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2006/07/31

Reflections/Bobo Stenson Trio

1516
Reflections/Bobo Stenson Trio(P)(ECM 1516) - Recorded May 1993. Anders Jormin(B), Jon Christensen(Ds) - 1. The Enlightener 2. My Man's Gone Now 3. Not 4. Dorrmattan 5. Q 6. Reflections In D 7. 12 Tones Old 8. Mindiatyr

きれいで叙情的なピアノ・トリオのサウンドが心地良く、それでいて静かにトリオで主張してくるようなアルバム。ECMの中では聴きやすい方のアルバムかも。1曲目は比較的分かりやすいテーマですが、だんだん彼ら流のインプロヴィゼーションにハマッていきます。ガーシュイン・ナンバー(オリジナルかと思った)を静かに淡々と綴っていく2曲目、叙情的で静かな緊張感をたたえる3曲目、フリー・インプロヴィゼーション的なサウンドを持つ4曲目、アンダース・ヨーミン作でベース・ソロがクローズ・アップされる5曲目、薄氷を踏むような低い温度感でこれもオリジナルと思えたエリントン作の6曲目、語りかけてくるような7曲目、10分台の曲で、ベースのフレーズが印象的で、かつドラマチックな展開をしめす8曲目。(00年9月23日発売)

Rayon Vert/ピエール・ステファン・ミッシェル・トリオ

Pierrerayon
Sketchレーベルが以前、倒産したと聞いたときは耳を疑いましたが、澤野工房がこのレーベルを買い取ったということで、ホッとしました。そんな新生Sketchレーベルからピエール・ステファン・ミッシェル・トリオのアルバムが出ました。彼の作品は過去2枚は澤野工房本体から出ていて、今回Sketchに変更になるときに、ピアノがJean-pierre Comoにかわっています。しかもオリジナルが中心。ピアノも私好みになったし、ヨーロッパのピアノとは言っても、やや淡彩色系ながらバリバリと速いパッセージも斬り込むように弾いていくタイプ。こういうタイプはけっこう好きですね。結果、トリオの絡み具合や曲などで、私好みのアルバムとなりました。

ついでながら、前作「All Of You」のピアニスト、Bruno Ruderとの比較ですけれど、前作にも3曲目に「14 Quai De La Quarantaine」が入っているので、比較が容易かと思います。どちらもヨーロッパ系のタイプですがBruno Ruderの方がピアノのラインががはっきりしていて、Jean-pierre Comoの方がより繊細で淡彩系かなと思います。


Rayon Vert/ピエール・ステファン・ミッシェル(B)・トリオ(Sketch)(澤野工房)
Rayon Vert/Pierre-stephane Michel(B)(Sketch SKE333048) - Recorded November 27-29, 2005. Jean-pierre Como(P), Frederic Delestre(Ds) - 1. Chapo-bas 2. L'occitane 3. Haute-fidelite 4. Stella Maris 5. Chateau D'argol 6. Rayon Vert 7. Axel 8. All The Things You Are 9. Voite Face 10. 14 Quai De La Quarantaine

ほとんどがピエール・ステファン・ミッシェルの作曲。作曲は彼ですが、全体のイメージはいかにもヨーロッパのピアノという感じのJean-pierre Comoによる。哀愁のミステリアスな部分も垣間見える盛り上がりのある8分の6の1曲目、有機的ながらメカニカルなテーマの後にアップテンポの4ビートで攻める2曲目、美しいメロディが映画音楽のように響く3曲目、ていねいにフレーズが織り込まれながらも速いパッセージで盛り上がる部分のある4曲目、淡い感覚で進んでいく小品の5曲目、気品を備えながらも4ビートでストレートに表現するタイトル曲の6曲目、沈んだ色調でフレーズがパラパラ続く7曲目、スタンダードながらセピア色のオリジナルのような8曲目、味わいのあるバラードの9曲目、再演曲でやはり哀愁の10曲目。(06年6月23日発売)(注)11曲目隠しトラックで「いつか王子様」があります。リリカルながら時に爆発か。

2006/07/30

Madar/Jan Garbarek、Anouar Brehem, Ustad Shaukat Hussain

1515
今日はヤン・ガルバレクなんですけれども、ノルウェー、チュニジア、パキスタンの混成編成。3人が揃って演奏する曲は少なく、2曲だったかな? またウード・ソロの曲が2曲とタブラ・ソロの曲が曲で、あとはサックスとウードのデュオ。かなりエキゾチックで多国籍的(無国籍的?)なサウンドが77分も楽しめます。やっぱりこういう民族音楽がらみのジャズ(ジャズ色はほとんどないですが)となると、ECMでのアルバムの出来が抜きん出ていると思います。聴く人を当然選ぶとは思いますが。何たって2曲あるノルウェーのトラディショナルが、中近東的に聴こえてくるのですから。


Madar/Jan Garbarek(Ts, Ss)、Anouar Brahem(Oud), Ustad Shaukat Hussain(Tabla)(ECM 1515) - Recorded August 1992. - 1. Sull Iull 2. Madar 3. Sebika 4. Bahia 5. Ramy 6. Jaw 7. Joron 8. Qaws 9. Epilogue

ノルウェーのトラディショナルが2曲(1、7曲目)、アヌアル・ブラヒム作が3曲(3-5曲目)、インプロヴィゼーションが2曲(2、8曲目)。ノルウェー(サックス)、チュニジア(ウード)、パキスタン(タブラ)出身のトリオ編成で 、異なる世界の折衷。1、7曲目が北欧トラディショナルなのに、すごく中近東的なエキゾチックさを感じます(1曲目はトリオ、7曲目はデュオ)。不思議。異なる世界から寄り添って組み上げていくデュオの2曲目、やはりデュオで沈みがちながらややテンポの良い3曲目、哀愁のやや速いパッセージのウード・ソロの4曲目、比較的鋭いフレーズのデュオの5曲目、タブラのソロとヴォイスが堪能できる6曲目、静けさがら徐々に盛り上がる15分にわたるドラマチックなトリオの演奏の8曲目、ウードの小品の9曲目。

モメンタム/アキコ・グレース

Akikomome
2作同時に出たアルバムのジャズ・トリオ編。ライヴ形式の収録で、ピアノは女性的ながらも才気あふれるシャープなラインやフレーズがポンポン飛び出して、やっぱりこの人、天才なんだなと思わせる要素はあります。ただ、個人的には以前出ていたニューヨーク3部作の方が好みなのと、このアルバムではライヴ収録がアダになって、ベースとドラムスの音が今ひとつに聴こえるのが、ちょっと残念。音的には4ビートがあまりなくて、自在なビートを刻んでいく現代的なジャズ・ピアノ・トリオのフォーマットなので、こういう点ではどの曲も新鮮に聴けました。せめてスタジオでライヴ形式でない収録の方が今回は良かったのではないかな、と思います。


モメンタム/アキコ・グレース(P)(Savoy)
Momentum/Akiko Grace(P)(Savoy) - Recorded March 31, 2006. Daiki Yasukagawa(B), Taro Koyama(Ds) - 1. Paradoxical Climate 2. Night And Day 3. Where The Streets Have No Name 4. Red Shoes 5. All Blues 6. Subliminal One Oh One 7. Dear Old Stockholm 8. City Time 9. Earth - This Beautiful Planet 10. Departure [Solo] - From After Hours

安ヵ川大樹(B)、小山太郎(Ds)とのトリオ。全10曲中アキコ・グレースの作曲は5曲(1、6、8-10曲目)。現代的で幅広い表現のピアノ・トリオ。シャープな切れ味で速いパッセージが続いていく、インパクトの強いアップテンポの1曲目、しっとりと軽めと思ったらピアノの攻撃も時にあり、適度な速さのあるスタンダードの2曲目、ポップスで8ビート的ながらやや静かな3曲目、童謡ですが叙情的な切ないバラードに仕上がっている4曲目、女性的なアプローチで、中盤でやや豊穣な「オール・ブルース」の5曲目、やはりシャープなピアノが聴けるファンクノリの6曲目、淡い情感のある優しいトラディショナルの7曲目、出だしはピアノの低音を中心に渋く、そして盛り上がりもある8曲目、美しいメロディがフォークソングのような9曲目、ソロ・ピアノで静かに幕を閉じる10曲目。(6月21日発売)

2006/07/29

メールをいただくことが多いページ

たまにポツポツと、という感じでメールの感想文をいただくのが、今日も1件来たので思い出したのですが、ホームページのところの「影響を受けたアルバム」というページです。実はこのページ’99年前半に手がけたのはいいのですが、当初各時代に影響を受けたアルバムを並べて100枚ぐらいの特集にしようかと思っていながら、ちょこっと8枚だけ掲載して、他のページを手がけはじめてそのまんまになったという、言わばほったらかしになってしまったページなんですね(笑)。でも、一番多感な時期のアルバムだったので、今でも自分の中で影響度は大きいのではないかと思っています。

ただ、今振り返ってみると、いただくメールの中で、ここのページの感想が多かったですね。やはり今40代ぐらいと思われる同年代の方々から。まあ、音楽的趣味はいろいろあるでしょうけれど、私と似たような音楽的イメージを持ってらっしゃった方も少なくはなかったのかな、と思います。

ジャズを本格的に聴きはじめたのは社会人になってからで、それ以前の学生時代には、そこに掲げたアルバムとその周辺のアルバム、また邦楽ではフォークソングやニューミュージックといった系統をかなり聴いてました。やっぱり自分の音楽的なベースになっているのはそのあたりかな、と再確認をした今日でした。

Johann Sebastian Bach/The French Suites/Keith Jarrett

1513
Johann Sebastian Bach/The French Suites/Keith Jarrett(Harpsichrd)(ECM New Series 1513/14) - Recorded September 1991. - 1-6. Suite No.1 BWV812 d-moll 7-12. Suite No.2 BWV813 c-moll 13-19. Suite No.3 BWV814 h-moll 20-26. Suite No.4 BWV815 Es-Dur 27-33. Suite No.5 BWV816 G-Dur 34-41. Suite No.6 BWV817 E-Dur

邦題「J.S.バッハ フランス組曲」。 バッハは18世紀ドイツの有名な作曲家。原曲のせいかどうか分かりませんが、キースのソロ・インプロヴィゼーションを連想させてしまうような曲やメロディもあります。間の取り方が独特のような気もしますが、他の演奏家の演奏を聴いた事がないので、さて。曲も「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」「メヌエット」「ジーグ」「エール」「アングレーズ」「ガヴォット」など定型的ながらも幻想的なタイトルが。

イリューム/アキコ・グレース

Akikoillu
アキコ・グレースの2枚同時発売のうちの1枚。ソロで、ビル・ラズウェルがプロデュースしていて、アンビエントの傾向が強い作品。いわゆるジャズ色が全くなくて、静かとはいってもECMのような厳しさがないので、通常のジャズファンに受け入れられるかは難しいところかな。環境音楽などの方面に関心のある人ならば引きずられてのめりこんでいくかも。個人的には、ソロ・ピアノやキーボード・ソロのみで淡々と語って欲しかったかな、というのはありますね。9曲目がジョン・レノンの「イマジン」ですが、気にしなければ他の曲に溶け込んで流れていくようなサウンドです。ヒーリング、という言葉が似合うアルバム。


イリューム/アキコ・グレース(P、Key、Voice、B、Electronics)(Savoy)
Illume/Akiko Grace(P, Key, Voice, B, Electronics)(Savoy) - Recorded February, 2006. - 1. Looking Glass 2. Light And Shadows 3. Pacific Wind 4. Dream 5. Drift 6. Departure 7. Whisper Prayer 8. Angel Within 9. Imagine 10. Sakura

ビル・ラズウェルがプロデュースのソロ作品。9曲目の「イマジン」以外はアキコ・グレースの作曲ないしは共作。ジャズではなくて、しっとりとした環境音楽のような世界が広がっています。1曲目からピアノがゆったりしたサウンドの中を淡々と語りかけてきますが、この雰囲気は曲が変わっても、多少サウンドカラーが変わるものの、全体の傾向は似ていて、ピアノが淡々と奥で奏でられているか、やや前面に出ているかという違いはあると思います。そこはかとなくキース・ジャレットの音世界に近づく時もあれば、日本情緒が前面に出てくるときもあり、やはり淡々としている要素は、あります。ジャズファンよりもアンビエント系の音楽ファンを意識しているようですが、対象はどこなのだろう、と思いますが。やはり日本の旋律が。(06年6月21日発売)

2006/07/28

William Byrd: Motets And Mass For Four Voices/Paul Hillier

1512
William Byrd: Motets And Mass For Four Voices/Paul Hillier(Baritone, Artistic Director)/The Theatre Of Voices(ECM New Series 1512)(輸入盤) - Recorded February 1992. Judith Nelson(Soprano), Drew Minter(Countertenor), Paul Elliott(Tenor), Christopher Bowers-Broadbent(Org) - Thomas Tallis: 1. O Ye Tender Babes William Byrd: Motets: Propers For The Feast Of Corpus Christi 2. Introit: Cibavit Eos 3. Gradual & Alleluia: Ocuili Omnium 4. Offertory: Sacerdotes Domini 5. Communion: Quotiescunque Manducabities 6. Mass For Four Voices: Kyrie 7. Mass For Four Voices: Gloria 8. Gloria Tibi Trinitas 9. Mass For Four Voices: Credo 10. Clarifica Me Pater 1 11. O Sacrum Convivium 12. Clarifica Me Pater 2 13. Mass For Four Voices: Sanctus 14. Mass For Four Voices: Benedictus 15. Clarifica Me Pater 3 16. Mass For Four Voices: Agnus Dei John Taverner: 17. In Nomine Richard Edwards: 18. In Going To My Naked Bed John Sheppard: 19. Vaine, Vaine, Vaine

(04/02/14)16-17世紀の作曲家(宗教音楽家)の特集のアルバム。その中でもイギリス人William Byrdの曲を多く取り上げています。(19曲中15曲)。なお、1曲目のThomas Tallisとは師弟関係にあったようです。間に5曲、オルガンのみの曲もありますが、歌の曲はソプラノとカウンターテナーもいて声域バランスの高めな、敬虔で素朴、かつ深遠な教会音楽が繰り広げられています。当時の教会の情景がしのばれるサウンド。

イースト・ベルリン1966/ロルフ・キューン&ヨアヒム・キューン・クァルテット

Eastberlin
6月発売の旧録音を聴いています。これはまだヨアヒム・キューンらが亡命前の東ベルリンでの録音だとのことで、世界初リリース。驚いたのは、この時代すでに彼らもフリー・ジャズをやっていたことです。もちろん4ビートにのりながら演奏する場面もありますが、基本はフリー・ジャズ。ヨーロッパでは当たり前の時代だったとは言え、東側もこういうジャズの洗礼を受けていたとは意外でした。ヨアヒム・キューンはその後、ジャズ・ロック路線にも手を染めますが、やっぱりこういうフリーが元にあって、近年の切れ味の鋭いピアノを聴くことができるのだと、改めて思いました。でも、やっぱりフリー・ジャズなので、聴く時はご注意を。私的には好きですが、こういうの。


イースト・ベルリン1966/ロルフ・キューン(Cl)&ヨアヒム・キューン(P)・クァルテット(Another Side)
East Berlin 1966/Rolf Kuhn(Cl) & Joachim Kuhn(P) Quartet(Another Side) - Recoded February 22 and 23, 1966. Klaus Koch(B), Reinhard Schwartz(Ds) - 1. Golem 2. Chiarecuro 3. Don't Run 4. Flowers In The Dark 5. The Sound Of Cats 6. Turning Point

全曲オリジナルで、兄弟がそれぞれ3曲ずつ作曲(ヨアヒムが1-2、5曲目、ロルフが3-4、6曲目)。世界初リリースの音源。当時の東ドイツのミュージシャンがここまでフリーの演奏をしていたこと自体脅威ですね。アドリブの部分になるとギャロンギャロンと自由自在に駆けまわっている60年代フリー・ジャズの演奏で、アップテンポの4ビートも垣間見える1曲目、比較的オーソドックスな4ビートもありややアップテンポながら先鋭的なフレーズで進んでいく2曲目、テーマの後にクラリネットやピアノのみのソロがちょっと続くのが印象的な起伏のある3曲目、アップテンポの4ビートも部分があるも冷徹に進んでいく4曲目、変幻自在のフリーで13分にもわたってドラマが続く5曲目、氷のようなフレーズが続く、ゆったりした6曲目。(06年6月21日発売)

2006/07/27

ランデヴー・イン・リオ/マイケル・フランクス

Michaelrend
マイケル・フランクスの前作が出たのが’03年なので、ブログには今回掲載するのがはじめてなんですよね。そして、彼の特集をホームページではしているにも関わらず、「ジャズCDの個人ページBlog」の方にはジャンル分けが「ジャズ」と「フュージョン」しかないので、以前書いたポール・サイモンと同じく、こちらの「インプレッションズ」(現在は統合)の方に書くことにします。彼のヴォーカル、あまり上手いとは思わないのだけれど、なぜかその曲やサウンドのセンスの良さで、つい買ってしまうんです。バックのミュージシャンが相変わらず豪華だということもありますが、ミュージシャンで目立たせずに、あくまでも全体のサウンドで聴かせてしまうあたり、やっぱり好みのミュージシャンだなあ、と思います。


ランデヴー・イン・リオ/マイケル・フランクス(Vo)(Columbia)
Rendezvous In Rio/Michael Franks(Vo)(Columbia) - Released 2006. Wolfgang Haffner(Ds), Chuck Loab(G, P, Prog), Carmen Cuesta Loab(Vo), Charles Blenzing(Key, Prog), Romero Lubambo(G), Sergio Brandau(B), Cafe(Per), Chris Hunter(sax, Fl), Brian Dunne(Ds), Pamela Dirggs(Vo), David Sancious(Key, P), Marc Shulman(G), Scott Petito(B, Key), Jerry Marotta(Ds, Per), Robbie Dupree(Vo), Larry Hoppen(Vo), Jeff Lorber(Key, Per Prog), Dwight Sills(G), Alex Al(B), Gary Meek(Sax, Fl), Roger Burn(Key, P), Eric Marienthal(As), Vinnie Colaiuta(Ds), Jimmy Haslip(B), Andy Suzuki(Woodwinds), Mike De Micco(G), Travis Shook(P), Jau Azzolina(G), Veronica Nunn(Vo) - 1. Under The Sun 2. Rendezvous In Rio 3. The Cool School 4. Samba Do Soho 5. The Critics Are Never Kind 6. Scatsville 7. The Chemistry Of Love 8. Hearing "Take Five" 9. The Question Is Why 10. Song Birds 11. Antonio's Song (Acoustic)

4曲目を除き、マイケル・フランクスの作曲ないしは共作。曲ごとにミュージシャンが入れ替わる豪華さは前々作に同じ。一流のミュージシャンをバックに、例のヘタウマなヴォーカルで心地良く曲が進んでいきます。1曲目で心地良いボッサが心身を包み込むようにゆったりと流れていくと思ったら、2曲目のタイトル曲はラテン・フュージョンタッチのややノリの良い曲だったりします。印象的なバックは8-9曲目のエリック・マリエンサル、ヴィニー・カリウタ、ジミー・ハスリップ組ですが、全体の流れに乗って聴くと、ホンワカしたり、ノリが良かったり、洗練されたり現地色が強かったり、ちょっと渋めだったりと日曜の昼下がりの時間が過ぎていくような心地良さ。ボーナストラックの11曲目はこういうのもアリかなと思わせるアレンジ。(06年6月28日発売)

Speak Of The Devil/John Abercrombie Trio

1511
マンフレート・アイヒャーは基本的には「ECMサウンドなど存在しない」と言っているらしいですが、ここでのギター、ハモンドB3オルガン、ドラムスという典型的なオルガン・トリオの編成で、汗臭くもなく、温度感がけっこう低い演奏をやられてしまうと、やっぱりECMサウンドは存在するのではないか、と思ってしまいますよね。このメンバーでは2作目ですが、やっぱり1枚目と同じような路線のサウンドで、しかもここでもジョン・アバークロンビーとダン・ウォールの作品数が同じなので、名目だけアバークロンビー作で、やっぱり双頭バンドであることを感じさせます。このオルガンサウンド、典型的なサウンドからはやっぱりずいぶん離れていますね。


Speak Of The Devil/John Abercrombie Trio(G)(ECM 1511) - Recorded July 1993. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Angel Food 2. Now And Again 3. Mahat 4. Chorale 5. Farewell 6. BT-U 7. Early To Bed 8. Dream Land 9. Hell's Gate

このメンバーでの2枚目。ここでの作曲もジョン・アバークロンビー(4-5、7曲目)とダン・ウォール(1、8-9曲目)が3曲ずつ。フリー・インプロヴィゼーションの曲も2曲 (2-3曲目)。ハモンドB3オルガンなのに温度感の低いこと。しっとりと始まったと思ったら、ちょっとロック的なドラムスにのってギターを弾きまくっている1曲目、内省的に向き合って語りかける2曲目、ドラム・ソロではじまるけっこう切れ味の鋭い3曲目、自由にギターが彷徨っていてテンポもいい感じの4曲目、優しく味わいのあるゆったりしたバラードの5曲目、けっこうハードに攻めているリズミカルな6曲目、8分の6拍子でメロディアスに、時にやや激しい7曲目、7拍子のバラードでギターの主張もある8曲目、8ビートでややミステリアスなサウンドの9曲目。

フレンチ・トースト/フレンチ・トースト

Frenchtoast
’84年に録音されたこのアルバム、LPからCDへの移行期ということもあって、また当時は私の興味も別な方にあったので、今回の再発で買ってみました。当時のベストメンバーとでも言うべきセッションマンが集まっていますが、やっぱり個人的な興味はミシェル・カミロが作曲とアレンジをしている1、6曲目にいってしまいます。あとはサンバノリの4曲目かな。静かな曲もあるけれど、作曲者やアレンジャーの個性が強すぎて1枚のアルバムにまとめなければならない、という理由もあまり見つからないような気がします。メンバーはスゴいんだけれども、やっぱり気に入った曲を聴ければいいかな、という感じではありますね。とにかくカミロはスゴいです。


フレンチ・トースト/フレンチ・トースト(Electric Bird)
French Toast/French Toast(Electric Bird) - Recorded April 7-9, 1984. Peter Gordon(French Horn), Lew Soloff(Tp), Jerry Dodgion(As), Michel Camilo(P), Anthony Jackson(B), David Wckl(Ds), Sammy Figueroa(Per), Gordon Gottlieb(Per), Guest: Steve Gadd(Ds on 3-4) - 1. Why Not 2. Joe Cool 3. Ion You 4. B.A. Express 5. Butter [Tribute To Quentin Jackson] 6. Calentando Man

当時のオールスターセッションとでも言うべきメンバー。ミシェル・カミロ作が1、6曲目にありアレンジも担当しています。他にピーター・ゴードンが2-3曲目のアレンジをしていてグループの重要な地位にいるようです。カミロのリーダー作に先駆けて、ノリノリの現代ラテンタッチの陽気なサウンドでせまる彼の重要作の1曲目、ブラスのハーモニーでゆったりとしたりファンクになったり起伏が大きいユニゾンの部分も印象的な2曲目、静かにはじまってフレンチホルンその他のおいしいところを聴かせるクラシック的で内省的な3曲目、ノリの良い都会的なサンバで進んでいく4曲目、ミディアムの4ビートの進行の部分もあってけっこうジャジーなところを見せてくれる5曲目、静かにはじまり変化していくタイトなリズムが心地良い6曲目。(06年6月21日発売)

2006/07/26

Abii Ne Viderem/Giya Kancheli

1510
Abii Ne Viderem/Giya Kancheli(ECM New Series 1510) - Recorded April 1994. Vasiko Tevdorashvili(Voice), Natalia Pschenitschnikova(Afl), Kim Kashkashian(Viola), Stuttgarter Kammerorchester, Dennis Russell Davies(Cond), The Hilliard Ensemble: David James(Countertenor), David Gould(Countertenor), Rogers Covey-Crump(Tenor), John Potter(Tenor) - 1. Morning Prayers 2. Abii Ne Viderem 3. Evening Prayers

(02/08/11)邦題「私は去る、見ることもないままに」。現代音楽。1、3曲目は組曲の一部で、やはりカンチェーリらしく、静かな場面が大半を占めていて、時々突発的に音が大きくなる、といった構図。3曲目はヒリヤード・アンサンブルが参加 しています。2曲目のタイトル曲は、キム・カシュカシャンのヴィオラで悲しげな旋律を奏でていきますが、進行は空間的で複雑。現代的にもかかわらず、おそらく宗教的な要素も含んでいます。

ウェスト・サイド・ストーリーズ/ロニー・プラキシコ

Lonniewest
ちょっと予定を変更して、ロニー・プラキシコの自主制作レーベルからの新譜を紹介します。と言いつつも、このアルバム、5月に入手していてまだ聴いていなかったものです。カサンドラ・ウィルソン、ゲイリー・トーマス、スティーヴ・コールマンというような豪華な往年のM-Base派の集合ということで、けっこうハードでメカニカルなサウンドの曲もあれば、メロディアスでポップな曲もあったりします。7曲目はフォリナーの曲でメロディは知っているものだったので、料理の仕方など、興味深かったでした。変拍子(今回はたぶん、なし)などリズム面にもっと踏み込んで欲しいと思いましたが、今でこれだけのサウンドが出せれば、そっち方面が好きな人には、まあ文句なしでしょう。


ウェスト・サイド・ストーリーズ/ロニー・プラキシコ(B、Key)(Plaxmusic/ガッツプロダクション)
West Side Stories/Lonnie Plaxico(B, Key on 3)(Plaxmusic/Guts Production) - Recorded December 7-8, 2004. Cassandra Wilson(Vo on 3, 5, 8, 11),Carla Cook(Vo on 7), Gary Thomas(Ts on 1-2, 4, 6-7, 9-10), Ravi Coltrane(Ss on 6), Steve Coleman(As on 5, 8), Gary Pickard(Ts on 8), David Lee Jones(As on 11), Alex Norris(Tp on 1-2, 4, 6-7, 9-10), Heff Hermason(Tp on 8), Kenny Grohowski(Ds on 1-2, 4-7 9-11), Jeff Haynes(Per on 3, 8, 11), Khalil Kwame Bell(Per on 6-7, 11), George Colligan(Org、P、Key on 1-2, 4-11) - 1. West Side Stories 2. Climb Every Mountain 3. I Want It To Be 4. Robins Dance 5. One Less Bell To Answer 6. Gunkadelic 7. I Want To Know What Love Is 8. Longer 9. Duke It Out 10. Speaking In Tongues 11. Your Love Speaks To Me

豪華なメンバーでM-Base時代をほうふつとさせます。ロニー・プラキシコの作曲ないし共作は7曲(1、3-4、6、9-11曲目)。いろいろな傾向の曲。メカニカルなテーマとアンサンブルでこれでもかと攻めてくるタイトル曲の1曲目、スタンダードをちょっとゆったりめながらオリジナルのようなアレンジを加える2曲目、多重録音をバックにヴォーカルが歌う3曲目、エレキベースでけっこうハードなファンクを聴かせる4曲目、やや渋めにオーソドックスなバラードを歌う5曲目、はっきりしたリズムのファンクの上を管が舞い飛ぶ6曲目、メロディアスなポップスに少し手を加えた7曲目、やはりポップスの8曲目、メカニカルでシャープなファンクの9曲目、オルガンも使ってぶっ飛んだ感性の10曲目、フュージョン的なサックスの11曲目。(06年5月20日発売)

2006/07/25

Musica De Sobrevivencia/Egberto Gismonti Group

1509
エグベルト・ジスモンチのアルバム、ECMには何枚もありますけれど、ここの6曲目は33分にもなるけっこうな大作で、彼の作曲の才能をまざまざと見ることができます。もちろんここで表現されていることは、楽器編成からいってもクラシック(現代音楽)の香りも漂うサウンドからいっても、狭義のジャズには当てはまりませんけれど、それでもやはり書き譜よりはインプロヴィゼーションで成り立っている部分の方が多いのだろうな、ということを意識させます。特にこのアルバムでのジスモンチのギターもピアノもフルートも、そして作曲が、彼独特の感じがしていて、よそではこういうサウンドの曲って聴けないので、そういう意味では印象に強く残りました。


Musica De Sobrevivencia/Egberto Gismonti Group(P, G, Fl)(ECM 1509) - Recorded April 1993. Nando Carnerio(Synth, G, Caxixi), Jaques Morelenbaum(Cello, Bottle), Zeca Assumpcao(B, Rainwood) - 1. Carmem 2. Bianca 3. Lundu 2 4. Forro 5. Alegrinho 2 6. Natura, Festa Do Interior

邦題「ミュージック・オブ・サヴァイヴァル」。全曲エグベルト・ジスモンチの作曲。モチーフはブラジルの、ある壮大な湿地帯だそうです。33分にも及ぶ6曲目を聴く 5分前に読めという詩がライナーに書いてありますが、輸入盤だと英語のみ。映像的に迫ってくるような連綿とした音のつながりがそこにあります。物語がゆっくりとはじまっていくような、独特な哀愁に包まれているギター中心の1曲目、印象的でエキゾチックなメロディが寄せては返す、やはりギターの2曲目、速いテンポの綾織り系のアルペジオがせまってくる3、5曲目、ミステリアスなピアノになってノリの良いリズムとの対比が面白い、ラストはフルートで原初的な4曲目、そして壮大な6曲目は「ナトゥーラ:未開地の祭」という、クラシックの香りもあるドラマチックな大作

Heart Of Darkness/Conrad Herwig Sextet

1155
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。今までこのレーベルを毎月10枚聴くことを目標にしてきましたが、あと70枚の未聴盤の残りを、急に入手することになってしまったため、その満足感からか、他のレーベルの未聴盤が増えてしまったからか、このレーベルのペースが落ちてしまいました。さて、頑張って聴いて行きましょう(笑)。このアルバム、現代的で都会的と書くとカッコ良いアルバムと受け取りますが、やっぱり難解なサウンドに属する方で、聴く人をある程度選ぶんじゃないかと思います。6曲目あたり何となく「ジャイアント・ステップス」を連想したり、親しみやすいメロディが希薄だったりということもあるので。個人的にはこういうサウンド、好きな部類なんですけどね。


Heart Of Darkness/Conrad Herwig(Tb) Sextet(Criss Cross 1155)(輸入盤) - Recorded December 10, 1997. Walt Weiskopf(Ts, Ss), Stefon Harris(Vib), Bill Charlap(B), Peter Washington(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Heart Of Darkness 2. Secret Sharer 3. Inner Sincerity 4. Silent Tears 5. The Instigator 6. Watch Your Steps 7. The Lamp Is Low 8. Tilt

(06/07/23)7曲目を除きConrad Herwigの作曲。都会的で先鋭的な現代ジャズの印象が強いです。ちょっと硬質感も。浮遊感がありつつもメカニカルで複雑なテーマが繰り広げられるアップテンポで自在なタイトル曲の1曲目、モーダルでありメカニカルな絡み合いが続くような、緊張感がありながらミディアムで進む2曲目、やはり現代的なサウンドのラテン・ミュージックの3曲目、しっとり感の高い静かなメロディを奏でていくバラードの4曲目、出だしはベースがメインのちょっとスローなテンポから、ミディアムになってやや渋めにせまってくるサウンドの5曲目、アップテンポで転調の多いシーツ・オブ・サウンド調の6曲目、綾織り系のハーモニーとモーダルなソロが響く7曲目、メカニカルなフレーズが目まぐるしいアップテンポの8曲目。

2006/07/24

Gyorgy Kurtag/Robert Schumann/Hommage A R. Sch.

1508
Gyorgy Kurtag/Robert Schumann/Hommage A R. Sch.(ECM 1508)(輸入盤) - Recorded August 1992, May and September 1994. Kim Kashkashian(Viola), Rovert Levin(P), Eduard Brunner(Cl) - Gyrgy Kurtag: 1-9. Neun Stcke Fur Viola Solo 10-15. Jelek Op.5 16-21. Hommage A R. Sch. Op.15d Robert Schumann: 22-25. Marchenbilder Op.113 26-28. Fantasiestucke Op.73 29-31. Marchenerzahlungen Op.132

(03/09/21)前半は20世紀の作曲家Gyrgy Kurtag、後半は19世紀の作曲家Robert Schumannの曲を取り上げています。前半15曲目まではヴィオラのソロ。16-21曲目は3人での演奏。やはりKurtagは難解なイメージがあって、スペイシーかつ内省的に心の中に入り込んできます。後半のシューマンは2人ないし3人での演奏。やはりこちらの方が長調はほのぼの、短調は哀愁漂う、親しみやすいメロディなので、聴きやすいです。

Captain Black/Orrin Evans Ortet

1154
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。Orrin EvansのOrtetと書いてあるけれど、編成はソロからセクステットまでのさまざまな人数での演奏。名前に引っかけたしゃれかな、と思います。ベースとドラムスの2人が個性的で、特にラルフ・ピーターソンが出たがりなのか、かなりドラムスが目立っているサウンドです。ベースもなぜこの時代にここに?と言うような人選なので珍しいかも。曲によってはけっこうミステリアスでスピリチュアルな感じもあって、やっぱりこのピアニスト、作曲でも演奏でも個性的だな、と思わせます。また、曲によって参加者は変わりますが、ホーンもなかなか健闘しています。8曲目のみはベースとホーンが違うクァルテットなので、雰囲気は違う感じですが、一気にアップテンポで進んでしまうので、違和感はありません。


Captain Black/Orrin Evans(P) Ortet(Criss Cross 1154)(輸入盤) - Recorded October 9, 1997 and June 5, 1998. Ralph Bowen(Ts on 4, 8, As on 2, Ss on 1, 3, 7), Tim Warfield(Ts on 1, 3, 7), Antonio Hart(As on 1, 4, 6-7), Sam Newsome(Ss on 8), Avishai Cohen(B), Rodney Whitaker(B on 8), Ralph Peterson(Ds) - 1. Explain It To Me 2. Captain Black 3. Big Jimmy 4. Come 5. Calvary 6. My Romance 7. Don't Fall Off The L.E.J. 8. Four

(06/07/22)全8曲中Orrin Evans作は5曲(1-4、7曲目)。曲によってメンバーが変わります。やや素直でない曲とピアノは相変わらず。 リズムの2人が個性的。アップテンポで黒っぽさと現代感覚、モーダルなソロなどが印象的でこちらにどんどんせまってくる1曲目、ワン・ホーンで明るめながら自由なスペースがあってソロが泳ぐタイトル曲の2曲目、ミステリアスながらアップテンポでバリバリとフレーズがせまり来る3曲目、しっとりと湿り気を帯び、ちょっと渋めな11分台の後半盛り上がるバラードの4曲目、 トラディショナルをソロ・ピアノで起伏のある演奏をする5曲目、スタンダードをボッサ(ラテン)と少しの変拍子を交えた6曲目、変拍子とメカニカルな展開で意表をつく7曲目、マイルス・デイヴィス作をアップテンポで進む8曲目。

2006/07/23

外国からの問い合わせ

私のホームページのように、ジャズアルバムのミュージシャン別、レーベル別のリストを作っていたりすると、外国から問い合わせが来ます。同じような問い合わせが多かったので、メールアドレスを外人からは分からないような奥まったところに置いたのですが、それでも、探し当ててメールをしてくる人が最近ありました。

内容は、リストにあるCDを探している(もしくはなくしてしまった)ので、売って欲しい、コピーして送って欲しい、あるいはトレードして欲しい、など、外国からは決まってこういうような内容なんですね。

交換条件も別にこちらが欲しくも何ともないアルバムを提示してきたりして、決済が外国の場合CD程度の金額だと面倒だし手数料の方が多くかかるので、トレードが主流のようですが、当方にとっては、何のメリットもないです。欧米人が簡単にCD-Rに焼いてくれ、と言うのもどうかと思いますし、何より面識のない人にそこまでするか、ということがひとつ。

相手には悪いですが、持っているものではない、売ってしまったなど(実際に手元に残ってないアルバムもあります)理由をつけて断っているのが現状です。1-2件ならともかく、メールアドレスを表に出していた時は、しょっちゅうだったので、ご理解いただきたく、と思ってます。

Kulture Jazz/Wadada Leo Smith

1507
この時期のアルバムで、いわゆる個人的に連想するECMサウンドと違うものがあったとすれば、このアルバムもスティーヴ・レイクのプロデュースという点でしょうか。でも、これもECMなんですけれども。これはスペイシーなんだけれど硬派なアルバム、という位置付けになると思います。ヴォーカルの曲も何曲かあったり、それが語りかけるように訥々と歌う感じだし、トランペットやフリューゲルホーンのみで、しかも多重録音することなく淡々と吹いている場面もあったりと、スペイシーの域を超えている、と思うのはその点です。だからこのアルバム、克服するのはけっこう大変なんじゃないか、とも思えるわけです。


Kulture Jazz/Wadada Leo Smith(Tp, Flh, Koto, Mbira, Harmonica, Bamboo Notch Flute, Per, Vo)(ECM 1507) - Recorded October 1992. - 1. Don't You Remember? 2. Kulture Of Jazz 3. Song Of Humanity (Kanto Pri Homaro) 4. Fire-Sticks, Chrysanthemums And Moonlight (For Harumi) 5. Seven Rings Of Light In The Hola Trinity 6. Louis Armstrong Counter-Pointing 7. Albert Ayler In A Spiritual Light 8. The Kemet Omega Reigns (For Billy Holiday) 9. Love Supreme (For John Coltrane) 10. Mississippi Delta Sunrise (For Bobbie) 11. Mother: Salah Brown-Smith-Wallace (1920-92) 12. The Healer's Voyage On The Sacred River (For Ayl Kwel Armah) 13. Uprising (For Jessie And Yvonne)

全曲Wadada Leo Smithの作曲。マルチ・プレイヤーによるソロ・パフォーマンスでヴォーカルの曲もあります。空間を生かすというよりも、ちょっとスカスカの感じも否めないですが。かなりプリミティヴな印象で、素朴なヴォーカルの曲もあったり楽器の演奏。1曲目のヴォーカル曲からその雰囲気は濃厚で、静かながらやや計算されている気配も。2曲目のタイトル曲はほとんどソロのトランペット。他に何曲か曲名にジャズ・ミュージシャンの名前がついていたり、捧げられている曲もありますが、あくまでもマイペースという感じ。6曲目のルイ・アームストロングとか7曲目のアルバート・アイラーとか。8曲目はホーンが分厚く多重録音でゆったりと。10曲目には琴まで出たりして。問題作になりうると思いますが、聴く人を選ぶかも

All Through The Night/Bill Charlap Trio

1153
Criss Crossレーベル順番聴き1日目。ビル・チャーラップのピアノは最近のピアニストにありがちな原曲を著しく変えてみたり、フレーズがメカニカルだったリすることなく、メロディを大切にしていて、たとえ速いパッセージの時にも温かみを感じるようなフレーズが聴けます。ある意味、私がいつも聴いているピアニストと正反対なのでかえって目立って、気に入っているということもあります。バックのワシントンたちも、堅実なプレイをしていて、なかなかまとまりの良いサウンドに仕上げているのが特色。スタンダード(ちょっと地味目の曲が多いかな?)ばかりというのも、今回はプラスの方向に働いていると思います。


All Through The Night/Bill Charlap(P) Trio(Criss Cross 1153)(輸入盤) - Recorded December 22, 1997. Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. All Throught The Night 2. Roundabout 3. Put On A Happy Face 4. It's So Peaceful In The Country 5. The Best Thing For You Would Be 6. Pure Imagination 7. Nobody's Heart 8. Dance Only With Me - Dream Dancing 9. I've Just Seen Her

(06/07/22)全曲スタンダードの作品集。あまりガンガンとフレーズを叩きつけるタイプではなく、速いパッセージでもセンスがキラリと光ります。ピアノのみでゴージャスな出だしからアップテンポの4ビートにのりながら比較的優雅なフレーズが繰り出される1曲目、しっとりとベールに包みこまれる温かみのあるバラードの2曲目、アップテンポでこれはけっこう勢いのあるピアノの3曲目、ミディアムでポツポツとじっくり聴かせる味わいのある4曲目、ややアップテンポのピアノですがフレーズは速いながら暖色系の5曲目、静かにしっとり感があるゆったりしたバラードの6曲目、やや軽いタッチで明るくまとめた感じの7曲目、ノリの良さそうな曲ながら繊細かつ軽快に流れていく8曲目、テーマのブロックコードもアドリブも印象的な9曲目。

2006/07/22

Hindemith/Britten/Penderecki, Lachrymae

1506
Hindemith/Britten/Penderecki, Lachrymae(ECM New Series 1506)(輸入盤) - Recorded December 1992. Kim Kashkashian(Viola), Dennis Russell Davis(Cond), Stuttgarter Kammerorchester - 1. Paul Hindemith: Trauermusik 2. Benjamin Britten: Lachrymae Op.48a 3. Krzysztof Penderecki: Konzert Fur Viola Und Kammerorchester

(04/02/14)3曲とも20世紀の現代音楽家の作品です。どちらかと言うとキム・カシュカシャンの方にスポットが当たっているようなアルバム。1曲目は静かにゆったりと情景描写のように音楽風景が流れていき、しっとりとしながらも淡々とした雰囲気。2曲目は静かな場面からドラマがゆるやかに展開、現代的な寒色系のサウンド。3曲目はさらに暗い深遠な世界へ引き込まれるような現代音楽。静けさも覗きますがドラマチック。

Paul Motian On Broad Way Vol.4

Paulbroad4
ポールモチアンがこの頃元気です。つい最近ECMからリーダー作を出したばかりだというのに、今度はWinter & Winterレーベルから。しかもずいぶん昔にやっていたブロードウェイシリーズの続きだというのがうれしいところ。ヴォーカルを入れたのもリーダー作でははじめてながら、ここではアップテンポの曲もなく、比較的オーソドックスな進行です。ピアノは緊張感が漂うのはいつものところですが、出ずっぱりになっている時にフレーズを吹き、時に歌伴にまわるクリス・ポッターの上手さにほれ込んでしまいました。基本編成の3人は土台がないところを支えあって進んでいくという感じもして、スタンダードばかりとは言え、このメンバーでは決して聴きやすいとは限りませんが、個人的にはこういう感じのアルバム、好きです。


Paul Motian(Ds) On Broad Way Vol.4(Winter & Winter)(輸入盤) - Recorded November 21-23, 2005. Chris Potter(Sax), Larry Grenadier(B), Rebecca Martin(Vo on 2-3, 6-7, 9-10, 12-13), Masabumi Kikuchi(P on 1, 4-5, 8, 11) - 1. The Last Dance 2. Tea For Two 3. In A Shanty In Old Shanty Town 4. Never Let Me Go 5. Never Let Me Go 6. Folks Who Live On the Hill 7. Everything Happens To Me 8. Last Night When We Were Young 9. Born To Be Blue 10. Brother Can You Spare A Dime 11. I Loves You Porgy 12. You're Getting To Be A Habit With Me 13. How Long Has This Been Going On

(06/07/21)全曲スタンダードでトリオ+ヴォーカルまたはピアノのクァルテット。過去のブロードウェイ・シリーズ(今回で第4弾)と2000+Oneの企画を合体させたアルバムで、13曲中8曲でヴォーカルが加わるというのもおそらくリーダー作でははじめての試みか。菊地雅章のピアノは相変わらず内面を向いていてゆったりとした緊張感が漂いますが、曲全体としてはスタンダードということもありメロディの部分がやはり印象に残ります。そして相変わらずスコンスコン、バシャバシャいうモチアンのドラムス。でも強力なメンバー、サウンド。自由に飛翔します。ヴォーカル曲の方はサックスはじめ各楽器の絡みも面白いけれど、ゆったりした曲が多めなので、けっこうオーソドックスな雰囲気で進みます。4、5曲目は同一曲の別テイク。

2006/07/21

Te Deum/Arvo Part

1505
Te Deum/Arvo Part(ECM New Series 1505)(輸入盤) - Recorded January 1993. Estonian Philharmonic Chamber Choir, Tallinn Chamber Orchestra, Tonu Kaljuste(Cond) - 1. Te Deum 2. Silouans Song 3. Magnificat 4-11. Berliner Messe

(03/10/25)エストニア出身の作曲家、アルヴォ・ペルトが’80-90年代に作曲した作品集。1、3-4曲目以降は合唱団が入っていますが、現代音楽なのに宗教音楽家の彼らしく、敬虔で深遠な響きに満ちています。どの曲も複雑さは感じられず、深い青色の世界がのぞきながらも、心にすんなりと溶け込んでいくようなサウンド。タイトル曲の1曲目は28分台の曲で、荘厳ながら盛り上がる場面も。3曲目は合唱団のみです。

音を楽しむジャズ、アートとしてのジャズ

昨日書いたことの続きなんですが、音楽としてのジャズはアートの側面と、音を楽しむ側面とあるような気がします。あまり深くは考えていませんけれど、たくさんジャズやフュージョンのCDを聴いてきて、自分は、いかに音が流れている間に、そこの世界に深く沈みこみ、そしてノレるか、しかも音の本質を分かろうと努力するか、という方向にベクトルが向いているような気がします。なおかつ、じっとして聴いているわけでもない、自分があります。

ですので、自分は楽しむのとアートに踏み込む(つもりだけなのかもしれませんが)と半分半分の位置にいるんではないかと思います。’80年代後半にM-BASEという、ジャズでは異色の世界にハマリこんでから、オーソドックスなジャズも聴けばECMのような異端なジャズ(時にクラシック、現代音楽)も聴く、と新しいモノ好きかつ興味の範囲は幅広いです。

ただ聴くだけでは面白くないから同時にアルバムコメントも書いていって、結果としてホームページなりブログなりの形として残る、と。結局は好き嫌いに軸足を置きつつ、良し悪しも判断できるようになるのが目標なんですけれど、それはアートに近づくことであって、楽しさよりも真剣さが要求されるような気がします。

そこで、音を聴いている間はそれでノレてしまう楽しい側面も持っていなければ続かないよね、とも思うわけです。ジャズは楽しい音楽ですよ、というアピールもなければついてくる人もいなくなってしまうわけで。

「あー、この音面白いしスゴいなー。」というのがマニアックすぎて他の人が分からない、という現象、自分も経験があるし、よその掲示板やホームページ、ブログなどを見ていて思うこともあります。似ている範囲に興味を持っている人がいれば、それはそれで楽しくなりますし。アートと音を楽しむ、両方でバリバリ数をこなせているような自分があるような気がします。いずれ聴き方も変化していくでしょうけれど。

Always Your Friend/Makoto Kuriya

Kuriyaalway
クリヤ・マコトの実質初リーダー作。「ボルチモア・シンジケート」という名義で’89年にキングから出てますけれど、今日のアルバムも’91年発売ですが録音は’89年だったようですね。アメリカのマイナーレーベルでの録音で、日本では発売されていなかった(輸入盤では少し入ってきたそうですが)のは、当時としては珍しいんじゃないかな、と思います。もうこのアルバムからジャズの既成概念にあまりとらわれないような作曲と、シャープでメカニカルな感じもメロディアスな感じも併せ持つピアノのフレーズで、すでに独自の路線を開拓しているのが分かります。珍しくAmazonのマーケットプレイスで中古をアメリカから購入。程度は良いはずだったのですが、ジャケット部分、カット盤の丸い穴とボコボコになったジャケットはどうもね。ただ、CD自体はキズがないので、良しとすべきか。今となっては入手困難盤ですが、内容はもちろん良かったです。


Always Your Friend/Makoto Kuriya(P, Synth, Per)(Urgent! Records)(輸入盤・中古) - Released 1991. Dave Pellow(B), Dan Muchoney(Ds, Per), Alex Pope Norris(Tp, Flh), Craig Shields(Ts) - 1. Siamese Floating Market 2. Cocoa Float 3. Baby Samba 4. Horizon From The Soil 5. Islands 6. New Introduction 7. Triclinium 8. Am I Always Your Friend

(06/07/20)全曲クリヤ・マコトの作曲で、アメリカ制作の輸入盤。アメリカの友人のミュージシャンが参加したらしいですが、知性的な側面がのぞきます。テーマが非常に入り組んでいて、メカニカルな感触もあって、自在に展開するアップテンポのジャズの1曲目、ちょっと淡い感じに流れていくようなフュージョン的なややゆったりしたメロディの2曲目、ノリが良いちょっと現代的なアレンジのサンバの3曲目、しっとりとして都会的な哀愁のバラードの4曲目、速いパッセージでフリーにも近い感触ですが、キメも多くノリの良い部分も4ビートもある複雑で冒険的な5曲目、日本的情緒もあるベースとのデュオの小品の6曲目、目まぐるしく変化していく彼らしい今風の4ビートもある7曲目、ちょっとホッとするワルツのタイトル曲の8曲目。

2006/07/20

Codex Specialnik/The Hilliard Ensemble

1504
Codex Specialnik/The Hilliard Ensemble(ECM New Series 1504) - Recorded January 1993. David James(Vo), Rogers Covey-Crump(Vo), John Potter(Vo), Gordon Jones(Vo) - 1. Exordium Quadruplate Nate Dei Concrepet Verbum Caro 2. Tria Sunt Munera Videntes Stellam Reges Tharsis 3. In Natali Domini 4. Sophia Nasci Fertur O Quam Pulchra Magi Videntes 5. Congaudemus Pariter En Lux Immensa 6. Magnum Miraculum 7. Nobis Est Natus 8. Salve Mater Gracie 9. Christus Iam Surrexit Terra Tremuit Angelus Domini Surrexit Christus 10. Presulem Ephebeatum 11. Paraneuma Eructemus 12. Presidiorum Erogatrix 13. Pneuma Eucaristiarum Veni Vere Illustrator Dator Eya Paradiso Tripudia 14. Terrigenarum Plasmator 15. Pulcherrima Rosa 16. Chorus Iste 17. Bud' Buohu Chvala Cest 18. O Virens Virginum 19. Kyrie Petite Camusette 20. Gloria Petite Camusette 21. Tota Pulchra 22. Credo Petite Camusette 23. Ave Pura Tu Puella 24. Sanctus Patite Camusette 25. Ave maria

(02/07/07)邦題「ボヘミアの祈りの歌」。洋題は「スペツィアルニク写本」で、1500年ごろのプラハの宗教音楽とのこと。素朴な味がありつつも荘厳で厳粛な教会音楽の合唱集。そして、そこで歌われているのは、ポリフォニー(複合旋律)での合唱で、中世の宗教音楽もけっこう豊かなサウンドだったのだな、ということを実感 します。静かに包みこむような曲が多いので、ヒーリングの要素もあります。ゆったりと聴きたいアルバム。

In Harmony's Way/Jeff Berlin

Jeffinharmo
これでやっと今年1月に購入したアルバムを聴けました(Criss CrossレーベルのCDは別にして)。ジェフ・バーリンのこのアルバム、購入時には通販でも売り切れであきらめていたところ、たまたまCDショップの店頭にあったものなんですね。ラッキー(笑)。彼にしては珍しく4ビートの曲が多めで、ジャズの方向に振れています。ゲストも、ゲイリー・バートン、デイヴ・リーブマン、マイク・スターンと豪華です。こういう編成の音楽、なかなかいいなあと思うのですが、今年3月に出た「Lampy Jazz」という彼の最新作を通販で取り寄せ中。なかなか入荷しないのが心配ですが、とりあえずはこのアルバムと似た基本編成なので、到着が楽しみではあります。


In Harmony's Way/Jeff Berlin(B)(j.jazz)(輸入盤) - Recorded September 5-10, 2000. Richard Drexler(P, B), Danny Gotlieb(Ds), Guest: Gary Burton(Vib on 1), Dave Liebman(Ss, Ts on 2, 4, 6), Mike Stern(G on 2-3, 8), Captain Billy Lang(G on 7), Clare Fischer(Key on 7), Steve Shephard(Vo on 7), Howie Sher(Tp on 3. 8), Dave Stout(Tb on 3, 8), Doug Webb(Ts on 3, 8) - 1. This Is Your Brain On Jazz 2. Runaway Train 3. Emeril Kick It Up 4. Everybody Knows You When You're Up & In 5. Heart Of A Child 6. Liebman On A Jet Plane 7. Pale Glider 8. Reggae Ricardo 9. A Place Of Know

(06/07/17)6曲目以外はJeff Berlinの作曲。ゲストが豪華。相変わらずベースが前面に出ていますが、ジャズに振れている感じ。4ビートとメロディのベースの多重録音とドラムス、ヴァイブラホンが効果的な1曲目、列車の走るようなベースの効果音からサックスの咆哮、ギターのフレーズなど自由なサウンドの中盤アップテンポの4ビートの2曲目、シャッフルのリズムでメロディアスにノレる3曲目、ベースソロも多くて楽しめるこれまた4ビートの4曲目、しっとりとベースがメロディを奏でるバラードの5曲目、サンバや4ビートノリで速いフレーズが心地良く響く6曲目、この曲のみメンバーが入れ替わってヴォイス入りのボッサの7曲目、ブラスも快調でノリの良いロックのような8曲目、やや静かながらベースのソロはメロディアスな9曲目。

2006/07/19

メールBOXがいっぱい

今朝起きて、メールのチェックをしていたら、メールBOX内のメールが千通になっていて、いっぱいになってしまったとのBIGLOBEからの通知がありました。

メールBOXの容量は十分確保してあるはずなんだけれど、と思ったら、メールの保存通数が千通までとなっていて、プロバイダーのサーバー上の迷惑メールフォルダに振り分けられたメールも数に入っているんだそうです。

最近は迷惑メールも用語やメールアドレスなどでブロックをかけているにもかかわらず、毎日百通以上送られてくるようになりました。迷惑メールは10日で自動的に削除されますが、毎日百通以上来てしまったら、そりゃ、いっぱいになりますね(笑)。

仕事でも使用しているので、ちょっと困りました。有料サービスでメールの受信量を増やせるオプションもありますが、迷惑メールのために当方で費用を負担するのも何だかなあ、と思います。ただ、仕事で使用しているアドレスなので、メールの送受信に滞りがあってもマズいかなあ、とは思いますが。

(追記)
今日は千通に行かないように30通ぐらい削除してみたけれど、どんどん迷惑メールが増えていっている状態です。
またいっぱいになりそうになり、結局仕事で使っているアドレスなので、メール数無制限、容量700MBのオプションを付けてしまいました。月額1,029円。イタイですね(笑)。

Water Stories/Ketil Bjornstad

1503
今日紹介するのはケティル・ビヨルンスタの作品。昔聴いた時の印象では、ゆったりまったりと海のイメージで進んでいくと思っていたのですが、なかなかどうして、テリエ・リピダルのギターがそのサウンドの中にハードかつ幻想的に斬りこんできている場面もあって、けっこう硬派なサウンドを見せているな、とも思いました。温度感も低く、北欧のサウンドってこういうのかな、と改めて感じさせてくれます。よりこのレーベルの深みにハマりたい人向けか。


Water Stories/Ketil Bjornstad(P)(ECM 1503) - Recorded January 1993. Terje Typdal(G), Bjorn Kjellemyr(B), Jon Shristensen(Ds), Per Hillestad(Ds) - Part One: Blue Ice (The Glacier) 1. Glacial Reconstruction 2. Levels And Degrees 3. Surface Movements 4. The View 1 5. Between Memory And Presentiment Part Two: Approaching The Sea 6. Ten Thousand Years Later 7. Waterfall 8. Flotation And Surroundings 9. Riverscape 10. Approacing The Sea 11. The View 2 12. History

全曲ケティル・ビヨルンスタ の作曲。彼は、ノルウェーのピアニスト。水をテーマにしたこのアルバムも、北欧的イメージで迫ってきます。ドラマチックですが、多少荒々しい部分も。ちなみにエレキ・ギターと、ベースはエレキ、アコースティック持ち換えでの参加が異色で効果的。意外にトンガっています。大きく2つのパートに分かれていて、内省的で繊細な水(あるいは氷)の風景。フリーに行きそうで行かないリリシズムをたたえながら、ゆったりと進んでいきます。自由でゆったりした1、3、5曲目、ややドッシリとしたリズムで歩む2曲目、8ビート進行の4曲目、ひたすら叙情的にせまる6、9-10曲目、やや過激な小品の7曲目、叙情的にもロック的にもなる8曲目、ドラマチックな進行の11曲目、ゆっくりした優しい旋律の12曲目。

Taking Notes/Jeff Berlin

Jefftaking
やっと1月に購入したアルバムをアップすることができました(笑)。ジェフ・バーリンは昔に聴いていたこともあるのですが、このところ未聴アルバムを何枚か集めています。ベーシストのリーダー・アルバムが曲重視が多くなってトータル・アルバムとしてもてはやされる中、彼のアルバムはベースが出ずっぱりで、時に和音を弾き、時にメロディをバンバン前面に出し、ギターの奏法のようにメロディとアルペジオを同時に弾く、など、とにかくベースが前面に出まくっているのが爽快な気分にさせてくれます。好き嫌いは当然出てくるでしょうけれど。フレッテッドの4弦ベースしか使わないし、チョッパーやハーモニクス奏法は使わないなど、コダワリもあって、それでこれだけ聴かせてくれるのだから、文句はありません。


Taking Notes/Jeff Berlin(B)(Denon)(輸入盤) - Recorded December 1996 and January 1997. Scott Kinsey(Key), Cliff Almond(Ds), Alex Acuna(Per), Captain Billy Lang(G), Howie Shear(Tp), Jose Soplar(Tp), David Stout(Tb), Rob Lockart(Sax), Ron Eschete(G), Clare Fischer(Key) - 1. Stung, McCartney'd, & Bruced 2. Tears In Heaven 3. Johnny Joker 4. Sean En La Madrugada 5. Scarecrow Soup 6. Hello Dali 7. Clinton Caountry 8. Vicky Samba 9. Imagine! 10. Chasin' Jason

(06/07/17)Jeff Berlin作は7曲(1、3-6、8、10曲目)。相変わらずバリバリとベースを弾いていて、ここまで前面に出ているとかえってすがすがしい。メカニカルなホーンアレンジやキーボードをバックに縦横無尽にメロディアスなベースを弾きまくる1曲目、唄うベース、ドラムス、パーカッションのみでエリック・クラプトンの曲を演奏する2曲目、珍しく4ビートでジャジーな雰囲気を出す3曲目、しっとりくるメロディが印象に残る4曲目、ちょっと浮遊感もある軽めのファンクの5曲目、ややタイトにせまりつつメカニカルなフレーズもおいしいボッサの6曲目、ギターのようなベース・ソロで曲が構築される7曲目、スピーディーな彼らしいサンバの8曲目、ジョン・レノンの曲をキーボードとのデュオでの9曲目、タイトなファンクでせまる10曲目。

2006/07/18

November/John Abercrombie, Marc Johnson, Peter Erskine, John Surman

1502
ここでは長い付き合いのジョン・アバークロンビー、マーク・ジョンソン、ピーター・アースキンのトリオに、何曲かでジョン・サーマンが客演する、というアルバムになっています。けっこう腕利きのミュージシャンたちなので、まとまりや、自由さは、他の追随を許さないものがあります。オリジナルばかりですけれど、3曲目はマーク・ジョンソンの他のアルバムでも録音したことがあるおなじみのメロディ。珍しく11曲目にスタンダードが1曲ありますが、やはり彼ららしく、オリジナルとの境があまりありません。ミュージシャンのネームバリューで買っても損はないかも。


November/John Abercrombie(G), Marc Johnson(B), Peter Erskine(Ds), John Surman(Bs, Ss, Bcl)(ECM 1502) - Recorded November 1992. - 1. The Cat's Back 2. J.S. 3. Right Brain Patrol 4. Prelude 5. November 6. Rise And Fall 7. John's Waltz 8. Ogeda 9. Tuesday Afternoon 10. To Be 11. Coma Rain Or Come Shine 12. Big Music

3人プラス、ジョン・サーマン(5曲参加、1-2、6、8、10曲目)。3人は長い付き合い。フリー・インプロヴィゼーションが1、5、9曲目で、ジョン・アバークロンビー作が5曲(2、4、7、10、12曲目)。フリー的でスリリングながらアップテンポの4ビートで進行していく1曲目、しっとりゆったりとしたバラードの2曲目、マーク・ジョンソン作でトリオでのおなじみのメロディの3曲目、美しいホンワカしたバラードの4、7曲目、ギターが斬り込みオドロオドロとバックが攻めるタイトル曲の5曲目、哀愁を強く感じる6曲目、ジョン・サーマン作で淡色系のサウンドの8曲目、ベースとドラムスが語り合う9曲目、乾いた切なさがゆっくりと心に入りこむ10曲目、唯一のスタンダードで優しく奏でる11曲目、微妙なバランスながらややアップテンポの12曲目。

Both/And/Marc Copland, Randy Brecker

Bothand
このところ好き勝手に、聴いてみたいアルバムから聴いているので、順番としては不規則になってきてしまっているかもしれません。このマーク・コープランドランディ・ブレッカーのアルバムも、気になっていたアルバムの1枚。ランディの方はマイペースで吹いているような感じですが、マークの方のペースになってしまって例によって綾織り系の水彩画のようなピアノ。ただ、オーソドックスなクァルテット編成なので、今回のアルバムに関しては、ガンガンいくような比較的アップテンポのジャズも聴くことができます。聴く人の評価の分かれ目として4曲目「ザ・サイドワインダー」の強烈なリハーモナイズが、オオー、とときめく(笑)か、ナンダこりゃと思うか、だと考えますがいかがでしょうか。


Both/And/Marc Copland(P), Randy Brecker(Tp)(Nagel Heyer)(輸入盤) - Recorded November 20, 2004. Ed Haward(B), Victor Lewis(Ds) - 1. Through The Window 2. I Loves You Porgy 3. Over The Hills 4. The Sidewinder 5. Both/And 6. Round The Horn 7. When The Wind Stops 8. Bookends

(06/07/15)全8曲中Marc Copland作が5曲(1、5-8曲目)、Randy Brecker作が3曲目。今回はクァルテットで、内省的な曲もありながら、元気な曲も。1曲目は特に外に向かっていて、温度感は高くはないけどアップテンポでバリバリと進んでいきます。オーソドックスに朗々と歌うトランペットと水彩画のようなピアノの対比が面白いスタンダードの2曲目、浮遊感のあるテーマが不安定なバランスで、アドリブにも突入する3曲目、ジャズロックながらリハーモナイズでサウンドカラーが変わってしまった(笑)4曲目、内側を向きつつ演奏するタイトル曲の5曲目、モンクを意識したようなテーマでアップテンポで突き進む6曲目、コープランドの特徴が出ているかなり温度感が低い7曲目、出だしの繊細から徐々に盛り上がっていく8曲目。

2006/07/17

PLAYBOY(Miles特集号)他

遅ればせながら、昨日PLAYBOYのMiles特集号を買った。やはりジャズ雑誌と違って、ビジュアル系を重視した、デザインや配列も良い感じです。何よりも、ジャズとは何かを知らない人にも、「マイルスはカッコいい」と思わせるものを持っています。ジャズ雑誌にはないセンスがあるので、むしろジャズ雑誌より好きかも。これは中山さんのセンスによるところが大きいと思いますが、編集部のセンスもさすがだと思います。

一般紙でジャズの特集が続いているということは、それなりに売れているんだろうな、と思います。ビジュアル重視ながらも読むところが多いのも、ジャズファンにも読ませる理由かも。この雑誌にはつきものの外人女性のヌードもありますが、表紙がマイルスならば堂々とレジに持っていけるし(笑)。

昨日、はじめて遠近両用メガネを買いました。何だかんだで8万4千円(レンズは高いし、メガネ自体もアルマーニだと後で気がつきました)。ほぼ同時に、ある部屋で故障したエアコンも、新しいのを買って取り付け費やリサイクル費込みで同じぐらいの値段だったので、メガネって高かったのか、これぐらいのものなのか。

ECMブログ(2014年にここのブログに統合)の方が1001番から始まって1500番まで行きました。前半は廃盤・未CD化作品が多いのですが、それを除外してもここまででちょうど400枚のコメントをしたことになります。全体で800枚強というのは、推測にしてもだいたい合っているかもしれません。

Johann Sebastian Bach/3 Sonaten Fur Viola Da Gamba Und Cembalo BWV1027-1029/Keith Jarrett(Chembalo)

1501
Johann Sebastian Bach/3 Sonaten Fur Viola Da Gamba Und Cembalo BWV1027-1029/Keith Jarrett(Chembalo)(ECM New Series 1501) - Recorded September 1991. Kim Kashkashian(Viola) - 1-4. SonateG-dur BWV1027 5-8. Sonate D-dur BWV1028 9-11. Sonate g-moll BWV1029

キース・ジャレットのクラシック/バロックというと、やはり18世紀ドイツの有名な作曲家であるバッハの作品が一番多いのですが、聴いていて一番しっくりくるのが、やはりバッハ。安定感と適度な哀愁がいい感じ。ここではヴィオラとのデュオで、バッハの室内楽は少ないと言われているそうで、けっこう貴重かも。ここではヴィオラを弾いています(たぶん問題ないと思う)が、古楽器ヴィオラ・ダ・ガンバとは、6弦楽器でフレット付きとのこと。

Pots & Pans/Billy Kilson's B.K. Groove

Billypots
2003年に、年間ベスト3のアルバムを選ぶことになって、結局次点を含めて4枚になってしまったんですが、その時のドラマーが、オラシオ・”エル・ネグロ”・エルナンデスが2枚、ビリー・キルソンが2枚という結果になっていました。だから彼のアルバムでリーダー作があったということを知ってあわてて通販で購入したのですが、Billy Kilson's B.K. Groove名義では2作目。1作目も注文しましたがすでに入手困難なようで、あきらめました。ここに出ているジョージ・コリガン(Key)も好みです。ただ彼のSteeple Chaseから出ているアルバムまではまだ手がまわってません。ここでの彼のプレイはキーボードだけでなく、トンガッたシンセサイザーも聴きどころかと思います。


Pots & Pans/Billy Kilson's B.K. Groove(Ds, Key)(Arintha Star)(輸入盤) - Released 2006. George Colligan(Key), Kenny Davis(B, Key), Mike Sim(Sax) - 1. Groovements: 1. Call 2. Premier Jour 3 A Camelot 4. Prelude (Fuyu Hanabi) 5. Fuyu Hanabi 6. Rabbit Kat 7. Bibo No Aozora 8. Guardian Soul 9. Aye(Forever Eternal Love) 10. Ji Ji 11. Leftside 12. Indiescission 13. Darkness Rising 14. Nuevo "Dingwalls"

(06/07/15)最初の4曲が小品の組曲形式。全14曲中5曲を除きBilly Kilson作曲。現代的な作曲です。7曲目にはしっとりしたバラードの坂本龍一の曲もあります。全編を通してシンプルな編成のハードファンクで、ドラムスが大暴れしている曲もあって、爽快。拍子までは数えてませんが、変拍子でバシバシ叩く場面があったと思ったら、スローなバラードや渋めな感じの曲もあります。ベースはエレキ・ベースで、キーボードのGeorge Colliganが今っぽいメカニカルなフレーズを時に交えて、ノリを支えています。5曲目はウェザー・リポートにインスパイアされた曲ですが、オリジナル性の方が勝っているドラムスが豪快な曲。ドラム・ソロのみで勝負する8曲目、都会的なメロディでゆったりした9曲目。曲とメンバーの良さで聴かせます。

2006/07/16

昨夜のカラオケ

はっきり言って、私は歌が下手です(笑)。昨夜は40代の同業者3人で、飲み会のあとにカラオケBOXに行きました。このメンバーがそろうと、やっぱり懐かしめのニュー・ミュージックやあまり最近のものではないJ-POPなどが連続して出てきます。半年に1度ぐらいは飲み会をやって2次会でカラオケBOXに行くのですが、新曲を仕入れてくることもほとんどないのが、やっぱりこの世代のあまり歌をふだん歌わない人たちの特徴でしょうか。

で、私の興味のあるのが、人が歌っている時に聴くカラオケのサウンド(特にベースとドラムスのフレーズやコンビネーション)。昔ちょっと楽器をかじっていた身には、これがけっこう楽しいです。ジャズばかり聴いている人にはニュー・ミュージックやJ-POPってバカにされがちだけれど、それなりに風雪を耐えて残っている曲が多く、盛り上げ方を知っていて、何よりもムダがない展開やフレーズがいいところ。売れるための要素や努力が入っているアレンジだもの、悪かろうはずがないですよね。特に自分の知らない曲が出たときは、非常に参考になります。

いっしょのメンバーも、特に昔ヴォーカルでならした、とか、そういう人はいないので、うまくバランス良く楽しめます。2時間って順番に歌っていくとやっぱりあっという間に過ぎていきますね。ただ、最近お酒が弱くなっているようで、1次会でビール大ジョッキ2本、2次会で水割りをダブルで2杯だけなのに、やっぱりふつか酔いになってしまいました。お酒の方は、もう、無理しない方が良いかもしれないな、と思います。

Twelve Moons/Jan Garbarek Group

1500
今日は500枚目(正確には欠番があったりしてちょうど500枚目ではないのですが)のECMのアルバムの記念として、と思えるような豪華なミュージシャンが集まったアルバム。けっこう聴きやすい曲が多く、購入当時は何度もかけていました。ECMのイメージって、個人的にはいく通りかあるけれど、その中のひとつの路線そのままを行っている感じがしています。そういう意味では、広くオススメしたいな、と思えるアルバム。それにしても、このアルバムでも4ビートやいわゆるジャズらしさがほとんどなく、希薄なイメージが漂います。ただ、それこそがこのレーベルなんだ、とも言えますね。


Twelve Moons/Jan Garbarek Group(Sax)(ECM 1500) -Recorded September 1992. Rainer Bruninghaus(Key), Ebarhard Weber(B), Manu Katche(Ds), Marilyn Mazur(Per), Agnes Buen Garnas(Vo), Mari Boine(Vo) - 1. Twelve Moons 2. Psalm 3. Brother Wind March 4. There Were Swallows... 5. The Tall Tear Trees 6. Arietta 7. Gautes-Margjit 8. Darvanan 9. Huhai 10. Witch-Tai-To

ヤンガルバレク作は5曲(1、3-5、9曲目)、トラディショナルも2曲(2、7曲目)。私にとってECMのイメージの集大成という感じ。曲によってデュオからクインテットまで、編成が変わります。哀愁の強いメロディと映画音楽のようなドラマチックさが印象的なタイトル曲の1曲目、ヴォーカルが北欧の雰囲気を感じさせる静かな2曲目、静かなサックスから徐々に盛り上がっていく哀しみをたたえた3曲目、メロディにオリエンタルな香りがある4曲目、ゆったりした中を時々ソプラノサックスが響く5曲目、やや陽性ながら繊細な感触のある6曲目、トラディショナルも今っぽい感じになる7曲目、ヴォーカルとサックスだけでの北欧的な8曲目、明るい牧歌的なメロディが印象に残る9曲目、再演曲で、メロディアスなのは相変わらずな10曲目。

ニカズ・ドリーム/チャリートwithマンハッタン・ジャズ・オーケストラ

Charito
先月Videoartsからマンハッタン・ジャズ・オーケストラ名義のアルバムが出てましたけれど、ほとんど連続してこのアルバムも録音していたんですね。これだけのメンバーがリハーサルで時間が取れるはずがないので、譜面を渡されてせーの、で録音してしまったんだと思いますが。そういう素晴らしいメンバーです。アレンジは分かりやすいけれどもシャープで難易度も高そうです。こういうビッグ・バンドをバックにしたらヴォーカリストはさぞ気持ちが良いだろうなあと思います。もちろん、チャリートもベテランなので存在感はたっぷり。できれば2枚とも聴いてみたいアルバムだと思います。


ニカズ・ドリーム/チャリート(Vo)withマンハッタン・ジャズ・オーケストラ(CT Music)
Nica's Dream/Charito(Vo) with Manhattan Jazz Orchestra(CT Music) - Recorded February 23 and 24, 2006 (Additional Recording February 25-28, 2006). David Matthews(Leader, Cond), Walter White(Tp), Randy brecker(Tp on 3, 5, 7), Ryan Kisor(Tp on 3, 5, 7), Scott Wendholt(Tp), Lew Soloff(Tp), Jim Phugh(Tb), John Fedchock(Tb), Larry Farrell(Tb), Dave Taylor(Btb), John Clark(French Horn), Fred Griffin(French Horn), Tony Price(Tuba), Chris Hunter(As, Fl), Aaron Heick(Ss, Ts), Scott Robinson(Bcl, Bs), Chip Jackson(B), Terry Silverlight(Ds) - 1. Nica's Dream 2. Superstition 3. Caravan 4. Sunday Morning 5. Sir Duke 6. Dance Of Love 7. Against All Odds (Take A Look At Me Now) 8. The meaning Of The Blues 9. Just The Way You Are 10. Master Blaster (Jammin') 11. I'll Make Love To You

「スイング、スイング、スイング」とほぼ同時の録音で、2枚で基本的には3日間。このシャープで複雑なアレンジで、しかもリハーサルはきわめて短かっただろうから、さすが腕利きミュージシャンを集めた録音。デヴィッド・マシューズ作は、けっこう渋めにせまる6曲目のみ。タイトル曲の1曲目にジャズメン・オリジナルを持ってくるも、スティーヴィー・ワンダーやフィル・コリンズ、ビリー・ジョエル、ベイビー・フェイスの曲もあり、ビートも4ビートだけでなくファンク的なビートも多いので現代的なビッグバンド・ジャズとして聴くことができます。これだけのメンバーをバックにしたチャリートの存在感もなかなか。あえてポップ主体にしたのが良かったと思います。3曲目の間奏に「至上の愛」のフレーズが出てくるところもなかなかオチャメかも。(06年6月21日発売)

2006/07/15

アルバムコメントの方法

私の場合、ブログでは最初に始めた「ジャズCDの個人ページBlog」という方で、ジャズ・フュージョンのアルバムコメントを掲載しているわけですが、内容的には長さを短めにしていることもあり、全体の感触や曲の説明などに重点を置いていて、雑誌やジャズ本のアルバムレビューのようなものをねらっているわけではありません。ミュージシャンやレーベル特集として束ねてみた時に、コンパクトかつまとまりの良いようにという狙いもあります。ある意味、「感想文」的なものでもあるので、本格的なレビューを読みたい方は、どうぞ、お金を払って、そういう雑誌なり書籍なりを購入されることをオススメします。そこまで要求されてもねえ、と思うこともあります。

そして、内容については、いちばんやりやすかったのはECMレーベル関係で、収録曲も昔のアルバムは少なめで、しかも抽象的な部分もあってそれは情感的な描写で補うこともでき、何より曲ごとにガラッと変わってくるサウンドなので、何曲目はこういう雰囲気、と書きやすい題材ではあったんですね。

同じことをCriss Crossレーベルでやってますけれど、そちらはメインストリームジャズであって、逆に表現の幅があまり広くないこともあって、少々苦戦気味ではあります(笑)。

曲が多くなると数曲の抜粋、あるいは全体的な印象を書くということになりますが、こちらの方が聴きながら同時進行で書いている身としてはちょっと負担が大きくなる感じです。なので、最初長めに書いておいて、内容を整理したり削っていく、というやり方をしています。

プロの方の書いているものでも、レビューを読んでいて、表現は良いんだけれどもアルバムの中身が分からない、というようなものも散見されるので、自分自身、気をつけてはいます。ただ、自分の中では備忘録的な意味もあったりしますので、その辺は独断と偏見(という逃げの言葉を使いますが(笑))で、今後も勝手に? しばらくやっていこうと思っています。

Then Comes The White Tiger/Red Sun-Wolfgang Puschnig, Linda Sharrock, Rick Iannacone, Jamaaladeen Tacuma/SamulNori-Kim Duk Soo, Lee Kwang Soo, Kang Min Seok, Kim Woon Tae, Kim Sung Woon

1499
今日もECMにしては異色アルバム。マンフレート・アイヒャー以外のプロデュース作に、つい最近興味を持ちはじめ、そうしたら昨日、今日と違うプロデューサーのアルバムに偶然にも出会いました。やっぱりプロデューサーが違うとサウンドもけっこう違うもので、いわゆるECMサウンドというのは幻影だったのかなあ、と思わせる面もあったりします。このアルバムは、韓国録音ということでも異色中の異色なのでは、と思わせますが、サムルノリはここでもいい仕事、しているようです。ジャマラディーン・タクマがやっぱりサウンドカラーが違いますが、彼のファンク的なベース、ちょっとここでは控えめですが、好みです。


Then Comes The White Tiger/Red Sun-Wolfgang Puschnig(As, Afl), Linda Sharrock(Voice), Rick Iannacone(G), Jamaaladeen Tacuma(B)/SamulNori-Kim Duk Soo, Lee Kwang Soo, Kang Min Seok, Kim Woon Tae(Per), Kim Sung Woon(Per)(ECM 1499) - Recorded May 1993. - 1. NanaJang (The Meeting Place) 2. Peaceful Question 3. Kil-Kun-Ak 4. Hear Them Say 5. Piri 6. Soo Yang Kol(The Valley Of Weeping Willows) 7. Flute Sanjo 8. Komungo 9. Full House-Part 1 10. Full House-Part 2 11. Far Away/Ariang

メンバーそれぞれの作曲、あるいは共作。プロデューサーはWolfgang Puschnig。珍しく韓国録音で民族的なサウンドが前面に出ています。韓国のサムルノリ(有名な打楽器集団)がECMに顔を出し、共演するメンバーも各国から集まったそうそうたるメンバーなので驚きました。ただし、静かな場面ではECMらしさがのぞきます。1曲目は全員のインプロヴィゼーションと思われる11分台の曲で、ミディアムのテンポのダイナミックなパーカッションを堪能できます。その他小品と長い作品が交ざりあっていますが、3曲目のサムルノリの打楽器だけの演奏もなかなか良い。ややスローな7拍子のファンク的な11分台の4曲目、明るい民族的ファンクの6曲目、空間的なフルートと打楽器の7曲目、折衷ファンクがけっこう楽しい10曲目。

The Elephant Sleeps But Still Remembers/Jack DeJohnette

Jackelephant
ジャック・ディジョネットビル・フリゼールという、デュオを主体にした’01年のライヴ。やっぱりこの2人だと少々アヴァンギャルドになるかなと思ったら、なりましたねえ(笑)。2人、あるいは3人のインプロヴィゼーションが中心なので、少々マニアックです。でもこの2人をよく聴いている人たちならば、想定の範囲内だと思いますが。牧歌的な部分もあったりエスニックな部分もあったりとさまざまですが、百戦錬磨の2人のこの組み合わせ、聴いてみたいと思いませんか。長めの曲とインタールード的な短めの曲と入り混じってますが、こういう風にライヴが進行したんでしょうか。私には編集したようにも聴こえますが。でもこの2人だったら個人的には何をやっても許せてしまいます(笑)。

The Elephant Sleeps But Still Remembers/Jack DeJohnette(Ds, Per, Vo, P)(Golden Beams)(輸入盤) - Recorded October 31, 2001. Bill Frisell(G, Banjo), Ben Surman(Additional Production) - 1. The Elephant Sleeps But Still Remembers 2. Cat And Mouse 3. Entranced Androids 4. The Garden Of Chew-Man-Chew 5. Otherworldly Dervishes 6. Through The Warphole 7. Storm Clouds 8. Cartune Riots 9. Ode To South Africa 10. One Tooth Shuffle 11. After The Rain

(06/07/02)ライヴ録音。ラストのみジョン・コルトレーンの曲で、ピアノで穏やかに進みます。他は出演者の即興演奏の色彩が強いです。短い曲とやや長めの曲が混在。Ben Surmanの役割はシンセ・ベースなどか(3人の演奏は1、5、9曲目)。1発もので意外にギターの鋭い面も見せている3人でのタイトル曲の11分を超える1曲目、バンジョーとパーカッションのフリーの2、10曲目、この後も、リズミカルだったりそうでなかったり、けっこうインプロヴィゼーションで聴かせる曲もあります。確かにアヴァンギャルドか。やはりバンジョーでエスニックな香りの4曲目、ファンク的なノリの5曲目、荘厳な雰囲気から牧歌的に移るピアノの7曲目、彼らしいドラムスに合わせてノリ良く明るいアフリカンな感じで進行していく10分台の9曲目。

2006/07/14

The Hal Russel Story/Hal Russel NRG Ensenble

1498
1450番あたりから1499番までの間に3枚ものアルバムを一気に出し、そして今日紹介する作品が遺作ともなったハル・ラッセルの、晩年を駆け抜けていくような演奏が詰まっています。これもスティーヴ・レイクのプロデュースだからでしょうか、かなり外向的なフリージャズを中心に繰り広げられていて、ブラインドでのレーベル当て(そういうのがあればの話ですが)では、ECMと言い当てることのできる人が何割いるだろうか。個人的にはこういうサウンドもOKですけれど、苦手な人も少なくないだろうなあ、と思いつつ。聴いていてけっこうストレスが発散されましたが(笑)。


The Hal Russel Story/Hal Russel NRG Ensenble(Ts, Ss, Tp, Dr, Per, Vo, etc.)(ECM 1498) - Recorded July 1992. Mars Williams(Ts, As, Bs, F, etc.), Brian Sandstrom(B, G, Tp, Per, etc.). Kent Kessler(B, Tb), Steve Hunt(Ds, Vib, Per, etc.) - Part 1 1. Intro & Fanfare, Toy Parade, Trumpet March, Riverside Jump Part 2 Scholar And Fan 2. Krupa 3. You're Blase 4. Dark Rapture 5. World Class Part 3 Hit The Road, Hal 6. Wood Chips 7. My Little Grass Shack 8. O & B Part 4 Fase Company 9. For M 10. Gloomy Sunday 11. Hair Male 12. Bossa G 13. Mildred 14. Dope Music Part 5 The Birth Of The Free 15. 2 x 2 16. Ayler Songs Part 6 NRG Rising 17. Rehcabnettul 18. Steve's Freedom Princilple Encores 19. Lady In The Lake 20. Oh Well

老人プレイヤー、ハル・ラッセルの元気な、そしてどことなくユーモラスなフリージャズ(と言いきれないですが)であり、遺作になった作品。全体の5分の4ほどが彼の作曲。それぞれがマルチ・プレイヤーですが、シリアスでもありユーモアも持っているアルバムです。ものすごく元気なのにはびっくりします。あるときは爆発的な、あるときは静かな、そしてフリージャズの部分とアンサンブルの部分とがあって、全20曲、目まぐるしく変わっていきます。ナレーションでつながっていたり、曲中で語ったり叫んだり、そして20曲を6つのパートとアンコールに分けるなど、いろいろ工夫がされているフリーです。ECM黎明期を想像させるような、ギャロンギャロン系フリーが満載なのがうれしい。ラストの20曲目はカッコ良いファンクの曲です。

Boston T Party/Dennis Chambers/Jeff Berlin/Dave Fiuczynski/T Lavitz

Bostont
やっと2月に購入したアルバムをアップできます。それ以前、1月購入のアルバムもまだあるのですが、やはりここのアルバムにも参加しているジェフ・バーリンのアルバム(旧譜)で、現在もう1枚注文中なので、それと一緒に紹介しようかな、と思います。今日のアルバムを見つけたとき、デニス・チェンバースデヴィッド・フュージンスキーも参加ということで、躍り上がって喜んでしまいました。でも、聴いてみたら超絶技巧のソロの掛け合いではなくて、リラックスしたトータルサウンドを聴かせつつ、実はスゴいこともやっている、というようなアルバムでした。派手さは少ないけれど、皆の職人気質がうれしいです。


Boston T Party/Dennis Chambers(Ds)/Jeff Berlin(B)/Dave Fiuczynski(G)/T Lavitz(Key)(Tone Center)(輸入盤) - Recorded September 2005. - 1. D'funk'd 2. (Great) Ball Of Issues 3. Around About Way 4. I Hate The Blues...(But Here's One Anyway) 5. All Thought Out 6. Emotional Squalor 7. Deff 184 8. Last Trane 9. Contrast Comment 10. Foxy Morons

(06/07/02)主にT Lavitzの作曲(10曲中6曲)で他のメンバーの曲や共作もあり。このメンバーだもの、スゴいソロのやり取りが聴かれると思ったら、意外にリラックス(それでもスゴいですが)した演奏。ロック、ファンク系の重量系。妖しげなメロディのファンク・ロックが繰り広げられる1曲目、タイトかつノリの良いグルーヴにノセられる2曲目、ややアップテンポのマイナーなロックノリが渋いサウンドの3曲目、ブルースのようでコード進行が違う4曲目、ちょっとしっとり系と思ったら明るい中盤ラテン系でノリノリの5曲目、8ビートで着々と進むような6曲目、アップテンポでビシッとリズムがキマる7曲目、ゆったりめでも存在感のあるバラードの8曲目、渋めのファンクがカッコ良い9曲目、ストレートなロック調の8ビートで爽快な10曲目。

2006/07/13

ブログのメンテナンス終了。でも...。

ブログの調子が悪くなったまま、更新もままならず11日に48時間ものメンテナンスに突入、そして今日の13時過ぎにメンテナンスは終わりました。その後はサクサク動いて助かっているんだけれども、書きたいときに書きたいことを書けなかった余波がまだ残っています。

一時期は20日分ぐらいブログのアルバムコメントを書きためていたのですが、このところのブログの不調で、CDを聴く気もちょっと失せてしまって、先週の土日には時間があったにもかかわらず、アルバムコメントのホームページへのアップすらしませんでした。と言うわけで、今のところストックは明後日15日分までしかありません。

波に乗ってしまうと、けっこう頑張りがきくのだけれど、不調だと、やはり仕事ではないので、やる気が今ひとつ。ここの差って、微妙なものだよね、と思います。有料のブログだけれども、使えなかった時間分、返金しますとはニフティのことだから、まずないですしね。以前、携帯電話会社では、つながらなかったりメールが遅延した時に、そういうこと、ありましたけれど、インターネットの会社がそこまで危機感を持って運営しているかどうかですよね。それよりも、去っていったモチベーションはお金に換算できないし、取り戻すのが大変です。何とかしなければ。

You Never Know/Peter Erskine

1497
最初はピーター・アースキンが何でECMで作品を発表するのか、と疑問に思ってました。どちらかと言うとフュージョン畑での活躍の方が目立っていたように思ったからです。でも、このCDのメンバー、ECM流のピアノトリオとしてはけっこう内容が良く、彼もこの後数枚、リーダー作をこのレーベルで発表していくことになります。基本的には彼の名義だけれども、目立ち度や作曲の数からして、ジョン・テイラーのアルバムとして考えてもいいのでは、と思わせますが。


You Never Know/Peter Erskine(Ds)(ECM 1497) - Recorded July 1992. John Taylor(P), Palle Danielsson(B) - 1. New Old Age 2. Clapperclowe 3. On The Lake 4. Amber Waves 5. She Never Has A Window 6. Evans Above 7. Pure & Simple 8. Heart Game 9. Everything I Love

ピーター・アースキン作は3曲目のみ。この叙情的なピアノトリオの空間におけるドラムとしての表現やさりげない主張は、何度聴いても深いものを持っているようです。ジョン・テイラー作が4曲(1-2、6-7曲目)、ヴィンス・メンドーサ作が3曲(4-5、8曲目)。蒼い叙情を保ちつつ、変拍子系ながらしっとりとした1曲目、アップテンポでメカニカルなテーマのスリリングな2曲目、静かながらどことなくほのぼのとした3曲目、映画音楽のような落ち着いたメロディの4曲目、内向的な3人の動きを感じる繊細なフレーズが続く5曲目、淡色系のピアノが自由で時に少し速い6曲目、なかなか速くてスリルのあるピアノの場面もある7曲目、じっくりゆったりと聴かせるバラードの8曲目、唯一のスタンダードでこれのみ4ビートで演奏する9曲目。

ザ・シンフォニー・セッションズ/マンハッタン・トランスファー

Mtsympho
マンハッタン・トランスファーのベスト盤でもあり、セルフ・カヴァー集でもある豪華なアルバムが出ています。こういうゴージャスなサウンドを聴いてしまうと、ジャズを聴いているというよりは、アメリカのジョー・ビジネスの偉大さについて考えたくなってしまうほど。もう彼らもかなりのベテランになっているので、安心して身をゆだねて聴くことができ、内容も充実しています。ただ、これは今までの業績を振り返ってのことで、ここで新たな冒険を求めているわけではない聴き手の自分がいます。ある時代のアメリカの音楽を伝えるのはこれがいいのだ、とも思います。それでも十分におつりがくるアルバム。


ザ・シンフォニー・セッションズ/マンハッタン・トランスファー(Paddle Wheel)
The Symphony Sessions/The Manhattan Transfer(Paddle Wheel) - Recorded December 15 and 16, 2005, February 9, 23 and 24, March 3-4, 6-7, 2006. The Manhattan Transfer [Cheryl Bentune(Vo), Alan Paul(Vo)Tim Hauser(Vo), Janis Siegel(Vo)], The City Of Prague Symphony Orchestra, Yaron Gershovsyy(P), John B. Williams(B), Steve Hass(Ds), Clifford Lyons(Sax), Andy Snitzer(Sax), Scott Kreitzer(Sax), Roger Rosenberg(Sax), Dave Glasser(Sax), Jim Hynes(Tp), Robert Millikan(Tp), Dave Stahl(Tp), Scott Wendholdt(Tp), Birch Johnson(Tb), Randy Andos(Tb), Michael Boschen(Tb) - 1. Route 66 2. Candy 3. Embraceable You 4. That's The Way It Goes 5. A Nightingale Sang In Berkeley Square 6. Because You Are All Heart 7. To You 8. Vibrate 9. Clouds(Nuages) 10. The Quietude 11. The Offbeat Of Avenues 12. Birdland

シェリル・ベンディーン(Vo)、アラン・ポール(Vo)、ティム・ハウザー(Vo)、ジャニス・シーゲル(Vo)、ザ・シティ・オブ・プラハ・シンフォニー・オーケストラ、他。マンハッタン・トランスファーの初のセルフ・カヴァーのアルバムとのことで、オーケストラやビッグ・バンドを曲によって使い分け、ヴォーカル・アレンジとオーケストラ・アレンジもいろいろな人がやっている、かなり豪華なアルバム。サウンドもゴージャスという言葉がふさわしい。昔に比べて落ち着いた大人の歌唱やアレンジの印象だけれども、以前歌っていたヴァージョンを損ねることなく、いい雰囲気ではじまります。全12曲あって、出だしが「ルート66」で最後が「バードランド」なのもうれしいところ。選曲も気をつかっていて飽きさせません。何と言っても安定したコーラスで、複雑なハーモニーも安心して聴けるのは昔から。落ち着きや円熟に重点があります。じっくりと聴くにも良し、BGMとして小音量でかけているのにも良し。(06年6月7日発売)

2006/07/12

Despite The Fire-Fighters' Efforts.../Aparis

1496
Despite The Fire-Fighters' Efforts.../Aparis(ECM 1496)(輸入盤) - Recorded July, 1992. Markus Stockhausen(Tp, Flh), Simon Stockhausen(Key, Ss), Jo Thones(Ds) - 1. Sunrice 2. Waveterms 3. Welcome 4. Fire 5. Green Piece 6. Orange 7. Hannnibal

(02/02/17)このメンバーによる2枚目で、全曲が兄弟(?)の作曲という点も同じ。前回のCDタイトルがグループ名に。相変わらずキーボードが効いています。1曲目は静かな出だしで5分あたりから盛り上がってきて、ドラムソロを経て静かに終わっていく13分台の曲。スペイシーなフリー・インプロヴィゼーションのようで時々のキメが鋭い2曲目、さまざまに表情を変えていくドラマチックな14分台の3曲目、アヴァンギャルドですが何だかけっこうジャズを感じてしまうファンク的でもある4曲目、シンセサイザーをバックにスペイシーな世界が広がっていく5曲目、ややパーカッシヴではありながらもこちらも広い空間をフレーズが舞っていく6曲目、トランペットの哀愁のメロディが印象的な7曲目。やや聴く人を選ぶかも。

ギター・ルネッサンス3:翼/渡辺香津美

Kazumiguit3
渡辺香津美の、主にギターでのアルバム第3弾ですが、ジャズに特化しているわけでもなく、クラシックや映画音楽なども取り入れて、時にはゲストを招いて、さまざまなギターサウンドを聴かせてくれる感じのアルバムです。特にジャズを意識することなく、極上のギターを楽しむといった感覚で聴けました。やっぱり日本のギタリスト(ジャズという点では、ですが)は彼じゃないかなあ、と思わせるテクニックの確かさと確固たる信念を感じることができました。それにしても、いろいろなことにチャレンジしていて、その懐の広さも感じることができます。下のコメントでは書きませんでしたが、13曲目の「月の砂漠」も、情感が出ていて、ラストにふさわしい曲調で、じんわりときました。


ギター・ルネッサンス3:翼/渡辺香津美(G)(ewe)
Guitar Rubaissance 3 [翼]/Kazumi Watanabe(G)(ewe) - Recorded March 2-6, 2006. Minako Yoshida(Vo on 5), Sadanori Nakamure(G on 6), Kenichi Furube(Oboe on 8) - 1. Over The Rainbow 2. Courante From Suite For Unaccompanied Violoncello No.1 BWV 1007 3. Stairway To Heaven 4. Courante "From Heaven" 5. Tsubasa 6. Momo 7/ Stella By Starlight 8. Image Of Le Parapluies De Cherbourg 9. If I Fell 10. Cleopatra's Dream 11. Astro Jump 12. A Night In Tunisia 13. Tsuki No Sabaku

渡辺香津美作曲は、けっこうロック的で元気な曲の11曲目のみ。スタンダードやジャズメンオリジナル、バッハや現代音楽、ロックなどいろいろな音楽を、主にギター・ソロ(時に多重録音)で演奏します。味わいがあって、しかも落ち着いていて、安心して聴けるギター・ミュージック。スタンダードなども1曲目などジャジーに流れず、アルペジオでメロディ重視で進んでいきます。こういうところでのバッハ(2、4曲目)の演奏やレッド・ツェッペリン(3曲目)の同居も自然なのは彼らしいところか。吉田美奈子が淡々とバラードで歌う5曲目、ギターのデュオで繊細ながらもジャジーな6曲目、この中ではジャジーなスタンダードの7、12曲目、オーボエの響きが美しい組曲形式の10分台の8曲目、ビートルズの曲をボッサで演ずる9曲目。(06年6月7日発売)

2006/07/11

Gorecki/Satie/Milhaud/Bryars/O Domina Nostra/Sarah Leonard/Christopher Bowers-Broadbent

1495
Gorecki/Satie/Milhaud/Bryars/O Domina Nostra/Sarah Leonard(Soprano)/Christopher Bowers-Broadbent(Organ)(ECM New Series 1495) (輸入盤)- Recorded June 1992. - 1. Henry Gorecki: O Dimina Nostra Op.55 2. Erik Saie: Messe Des Pauvres 3. Darius Milhaud: Prelude 1 4. Prelude 2 5. Gavin Bryars: The Black River

(04/01/23)エリック・サティの曲のみ19世紀作、他の曲は20世紀作。オルガンとソプラノ(1、4曲目)という変わった取り合わせで、静寂と重厚さを併せ持ったような、ゆったりと流れていくようなメロディとフレーズが印象的。1曲目は最初と後半は静かで、一部盛り上がったところで見せる大きな世界、2曲目はサティにしては重厚な雰囲気。荘厳でメロディアスな小品の3-4曲目、ヴォーカルが前面に出てきてそれでも厳かな5曲目。

ミュージックリーム/フライド・プライド

Friedmusic
フライド・プライドも、もう6枚目のアルバムになってしまいましたが、今回は何とジャズのスタンダードやジャズメン・オリジナルがなくて、オリジナルと日本語の曲、ソウル、ディスコ、フュージョン、ポップスなどの曲を演奏して歌っています。やっぱり強力なグループはいつまでもジャズの枠にとらわれずに好きな方向にはみ出していくのだな、と思いました。それでいてアレンジがジャジーなものがあったりして。独特な小編成を貫く姿勢もいいですし、何と言っても、最初に1回聴いた時のこのゾクゾク感は、タマりませんでしたね。ジャズっぽいかそうでないかは置いておいて、いいアルバムに出会ったな、という感想です。


ミュージックリーム/フライド・プライド(Victor)
Musicream/Fried Pride(Victor) - Released 2006. Fried Pride(Akio Yokota(G), Shiho(Vo)), Tomoo Tsuruya(Per on 1-8, 10)、Seiji Tada(Fl on 2)、Lotus Juice(Rap Lylics on 5) - 1.Can't Take My Eyes Of You 2. リバーサイドホテル 3. 接吻KISS 4. Nightbirds 5. Words With Wings 6. Get Down To Me Midas Touch 8. 永遠に 9. Higher Ground 10. La La Means I Love You

フライド・プライド(横田明紀男(G、Per)、Shiho(Vo))、Tomoo Tsuruya(Per on 1-8, 10)、Seiji Tada(Fl on 2)、Lotus Juice(Rap Lylics on 5)。グループの6枚目で横田明紀男作曲が2曲(5-6曲目)、井上陽水、山下達郎作など日本語の曲が4曲も(2-3、7-8曲目)登場しているのがけっこういい感じ。英語の曲もディスコ、フュージョン、ポップスなど今のスタンダードを表現している感じ。グループの雰囲気を壊すことなく、幅を広げています。ヴォーカルとギターの実力も誰もが納得いく出来上がりです。そのシンプルな編成ながらも緩急自在かつソウルフルなサウンドは1曲目から感じることができます。個人的には日本語の歌詞を自分達のものにして歌い上げている4曲が好み。シャカタクの4曲目もラテンタッチでなかなか。ファンクだったり4ビートだったりする5曲目、スピーディでエキサイティングな6曲目もノレます。曲の配列やサウンド展開など、文句なしかも。(06年6月21日発売)

2006/07/10

Olivier Messiaen: Meditations Sur Le Mystere De La Sainte Trinite/Christopher Bowers-Broadbent

1494
Olivier Messiaen: Meditations Sur Le Mystere De La Sainte Trinite/Christopher Bowers-Broadbent(Org)(ECM New Series 1494)(輸入盤) - Recorded June 1992. - 1. Meditations Sur Le Mystere De La Sainte Trinite

(03/07/27)メシアンは20世紀の現代音楽家で、神秘主義的思想が強く、宗教的な色彩が強い曲を書いています。’69年に書かれたこの曲も邦題で言うと「聖なる三位一体の神儀への瞑想」となります。オルガンの曲にしてはメリハリが効いていて動きが速く、ドラマチックな仕上がりになっています。そして現代音楽的な複雑さを垣間見せながらも、 楽器のせいか雰囲気はやはり神秘的で、深い蒼色の世界がのぞいています。

フラグメント/ジャンクボックス

Junkbox
田村夏樹藤井郷子の共同プロジェクトで、そこにジョン・ホーレンバックというパーカッショニストが加わります。フリーにはドシャメシャのフリー、ECM的な耽美的で静かなフリー、非イディオム系のフリーと大きく分けると3種類ぐらいあると思いますが、ここではその3つが合わさったような不思議な世界が展開しています。ただ、やっぱりフリーなので、聴く人を選ぶとは思いますが、こういう世界にハマると世界が広がってくるのも確か。この両氏、6月にもビッグバンドばかり4種類もCDを発売しているので、聴くのが追いつくかどうか心配ですけれど、現代日本で、質・量ともに日本一のフリー系のジャズ・ミュージシャンな事は間違いないと思います。


フラグメント/ジャンクボックス(Libra)
Fragment/Junk Box(Libra Records) - Recroded March 17, 2004. Natsuki Tamura(Tp), Satoko Fujii(P), John Hollenbeck(Per) - 1. A Dream In The Dawn 2. Ants Are Crossing The Highway 3. Getting Lost On Snowy Day 4. At Intersection, On A Rainy Day 5. Looking Out Of The Window 6. Your Neighbors 7. Wok Cooking 8. Tin Can Gozilla 9. Cat's Nap 10. Lullaby

全曲藤井郷子作曲。「おもちゃ箱の中」「記憶の断片」のような音らしいのですが、イディオムと非イディオム(特にトランペット)を行きつ戻りつしたフリーの世界。そんな世界の、静かな場面から徐々に盛り上がる小品の1曲目、時に激しく、時に静かに語り合うフリー・ジャズの2曲目、トランペットの不思議な音がゆったりと雅楽のように漂って、ピアノ(弦に細工?)も硬質ながらスペイシーな3曲目、非イディオム系というよりは音そのもののような4曲目、硬質なピアノと、トランペットが寄り添ったり離れたりして少しずつ盛り上がる5曲目、ユーモラスで緩急自在な引用も多いフリーの6曲目、3人の緊張感のあるやり取りの7-8曲目、ひたすらスペイシーな9曲目、変拍子のピアノとうめくホーン、その後不思議な響きも続く10曲目。(06年4月23日発売)

2006/07/09

ニフティのブログが不調につき

先日からニフティのブログの管理画面がかなり重くなり、不調の状態が連続しています。
本来軽いはずの早朝などでもダメで、時間はかかるしエラーは頻発するしの状態。この記事も果たしてアップできるのかどうか(笑)。
11日から13日にかけて大規模なメンテナンスが行われるので、その後に軽くなれば更新することができます。
しかし、有料のブログでこんなことでいいのか!と思います。「金返せ!」と言いたくなるのはここのブログのユーザー皆が思っていることでしょう。

If You Look Far Enough/Arild Andersen

1493
今日はアリルド・アンデルセンのアルバム。北欧のトラディショナルも数曲演奏していますけれど、ここでもナナ・ヴァスコンセロスの異国のワールド風味が加味されて、不思議な音世界をさまよいます。また、ギターのラルフ・タウナーは参加曲が多くないですが、やはり彼らしい調子で参加しています。こういう世界各地からの音の融合、ECMでは得意ですけれど、必然的にジャズ色は薄まっていきますね。これをサウンドの美意識ととらえるか、ジャズの拡散ととらえるかは意見が分かれるところでしょうけれど。


If You Look Far Enough/Arild Andersen(B)(ECM 1493) - Recorded Spring 1988, July 1991 and February 1992. Ralph Tawner(G), Nana Vasconcelos(Per), Audun Kleive(Snare Dr) - 1. If You Look 2. Stev 3. For All We Know 4. Backe 5. The Voice 6. The Woman 7. The Place 8. The Drink 9. Main Man 10. A Song I Used To Play 11. Far Enough 12. Jonah

アリルド・アンデルセン作は全12曲中5曲(1-2、4、10-11曲目)、参加者のインプロヴィゼーションは5、9曲目。割と渋い演奏がそこにあります。ノルウェイのトラディショナル・ソングの演奏も3曲(6-8曲目)あり、パーカッションとのデュオで雰囲気が出ています。個人的に最後の曲のソロ・ベースが好み (何とポール・サイモンの曲)。ベースをシンセサイザーのようなエフェクトをかけた雄大でゆったりした1曲目、速めのスリリングなフレーズが舞う2曲目、ベースのメロディアスな流れにギターが絡む3曲目、しっとりとメロディが進んでいく4曲目、シンセ的ベースとパーカッションの妙の5曲目、3人でなかなかノリの良い演奏を聴かせる9曲目、ゆったりメロディ系でせまる10曲目、タイトルと内容で1曲目と対になる11曲目。

YOGI JAZZ/ヨキ・フロイント・セクステット

Yogijazz
澤野工房シリーズの中でもこれは’63年録音の幻の名盤の復刻とのこと。ただ、幻の名盤って、期待ばかりふくらんでしまって、このアルバムを聴いた人の中には、なーんだ、という方もいたみたいですね。やはりこの当時にしては編成やオリジナルなどの冒険を聴くのがこのアルバムの意図なんではないかと思います。何たって2ベース、けっこうそのうちの1人はリード・ベースという形態をとっていて、これも非常に珍しい。そして、この時代のヨーロッパでフリーまでは行かないにしてもけっこうモーダルな雰囲気のサウンドを出していた、とこの2点を受け入れるかどうかで好悪は違ってくると思います。私的にはベーシストの一人がエバーハルト・ウェーバーで、おそらく彼がリード・ベースを弾いていると思うので、マルでしたが。


YOGI JAZZ/ヨキ・フロイント(Ts、Ss)・セクステット(澤野工房)
Yogi Jazz/Joki Freund(Ts, Ss) Sextet(Atelier Sawano AS058) - recorded November 20, 1963. Emil Mangelsdorff(As, Fl), Wolfgang Dauner(P), Eberhard Weber(B), Karl Theodor Geier(B), Peter Baumeister(Ds) - 1. Caravan 2. Aisha 3. The Caribean Ringo 4. Killer Joe 5. HL 20 6. Yogiana

ヨキ・フロイントの作曲は3、5-6曲目。他はジャズメンオリジナル。2ベースの編成がちょっと変わっています。有名な「キャラヴァン」ですが、独特な、そしてやや軽快かなと思えるサウンドに1台のベースがリード・ベースとして絡み続けるのがけっこう面白い1曲目、静かにフルートがメロディを奏でていく、マッコイ・タイナー作にしてはまるで映画音楽を聴いているような感じにさせる2曲目、この時代にしては変幻自在なやや自由な部分と構築された部分が緻密に絡み合うジャズを超えた曲調の3曲目、比較的まったりとオーソドックスに進むミディアムの4曲目、ラテン調のリズムと自由なリード・ベースの動き回りで少し混沌さを生み出す4曲目、ゆったりと進んで、低音部がモーダルな雰囲気の、ちょっとエスニックな6曲目。(06年4月28日発売)

2006/07/08

Atlas/Maredith Monk

1491
Atlas/Maredith Monk(Cast: Voice)(ECM New Series 1491/92)(輸入盤) - Recorded June 1992. Cast(Voice): Carlos Arevalo, Thomas Bogdan, Victoria Boomsma, Janis Brenner, Shi-Zheng Chen, Allison Easter, Robert Een, Dina Emerson, Emily Eyre, Kaite Geissinger, Ching Gonzalez, Dana Hanchard, Wendy Hill, Stephern Kalm, Robert Osborne, Wilbur Pauley. Randall Wong, Orchestra: Kathleen Carroll(Viola), Arthur J. Fiasco Jr.(Cello), Anthony Pirollo(Cello), John Cipolla(Cl, Bcl), Susan Iadone(Vln), Cynthia Powell(Key), Darryl Kubian(Vln), Thad Wheeler(Per), Wayne Hankin(Sawn, Sheng, Recorder, Cond), Steve Lockwood(Key), James F. Wilson(French Horn) - Part 1: Personal Climate: 1. Overture(Out Of Body 1) 2. Travel Dream Song 3. Home Scene 4. Future Quest (The Call) 5. Rite Of Passage A 6. Choosing Companions 7. Airport Part 2: Night Travel: 8. Night Travel 9. Guide's Dance 10. Agricultural Comunity 11. Loss Song 12. Campfire/Hungry Ghost 13. Father's Hope 14. Ice Demons 15. Explorer #5/Lesson/Explorer's Procession 16. Lonely Spirit 17. Forest Questions 18. Desert Tango 19. Treachery (Temptation) 20. Possibility Of Destruction Part 3: Invisible Light: 21. Out Of Body 2 22. Other Worlds Revealed 23. Explorer's Junctions 24. Earth Seen From Above 25. Rite Of Passage B

(04/02/14)メレディス・モンク作の3つのパートに分かれている1つのオペラ、ということで、CDの中には、衣装をまとってオペラ歌劇をしている写真もいくつか。曲だけ聴いていると、相変わらず彼女の曲らしい突き刺さるような、時に叫ぶようなトンガリヴォイスと、エキゾチックなメロディ、語りなどが印象的。それでいて、淡々と繰り返されるメロディの部分に懐かしいものを感じる事も。クラシックサイドから見ればやはり前衛的なのかも。

In Munich/ジャック・ヴァン・ポール・トリオ

Jackmunich
澤野工房のCDも購入してから最近遅れ気味に聴くので、早めにアップしないとなあ、と思っていました。最近、何か無理して毎月リリースしているんじゃないか、と思われるフシがあります。昔はそれこそヨーロッパを中心にピアノ・トリオの新旧名盤をリリースしていたのに、自己プロデュースをはじめてから、それほどのカリスマ性がなくなってきたような気もしてます。今回聴いたこのアルバムも、好きな人は好きなんでしょうけれど、メンバーはいいのに、演奏に特に目新しさは感じられず、賑やかなアルバムだなあ、という印象が強かったでした。やっぱり澤野さんには、これだ、と思えるようなアルバムをリリースし続けてほしいですね。


In Munich/ジャック・ヴァン・ポール(P)・トリオ(澤野工房)
In Munich/Jack Van Poll(P) Trio(Atelier Sawano AS057) - Recorded November 27 and 28, 2005. Thomas Stabenow(B), Klaus Weiss(Ds) - 1. I Will Wait For You 2. St. Thomas 3. The Dragon 4. Don't Get Around Much Anymore 5. Caravan 6. All Of Me 7. The Nearness Of You 8. I Thought About You 9. Hymne A L'amour 10. You Are My Sunshine 11. John Brown's Body 12. Smile

ジャック・ヴァン・ポールの作曲はなく、スタンダード、ジャズメン・オリジナル、映画音楽などのオンパレード。12曲を比較的コンパクトにそれぞれまとめています。エンターテイメント型のピアノを弾く人ですが、3、6、9曲目のように静かな曲では、それなりに欧州のピアニストを意識させます。ただ、聴きやすい有名な曲を並べただけ、というような印象も。どうせならば繊細路線の曲を多めに聴きたいとも思います。1曲目のようにしっとりといくべき曲を、バリバリと4ビートで弾いていってしまうところなど、やっぱりエンターテイメントのタイプで、ちょっと昔のピアニストかな、と思わせます。ソニー・ロリンズ作の2曲目もノリノリで弾いてしまうところも彼らしい。8曲目はボッサ的な中間色表現。10-11曲目あたりはかなり陽気です。(06年5月26日発売)

2006/07/07

Oracle/Gary Peacock/Ralph Towner

1490
今日はギターとベースのデュオですが、ラルフ・タウナーのギターはクラシック・ギターか12弦ギターがメインになり、ちょっと変わった感触のサウンドになります。そこはベテラン同士、うまくECMらしい丁々発止のセッションができています。ちょっと地味かな、という印象も少しありますけれど、なかなか味もありますね。このアルバムはゲイリー・ピーコックがメインと考えて良いでしょう。


Oracle/Gary Peacock(B)/Ralph Towner(G)(ECM 1490) - Recorded May 1993. - 1. Gaya 2. Flutter Step 3. Empty Carrousel 4. Hat And Cane 5. Inside Inside 6. St. Helens 7. Oracle 8. Burly Hello 9. Tramonto

9曲中6曲がゲイリー・ピーコック(1-3、5-6、8)の、他の2曲はラルフ・タウナーの作曲。7曲目はやや激しい部分もあるインプロヴィゼーションのタイトル曲。ご存知の2人による組み合わせは、さりげなく難しいテクニックを使ってしまって聴き流してしまいそうですが、なかなか渋いデュオの演奏です。憂いを帯びたギターで息の合ったやり取りの1曲目、比較的速いパッセージで浮遊感も感じる2曲目、淡彩色系の8分の6拍子で進む3曲目、やや元気なコラボレーションが新鮮な感じの4曲目、やや無機的な感じもしてフレーズが飛び回る5曲目、牧歌的な雰囲気を持つゆったりした小品の6曲目、ちょっとハネるようなリズムが心地良い感じだけれども淡い8曲目、ラルフ・タウナー作で落ち着いたギターが前面に出る9曲目。

Crossfire/Steve Davis Sextet

1152
Criss Crossレーベル順番聴き5日目。ここでまた一段落です。ちょっと前のアルバムで、「One For All」の萌芽があったと思ったら、ここでは一部メンバーを変えてのスティーヴ・デイヴィスの再登場。、「One For All」はVenusはじめあちこちのレーベルに録音しているので、ここの専売特許ではないですが、それでももう少し後の方になると(1172番かな)出てきます。まあ、彼のちょっとまったりしたハードバップ的なトロンボーンもいい感じなので、特にグループにこだわっているわけではありませんけれど。しかし、どちらかというと強烈な刺激の欲しい私にとっては、このキャラクターでちょっとずつメンバーを変えての録音は、ちょっと地味かなあ、という感じもしますが。


Crossfire/Steve Davis(Tb) Sextet(Criss Cross 1152)(輸入盤) - Recorded December 9, 1997. Eric Alexander(Ts), Mike DiRubbo(As), Harold Mabern(P), Nat Reeves(B), Joe Farnsworth(Ds) - 1. Then And Now 2. From The Inside Out 3. Peacekeeper 4. Old Folks 5. Cousin Mary 6. Falling In Love With Love 7. This Nearly Was Mine 8. Con Alma

(06/06/17)全8曲中Steve Davis作は1曲目のみ。この人が演奏するとテクニックで攻めているより、やはりハードバップ色が強くなる感じもします。珍しくファンクビートのノリの良いオリジナルの1曲目、ゆったりとモーダルにはじまったと思ったら、複雑なテーマとかなりのアップテンポでソロが展開するMike DiRubbo作の2曲目、メロディアスでハードバップ的なボッサが心地良く響く一部5拍子もある3曲目、スタンダードでまったりとしたバラードからだんだん4ビートになる4曲目、ジョン・コルトレーン作でややアップテンポの各ソロが燃えているような進行の5曲目、メロディアスで明るいスタンダードを奏でる6曲目、ワルツのこれも明るめなスタンダードの7曲目、思い切りよくアップテンポでディジー・カレスピー作を料理する8曲目。

2006/07/06

While We're Young/John Abercrombie

1489
オルガン・トリオのジャズなのに、コテコテどころか、全然涼しくてスマートなジャズというのも珍しいでしょう。それがここにあります。涼しいというよりは、時には冷たい感じすらします。暑苦しくて汗にまみれて、というイメージが全然なくて、ECMならばこういうのもアリかな、と納得してしまいます。かといって静かなばかりではなくて、スリリングなフレーズで盛り上がる場面もちゃんと用意されています。それでもECMのサウンドカラーに包まれていて、なかなか温度感を上げていかないのが面白いところ。3人のメンバーの組み合わせの妙、ということもあるかもしれませんが。


While We're Young/John Abercrombie(G)(ECM 1489) - Recorded June 1992. Dan Wall(Org), Adam Nussbaum(Ds) - 1. Rain Forest 2. Stormz 3. Dear Rain 4. Mirrors 5. Carol's Carol 6. Scomotion 7. A Matter Of Time 8. Dolorosa

ジョン・アバークロンビー とダン・ウォールの曲が半々なので、実質双頭アルバムか。昔ながらのハモンドオルガンの音ですが、全体のサウンドはクールなまとまり。また、曲の構成もオルガンジャズの路線から大きく外れていて新鮮です。静かな場面からはじまって実に温度感の低い1曲目、持続音のオルガンがバックで2人のやや激しいフリー・インプロヴィゼーションが繰り広げられる2曲目、しっとりとした「雨」のようなゆったりめのバラードの3曲目、アップテンポの4ビートもあるけれども冷ややかでスリリングな4曲目、ちょっとジャジーながらも4ビートにはならない5曲目、ちょっとゆったりと包み込むように進む6曲目、浮遊感がありつつも哀愁もそこはかとなくある7曲目、静かながらもファンクっぽさを感じる沈んだ8曲目。

Philly-New York Junction/John Swana - Joe Magnarelli Sextet

1150
Criss Crossレーベル順番聴き4日目。今日はジョン・スワナとジョー・マグナレリの共演第1作のアルバムです。2人の違いはというと、スワナの方がシャープで温度感がやや低め、マグナレリの方が、ややまろやかな感じで温度感はちょっと高いかな、という風に、ある程度区別はつきます。ただ、アップテンポの曲をバリバリと演奏する場合には、やっぱり2人とも速いパッセージを事もなく吹きまくっているので、こういう場面では2人とも対等にやりあっている感じです。サックスのエリック・アレキサンダーがちょっと目立ちすぎかな、とも思うのですが、もうちょっと地味なホーンを用意した方が、と考えるのは、考えすぎでしょうか(笑)。


Philly-New York Junction/John Swana(Tp, Flh) - Joe Magnarelli(Tp, Flh) Sextet(Criss Cross 1150)(輸入盤) - Recorded June 4, 1998. Eric Alexander(Ts), Joel Weiskopf(P), Peter Washington(B), Kenny Washington(Ds) - 1. Fat Cat 2. In Balance 3. Growing Pains 4. Philly-New York Junction 5. Pannonica 6. I've Never Been In Love Before 7. Lollipops And Roses 8. Ugly Beauty 9. Buffalo

(06/06/17)John Swana作が1曲目、Joe Magnarelli作が3曲目、そして共作が4曲目。タイプが多少違いますがレーベルでは有名な2人のトランペットの共演が楽しめます。テーマがちょっと風変わりでアップテンポでソロをバリバリ吹いていく1曲目、Eric Alexander作のやはりアップテンポでハーモニーとソロを聴かせる2曲目、ちょっと浮遊感のある中間色系のボッサの3曲目、明るくメロディアスなハードバップという感じのタイトル曲の4曲目、Magnarelliがまったりとセロニアス・モンク作を演奏していく5曲目、メロディアスなスタンダードをアップテンポで吹きまくる6曲目、ミュートのかかった優しいワルツを奏でている7曲目、Swanaがしっとりと吹くやはりモンク作のバラードの8曲目、ケニー・ドーハム作のミディアムのブルースの9曲目。

2006/07/05

Criss Cross盤がまとめて届く

いつもCriss Cross盤を取り置きしていただいているCDショップが、ポイント制や値引きの変更で来月から値段が上がってしまうため、残りのCriss Cross盤を送ってもらうことにしました。すでに今月30枚届き、残り5枚も今月中に送ってもらう予定です。それが届いた時点で、廃盤3枚を除き、レーベルのコンプリートになる予定です。

ただ、未聴盤が73枚にもなってしまうので、逆にプレッシャーになってしまって、毎月10枚の予定で聴いていくことが可能なのか、ちょっと心配です。いずれにしても、頑張りたいと思います。

In The Evening Out There/Paul Bley, Gary Peacock, Tony Oxley, John Surman

1488
このアルバム、もう1枚(Adventure Playground)と同時期、同メンバーによる録音で、12曲中、ソロが8曲もあるところをみると、そのアルバムの余りテイクかな、とも思ったのですが、こういうベテランのメンバーがソロ、あるいはデュオなどでフリー・インプロヴィせーションをやると、なかなかどうして、スゴいものが出来上がります。ここはECMらしく内省的ではありますが、研ぎ澄まされていて、曲によっては氷のような感触もあります。ドシャメシャではないECM的冷たいフリーの世界を味わうには、けっこう良いアルバムなんじゃないのかな、とも思います。やはり好みはあるでしょうが。


In The Evening Out There/Paul Bley(P), Gary Peacock(B), Tony Oxley(Ds), John Surman(Bs, Bcl)(ECM 1488) -Recorded September 1991. - 1. Afterthoughts 2. Partrait Of A Silence 3. Soft Touch 4. Speak Easy 5. Interface 6. Alignment 7. Fair Share 8. Article Four 9. Married Alive 10. Spe-cu-lay-ting 11. Tomorrow Today 12. Note Police

Adventure Playground/John Surman(ECM 1463)と同時期、同メンバーの録音。演奏者の作曲なのでフリーか。こちらは4人の連名のアルバムですが、4人揃って演奏するのは5、8曲目のみで、あとはソロが7曲、デュオが3曲。それでもそれぞれのソロやデュオの演奏 もけっこういけます。美しいメロディのソロ・ピアノではじまり時にダイナミックな1曲目、内省的なベース・ソロの2、11曲目、無機的でスリリングなピアノ・ソロの3、9曲目、ベースとドラムスでベースがちょっと激しく語る4曲目、4人の演奏ながら非常に内省的な5曲目、バリトン・サックスの説得力あるソロの6曲目、やはりメカニカルで丁々発止のデュオの7曲目、緊張感をはらんでいるやり取りの8曲目、氷のような感覚の10曲目、叙情的でやや静かな12曲目。

Gentle Warrior/Tim Warfield Quintet

1149
Criss Crossレーベル順番聴き3日目。今日はTim Warfieldの3作目になります。このレーベル、白人と黒人といろいろな編成でアルバムが作られているのですが、今回の場合、おそらく全員が黒人なので、やはり黒っぽい音でせまってきます。私は興味の幅が広いので、人種によって区別をつけることはありませんけれど、音ってやっぱり違いが出てくるものだと思います。特にこのメンバーの中ではベースのTarus Mateenがそのサウンドを振りまく度合いが強く、他のメンバーも強さの度合いはあるにしろ、もちろん振りまいているので、そういう渋さがたのしめるのかな、とも思います。なかなかメンバーもいいですね。


Gentle Warrior/Tim Warfield(Ts) Quintet(Criss Cross 1149)(輸入盤) - Recorded December 15, 1997. Nicholas Payton(Tp on 2-3, 8), Terell Stafford(Tp on 6-7), Cyrus Chestnut(P), Tarus Mateen(B), Clarence Penn(Ds) - 1. I've Grown Accustomed To Your Face 2. Adonis 3. Subliminal Being 1 4. Contrast J. 5. Lani 6. The Grim Reaper's Rapture 7. Time To Let Go 8. Subliminal Being 2

(06/06/17)Tim Warfieldは8曲中5曲(2、4-7曲目)。このメンバーだと黒さも出てくるなかなかいい取り合わせ。大物ニコラス・ペイトンも3曲で参加しています。ワン・ホーンのクァルテットで穏やかかつメロディアスなバラードを奏でる1曲目、ちょっとミステリアスな雰囲気もある渋い少しアップテンポの4ビートの2曲目、Clarence Penn作のテーマ以外はスペイシーで、フリーのフォーマットに近いような部分もある、起伏のある進行の3、8曲目、かなりのアップテンポでバリバリとモーダルに攻めまくる4曲目、静かに語りかけるような落ち着いたワン・ホーンでのバラードの5曲目、出だしにフリーの部分もあってモーダルに展開していき、物語性のある壮大な19分台の6曲目、アップテンポでひたすらに前進していくパワフルな7曲目。

2006/07/04

Schattenwelt/Paul Giger

1487
Schattenwelt/Paul Giger(Vln)(ECM New Series 1487)(輸入盤) - Recorded may 1992. - 1. Bay Seven Scenes From Labyrinthos: 2. Dancing With The Stars 3. Crane 4. Creating The labyrinth 5. Birth Of The Bull 6. Fourteen Virgins 7. Death 8. Dancing In The World Of Shadows 9. Bombay (Good Night)

(04/01/19)全曲Paul Gigerの作曲で、1曲目、2-8曲目、9曲目というように分かれています。ヴァイオリンのソロではあるけれども、抽象的かつ幻想的な音を発していて、いわゆるクラシック的なメロディを拒むような雰囲気があります。1曲目はさりげなくはじまってさりげなく終わる3分の小品。次が7つの組曲で、クラシックでの時間軸に沿ったフリー・インプロヴィゼーションのような世界。実験的だったりややエキゾチックな場面も。

Inner Trust/David Kikoski Trio

1148
Criss Crossレーベル順番聴き2日目。今日はデヴィッド・キコスキーのこのレーベル第1作。やっぱり当時からあちこちのバンドに引っ張りだこだっただけあって、けっこうインパクトがありました。スタンダードがあるときに、原曲を重視して歌い上げていくパターンと、リハーモナイズやアレンジをしてしまって独創的に行くパターンがありますが、彼の場合多くの曲で後者になっています。それとフレーズの今っぽさ(メカニカルさ、特にアップテンポの曲のとき)と相まって、けっこう現代的なピアニストだな、と思います。もちろん叙情的な曲についてはそういう弾き方もできる、器用な面も持ち合わせているようですね。


Inner Trust/David Kikoski(P) Trio(Criss Cross 1148)(輸入盤) - Recorded December 19, 1997. Ed Howard(B), Leon Parker(Ds) - 1. Some Other Blues 2. Softly As In A Morning Sunrise 3. Mirical 4. Inner Trust 5. You Don't Know What Love Is 6. Two Lonely People 7. Once Upon A Summertime 8. We See 9. Old Folks 10. Winnie's Garden

(06/06/17)全10曲中David Kikoski作は3曲(3-4、10曲目)で、ジャズメン・オリジナルやスタンダード中心。現代的な個性でメカニカルな部分も強い感じ。そのメロディアスさとメカニカルさのあるスマートなブルースの1曲目、スタンダードを今っぽくスリリングに料理したアップテンポの2曲目、しっとり感が強くエキゾチックさもあって起伏のある3曲目、内省的と思ったら中盤でアップテンポで進行するタイトル曲の4曲目、しっとりとしながらもゆったりめのファンクのようにもなる5曲目、ビル・エヴァンス作をリリカルに演奏する6曲目、ソロ・ピアノで叙情的に歌う7曲目、セロニアス・モンク作を彼流に陽気に仕上げていく8曲目、じっくりとフレーズを紡ぎ上げていくバラードの9曲目、リズムや、その間が面白く4ビートにもなる10曲目。

2006/07/03

私的上半期ベスト3

今年の私的上半期ベスト3は、

「アルティメット・アドヴェンチャー/チック・コリア」(Stretch)
「サウダージス/トリオ・ビヨンド」(ECM)
「インダストリアル・ゼン/ジョン・マクラフリン」(Verve)
に勝手に決めてしまいました(笑)。でも他に少なくともお2人は、全く同じ事を言っている方がいて、まあ、妥当なセンではないかと思います。

次点で「サンガム/チャールス・ロイド」(ECM)「ミュージックリーム/フライド・プライド」(Victor)が私の場合、来ると思いますが、まだ上半期分、聴き終わってないんですよね(笑)。

ただ、要注意なのは、上記のアルバムでメインストリームの4ビートジャズはほとんどないということです。どちらかというとフュージョンのアルバムもあります。まあ、個人的な好みということで、お許し下さい。

今日現在未聴盤はCriss Crossが48枚(これは値上げを見越してまとめ買いしてあったものもあります)、国内盤新譜9枚、輸入盤13枚となっています。

To The Evening Child/Stephan Micus

1486
ECMを聴いていくとけっこういろいろなアルバムに出くわすもので、このステファン・ミカスは、ECMから、それ以前には傍系レーベルのJAPOから何枚もアルバムを出していますが、どう聴いても民族音楽であって、ジャズには聴こえません。ここでもずっとゆったりとした地中海世界あたりの民族音楽をちょっと無国籍的にしたような感じ。それでも聴いてしまったからには紹介しなければ気がすまない性格ですので、お許し下さい。形式的にはジャズのカテゴリーに入れてしまいましたが、ヒーリング系や民族音楽系に分類した方が良かったかもしれません。高ぶった神経には、効きますよ(笑)。


To The Evening Child/Stephan Micus(Voice, Steeldrum, Dilruba, Suling, Kortholt, Nay, Sinding)(ECM1486)(輸入盤) - Recorded January and February 1992. - 1. Nomad Song 2. Yuko's Eyes 3. Young Moon 4. To The Evening Child 5. Morgenstern 6. Equinox 7. Desert Poem

全てステファン・ミカスの作曲。スチール・ドラムがメインの、聴き慣れない名前の楽器も使用した一人多重録音の演奏で、地中海あたりの民族音楽という感じのサウンド。ヴォーカルをとっている曲(1、3-4、7曲目)もあり、これはこれでエキゾチック。でも、ジャズからだいぶ遠い位置。スティール・ドラムがこんなエキゾチックだったかと思うほどの響きを持ち、ヴォーカルがまた異国的な1曲目、スペイシーな、時に日本に近い感傷を持つ2曲目、適度な哀愁を感じるゆったりとした3曲目、スティール・ドラムを11回重ねた、それでいて管楽器?も出てきて牧歌的哀愁を持つタイトル曲の4曲目、日本的な感じもする小品の5曲目、素朴でスローな音色が異世界へ誘い込んでいく6曲目、いきなり明るい世界があらわれる7曲目。

Sleepless Nights/Walt Weiskopf Sextet

1147
新譜を先日聴いたので、久しぶりにCriss Crossレーベル順番聴き1日目。今日はウォルト・ワイスコフですが、フレーズもメロディアスというよりはメカニカルな感じで、けっこうマニア受けするサックスかな、と思っていたら、CDのオビに「バディ・リッチのビッグ・バンド、秋吉敏子のジャズ・オーケストラ、フランク・シナトラのオーケストラでも活躍」(当時)とあり、譜面が読めて、状況に応じてソロなどの雰囲気も変えられる器用な人なのだな、と改めて思いました。まあ、最近はこういうミュージシャンが増えているわけなんですが。今回のアルバムは3管のハーモニーが独特の綾織り系サウンドで、全体のサウンドに対する彩りも良く、けっこう印象に残りました。


Sleepless Nights/Walt Weiskopf(Ts) Sextet(Criss Cross 1147)(輸入盤) - Recorded December 16, 1996. Andy Fusco(As), Conrad Werwig(Tb), Joel Weiskopf(P), James Genus(B), Billy Drummond(Ds) - 1. Inner Loop 2. Come Rain Or Come Shine 3. Mind's Eye 4. Jazz Folk Song 5. Wishing Tree 6. Liberian Lullaby 7. With You, With Me 8. Sleepless Nights

(06/06/17)Walt Weiskopf作は全8曲中7曲。相変わらずフレーズや作曲は現代的に入り組んだものが多い。ここでは3管のハーモニーを生かしています。複雑で寒色系のスピーディーなテーマから、アドリブではテンポを変化させながら4ビートで進んでいくややこしい1曲目、唯一のスタンダードですが浮遊感のあるハーモニーのつくバラードの2曲目、出だしと後半はボッサのような、中間部では変則的なベースラインに沿って不思議なリズム(7拍子系?)で進む3曲目、哀愁漂うマイナーのややアップテンポで進む4曲目、やはり浮遊感のある薄暮のワルツの5曲目、モーダルな暗さを引きずっているややアップテンポの6曲目、バラードだけれどもミステリアスな感じの7曲目、ハーモニーが印象的な5拍子のタイトル曲の8曲目。

2006/07/02

Folly Seeing All This/Michael Mantler

1485
Folly Seeing All This/Michael Mantler(Tp)(ECM 1485)(輸入盤) - Recorded June 1992. The Balanescu Quartet: Alexander Balanescu(Vln), Clare Connors(Vln), Bill Hawkes(Viola), Jane Fenton(Cello), Rick Fenn(G), Wolfgang Puschnig(Afl), Karen Mantler(P, Voice), Dave Adams(Vib, Chimes), Jack Bruce(Voice) - 1. Folly Seeing All This 2. News 3. What Is The Word

(02/02/11)マイケル・マントラーのECM第1作。彼の作曲した曲ばかりですが、サウンド的には弦楽四重奏団を配してNew Series(つまりクラシックや現代音楽)に近い感触があります。エレキ・ギターが参加していたりして、必ずしもクラシック的というわけでもありませんが。1曲目は沈んだ色調ながら何と28分台の長尺な演奏で、展開は淡いながらもドラマチックな感じ。時おりあらわれるトランペットやエレキギターが哀愁を誘います。2曲目は11分台の曲ですが、その暗く沈んだ哀愁調は1曲目からつながっているような印象があります。こちらの方が盛り上がりが大きい感じ。3曲目は何とジャック・ブルースとカレン・マントラーのヴォーカル入りの曲。こちらも陰りのある蒼い味わいがあります。

インダストリアル・ゼン/ジョン・マクラフリン

Johnindust
ジョン・マクラフリンのフュージョン作品か、と思っていたら、まわりで聴いた人がこれはスゴいと言いはじめたんですね。早めに購入して聴いたら、やっぱりこの人、スゴいなあと思わせるほどのハード・フュージョンでした。しかも、特に曲ごとにベーシストやドラマーを使い分けている贅沢さ。曲によってはタブラなんかも入ったりして強烈にテクニカルなビートが打ち出されるので、半分ノックアウトされたような感じです。もちろん静かな場面も独特な味わいがあります。個人的にはハードな曲の方が好きですけど、この歳でこういう激しい現代的なサウンドを創りだせる、マクラフリン、やっぱりタダモノではありません。


インダストリアル・ゼン/ジョン・マクラフリン(G、Prog)(Verve)
Industrial Zen/John McLaughlin(G, Prog)(Verve) - Released 2006. Bill Evans(ss, Ts), Gary Husband(Key, Ds), Hadrian Feraud(B), Mark Mondesir(Ds), Eric Johnson(B), Vinnie Colauta(Ds), Ada Rouvatti(ss, Ts), Dennis Chambers(Ds), Zakir Fussain(Tabla), Tony Grey(B), Matthew Garrison(B), Otmaro Ruiz(Synth), Shankar Mahadevan(Vo) - 1. For Jaco 2. New Blues Old Bruise 3. Wayne's Way 4. Just So Only More So 5. To Bop Or Not To Be 6. Dear Dalai Lama 7. Senor C.S. 8. Mother Nature

全曲ジョン・マクラフリン作曲ないしは共作。曲ごとに豪華な顔ぶれがかわる、上質なハード・フュージョン。しかもタブラやヴォーカルなど、曲によりインドの風味も少し。ハードでスピーディーなノリで、フレットレス・ベースがジャコに捧げられた1曲目、エリック・ジョンソン参加のゆったりしたファンク・ブルースといった感じの前後が静かな2曲目、エキゾチックな浮遊感のあるテーマを持っているエスニ・ファンクの3曲目、素朴にはじまって中盤でゴリゴリ盛り上がっていく4曲目と、同様な展開を見せる12分台もの6曲目、やや憂いのあるファンクのマイケル・ブレッカーに捧げられた5曲目、ファンクの上を哀愁のギターが漂う7曲目、個性的なヴォーカルのある打ち込みが満載の8曲目。デニス・チェンバースは3、5-6曲目に参加。(06年6月7日発売)

2006/07/01

検索順位は影響あるのかないのか

私のメインのホームページですが、Googleで「ジャズ」で検索すると上位10以内に入ります。検索エンジンは時間が経つにつれて上がったり下がったりしますけれど、今のところここ「インプレッションズ」や「ジャズ Blog」で検索しても上位10位以内(「ジャズ Blog」ではトップ)で検索されます。なぜ、そういう風に上位に表示されるのか、特に専門的に検索エンジン対策というのをやっていないから分かりませんが、経験的に、こうすれば上のほうに行くんじゃないか、というのを何となくやっている、という感じです。((注)その後下がっていくことになるのですが。)

ジャズのことをやっているのだからタイトルに「ジャズ」の文言は欠かせないよな、とか、積極的ではないにしろ、同種のホームページ、Blogとの相互リンクの受け入れなど、その程度のことですけど。

仕事のホームページの方は「税理士事務所」で検索すると、10数番目から50数番目あたりを行ったり来たり。でも、全国レベルでの仕事でないので、そこで地域名も足すとおおむねかなり上位に表示されます。ただ、それで、お客さんからの取引要求がけっこうくるかというと、そうでもなくて、たまに引き合いがあるかという程度です。仕事の方が検索エンジンに対する依存は大きくても、その程度。トップページのアクセス数も20-30/日程度なんですね。よく、お金を払ってまで検索エンジン対策をやっている方がいますけれど、当方にはあまりメリットがないことがここから分かります。だからWeb関係は仕事も手作り。お金をかけて見栄えは立派でも、画一的なホームページになってもしようがないですしね。
(注)業界によってはSEO(検索エンジン)対策の熾烈な戦いがある業界も多いようですね。

ジャズ関係のホームページ、ブログの方は、まあ検索がなかなか出てこないよりは上位に表示されてありがたいかなあ、という程度ですけれど、表示されようとしてもなかなかされない人も多い中、こういう感想では贅沢かなあ、と思ってみたり。

Hal's Bells/Hal Russell

1484
今日はちょっと前にも出ていたハル・ラッセルの、ひとり多重録音フリージャズです。やっぱりプロデューサーはスティーヴ・レイク。ハル・ラッセルのこういう方面だと、とにかく外に発散するフリーが多いのですが、ここでは一人での演奏をして音を重ねていくことによって、曲や場面によっては内省的な部分も見せています。それにしても、このおじいちゃん、かなりツッパッていて、トンガッている人だなあと思います。もちろん、フリーに免疫がない人が聴くと、卒倒する部分もありそうで、そういう意味では聴く人を選ぶアルバム。ただ、ECMレーベルだもの、ある程度皆さん覚悟はできて購入する、という気持ちだと思いますが(笑)。


Hal's Bells/Hal Russell(Ts, Ss, Tp, Dr, Vib, Per, Voice, etc.)(ECM 1484) - Recorded May 1992. - 1. Buddhi 2. Millard Mottker 3. Portrait Of Benny 4. Strangest Kiss 5. Susanna 6. Carolina Moon 7. Kenny G 8. I Need You Know 9. For Free 10. Moon Of Manakoora

6、10曲目を除きハル・ラッセルの作曲で、彼の初のソロ・アルバム。といっても当時65歳。元気な一人多重録音フリージャズで、時に内省的な部分も。一体どこにそんなエネルギーが残っているのか。マリンバのような音の重積と管楽器のいななきのような中間部の1曲目、調子っぱずれのホーンのテーマ、ドラムスとのデュオの2曲目、トランペットがうごめいているようなやや静かな3曲目、サックスがメインでエキゾチックなフリーとでも言うべき4曲目、ソプラノサックスが舞い飛ぶ5曲目、どう聴いてもサックスのフリーに聴こえる6曲目、タイトルを意識してか、いく分メロディのある7曲目、ヴァイブラホンのソロで静かに語りかける8曲目、ホーンがドシャメシャに暴れまわる9曲目、メロディらしさとフリーが交錯している10曲目。

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