt 9. The Witch 10. Sleep Safe And Warm(Version 3)

映画音楽でも有名な、ポーランドのクリストフ・コメダの曲集。これをトーマス・スタンコ がアレンジ。哀愁的な繰り返されたテーマを基に途中からテンポを速めてジャジーに盛り上がり、ラストで静かにテーマの再提示をする1曲目、やはり東欧らしいテーマが、静かに切なく、ヴァージョンを変えて提示されていく2、6、10曲目、冷たいながらも穏やかだったり盛り上がったりの自由でモーダルな感じの21分にもわたる3曲目、しっとりしたゆっくりのバラードの4曲目、落ち着きながらも牧歌的な、ちょっとスリルのあるバラードのタイトル曲の5曲目、シャープですが温かめのホーンの絡み合いのバラードの7曲目、オーソドックスなバラードの雰囲気の8曲目、ドラムスのゆったりしたパルスやギターの響きが魔力的な雰囲気の10曲目。

Vibe Up!/Steve Davis Sextet

1178
Criss Crossレーベル順番聴き、また1日目。今回はスティーヴ・デイビスで、もう、彼のアルバムを5枚以上聴いてきたし、ワン・フォー・オールやチック・コリアのオリジンでも活躍していたし、と、かなり彼の演奏を聴いているんですね。今までは50年代ハードバップを今に再現して演奏しているというイメージが強かったのですけれど、今回のアルバムはオリジナルが多いにもかかわらず、曲にいろいろ手を加えていて、メカニカルだったり浮遊感があったりと、変化に富んでいます。ただ、想定の範囲内かと言えばそうだとも言えるわけで、ここのあたりのさじ加減が難しいんじゃないかとは思いますが。3曲を除きワン・ホーンで、ヴァイブラホンとギターを加えたのも良かったです。


Vibe Up!/Steve Davis(Tb) Sextet(Criss Cross 1178)(輸入盤) - Recorded December 19, 1998. Steve Nelson(Vib), Peter Bernstein(G), Mike DiRubbo(As on 4, 7-8), David Hazeltine(P), Peter Washington(B), Joe Farnsworth(Ds) - 1. Vibe Up! 2. It's The Little Things That Count 3. Somewhere 4. Blue Domain 5. The Summary 6. Three-Way Street 7. Tournesol 8. Mode For Damo

(06/11/05)Steve Davis作は全8曲中5曲(1-2、4、7-8曲目)。ワン・フォー・オールとは少しメンバーが違いますが、出てくるサウンドは3曲を除きワン・ホーン。ややアップテンポでシンプルなメロディだけれどけっこう複雑なテーマの、ソロになるとハードバップ風の1曲目、ややゆったりしたソフトで渋めな演奏を聴かせる2曲目、映画「ウエスト・サイド・ストーリー」の曲で、テーマのゆったりからアドリブでテンポがコロコロ変わる変化のある3曲目、ミディアムの8ビートで変化球ながらブルース進行の4曲目、味わいのあるスローなバラードの5曲目、メカニカルで浮遊感のあるテーマからややアップテンポのソロにいく6曲目、8分の6拍子で淡くメロディアスな7曲目、スリリングなテーマとアップテンポの進行がワクワクする8曲目。

2006/11/11

昨夜は昔のバンドメンバーで飲み会

昨夜は渋谷で、久しぶり(2年ぶりぐらいかな)に昔のバンドのメンバーで飲み会がありました。バンド活動(ジャズではありませんが)を中断してからすでに17年ぐらいの月日が過ぎ、皆会社ではそれなりのポジションについて仕事が非常に忙しくなっているので、今回の集まる日程を組むのも、1ヶ月がかりでした。まだ地方に転勤している人がいないので、いい方かな。

やっぱりあの明るさと盛り上がりはバンドメンバーならではでしょうね。実は、音楽談義はほとんどなくて、仕事の話だったり雑談だったり、思い出話だったりしたのですが、それはそれで楽しい時間でした。カラオケはなかったでした。

50歳を過ぎたらバンドを復活させるという話がどこからともなく出てきて、何で50歳を過ぎてなんだ、という意見もありましたけれど、楽器にさわっていない期間がけっこう長かったので、そういう準備期間をおいてもいいのかも。オヂサンバンド、いいじゃありませんか。

昔の曲は、YouTubeの方に保管してあります。急に音が出るときがあるのでご注意を。

Canto/Charles Lloyd

1635
チャールス・ロイドの、これは5作目で、同じメンバーになってからも3作目。やっぱりスピリチュアルなオリジナルのイメージが強いです。ドラムスのビリー・ハートの、曲によって使われるマレットさばきがなかなか心地よく、スピリチュアルの片棒をかついでいるのがよく分かります。ピアノのボボ・ステンソンが異色かもしれませんが、実にいい感じでサックスに合わせています。寄り添うような離れていくような感じ。ジョン・コルトレーンほどには泥臭くなく、ちょっと乾いた感じで彼ならではのサウンドを創り上げています。逆に言えば大いなるマンネリですが、これもまた楽しい。


Canto/Charles Lloyd(Ts, Tibetan Oboe)(ECM 1635) - Recorded December 1996. Bobo Stenson(P), Anders Jormin(B), Billy Hart(Ds) - 1. Tales Of Rumi 2. Haw Can I Tell You 3. Desolation Sound 4. Canto 5. Nachiketa's Lament 6. M 7. Durga Durga

全曲チャールス・ロイドの作曲で、このメンバーでは3作目。ある種静かな乾いた透明感のある音。それぞれ4人が空間の中を泳いでいるようなサウンド。静かにはじまってから6分半もしてからおもむろにサックスが入ってくる、 前半淡々としているようで、エキゾチックで情念的でもあってだんだん盛り上がる16分もの1曲目、 やや明るめだけれどスピリチュアルな香りも少々している2曲目、全員が漂いつつまとまっている雰囲気もあるちょっと静かめの3曲目、内面を見つめるように語りかけていき、ゆるいまとまりのある13分台のタイトル曲の4曲目、ティベタン・オーボエのエキゾチックな響きを聴けるスペイシーな5曲目、モーダルでスピリチュアルな演奏が続く13分台の6曲目、テンポなしでのバラードの大団円的な7曲目。

C Minor/ジョバンニ・ミラバッシ&アンドレィ・ヤゴジンスキ・トリオ

Giovacminor
澤野工房からジョバンニ・ミラバッシ作品がたて続けに2枚出て、前に出たのはソロ・ピアノ、今回はピアノ・トリオにアコーディオンが絡んでくる作品。どちらも甲乙付けがたいですが、彼らしさを求めるならば個人的にはソロ・ピアノ。(Cantopiano/Giovanni Miravassi(P)(Minimum 007))の方を選ぶと思います。ただ、こちらの方も東欧的な哀愁が満載で、ちょっと淡い感じがいいかな、と思っています。とは言うものの全編そういう感じでもなく、アップテンポで明るめの曲も混ざっていたりもしますけれど。オリジナルが大半だというところも、こういうアルバムではメリットになるでしょうね。全体を通した雰囲気が好み。


C Minor/ジョバンニ・ミラバッシ(P)&アンドレィ・ヤゴジンスキ(Accordion、P)・トリオ(澤野工房)
C Minor/Giovanni Mirabassi(P) & Andrzej Jagodzinski(Accordion, P) Trio(Atelier Sawano AS063) - Recorded 2005. Czestaw Bartkowski(Ds), Adam Cegielski(B) - 1. Tango 2. Blue Melody 3. Souvenirs Souvenirs 4. Rova 5. La Barre d'Etel 6. Walc -A-moll 7. Deep Cut 8. Samba De Tygmont 9. Mirabasso Continuo 10. Solar 11. My Romance 12. Barcarole

このメンバーで2作目。ジョバンニ・ミラバッシ作が5曲(1、3-5、12曲目)、アンドレィ・ヤゴジンスキ作が4曲(2、7-9曲目)。ただでさえ哀愁があるのに、アコーディオンの音色がさらに彩を添えるアルバム。タンゴでありながらちょっと淡くせまる1曲目、淡彩色の哀愁は同じ切なさの2曲目、アップテンポでアルバムでは異色な3曲目、浮遊感漂う妖しいメロディの4曲目、ちょっと沈んだサンバノリの5曲目、同様にアップテンポの8曲目、ショパン作も自分たちの色に染めてしまう6曲目、雰囲気そのままファンク的なリズムの7曲目、ヤゴジンスキ作のミラバッシの曲とも言うべき9曲目、マイルス作の曲も彼ら流の4ビートの10曲目、スタンダードを2台のピアノで陽気に奏でる11曲目、ラストはワルツの哀愁で締める12曲目。(06年10月27日発売)

2006/11/10

The Sea 2/Ketil Bjornstad/David Daring/Jon Christensen/Terje Rypdal

1633
今日はケティス・ビヨルンスタの「海2」です。この2年前にも同じメンバーで第1作を録音しています。その時は曲名が海1-12、番号しかふられていなかったけれども、今回は曲名がちゃんとついています。と言いつつ、曲ごとに鑑賞するよりはトータルアルバムとして通して聴く雰囲気なのですが。通常のプロデュースだとこういう曲の雰囲気ではピアノとチェロのデュオでアルバムを作るでしょう。でも、ロックギターのようなテリエ・リピダルと、独特なパルスを送り込むヨン・クリステンセンのドラムスが加わることによって、まさに「海」なんだけれども、非常に個性的なグループ・サウンドが出来上がっています。


The Sea 2/Ketil Bjornstad(P)/David Daring(Cello)/Jon Christensen(Ds)/Terje Rypdal(G)(ECM1633) - Recorded December 1996. - 1. Laila 2. Outward Bound 3. Brand 4. The Mother 5. Song For A Planet 6. Consequences 7. Agnes 8. Mime 9. December 10. South

6曲目は全員のフリー・インプロヴィゼーション、他はケティル・ビヨルンスタの作曲。同じメンバーでのシリーズ2作目。なるほど、と思わせる静寂感と雰囲気。静寂に切り込むエレキギターのフレーズと、パーカッション的なドラムスが微妙なバランスを保っています。どんよりとした北欧の海にギターの嵐が舞う1曲目、静かな情景にドラムスのブラシが淡々と進む2曲目、重めながらも静かな海から徐々に盛り上がる3曲目、珍しく明るめで穏やかな4曲目、チェロとのデュオでしっとり感漂う5曲目、雰囲気を壊さないけれど、過激な部分もある6曲目、淡い哀しみをあしらうようなデュオの7曲目、ギターがメロディアスに、そしてハードに泣く8曲目、寒いけれど静かな情景が浮かぶデュオの9曲目、ギターが暴れまわっている10曲目。

トゥゲザー・アゲイン/カーリン・クローグ、スティーヴ・キューン

Karintogeth
カーリン・クローグは、ヴォーカリストの中ではけっこう好きな方なので、なるべくCD化されたものは追いかけるようにしています。時々実験的なアルバムも作ってみたり、正統派のアルバムを録音してみたり。今回のアルバムは正統派なのですが、ヴォーカルとピアノとのデュオのため、やはりほとんどがバラードで、ミディアム・テンポ(別に4ビートを刻んでいるわけではないですが)までの演奏。これをリラックスして聴けると思うか、退屈と思うかはその人の自由。ただ、2人ともタダモノではないので、それとなく飽きさせない工夫はしている感じ。スティーヴ・キューンのピアノも美しい場面もあって、地味ながらもキラリと光るアルバムにはなっていると思います。


トゥゲザー・アゲイン/カーリン・クローグ(Vo)、スティーヴ・キューン(P)(Fab.)
Together Again/Karin Krog(Vo), Steve Kuhn(P)(Fab.) - Recorded 13 and 14 October, 2005. - 1. Don't Let The Sun Catch You Crying 2. I Thought About You 3. Alfie 4. Time On My Hands 5. We'll Be Together Again 6. Wee Baby Blues 7. Lazy Afternoon 8. Time After Time 9. Jim 10. The Party Is Over

3枚目の共演で完全なデュオは初めての録音。スタンダード集で、2人が寄り添いながら、あるときは気だるそうに、あるときは温かく歌っています。彼女の持ち味の気だるさと軽いブルージーさで淡々と歌いかけてくる1曲目、やはり淡々と進んでいく感じのある2曲目、バラードとしてこの上なく美しいピアノを弾くスティーヴ・キューンに途中からヴォーカルが加わる3曲目、ミディアムテンポでの2人の語り合いともとれる4曲目、やや切ない哀愁が混ざっているバラードの5曲目、少し淡く、洗練されたブルースを歌う6曲目、語りかけるようなつぶやくような歌が印象的な7曲目、メロディアスに心地良く進んでいく8曲目、ヴォーカルのみではじまりピアノが加わり静かに進む9曲目、淡々と、少し思索的な演奏が続いている10曲目。(06年10月25日発売)

2006/11/09

The Garden Of Mirrors/Stephan Micus

1632
またステファン・ミカス(ミクス?)の登場です。ECMレーベルにも、それ以前では傍系のJAPOレーベルにも、かなりの枚数の録音を残していますが、ジャズというよりは環境音楽(ヒーリング・ミュージック)の世界の音楽なので、ジャズという視点でとらえると、かなり異端のアルバム群になります。それでもこれだけ枚数がでているということは、ヨーロッパではウケているんだろうなあ、ということを想像させます。楽器が民族音楽的なのであり、ヴォイスなどはやっぱり西洋の音階やハーモニーなので、それをうまく楽器と結びつけたのだな、ということが分かります。


The Garden Of Mirrors/Stephan Micus(All Instruments)(ECM 1632) - 1. Earth 2. Passing Cloud 3. Violeta 4. Flowers In Chaos 5. In The High Valleys 6. Gates Of Fire 7. Mad Bird 8. Night Circles 9. Words Of Truth

全曲ステファン・ミクスの作曲で、ソロの多重録音。無国籍ややヨーロッパ寄り民族音楽か。尺八を使用している曲もあり(2、6、9曲目で多重録音)、シンディングという楽器の使用が多い(2-3、5-6、8曲目)。サウンドはジャズではありませんが、心地よく響いてきます。ボロンバットというアフリカの弦楽器を使用している20ヴォイスで素朴な響きの1曲目、尺八が映画音楽のように哀愁を誘う2曲目、ヴォイスとシンディングの絡みがややプリミディヴな3、8曲目、スリというフルートのような楽器が重なり合う4曲目、ベース音とヴォイスでゆったりとする5曲目、いちばん使用楽器が多く、日本的な感じもある6曲目、高い音のフォークフルートのソロの7曲目、尺八の多重録音で日本的であるようなそうでもないような、の9曲目。

ライヴ・イン・ヨーロッパVol.1/ヨアヒム・キューン/ダニエル・ユメール/ジャン・フランソワ・ジェニー・クラーク・トリオ

Joachimlive1
ヨアヒム・キューンのこのトリオ、フリー的なものもオーソドックスなものもジャズを演奏させたらヨーロッパ最強のトリオとも言われ、’90年代あたりは追いかけていたのですが、残念ながらベーシストが亡くなり、旧作でしか聴くことができなくなりました。ちょっと音質的には今ひとつですけど、こういう世界初登場の音源が出てくることはうれしいことです。私の場合フリーというと、このトリオかECM的な静謐なフリーがまず頭に浮かびます。この3人は特に、どんなにいろいろな表現の変化があっても3人でピタッとついていくところが素晴らしく、その一体感は他では表せない良さがあります。でもやっぱりフリーの要素が色濃く出ているので、好き嫌いはあると思いますが。


ライヴ・イン・ヨーロッパVol.1/ヨアヒム・キューン(P)/ダニエル・ユメール(Ds)/ジャン・フランソワ・ジェニー・クラーク(B)・トリオ(P.J.L.)
Live In Europe Vol.1/Joachim Kuhn(P), Daniel Humair(Ds), Jean Francois Jenny-Clark(B)(P.J.L.) - Recorded 1992 -1993. - 1. From Time To Time Free 2. Lili Marleen 3. Summertime 4. Easy To Read 5. Last Tango In Paris 6. Heavy Birthday

ライヴ録音。音質的にはちょっと厳しいけれど、至高のヨーロッパ・フリーのトリオの勢いとフリーならではのまとまりを聴くことができます。オリジナルは1、4、6曲目で、他はスタンダードや映画音楽など。1曲目から猛攻撃を仕掛けてきて、聴く方の心の準備が整っていないと戸惑ってしまうほどの勢い。三位一体となって起伏がついていくさまは見事です。一転安定した「リリー・マルレーン」でオーソドックスで優しい、時に切れ込むフレーズのあるジャズの演奏を聴ける2曲目、ちょっと音使いが多くてスピード感のあるフリー的な「サマータイム」になっている3曲目、オリジナルながら穏やかなメロディが流れていき時々盛り上がる4曲目、転調の多い映画音楽をスピーディーにこなす5曲目、さすがにヘヴィーなフリーの6曲目。(06年10月25日発売)

2006/11/08

Hyperborean/Arild Andersen

1631
Hyperborean/Arild Andersen(B)(ECM 1631)(輸入盤) - Recorded December 1996. Tore Brunborg(Ss, Ts), Bendik Hofseth(Ts), Kenneth Knudsen(Key), Paolo Vinaccia(Per), Cikada String Quartet: Odd Hannisdal(Vln), Henrik Hannisdal(Vln), Marek Konstantynowicz(Viola), Morten Hannisdal(Cello) - 1. Patch Of Light 1 2. Hyperborean 3. Patch Of Light 2 4. Duke Vinaccia 5. Infinite Distance 6. Vanishing Waltz 7. The Island 8. Invisible Sideman 9. Rambler 10. Dragon Dance 11. Stillness 12. Too Late For A Picture

(03/09/29)全曲アリルド・アンデルセンの作曲。曲によって弦楽四重奏団を配していますが、1、3、12曲目は弦楽四重奏のみの演奏。2曲目のタイトル曲(辞書を見たら「極北人」でした。)のように極北の静けさからベースソロやドラムスが漂ってくるサウンドは、やはり彼らならでは。研ぎ澄まされたサックスが寒さと切なさを誘う4曲目、2サックスで哀愁漂うサウンド、かつダイナミックにせまってくる5曲目、マーチ風の小品の6曲目、ゆったりとしながらメロディがはっきりとしている7曲目、かなりスペイシーながらフレーズが時々キラリと光る8曲目、唯一キメが多くてスピード感のある9曲目、ビートはファンクだけれども、やはり北欧ジャズの元気な部分を感じる10曲目、サックスのメロディが心に刺さるような11曲目。

2006/11/07

Sonaten Fur Viola Und Klavier/Johanes Brahms

1630
Sonaten Fur Viola Und Klavier/Johanes Brahms(ECM New Series 1630)(輸入盤) - Recorded November 1996. Kim Kashkashian(Viola), Robert Revin(P) - 1-3. Sonate Nr.2 In Es-Dur 4-7. Sonate Nr.1 In F-Moll

(04/04/11)ブラームスは19世紀ドイツの有名な作曲家。ここでは温かい温度感のしっとりした優しい演奏を聴かせてくれます。曲としてもメロディが前面に出て、安心感のあるしっかりとしたドラマ性と構成を持つ室内楽になっています。まさにクラシックの王道を行く作品。アルバムの前半が長調だったのに対し、後半の出だしは短調の哀愁の漂うメロディが浮かび上がり、再び長調主体に戻っていく起伏のある構成。全体的に明るめ。

2006/11/06

Webern/Shostakovich/Burian/Rosamunde Quartet, Munchen

1629
Webern/Shostakovich/Burian/Rosamunde Quartet, Munchen(ECM New Series 1629)(輸入盤) - Recorded December 1996. Andreas Reiner(Vln), Simon Fordham(Vln), Helmut Nicolai(Viola), Anja Lecher(Cello) - Anton Webern 1. Langsamer Satz Fur Streichquartett Dmitri Shostakovich 2-6. String Quartet No.8, Op. 110 Emil Frantisek Buriam 7-10. String Quartet No.4, Op. 95

(03/07/13)20世紀の3人の作曲家の、ストリング・クァルテットの作品を取り上げています。3人とも曲は寒色系のやや思索的な感触があります。10分弱のWebernの曲は現代の香りがありながらもそれとなく安らぎを覚えます。Shostakovichの曲は大部分は静かで沈んだ感触ですがダイナミックな部分も。Buriamの曲も、似たような色彩感覚を持っていますがもう少しメロディが浮き出てくる感じ。やはり現代的な世界かも しれません。

マンハッタンの幻想/リッチー・バイラーク・トリオ

Richiemanhat
昔はリッチー・バイラークというとECMのアルバムのように繊細で美旋律という先入観があったのだけれど、Venus盤を聴いていると、リハーモナイズや旋律には研ぎ澄まされた鋭さというものを持っているけれども、むしろゴリゴリした男性的な要素を感じさせます。普通の曲を普通には演奏しないでかなり手を加えて演奏するので、それが好き嫌いの分かれるところかな、とも思います。ここでも繊細な曲もあるけれども、爽快なくらいにゴンゴンやっている鋭利な刃物状態。Venusの音の作り方には合っていると言えます。ただ、この人、アルバムによって自分の出すべき部分を使い分けているので、繊細な要素を強調してそちらの方を出していることもあります。


マンハッタンの幻想/リッチー・バイラーク(P)・トリオ(Venus)
Manhattan Reverie/Richie Beirach(P) Trio(Venus) - Recorded March 25 and 26, 2006. George Muraz(B), Billy Hart(Ds) - 1. You Don't Know What Love Is 2. On Green Dolphin Street 3. If I Were A Bell 4. Manhattan Reverie 5. Etude 6. Transition 7. Stella By Starlight 8. Velis 9. Blood Count 10. Footprints

邦題は「マンハッタンの幻想」。リッチー・バイラークの作曲は4、8曲目。その他にスタンダード、ジャズメン・オリジナル、クラシックなど多彩。意外にもかなり豪快なアップテンポの、スキッとするようなスタンダードの1曲目、研ぎ澄まされた鋭いリハーモナイズが曲を印象付け、後半4ビートで盛り上がる2曲目、男性的にややアップテンポで攻撃しているようなゴンゴンくる3曲目、ミディアムテンポで都会的な雰囲気のあるサウンドのタイトル曲の4曲目、クラシックの曲で繊細な面を垣間見せる5曲目、ジョン・コルトレーンの曲をモーダルに攻める6曲目、「星影のステラ」らしくない少し重い展開の7曲目、彼の繊細方面のサウンドも聴かせる8曲目、静かに展開している9曲目、ウェイン・ショーター作でスリリングな面もある10曲目。(06年10月25日発売)

2006/11/05

IE7をいれてみた

業務用の経理ソフトのメーカーからは、ソフトの検証が終わるまで、IE(インターネットエクスプローラー)7を入れるのを待ってくださいと、今月2日に連絡が来ました。実際、経理用ソフトにも、説明書の部分を開くのに、インターネットエクスプローラーで見るとか、ソフトメーカーとのメールやネットでのやり取り関係で専用ソフトとIEが絡んでいるケースは多いです。

ただ、自分がサブで使用しているパソコンで、業務用ソフトをいろいろと試してみたところ、特に問題点はなかったので、独断で手持ちのXP機3台を、IE7にヴァージョンアップしてしまいました。今のところ、不具合はないようですが、果たしてどうでしょうか(笑)。

今まで業務用ソフトがうまく移行できない例として、98やMEからXPへのヴァージョンアップがありました。ソフトの置いてあるディレクトリを変えなければいけなかったからですが、それ以外は、先行でやってしまって大丈夫だったので、今回も大丈夫だろうと。甘いかな(笑)?

使い勝手がだいぶ変わったので、まだ少々まごついてます。ただ、タブ操作が出来るようになったり、他社のツールバーと親和性が増したりと、便利そうなところはありそうです。アクセス解析ではすでに10%弱の方がIE7で訪問されているようなので、ヴァージョンアップのペースは周りでも早いのかな?ただ、初期の不具合も気にされて様子見の方も少なくはないようですけれども。

No Birch/Christian Wallumrod

1628
ECMレーベルには輸入盤でしか出なかったものと国内盤になったものとはっきりと内容まで分かれているような感じで、やっぱり日本のレコード会社でコレは日本でもある程度売れる、とはっきり判断されたものが日本盤になるような気がしています。このアルバムも、昨日のマリリン・クリスペルのアルバムとフリー度、内向度という点ではいい勝負にあると思いますが、日本人の嗜好、という点からは大きな開きがある感じです。ヨーロッパではイケる、と判断されているからこその現地での発売ではありますが。このアルバムは、まだ国内盤でのみ買っていた当時に、中古でたまたま(’98年ぐらいだったと思います)見つけて買ったアルバムなんですが、当時のコメントを読んでも、感触的にあまり好みではなかった書き方のようでした。


No Birch/Christian Wallumrod(P)(ECM 1628)(輸入盤) - Recorded November 1996. Arve Henriksen(Tp), Hans-Kristian Kjos Sorensen(Per) - 1. She Passes The House Of her Grandmother 2. The Birch 1 3. Royal Garden 4. Somewhere East 5. Travelling a. Far East b. Slow Brook c. I Lost My Heart In Moscow 6. The Birch 2 7. Ballimaran 8. Watering 9. Before Church 10. The Birch 3 11. Two Waltzing, One Square And Then 12. Fooling Around 13. The Gardener 14. The Birch 4

3人ないし2人のフリー・インプロヴィゼーションの曲が5曲(1、5、8、11-12曲目)。Christian Wallumrodの曲が6曲(2、4、6-7、10、14曲目)と、あとはメンバーの作曲。非常に静かなサウンド。3人の楽器のつぶやきというか、語り合いが全編を支配している感じ。曲によってはトリオではない。1曲目も凄みというよりは安らぎのある冷たさで進行していきます。5曲目は何と14分台もの組曲構成で、多少緊張感もあるけれど、スペイシー。尺八的なトランペットも。タイトルにちなんだThe Birchは2、6、10、14曲目でありますが、やはりクラシック的な哀愁と内面を向いている独特な世界。パーカッションというよりは、エコーの効いたスペイシーな世界の3曲目、民族的なノスタルジーのある切ない4曲目。淡々と続きます。

ディスオーダー・アット・ザ・ボーダー/ベニー・ウォレス

Benniedisor
ベニー・ウォレスという人は、通常私好みの都会的でメカニカルなテナー・サックス(マイケル・ブレッカーなど)とは一線を画していて、ゴリゴリと野太い音でフリーにも近いんだけれど豪放磊落なメロディを奏でているサックスとして印象に残ります。それでいて心のこもったメロディアスなバラードも得意な人。なのでタイプが違っていても、この人だけは、つい追いかけてしまいます。今回はコールマン・ホーキンス特集のライヴということで、ホーン・アレンジやボトムのリズムも懐かしさのあるサウンドだったりしますが、ウォレスのソロになるとやっぱり彼のソロだなあ、ということで納得。こういう強烈な個性も、けっこういいですね。


ディスオーダー・アット・ザ・ボーダー/ベニー・ウォレス(Ts)(Enja)
Disorder At The Border/Bennie Wallace(Ts) & His Orchestra(Enja) - Recorded November 6, 2004. Terell Stafford(Tp), Ray Anderson(Tb), Jesse Davis(As), Brad Leali(As), Adam Schroeder(Bs), Donald Vega(P), Danton Boller(B), Alvin Queen(Ds) - 1. Disorder At The Border 2. La Rosita 3. Bean And The Boys 4. Honeysuckle Rose 5. Body And Soul 6. Joshua Fir The Battle Of Jericho

サブタイトルは「ザ・ミュージック・オブ・コールマン・ホーキンス」で、彼に捧げたライヴ演奏。彼ゆかりの曲が多く、編成もノネットと大きめで、アレンジがしっかりしています。ホーキンス作は1、3曲目。ちょっと丸くなったとはいえ、ベニー・ウォレスの強烈なフレーズは健在。懐かしめのホーン・サウンドで陽気な4ビートが繰り広げられているタイトル曲の1曲目、哀愁混じりでちょっと妖しげな魅力を放っているバラードから、4ビートに盛り上がる2曲目、ややアップテンポでホーンがきっちり織り込まれたようなアレンジと自在なアドリブが心地良い3曲目、ファッツ・ウォーラー作のこれまた陽気なアップテンポの4曲目、しっとり感とソロ楽器の情感のあるバラードの5曲目、トラディショナルで賑やかに展開している16分台もの6曲目。(06年10月25日発売)

2006/11/04

Nothing Ever Was, Anyway. Music Of Annette Peacock/Marilyn Crispell, Gary Peacock, Paul Motian, Annette Peacock

1626
ピアニストのマリリン・クリスペルはフリー・ジャズの世界ではけっこう有名だそうですが、彼女とゲイリー・ピーコックポール・モチアンが組んだCD2枚組作品。かなり内側を向いていて、しかもアーネット・ピーコック曲集でありながら、ECM的なフリー・インプロヴィゼーションの世界にも足を踏み入れています。静かで、硬質。ECMでのポール・ブレイの作品と似たような硬質感がありますけれど、こういう世界は好き嫌いがあるだろうなあとは思います。ただ、好きな方はこの顔ぶれだけ見て、買いかな、と思うのですが。作曲者ご本人も6曲目でヴォイス(ヴォーカル)で登場してますが、これはあってもなくても良かったのではないかと思います。


Nothing Ever Was, Anyway. Music Of Annette Peacock/Marilyn Crispell(P), Gary Peacock(B), Paul Motian(Ds), Annette Peacock(Voice)(ECM 1626/27) - Recorded September 1996. - 1. Nothing Ever Was, Anyway(Version 1) 2. Butterflies That I Feel Inside Me 3. Open, To Love 4. Cartoon 5. Arbert's Love Theme 6. Dreams (If Time Weren't) 7. Touching 8. Both 9. You've Left Me 10. Miracles 11. Ending 12. Blood 13. Nothing Ever Was, Anyway (Version 2)

全曲がアーネット・ピーコックの作品。本人が6曲目になぜかヴォイスで参加。内容はECM流フリー・ジャズのようですが、メロディアスな部分もあります。静かな曲も、そうでない曲も、やはりこの3人ならではの内面を向いている渋さがあります。タイトル曲は最初(1曲目)と最後(13曲目)にヴァージョン違いでどちらも10分以上の長さにわたってありますが、スペイシーで限られた音の中の緊張感。くぐもりながら時に開放に向かう2曲目、きら星ののようでゆったりとしている3、8曲目、ちょっとパーカッシヴなフリーに近い4曲目、有名だけどやっぱり空間的な5、7曲目、抽象的な中に哀愁やメロディが伝わってくる9、12曲目、ドラム・ソロではじまり時間軸に沿ってゆっくり展開する10曲目、静かなフリーへの距離が近い11曲目。

Groovin' High/矢野沙織

Saorigroove
矢野沙織の5作目。以前と比べて、編成もカラフルになったし、チャーリー・パーカー一辺倒だったようなサックスも自分のものにしていった感じがあるので、最初から最後まで楽しめました。編成に変化をつけることと、アレンジがスライド・ハンプトンで、用意周到だったこと(人によってはアレンジが過剰かと思う方もいるかも)で、アルバム自体が聴きごたえのあるアルバムになりました。もっとブチ切れた方が良いという意見もありますが、むしろバラードの表現力の方を評価すべきかも。いつもは1回だけ聴いてすぐにホームページにアップするのだけれど、これに関してはアップ前に3回も聴きこんでしまいました。それにしても、いつも思うんですけれど、サイドのミュージシャンがスゴいですね。特に今回は。まあ、聴いてみてくださいということで。


Groovin' High/矢野沙織(As)(Savoy)
Groovin' High/Saori Yano(As)(Savoy) - Recorded July 22 and 23, 2006. James Moody(Ts、Fl on 2, 6-10), Jimmy Heath(Ts on2, 6, 10), Randy Brecker(Tp on 1-2, 6, 10), Slide Hampton(Tb on 1-2, 6, 10), Gary Smulyan(Bs on 2, 6-7, 10), Masaaki Imaizumi(P), Ray Drummond(B), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Speak Low 2. Manteca 3. My Ideal 4. Greenism 5. Over The Rainbow 6. Groovin' High 7. Corcovado 8. There Will Never Be Another You 9. Billie's Bounce 10. 浜辺の歌

矢野沙織作曲は4曲目のみで、転調が多いメカニカルな曲調。ワン・ホーン・クァルテット(3-5曲目)、クインテット(8-9曲目)、セクステット(1、7曲目)、ノネット(2、6、10曲目)と編成がカラフルなのと、独自色の少し強まった矢野の音使い。アレンジャーはスライド・ハンプトン。優しいサックスとアップテンポのノリの良いの演奏の1曲目、少しホンワカした分厚いホーンアレンジが心地良くせまる、起伏のある2曲目、ほんのり温かいバラードの3曲目、同様の8分の6拍子の5曲目、ややアップテンポの賑やかなサウンドでウキウキする6曲目、サウダージという言葉がぴったりくる、のどかなボッサの7曲目、ちょっとフワフワした感じの8曲目、やはりチャーリー・パーカー作が出た9曲目、日本の音楽も洋楽っぽくなった10曲目。(06年10月18日発売)

2006/11/03

三連休の予定

三連休とは言っても、家族のそれぞれが予定が入っているので、今回はどこかへ出かけるということはないですけれど、音楽漬けの毎日というわけでもないです。

昨夜は家族の誕生日が近かったので、近所のタンタンメンの食堂で、食事。単に食べて終わりなので、お祝いというわけでもないですけれど、何ヶ月に1回かは食事に出かけます。子供連れともなると、あまり豪勢にというわけにもなかなかいかないですね。黙々と食べて帰ってくるというイメージに近いです(笑)。

さーて、今日はジャズを聴くぞと、頑張って6時に起きたのはいいのですが、やっぱり眠くて朝ごはんを食べて2度寝。気がついたらお昼。何だか私の上に何かが乗っていて重たい夢を見ました。悪夢だ、と思ったら子供が私に寄りかかって本を読んでいたりして。お昼を食べてもまだウダウダしていて、結局エンジンがかかりはじめたのは15時を過ぎてから。今日1日で5枚はホームページにアップできるかなと考えるのはやはり甘く、19時半現在でやっと2枚。

明日は子供の町内野球のお手伝いにも行かなければ、と思い、今日はあと1枚ぐらいは聴いてしまわねば、とも思っています。昔は三連休だったら15枚はいけたのになあ、と思っても、やはり歳ですかね(笑)。来週の平日は忙しいため、少なくともあと3枚は最低条件です。枚数をこなすために趣味をやっているわけではないですが、10年近くこんなことをやっていると、生活の一部になってきてますね。

Mozart/Piano Concertos K. 271, 453, 466 Adagio And Fugue K.546/Keith Jarrett, Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russel Davies

1624
Mozart/Piano Concertos K. 271, 453, 466 Adagio And Fugue K.546/Keith Jarrett(P), Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russel Davies(Cond)(ECM New Series 1624/25) - Recorded May 1996 and March 1998. - 1-3. Concerto For Piano And Orchestra No. 20 In D Minor K.466 4-6. Concerto For Piano And Orchestra No. 17 In G Major K. 453 7-9. Concerto For Piano And Orchestra No. 9 In E-Flat Major K. 271 "Jeunehomme" 10. Adagio And Fugue In C Minor K. 546

デニス・ラッセル・デイヴィス指揮のシュトゥットガルト室内管弦楽団がバックの、キース・ジャレットによるモーツァルトの協奏曲の第2集。人気のある協奏曲をここでは演奏している のだとのこと。彼の解釈した演奏は斬新なのだそうですが、そこまで聴く耳を持っていないので、少々残念かも。 ただ、本格的なクラシックの世界に足を踏み入れてしまったな、という気がします。モーツァルトなので、比較的分かりやすい世界のような気も。(99年5月22日発売)

In Krakow In November/Satoko Fujii, Natsuki Tamura

Inkrakow
藤井郷子氏、田村夏樹氏のデュオによるアルバム。前作国内盤「ノマド/ガトー・リブレ」で1曲目に、このアルバムのタイトル曲があったので、両者は同じアルバムかと勘違いしていました。こちらのアルバムは、既出の曲が多いですが、さすがご夫婦だけあって、この2人ならばこうくるか、と他のパターンの予測を許さないような息の合った演奏を聴かせてくれます。しかも、発売元はポーランドのレーベルで、当然ポーランドでの録音。かの地の哀愁がかったジャズサウンド(フリーに近いですが)も再現してみせてくれているようで、何だかうれしいですね。日本よりも外国で人気があると聞きましたが、なるほど、と思わせます。


In Krakow In November/Satoko Fujii(P), Natsuki Tamura(Tp)(Not Two Records)(輸入盤) - Recorded November 8, 2005. - 1. Strange Village 2. A North Wind 3. Morning Mist 4. Ninepin 5. A Holothurian 6. In Krakow, In November 7. Explorer 8. Inori

(06/11/01)ポーランドでのデュオの録音。藤井郷子作が3曲(4-5、8曲目)、田村夏樹作が5曲(1-3、6-7曲目)。再演曲が多いのも特徴か。ちょっと哀愁系のミステリアスな旋律で淡々と進んでいき、ピアノがややアヴァンギャルドに中途で浮かび上がる部分もある1曲目、ノイズ系の音もあったりうごめくようなトランペットとピアノでフリー全開の2曲目、落ち着いてゆったりとしたバラードにやや湿気が混ざっている感じの3曲目、速いパッセージが続いていて、2人ともちょっと淡いながら突っ走る4曲目、ちょっとのたくったようなフリーの小品の5曲目、東欧的と日本的な哀愁が混ざっているバラードのタイトル曲の6曲目、弾んだり途切れたりの出だしからフリーが自在に展開する7曲目、やはり哀愁満点のバラードの8曲目。

2006/11/02

Tactics/John Abercrombie

1623
今日は、ジョン・アバークロンビーのオルガントリオ。偶然にも、彼のリーダー作はECMからしか出ていない(と思う)ので、彼のリーダー作の部分も手直し完了となりました。このメンバーでも3枚目となりますけれど、やっぱり同じメンバーで何枚も出るということはプロデューサーの受けが良かったんだろうと思います。このレーベルでは売れ行きとか、人気とかよりもプロデューサー受けの方が左右されますからね。でも、このクール(温度感の低い)なハモンドオルガンのサウンド、なかなか他では聴けないと思うので、好き嫌いはあるでしょうけど、ちょっと聴いてみてもいいんじゃないかな、と思います。


Tactics/John Abercrombie(G)(ECM 1623) - Recorded July 13-15, 1996. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Sweet Sixteen 2. Last Waltz 3. Bo Diddy 4. You And The Night And The Music 5. Chumbida 6. Dear Rain 7. Mr. Magoo 8. Long Ago And Far Away

ジョン・アバークロンビー作は3作(1-2、6曲目)、ダン・ウォール作も2曲(3、7曲目)。オルガントリオ路線で3枚目。しかもライヴ録音。あっさりしていて静かな場面も多く、神経質な感じ。かわいらしいけれど、速いフレーズで鋭く、4ビートの場面もある1曲目、タイトルどおりワルツでしかもしっとりと静かに進んでいく2曲目、ファンクのビートでノリも良く、ギターもブルージーな3曲目、スタンダードの4ビートで哀愁を振りまきながらも彼らのペースで料理するややアップテンポの4曲目、静かだと思ったらドラムスもギターも速射砲的にフレーズが出てくる5曲目、しとしと降る雨のように静かにせまってくる6曲目、スペイシーから渋くて鋭いやり取りが盛り上がる7曲目、スタンダードをまろいけれどもオーソドックスに料理する8曲目。

Cantopiano/ジョバンニ・ミラバッシ

Giovacanto
Minimumレーベルというのを澤野工房が取り扱っていますが、澤野工房で以前から評判だったジョバンニ・ミラバッシのソロ・ピアノのアルバムと聴けば、それだけで買いに走る人がいそうです。小品も含めて全15曲もあるので、1曲1曲を追いかけきれませんでしたけれど、通して聴くと、哀愁と分かりやすい美旋律で、その音世界の物語の中に入り込むのは容易です。ヨーロピアンのジャズのピアノで、こういう方面が好きな方は、一度このアルバムも聴いておいてもいいかなあ、と思います。バップ色が全然なくても、やっぱりジャズピアノはジャズピアノなんだなあ、と改めて思いました。


Cantopiano/ジョバンニ・ミラバッシ(P)(Minimum)(澤野工房)
Cantopiano/Giovanni Miravassi(P)(Minimum 007) - Recorded September 2005. - 1. Il Venait D'avoir Dix-Huit Ans 2. Manon 3. J'ai Pas Le Temps D'avoir Trente Ans 4. C'Que T'es Belle 5. La Canzone Di Marinella 6. Quand Maman Reviendra 7. Cecile, Ma Fille 8. La Fleur Du Large 9. Sans Title 10. Le Chaland Qui Passe11. Les Passantes 12. J'aimerais Tant Savoir Comment Tu Te Reveilles 13. Situ Me Payes Un Verre 14. Une Ile 15. Dis, Quand Reviendras-Tu?

ソロ・ピアノのアルバム。オリジナルは少なめですが、彼にかかると、手からまるでオリジナル曲の美旋律が紡ぎだされるようなサウンドにも聴こえます。シャンソンとかカンツォーネらしいので、なるほど、と。15曲で50分弱と、小品を挟み込みながら、淡々と進んでいきます。出だしで明るい小品が提示されたと思うと、2曲目ではかなり哀愁度の高い旋律が出てきて、彼独自の世界が展開されています。まるでフランスの映画音楽のような哀愁の美旋律が続くのは、まさに彼の独壇場かも。そんな中で6曲目のような長調の牧歌的で素朴な歌があるとホッとします。やや盛り上がり、強い哀愁表現で、心に深く入り込む8曲目、12曲目もけっこう感傷的な旋律で印象に残ります。この色調で、ピアノ自体が分かりやすいのがいい。(06年10月13日発売)

2006/11/01

Circa/Michael Cain

1622
Circa/Michael Cain(P)(ECM 1622) - Recorded August 1996. Ralph Alessi(Tp, Flh), Peter Epstein(Ss, Ts) - 1. Siegfried And Roy 2. Social Drones 3. Ped Cruc 4. Miss M 5. Circa 6. Egg 7. Top O'The Dunes 8. And Their White Tigers 9. Red Rock Rain 10. The Suchness Of Dory Philpott 11. Marche

マイケル・ケインを中心に、メンバーが作曲。変則の楽器編成のトリオ。記譜されたものとインプロヴィゼーションの区別がつかないほど構築されていて、しかも緊密。頭で聴く音楽だと思 います。小品の1曲目を経て、哀愁の漂う暗さが何ともいえない2曲目、スピーディーなパッセージの中で色合いが微妙に変わっていく3曲目、現代音楽的パルスとフレーズを持ち、中ほどでフリー的に盛り上がる4曲目、ゆったりと中間色的な色合いで流れていく5曲目、浮遊感のあるハーモニーの流れ、中間部のソロ・ピアノで聴かせる6曲目、個性的ながらジャズを感じる7曲目、浮遊感が音楽となるクラシック的な8曲目、牧歌的にゆったりする9曲目、きらびやかなピアノが印象的な10曲目、哀愁と変幻自在な構成で聴かせる11曲目。

Big Band/Joe Henderson

Joebigband
ロビン・ユーバンクスのサイド参加作品手直し聴き6日目、これで終了です。結局手直ししていなかったのはメイン・ストリーム系が多かったですね。あるミュージシャンを直していると、共演しているミュージシャンの手直しが同時にできてしまうメリットがあるので、今回もそういうケースがいくつかありました。ジョー・ヘンダーソン、演奏するだけでなく、ビッグ・バンドのアレンジも出来てしまう人です。他に、スライド・ハンプトン、ボブ・ベルデン、マイケル・フリップ・モスマンと、アレンジャーも贅沢にそろえて、これだけのミュージシャンを集めるのはさすがVerve。ロビン・ユーバンクスの参加している1、5、8曲目のみ’92年録音で、他の曲は’96年録音です。


Big Band/Joe Henderson(Ts)(Verve) - Recorded March 16, 1992 and June 24-26, 1996. Jon Faddis(Tp), Freddie Hubbard(Tp), Nicholas Payton(Tp), Lew Soloff(Tp), Chick Corea(P), Ronnie Mathews(P), Christian McBride(B), Joe Chambers(Ds), Al Foster(Ds), Lewis Nash(Ds), Don Sickler(Cond), Bob Porcelli(As), Pete Yellin(As), Rich Perry(Ts), Craig Handy(Ts), Joe Temperley(Bs), Marcus Belgrave(Tp), Virgil Jones(Tp), Idrees Sulieman(Tp), Jimmy Owens(Tp), Robin Eubanks(Tb), Kiane Zawadi(Tb), Jimmy Knepper(Tb), Douglas Purviance(Btb), Bob Belden(Cond), Dick Oatts(As), Steve Wilson(As), Tim Ries(Ts), Charlie Pillow(Ts), Gary Smulyan(Bs), Byron Stripling(Tp), Tony Kadleck(Tp), Michael Phillip Mossman(Cond, Tp), Ray Vega(Tp), Canrad Herwig(Tb), Keith O'Quinn(Tb), Larry Ferrell(Tb), Dave Taylor(Btb), Slide Hampton(Cond), Earl Gardner(Tp), Helio Alves(P), Nilson Matta(B), Paulo Braga(Ds) - 1. Without A Song 2. Isotope 3. Inner Urge 4. Black Narcissus 5. A Shade Of Jade 6. Step Lightly 7. Serenity 8. Chelcea Bridge 9. Recordame

ジョー・ヘンダーソンは1、8曲目以外を作曲。再演曲多し。ロビン・ユーバンクスは1、5、8曲目に参加。チック・コリア(P)(2-4、6-7曲目に参加)等有名人も多く参加。メンバーもアレンジも音も豪華なアルバム。明るいスタンダードで小気味良いアレンジの1曲目、ややアップテンポで、モンク的なピアノの奏法も一部見せる2曲目、出だしのやや複雑で内省的なアレンジが冴える3曲目、やや抑え気味の演奏が渋さを増している4曲目、華やかなホーン・アレンジがアップテンポの曲に色付けする5曲目、ちょっとあっさりしつつ起伏のあるミディアムの6曲目、ややアップテンポで途中に複雑系のホーンが混ざる7曲目、しっとりと渋いサウンドで進むバラードの8曲目、カラフルなアレンジとややアップのボッサの対比の9曲目。

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